2019年01月08日

The Beau Brummels『Bradley's Barn』

元祖フォーク・ロック・バンドのカントリー・ロック☆The Beau Brummels『Bradley's Barn』
the beau brummels bradley's barn.jpg
発表年:1968年
ez的ジャンル:USカントリー・サイケ・ロック
気分は... :Leon Russellが重なる・・・

今回は60年代に活躍したUSフォーク・ロック・バンドThe Beau Brummelsがカントリー・ロックにアプローチした『Bradley's Barn』(1968年)です。

The Beau Brummelsは1964年にサンフランシスコで結成されたグループ。The Byrdsに先駆けてフォーク・ロックを演奏していたバンドとして再評価されているグループです。

オリジナル・メンバーはSal Valentino(vo)、Ron Elliott(g)、Declan Mulligan(g)、Ron Meagher(b)、John Petersen(ds)という5名。

1964年にシングル「Laugh, Laugh」でデビュー。USシングル・チャート第15位のヒットとなりました。続く2ndシングル「Just a Little」も同チャート第8位のヒットとなっています。これらヒット・シングルはデビュー・アルバム『Introducing the Beau Brummels』(1965年)に収録されています。同じ1965年には早くも2ndアルバム『The Beau Brummels, Volume 2』(1965年)をリリースしています。

その後Warner Brosへ移籍し、『Beau Brummels '66 』(1966年)、『Triangle』(1967年)、そして本作『Bradley's Barn』(1968年)といったアルバムをリリースしますが、商業的成功を収めることができず1968年に解散してしまいます。その後、1975年にリユニオン・アルバム『The Beau Brummels』(1975年)をリリースしています。

ヒットしたのは初期作品ですが、アルバム単位ではサイケ・フォーク・ロック色の強い『Triangle』(1967年)、カントリー・ロックにアプローチした『Bradley's Barn』(1968年)の再評価も高いのでは?

本作『Bradley's Barn』(1968年)は、同じ1968年にリリースされたカントリー・ロック名盤として知られるThe Byrds『Sweetheart Of The Rodeo』と同じくナッシュビルでレコーディングされたアルバムであり、録音スタジオBradley's Barnの名をそのままアルバム・タイトルにしています。

前作『Triangle』(1967年)でSal Valentino(vo)、Ron Elliott(g)、Ron Meagher(b)で3人組となったThe Beau Brummelsですが、本作ではSal ValentinoRon Elliottのデュオになってしまいます。

プロデュースはLenny Waronker

レコーディングにはJerry Reed(g)、Wayne Moss(g)、Norbert Putnum(b)、David Briggs(key)、Kenny Buttrey(ds)といったナッシュビルの名うてのセッション・ミュージシャンが参加しています。

当ブログで何度も述べていますが、僕はカントリーが苦手であり、正直The Byrds『Sweetheart Of The Rodeo』もビミョーです。

しかしながら、本作にはカントリー苦手の僕も惹かれる魅力があります。今回記事を書くに際して、改めて本作とThe Byrds『Sweetheart Of The Rodeo』を聴き直してみましたが、やはりダントツで本作の方が好きですね。

僕の場合、カントリーのイモ臭い部分が苦手なのですが、本作にはそういうイモ臭さを感じません。その大きな要因は、Leon Russellとイメージが重なるSal Valentinoのヴォーカルと、カントリーにサイケ等のエッセンスも織り交ぜた一筋縄ではいかないサウンドかもしれません。

今回改めて聴き直して、Leon Russell好きの僕だから、本作がしっくりくることが分かりました。

Randy Newman作の「Bless You California」以外はメンバー及びRobert Durandによるオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Turn Around」
本作らしいサイケなカントリー・サウンドを楽しめるオープニング。サイケな空気と枯れたレイドバック感の融合が素晴らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RAA8R-BunyA

「An Added Attraction (Come And See Me)」
ブルージーなカントリー・サウンドが魅力です。Sal Valentinoの歌い回しがMick Jaggerのように聴こえるのは僕だけでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=pA-jF7KUUTQ

「Deep Water」
スワンプ大将Leon Russellを先取りしたかのような曲調&ヴォーカルのサイケ・カントリー・ロック。
https://www.youtube.com/watch?v=zDK2PEDq0o0

「Long Walking Down To Misery」
一歩間違えるとイモ臭いカントリーに陥りそうですが、そうならないのは巧みなバッキングとSal Valentinoのヴォーカルのおかげかもしれません。ハープシコードがアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=p2Um39uCm28

「Little Bird」
気取らないレイドバック・サウンドと味わい深いSal Valentinoのヴォーカルが格好良い、酒が進む1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=HTzEKYDGQqs

「Cherokee Girl」
ストリングスを配し、緩急をつけたカントリー・ロック・サウンドでダイナミックに展開します。少しやり過ぎ感もありますが、楽しめる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=EgLFbvmYE98

「I'm A Sleeper」
派手さはありませんが、1曲の中にドラマがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=OdXMthJKW7Y

「The Loneliest Man In Town」
予備知識がなければ、Leon Russellによるホンキートンク・チューンと勘違いしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=OQb5Z5rWwCE

「Love Can Fall A Long Way Down」
アルバムで最もドライヴ感のある仕上がり。David Briggsのオルガンが60年代後半の西海岸サイケっぽくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yFOo8lFX7jI

「Jessica」
この曲もSal Valentinoの歌い回しがLeon Russell調なのがいいですね。終盤に雰囲気が変わるのもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=tHrA-S2gC-k

「Bless You California」
ラストはRandy Newman作品。一癖あるRandy Newman作品を見事にカヴァーしていますが、本作の雰囲気にはフィットしていないかも?
https://www.youtube.com/watch?v=FDTrkEqmCUs

The Beau Brummelsの他作品もチェックを!

『Introducing the Beau Brummels』(1965年)
イントロデューシング・ボー・ブラメルズ

『The Beau Brummels, Volume 2』(1965年)
Volume 2

『Beau Brummels '66 』(1966年)
Beau Brummels 66

『Triangle』(1967年)
Triangle

『The Beau Brummels』(1975年)
Beau Brummels

『San Fran Sessions』(1996年)
San Fran Sessions

『Live!』(2000年)
Live!
posted by ez at 02:12| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする