2019年01月28日

Aldemaro Romero『Istituto Italo-Latino Americano/Roma』

イタリア録音のオンダ・ヌエヴァ☆Aldemaro Romero『Istituto Italo-Latino Americano/Roma』
イスティトゥート・イタロ=ラティーノ・アメリカーノ
発表年:1976年
ez的ジャンル:オンダ・ヌエヴァ
気分は... :偽りの個人主義を越えて・・・

今回はベネズエラの偉大な音楽家Aldemaro Romeroが提唱した音楽スタイル"Onda Nueva"の1枚、『Istituto Italo-Latino Americano/Roma』(1976年)です。

ベネズエラ、ヴァレンシア出身のプロデューサー/アレンジャー/コンポーザー/ピアニストであり、ボサノヴァ、ラテン・ポップス、フォルクローレ、ソフトロック、ジャズ、クラシックなどを融合させたイージー・リスニング的な音楽スタイル"Onda Nueva"を提唱したAldemaro Romero(1928-2007年)について、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『El Fabuloso』(1971年)
 『Aldemaro Romero And His Onda Nueva』(1972年)
 『La Onda Maxima』(1972年)

本作『Istituto Italo-Latino Americano/Roma』(1976年)は、タイトルから察しがつくように、イタリア録音作品であり、ヴォーカルもイタリア語で歌われます。

しかしながら、サウンド的にはOnda Nuevaそのものであり、Aldemaro Romero作品のファンであれば文句なしに楽しめる内容です。

ブラジル人シンガー・ソングライターJoao Nogueiraの作品「Ese Mar Es Mio」、参加メンバーFrank Quintero/Angela Tarenzi作の「Buenos Deseos」の2曲以外はRomeroのオリジナルです(Angela Tarenzi等との共作含む)。

多分、ソングライティング面で本作に貢献しているイタリア人女性シンガーAngela Tarenziがレコーディングにも参加しているのではと推察されます。

CDにはオリジナル12曲に加え、ボーナス・トラック5曲が追加収録されています。

CD全体としてはブラジリアン・ソフトロック調の楽曲が多いですが、Onda Nuevaならではの美学/エレガントさで貫かれたアレンジ&コーラスワークが魅力です。

ボートラ5曲も含めて、すべてが絶品!至極のオンダ・ヌエヴァを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Ese Mar Es Mio」
Joao Nogueira作。ポップでキャッチーなオープニング。ポジティブなヴァイヴとキュートな女性ヴォーカルがグッド!

「Irene」
シタールによるオリエンタル・エッセンスを加えた1曲。オンダ・ヌエヴァの懐の深さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=asWiHebiG0I

「Tonta, Gafa Y Boba」
Sergio Mendesをはじめとするブラジリアン・ソフトロックがお好きな人であれば気に入るであろう1曲。エレガント躍動にするピアノと爽快男女コーラスの組み合わせがサイコー!

「Tu Y Yo」
オトナの素敵な男女コーラスで魅了するエレガントなオンダ・ヌエヴァ。ソフトロック好き、コーラス好きの人はグッとくるはず!

「Buenos Deseos」
メロウ・ギターが牽引するサウダージ・モードの哀愁グルーヴ。一人黄昏ながら思い出に浸って聴きたい気分の仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=WeYMez78phI

「El Gavilan」
ハンドクラップも入って躍動するジャズ・サンバ×ラテンなダンサブル・チューン。小気味良さが魅力です。

「D'Improvviso」
ジャズ・サンバ調のロマンティックなメロウ・グルーヴ。品格のあるサウンド&男女コーラスがいいですね。

「Tonta Come Un'Oca」
CDボーナス・トラック。ソフトロック調の仕上がり。ラテンならではのポップ&キュートな魅力に溢れています。

「Cosi Sei Tu」
Sergio Mendes好きの人は気に入るであろうボッサなメロウ・チューン。エレガントな緩急のアクセントがいいですね。

「La Vita E Un'Avventura」
キュートな女性ヴォーカルを中心に爽快に疾走するブラジリアン・メロウ・グルーヴ。スタイリッシュで華のある1曲に仕上がっています。

「Mulattiera」
ブラジリアン・ソフトロック調の仕上がりですが、ヴォーカル&演奏全体からエレガントさが伝わってくるのがオンダ・ヌエヴァかもしれませんね。

「Pero ... L'Amore Come Lo Fai Tu」
CDボーナス・トラック。Romeroの小粋なピアノと優雅な男女コーラス織り成すムーディーなオトナのソフトロックに仕上がっています。

「Voglio Vedere Spuntare I Fiori」
CDボーナス・トラック。メロウ・ギターと共に哀愁モードで疾走します。哀愁スキャットとボッサ×フォルクローレな感じがいいですね。

「Cio Che Conta」
本作らしいエレガントなブラジリアン・ソフトロック調の仕上がり。優雅なSergio Mendesといった趣がいいですね。

「Un Bambina Grande」
CDボーナス・トラック。哀愁モードのジャズ・サンバ。オンダ・ヌエヴァの美学のようなものを感じます。

「La Bugiarda」
ジャズ・サンバ調のビートに乗って、Romeroの小粋なピアノが躍動するブラジリアン・ソフトロック調の仕上がり。Sergio Mendes好きの人には間違いない1曲。

「Tu Sei Speciale Tu Sei Tu」
CDボーナス・トラック。ラストは女性ヴォーカルによる美しくも切ない哀愁バラードで締め括ってくれます。

Aldemaro Romeroの他作品もチェックを!

Monna Bell & Aldemaro Romero『La Onda Nueva En Mexico』(1970年)
La Nueva Onda Nueva En Mexico

Aldemaro Y Su Onda Nueva『El Fabuloso』(1971年)
エル・ファブローゾ

Aldemaro Romero And His Onda Nueva『Aldemaro Romero And His Onda Nueva』(1972年)
aldemaro romero and his onda nueva.jpg

Aldemaro Romero Y Su Onda Nueva『La Onda Maxima』(1972年)
ラ・オンダ・マキシマ

Aldemaro Romero Y Su Onda Nueva『Toma Lo Que Te Ofreci』(1974年)
TOMA LO QUE TE OFRECI
posted by ez at 01:15| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする