2019年02月22日

Willie Bobo『Bobo's Beat』

記念すべき初リーダー作☆Willie Bobo『Bobo's Beat』
ボボズ・ビート
発表年:1963年
ez的ジャンル:N.Y.ラテン・ジャズ
気分は... :ラテンで活性化・・・

月曜から嵐の1週間を覚悟していましたが、昨日はさまざまな出来事が集中し、心身共に疲労困憊・・・こんなときはラテンな音で活性化しよう!

今回はラテン・パーカッション/ティンバレス奏者Willie Boboの初リーダー作『Bobo's Beat』(1963年)です。

N.Y.スパニッシュ・ハーレム出身のニューヨリカンWillie Bobo(本名:William Correa)(1934-1983年)に関して、当ブログでこれまで紹介したのは以下の4枚。

 『Uno Dos Tres 1-2-3』(1966年)
 『Juicy』(1967年)
 『Bobo Motion』(1967年)
 『Bobo』(1979年)

Mongo Santamariaと共に、Tito Puente楽団、Cal Tjaderのクインテットで活躍し、その後Herbie Mannの楽団で活動していたWillie Boboが、同楽団脱退後にレコーディングした初リーダー作が本作『Bobo's Beat』(1963年)です。

レコーディングにはWillie Bobo(vo、per、timbales)、Clark Terry(tp)、Joe Farrell(ts)、Frank Anderson(org、p)等のミュージシャンが参加しています。

プロデュースはTeddy Reig

N.Y.ラテンを代表するラテン・パーカッション/ティンバレス奏者Willie Boboですが、本作ではブラジリアン・ジャズ/ボッサ・ジャズへのアプローチが目立ちます。

ただし、ブラジリアン・ジャズ/ボッサ・ジャズにニューヨリカンならではのラテン・テイストを巧みに融合させているのが本作の魅力です。

今聴いても実に新鮮なブラジリアン・グルーヴ/ラテン・グルーヴだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Bon Sueno」
Frank Colon作。ビッグ・バンド風の華やかなラテン・ジャズがオープニング。軽快なラテン・ビートにのって、Joe Farrellが鮮やかなソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=C_oe6BhbOgA

「Naked City Theme」
Billy May作。ラテンならではのムーディー・サウンドを楽しめます。哀愁を帯びたオルガンの響きがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=z2yITQU_ox4

「Felicidade」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。ボサノヴァ名曲をラテン×アフロ・ブラジリアンな感じで聴かせてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ApB9PLAh6sE

本曲に関して、当ブログではRamsey Lewis TrioKenny DrewMilton NascimentoSirius BClaude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's SevenDiana PantonTania Mariaのカヴァーも紹介済みです。

「Bossa Nova in Blue」
Frank Anderson作。ボサノヴァ・オルガン奏者Walter Wanderley好きの人は思わずニンマリしそうなオルガン・ボッサ・ジャズです。
https://www.youtube.com/watch?v=PPpZo7sDQ9M

「Boroquinho」
Roberto Menescal/Christopher Boscole作。Menescalのボサノヴァ名曲「小舟」をカヴァー。ビッグ・バンド風の華やかなホーン・アンサンブルとボッサ・ビートの組み合わせが絶妙なボッサ・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=vApuSbV6O5k

本曲について、当ブログではElis Regina『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』『Elis Regina in London』『Aquarela Do Brasil』収録の3ヴァージョンやO QuartetoStacey KentTamba TrioHerbie Mann & Tamiko JonesMaysaのカヴァーを紹介済みです。

「Crisis」
Freddie Hubbard作品のカヴァー。Hubbard自身のヴァージョンは『Ready For Freddie』(1962年)に収録されています。Art Blakey & The Jazz Messengers『Mosaic』(1962年)でもお馴染みですね。ニューヨリカンならではのブラジリアン・ジャズといった雰囲気がいいですね。お見事です!
https://www.youtube.com/watch?v=CGes7YxG9fA

「Mi Fas y Recordar」
Bill Salter作。軽やかな疾走するボッサ・ビートと華やかなラテンのエッセンスを見事に融合させています。メリハリの効いたホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=vDJ5YOJRCKM

「Capers」
Tom McIntosh作。華やかなホーン・アンサンブルとWillie Boboならではのニューヨリカンなボッサ・ビートの組み合わせがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9LzOY1--S2U

「Let Your Hair Down Blues」
Frank Anderson作。じらせていたようにラストはラテン・ビート全開で締め括ってくれます。ブルージーなオルガンも実にクール!
https://www.youtube.com/watch?v=hoSvWhcYsh8

Willie Boboの他作品もチェックを!

