発表年:2009年
ez的ジャンル:フィンランド産クラブジャズ
気分は... :センスメイキング!
ヨーロッパのNu Jazzシーンを牽引したフィンランドの人気ジャズ・バンドThe Five Corners Quintet(FCQ)のメンバーであったサックス奏者Timo Lassyの2ndソロ・アルバム『Round Two』(2009年)です。
1974年フィンランド、ヘルシンキ生まれのTimo Lassyの紹介は、1stソロ・アルバム『The Soul & Jazz Of Timo Lassy』(2007年)に続き2回目となります。
FCQは2012年に活動休止していますが、その後も精力的に活動するTimo Lassy。昨年、最新アルバム『Moves』をリリースし、健在ぶりを示してくれました。
2ndソロとなる本作『Round Two』(2009年)には、名義にあるように人気US男性ジャズ・シンガーJose Jamesをフィーチャリングしています。ただし、全面参加というわけではなく、彼が参加しているのは2曲のみです。
プロデュースは前作『The Soul & Jazz Of Timo Lassy』(2007年)と同じく、FCQの同僚Teppo Makynen(Teddy Rok)。
レコーディングにはTimo Lassy(ts、bs)、Jukka Eskola(tp)、Antti Lotjonen (b)、Teppo Makynen(ds)というFCQの同僚はじめ、Georgios Kontrafouris(p)、Mikko Mustonen(tb)、Ari Jokelainen(as)、Abdissa Assefa(per)といったメンバーが参加しています。
楽曲はすべてTimo Lassyのオリジナルです(Jose Jamesとの共作2曲を含む)。
ハイライトはJose James参加の「The More I Look At You」、「Ya Dig」ですね。R&Bフィーリングに溢れた2曲の格好良さは格別です。
それ以外であれば、ラテン・テイストのモーダル「Backyard Puma」、アフロ・ラテンなスピリチュアル・ジャズ「Deeper Into」、ジャズ・サンバな「Shifting Winds」がおススメです。
目新しさはありませんが、Timo Lassyをはじめとする参加メンバーのセンスの良さにグッとくる安定感のあるクラブジャズ作品です。
全曲紹介しときやす。
「The More I Look At You」
Jose Jamesをフィーチャーした1曲目。Joseの少し気取ったR&Bフィーリングのジャズ・ヴォーカル、Timoを含む格好良いホーン・アンサンブル、ラテン・ビートと8ビートを織り交ぜたリズム隊が見事に調和した絶品のオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=OprMTRpWwl8
「Buzz Beater Stomp」
ノスタルジックな雰囲気を逆手にとった演奏を楽しめます。ホーン隊をはじめとする各メンバーのソロ回しを満喫できます。
「Ya Dig」
Jose Jamesをフィーチャーした2曲目。Joseのブラック・フィーリングに溢れたヴォーカルを活かしたソウル・ジャズ。決して熱くなりすぎず余裕のある演奏が格好良いですね。Timoを含む鮮やかなホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=B8m1zWj8Bv8
「Backyard Puma」
ラテン・テイストのモーダルな演奏です。ミステリアス&エキゾチックな雰囲気はいいですね。パーカッシヴなのも僕好み!
「Deeper Into」
アフロ・ラテンな土着的フィーリングのスピリチュアル・ジャズ。クラブジャズ経由のスピリチュアル・ジャズといった趣がいいですね。
「Fooling Rosetta」
リラックス・ムードのハードバップ。3管ソロも含めてメンバーが演奏を楽しんでいる様子が伝わってきます。
「Some Love」
Timoのジェントルなブロウが印象的なバラード。演奏全体にソウル・フィーリングが効いています。
「Shifting Winds」
クラブジャズらしいジャズ・サンバ。フロア・ライクにし過ぎず、オトナのジャズとして楽しめる感じがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Bb5KnMZT628
「Ya Dig (Instr)」
「Ya Dig」のインスト・ヴァージョン。Joseのヴォーカル入りヴァージョン以上にダンサブル感があります。
Timo Lassyの他作品もチェックを!
『The Soul & Jazz Of Timo Lassy』(2007年)
『In With Lassy』(2012年)
『Love Bullet』(2015年)
『Moves』(2018年)