発表年:1972年
ez的ジャンル:N.Y.サルサ/ラテン
気分は... :サルサで更生!
ニューヨーク・サルサ/ラテンを代表するピアニストEddie Palmieriの名ライヴ盤Eddie Palmieri With Harlem River Drive『Recorded Live At Sing Sing』(1972年)です。
Eddie Palmieriに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の5枚です。
『Vamonos Pal Monte』(1971年)
Harlem River Drive『Harlem River Drive』(1971年)
『Sentido』(1973年)
『The Sun Of Latin Music』(1974年)
『Unfinished Masterpiece』(1975年)
本作『Recorded Live At Sing Sing』(1972年)は、タイトルにあるように、ニューヨーク州のシンシン刑務所での慰問ライヴを収録したライヴ・アルバムです。ちなみにシンシン刑務所は、多くの凶悪犯罪者を収容する最高度の警備レベルを誇る刑務所です。
そんな特殊な会場で行われたライヴですが、犯罪者達を熱狂させた演奏は、N.Y.サルサ/ラテン史に残る名ライヴとして高い評価を得ています。
Eddie Palmieri(p)以下、Ray Maldonado(tp)、Jose Rodriguez(tb)、Ronnie Cuber (sax)、Harry Viggiano(g)、Andy Gonzalez(b)、Ray Romero(congas)、Jerry Gonzalez(per)、Charlie Santiago (timbales)、Nicky Marrero(bongos)、Reggie Barnes(ds)、Hank Anderson(fender b)、Cornell Dupree(g)といったミュージシャンがHarlem River Driveのメンバーとしてクレジットされています。
また、ヴォーカル陣としてIsmael Quintana、Arturo Campa、Arturo Franquizが参加しています。
さらにスペシャル・ゲストとして、兄Charlie Palmieri(org)をはじめ、Jimmy Norman(vo)、Alvin Taylor(vo)、Lorene Hanchard(vo)等の名がクレジットされています。
実質、演奏しているのは4曲ですが、「Pa La Ocha Tambo」、「V.P. Blues」、「Azucar (Part 2 And Part 3)」という10分超の演奏はどれもエキサイティングであり、N.Y.サルサ/ラテンの醍醐味を堪能できます。特に「Azucar (Part 2 And Part 3)」のクロスオーヴァーなハードドライヴ・サウンドの格好良さはサイコーです。
犯罪者達を熱狂させたN.Y.サルサ/ラテン絶頂期の演奏をご堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Introduction」
Joe GainesによるMC。
「Pa La Ocha Tambo」
Eddie Palmieri作。N.Y.サルサらしい哀愁グルーヴですが、Palmieriのエレピのせいか、熱狂の中にもクールな洗練を感じます。サルサ・グルーヴに乗った哀愁ヴォーカルと鮮やかなホーン・アンサンブルに続き、主役Eddie Palmieriのソロも大きくフィーチャーされ、聴衆が盛り上がります。本作の熱狂が凝縮されたオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=w8fPvB6w2PY
「V.P. Blues」
Eddie Palmieri/Victor Venegas作。ジワジワと高揚させていくインスト・サルサ・グルーヴ。各プレイヤーの簡潔なソロも含めて、クールなのにエキサイティングなのが格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eS_aRUqVpvU
「Muneca (New Version)」
Eddie Palmieri作。王道の哀愁サルサ・グルーヴ。サルサらしいコーラスワーク、ホーン・アンサンブルで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9uPIz8i8xBU
「Introduction」
Paquito NavarroによるMC。
「Jibaro/My Pretty Nigger」
ここは演奏ではなく(多分)スタンダップ・コメディで盛り上げます。
「Azucar (Part 2 And Part 3)」
Eddie Palmieri作。本作のハイライトに挙げる人も多いであろうHarlem River Driveらしいスリリングなハードコア・ラテン・グルーヴ。サルサ/ラテンに収まらないクロスオーヴァーなハード・ドライヴ・サウンドを満喫できます。ヴォーカルはJimmy Norman。Cornell Dupreeのファンキー&ハードなギター、Charlie Palmieriの覚醒的なオルガンも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=L-vbrVvlmtg
1974年には本作の続編『Recorded Live At Sing Sing Vol. 2』がリリースされていますが、CDでは入手しづらい模様です。
Eddie Palmieriの70年代の諸作もチェックを!
『Justicia』(1969年)
『Superimposition』(1970年)
『Vamonos Pal Monte』(1971年)
Harlem River Drive『Harlem River Drive』(1971年)
『Sentido』(1973年)
『In Concert at the University of Puerto Rico』(1973年)
『The Sun Of Latin Music』(1974年)
『Unfinished Masterpiece』(1975年)
『Lucumi, Macumba, Voodoo』(1978年)