『Bobo! Do That Thing/Guajira』(1963年)
Do That Thing

『Let's Go Bobo!』(1964年)
レッツ・ゴー・ボボ

『Uno Dos Tres 1-2-3』(1966年)
Uno Dos Tres & Spanish Grease

『Bobo Motion』(1967年)
Bobo Motion (Dig)

『Juicy』(1967年)
Juicy

『A New Dimension』(1968年)
New Dimension (Special Packaging)

Willie Bobo & The Bo-Gents『Do What You Want To Do, Tomorrow Is Here』(1971年)
Do What You Want to Do

『Tomorrow Is Here』(1977年)
トゥモロー・イズ・ヒア

『Hell of an Act to Follow/Bobo』(1978/1979年) ※2in1CD
HELL OF AN ACT TO FOLLOW / BOB

『Bobo』(1979年)
ボボ【完全生産限定盤】
posted by ez at 01:05| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月20日

Edwin Moses『Edwin Moses』

スペイン産ヤング・ソウル・バンドの1stアルバム☆Edwin Moses『Edwin Moses』
edwin moses
発表年:2000年
ez的ジャンル:スペイン産ヤング・ソウル・ポップ・バンド
気分は... :元気が出る音楽!

やる事が山積し、ストレス過多でスタートした今週ですが、To Doリストの項目をいくつか消し込むことができ、多少は心に落ち着きを取り戻すことができました。

ただし、まだ大きなイベントが残っているので、それを終えるまでは張り詰めた気分から解かれることはないでしょうが・・・

こんな時は元気が出る食事、元気が出る音楽で乗り切るしかない!

今回はスペイン産ヤング・ソウル・ポップEdwin Moses『Edwin Moses』(2000年)です。

スペイン北部の海岸都市ヒホンで1994年に結成された白人ヤング・ソウル・ポップ・バンドEdwin Mosesの紹介は、2ndアルバム『Love Turns You Upside Down』(2003年)に続き2回目となります。

架空ソウル・シンガーEdwin Moses(おそらくアメリカの男子陸上400Mハードル金メダリストEdwin Mosesに因んだもの)という設定に基づき、Curtis Mayfieldをはじめとする70年代ニュー・ソウルへのオマージュを感じるソウル・サウンドへアプローチするEdwin Moses

スペインのネオアコ/ソフトロック系レーベルSiestaからリリースされた1stアルバムとなる本作『Edwin Moses』(2000年)は実に新鮮であり、日本でも話題となりました。

Siestaからのリリースという点からもイメージできるかもしれませんが、渋谷系J-POPにも通じる確信犯的なポップ・センスが日本でもウケた理由ではないでしょうか。

70年代ニュー・ソウルへのオマージュ×渋谷系的ポップ・センス
 =スペイン産ヤング・ソウル・ポップ
といった感じでしょうか。

本作におけるメンバーはPablo Errea(Pablo R. A.)(vo)、Pedro Vigil(vo、g、b)、Luigi Navarro(vo、g、b)、Manuel Molina(ds、per)、Oscar Camacho(p、el-p、org)、Elias Alonso(fl)、Julio Gomez-Zorrilla(tb)、Francisco Arias(tp)、Juan Antonio "J"(sax)。

プロデュースはPaco LocoEdwin Moses

爽快ギター・カッティングで疾走する「I Needed You」、フリーソウル好きの人は思わずニンマリするヤング・ソウル「What's Going Down?」、ブルーアイド・ソウル調シティ・ポップ「I'll Be Around」Curtis Mayfieldライクな「Give It A Chance」、初めて聴くのに懐かしいソウル・グルーヴ「Let Me Get Inside」、フリーソウル的メロウ・ソウル・グルーヴ「Let It Shine」あたりが僕のおススメです。

ヤング・ソウル・ポップで元気出そうっと!

全曲紹介しときやす。

「I Needed You」
美しいストリングスを伴い、爽快ギター・カッティングで疾走する様は、ニューソウル×渋谷系といった趣のオープニング。

「What's Going Down?」
フリーソウル好きの人は思わずニンマリするであろうヤング・ソウル。フリーソウルのコンピに収録されていても全く違和感ありません。

「I'll Be Around」
ブルーアイド・ソウル調シティ・ポップといった雰囲気の仕上がり。甘酸っぱい青春の香りがするメロウネスがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=19LfUg4fng8

「Black Blood Theme」
素晴らしいストリングス・アレンジが冴えるブラックスプロイテーション・サントラ調のインスト。美しさの中に不穏な空気を感じます。

「Stop Killin' Your Sons」
ヴィンテージ感のあるソウル・グルーヴ。Curtis Mayfieldへのオマージュ的なファルセット・ヴォーカルが印象的です。

「Help Me」
ストリングスを交えたナチュラルなソウル・グルーヴ。フォーキーとエレクトリックの調和が絶妙です。

「Give It A Chance」
Curtis Mayfieldライクなメロウ・ソウル・グルーヴ。かつて渋谷系に通じる確信犯的サウンドに思わずニンマリ。

「Let Me Get Inside」
ワウワウ・ギターとストリングスによるイントロにグッときてしまう爽快ソウル・グルーヴ。初めて聴くのに懐かしい!といった感じです。涼しげなフルートもグッド!

「Let It Shine」
これもフリーソウル好きが喜びようなメロウ・ソウル・グルーヴ。聴けば分かりますが、フルーソウル人気曲Edna Wright「Oops! Here I Go Again」と一緒聴きたくなります。

「New Morning」
ジェントルなメロウ・バラード。ネオアコ的な雰囲気もあっていい感じです。」
https://www.youtube.com/watch?v=VA2f0azIseI

「Masterpiece」
アルバムの余韻を楽しむ美しいインスト小曲。

国内盤CDには「No Sunshine」「The Soul Training System」というEP「Baloncesto E.P.」(1998年)収録の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。どちらもキャッチーな仕上がりであり、お得感があります。

Edwin Mosesの他作品もチェックを!

『Love Turns You Upside Down』(2003年)
Love Turns You Upside Down

『The Gospel African Years Of Jamal Nafsum』(2006年)
ザ・ゴスペル・アフリカン・イヤーズ・オブ・ジャマル・ナフサム
posted by ez at 00:28| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月19日

Carlos Santana & John McLaughlin『Love Devotion Surrender』

魂の兄弟の共演アルバム☆Carlos Santana & John McLaughlin『Love Devotion Surrender』
魂の兄弟たち(期間生産限定盤)
発表年:1973年
ez的ジャンル:スーパー・ギタリストの共演系ジャズ・ロック/フュージョン
気分は... :心を整える音!

公私含めてイベントやその準備が重なり、少し頭が混乱状態で週明けスタート!
1つ1つやるべき事を潰して、不安を解消せねば・・・

こんな気分で何故かJohn Coltrane『A Love Supreme』(1965年)が聴きたくなり、久々に通しで聴き直しました。

そこで『A Love Supreme』(1965年)を取り上げようとも思いましたが、これを語るにはまだまだジャズ道の探究が足りないと思い、「A Love Supreme」のカヴァーが収録されているアルバムをセレクト。

ということで、今回はSantanaCarlos SantanaMahavishnu OrchestraJohn McLaughlinの共演アルバム『Love Devotion Surrender(邦題:魂の兄弟たち)』(1973年)です。

ヒンドゥー教の導師Sri Chinmoyに心酔する"魂の兄弟"2人の共演となった本作。ラテン・ロックの雄Santanaのイメージで聴くとギャップを感じる作品かもしれません。

東洋思想に傾倒した2人が音楽を通して、自己の内面と向き合った内容となっています。「A Love Supreme」「Naima」というJohn Coltraneの名曲カヴァー2曲はその象徴といえるでしょう。

ただし、本格的なジャズ作品ほどの小難しさはないので、ジャズ・ロック/フュージョン作品として楽しめると思います。良くも悪くもその部分で賛否が分かれる作品ですが・・・

レコーディング・メンバーはMahavishnu John McLaughlin(g、p)、Carlos Santana(g)、Larry Young(Khalid Yasin名義)(p、org)、Doug Rauch(b)、Jan Hammer(org、ds、per)、Billy Cobham(ds、per)、Don Alias(ds、per)、Mike Shrieve(ds、per)、Mingo Lewis(per)、Armando Peraza(congas、per、vo)というSantanaMahavishnu Orchestraのメンバーらを中心とした構成です。個人的にはLarry Youngのオルガンが効いている気がします。

前述のColtraneカヴァー2曲が目立ちますが、Mahavishnu Orchestra的なジャズ・ロック「The Life Divine」Santanaの音世界に近いスケールの大きな「Let Us Go Into The House Of The Lord」も聴き応え十分です。

僕の場合、アルバム全編を聴くのは20年ぶり位でしたが、昔聴いたときよりもしっくりきた印象です。

東洋思想に導かれたギタリスト2人の魂の共演を堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「A Love Supreme」
John Coltrane作の大作のうち、「Part 1: Acknowledgement」をカヴァー。 主役2人のギターの掛け合いがたまりません。Coltraneの名曲の力を借りて、東洋思想に傾倒する2人が梵我一如の境地に近づこうとしたのかもしれませんね。意外に聴きやすく、純粋に格好良い演奏だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=xC54xtX-Pa4

「Naima」
John Coltrane作の名曲をカヴァー。2人のアコースティック・ギターのみによる美しい演奏は、安らぎの境地に達したような静寂さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=57x9ny8P3Ms

本曲に関して、当ブログでは『Live At The Village Vanguard Again!』のColtraneヴァージョンや、Gene HarrisPucho & His Latin Soul BrothersDoug CarnTom ScottJon HendricksLonnie Liston Smith & The Cosmic Echoesのカヴァーを紹介済みです。

「The Life Divine」
John McLaughlin作。緊張感のあるジャズ・ロック的演奏はMahavishnu Orchestraに近いですが、本作ならではのスピリチュアルな雰囲気も醸し出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=t0pp1yAivrA

「Let Us Go Into The House Of The Lord」
トラディショナル・ゴスペルをカヴァー。スーパー・ギタリスト2人の速弾きを満喫できるスケールの大きな演奏です。全体としてはパーカッシヴな疾走感がたまりません。ある意味、本作のハイライトかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=5ZzZJ38KrWc

「Meditation」
John McLaughlin作。ラストはギターとピアノによる瞑想モードの美しい演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1CetTAXfUvQ

最近の再発CDには「A Love Supreme (Alternate - Take 2)」「Naima (Alternate - Take 4)」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

SantanaJohn McLaughlinの過去記事もご参照下さい。

Santana『Santana』(1969年)
Santana

Santana『Santana III』(1971年)
Santana III

Santana『Borboletta』(1974年)
不死蝶(期間生産限定盤)

Santana『Festival』(1976年)
Festival

Mahavishnu Orchestra『Birds of Fire』(1972年)
Birds of Fire

Mahavishnu Orchestra『Inner Worlds』(1976年)
Inner Worlds

Shakti With John McLaughlin『Natural Elements』(1977年)
Natural Elements
posted by ez at 04:13| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月18日

Gary Brown『Rhythm Or Romance』

男性R&Bシンガーによる爽快NJS☆Gary Brown『Rhythm Or Romance』
gary brown rhythm or romance.jpg
発表年:1992年
ez的ジャンル:NJS男性R&Bシンガー
気分は... :慌てず、騒がず、冷静に!

今回は90年代NJS作品からGary Brown『Rhythm Or Romance』(1992年)です。

Gary Brownのプロフィールは不明ですが、某サイトによるとベーシストとしても活躍するGary Brownと同一人物のようです。個人的には本作における男性R&BシンガーとベーシストGary Brownの間にギャップを感じるので、同一人物として断定することは差し控えておきます。

さて、本作『Rhythm Or Romance』(1992年)ですが、この時代の典型的なNJSを満喫できるNJS好きには嬉しい1枚です。

アルバムは前半はNJSなダンサブル・チューン、後半はメロウ・バラードという構成になっています。

NJSでいえば、シングルにもなった「Your Love」「Somebody's Sleepin' In My Bed」Curtis WilliamsKool & The Gang)プロデュースの「Love Song」がおススメです。Jam & Lewisテイストのメロウ・ミディアム「Precious Moments」も僕のイチオシです。

バラード系でいえば、シングルにもなった「Don't Make Me Beg Tonight」Paul Jackson Jr.プロデュース、Bernard JacksonSurface)ソングライティングの「Meaning Of Love」、オーセンティックな魅力がある「Without You」がおススメです。

今日で話題になることが少ない1枚ですが、90年代R&B好きには十分楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Rhythm Or Romance」
Gary Brown/Vassal Benfordプロデュース。NJSなタイトル曲でアルバムは幕を開けます。典型的なNJSで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zPQHaX-utzg

「Somebody's Sleepin' In My Bed」
Gary Brown/Steve Harveyプロデュース。僕の一番のお気に入り。シングル・カットもされた爽快に疾走するメロディアスなダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=AlTlRXrlSvc

「Your Love」
Gary Brown/Barry J. Eastmondプロデュース。アルバムに先駆けて1991年にシングル・リリースされた楽曲。軽快なハネハネNJSサウンドに乗って、Gary Brownの爽快ヴォーカルが躍動します。
https://www.youtube.com/watch?v=QYabHgn5hhg      

「Precious Moments」
Gary Brown/Ray Bardiniプロデュース。「Somebody's Sleepin' In My Bed」と並ぶお気に入り。Jam & Lewisテイストのメロウ・ミディアムはモロに僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=oHHoNbBL7hM

「Let's Go Round Again (Circles Never End)」
Gary Brown/Keith Cohenプロデュース。この時代らしいNJS。思い切りハネハネして駆け抜けていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=x-zRczG_Fkw

「Love Song」
Gary Brown/Curtis Williams(Kool & The Gang)プロデュース。この曲も大好き!Gary Brownの歌心とNJSサウンドのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=0HcDu-QVfK4

「Don't Make Me Beg Tonight」
Gary Brown/Barry J. Eastmondプロデュース。アーバン・ナイトなミディアム・バラード。Garyのセクシー・ヴォーカルを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=bPW2hFx5gG8

「Love, Need And Want You」
Gary Brown/Jay Lincolnプロデュース。オトナのラブ・バラード。落ち着いたアーバン・ムードがいいですね。

「Promise」
Gary Brown/Curtis Williams(Kool & The Gang)プロデュース。ムーディーなサックスと共にスタートするクワイエット・ストームなラブ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=jgoV-O7uUdY

「Without You」
David Lewis & Wayne Lewisプロデュース。オーセンティックなバラードですが、その分Gary Brownのヴォーカリストとしての魅力を実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=YroVs0HdFW0

「Meaning Of Love」
Paul Jackson Jr.プロデュース。SurfaceのBernard Jacksonによるソングライティングにも注目です。良い曲、良いサウンド、良いヴォーカルの三拍子揃ったアーバン・メロウなミディアム・バラードです。Jeff Lorberもシンセで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=95-7WAnVN-4

「Love Honor And Obey」
Gary Brown/Douglas E. Grisby IIIプロデュース。D'atra Hicksをフィーチャー。ラストはD'atra Hicksとの素敵なデュエットで締め括ってくれます。

今週、来週は慌ただしい日々になりそう・・・
想定外の出来事が多くなりそうですが、柔軟な気持ちで臨みたいと思います。
posted by ez at 02:12| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月17日

H.E.R.『H.E.R.』

グラミーBest R&B Album受賞!女性R&Bの超新星☆H.E.R.『H.E.R.』
H.E.R.
発表年:2017年
ez的ジャンル:新進女性R&Bシンガー
気分は... :この才能は本物だ!

今回は先日のグラミーで素晴らしいパフォーマンスを披露し、 Best R&B AlbumBest R&B Performanceも受賞した新進女性R&BシンガーH.E.R.のデビュー・アルバム『H.E.R.』です。
※デジタル、アナログのリリースは2017年ですが、CD化は2019年です。

H.E.R.ことGabriella Wilsonは1997年カリフォルニア生まれの女性R&Bシンガー/ソングライター。

幼少の頃から音楽に親しみ、14歳の時にはGabriella Wilson名義でメジャー・レーベルからデビューを飾りますが、その後は表舞台から姿を消します。

彼女はH.E.R.(Having Everything Revealedの略)として生まれ変わり、2016年にEP「H.E.R. Vol. 1」をリリースします。

「H.E.R. Vol. 1」iTunesのR&Bチャート第1位に輝き、ミステリアスな新進女性R&BシンガーとしてH.E.R.の存在が注目されます。彼女の憧れのアーティストであるAlicia Keysをはじめ、有名アーティストが挙って彼女の才能を絶賛しました。

2017年には「H.E.R. Vol. 2」「H.E.R. Vol. 2 – The B Sides」という2枚のEPをリリースし、益々彼女の存在がクローズアップされるようになります。そして、前述の3枚のEP収録曲を収めたデビュー・アルバム『H.E.R.』を2017年にリリースします。

『H.E.R.』はデジタル配信とアナログ(アナログは15曲のみの収録)のみでのリリースでしたが、大ヒットを記録し、先日のグラミーでは主要部門であるAlbum of the YearBest New Artistをはじめ、Best R&B AlbumBest R&B PerformanceBest R&B Songの5部門にノミネートされました。そして、前述のようにBest R&B AlbumBest R&B Performanceを受賞しています。

そんなタイミングで遂に『H.E.R.』の世界初CD化が実現しました。

グラミー後のエントリーで、"思わず見入ってしまうシーンは少なかった"と嘆いていた僕ですが、その数少ない見入ってしまったシーンの1つが
H.E.R.のパフォーマンスでした。ミステリアスなムードに包まれ、ギター片手に凛と歌う彼女の姿を見て画面に釘付けとなってしまいました。ちなみにグラミーで披露した曲はEP「I Used to Know Her: Part 2 」(2018年)収録の「Hard Place」です。

そんな流れでCDショップに出向き、本作『H.E.R.』をゲット!彼女の世界を堪能したいので日本語歌詞のある国内盤を購入しました。

アンビエント調の抑えたサウンドをバックに、同世代の女性を代弁するようなラブソングを切々と歌い上げるH.E.R.の音世界にグイグイと惹き込まれる1枚です。

メイン・プロデュースはH.E.R.自身と、H.E.R.となってからの彼女をサポートし続けている名プロデューサーSwagg R'celious、数多くの人気アーティストのプロデュース/ソングライティングを手掛けるDJ Camper

グラミーBest R&B Performanceに輝いた、カナダ出身の新進男性R&Bシンガー/ソングライターDaniel Caesarとのデュエット「Best Part」、同じくグラミーBest R&B Songにノミネートされた「Focus」という話題の2曲をはじめ、EP「H.E.R. Vol. 1」ではショート・ヴァージョンだった「Pigment」のフル・ヴァージョン、Drakeのカヴァー「Jungle」など話題曲が満載です。

僕以外にもグラミーの彼女のパフォーマンスを見て気になった方は多かったのではないかと思います。

デビュー・アルバムにして、圧倒的な存在感と独自性を示してくれた女性R&Bの超新星の音世界をぜひご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Losing」
H.E.R./DJ Camperプロデュース。切ない女心を歌ったオープニング。アンビエント・サウンドと切々としたH.E.R.の歌世界がよくマッチしています。途中、♪Let me know, let me know〜♪というThe Isley Brothers「(At Your Best) You Are Love」の一節が引用されています。おそらくH.E.R.の場合、Aaliyah feat. R. Kellyヴァージョンを意識したものだと思いますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=N1-i53r-yVQ

「Avenue」
Lophiileプロデュース。新進プロデューサーを迎え、すれ違う男女の心模様を歌い上げます。サウンドにフィットした歌い回しが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=19J6LBLjNzI

「Let Me In」
Knox Brownプロデュース。♪どうして私たちいつも喧嘩ばかりしているの♪と嘆く切ないラブソング。ここでもアンビエントなサウンドと哀愁モードの歌世界のフィット感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=l3SPIQN8evE

「Lights On」
H.E.R./Scribz Riley/Gradesプロデュース。UKオルタナティヴR&Bの歌姫Naoプロデュースで知られるGradesが関与している点で興味深いです。そうした観点から聴くと、Naoの音世界とリンクするものを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=qLsIl566m7s

「Say It Again」
H.E.R./DJ Camperプロデュース。静けさの中に凄みを感じる1曲。この年齢にして、この貫禄には驚かされます。
https://www.youtube.com/watch?v=beEkN4DcJ8g

「Facts」
H.E.R./DJ Camperプロデュース。自分の心に素直に向き合うラブソング。クール・サウンドと共に刻まれるビートが主人公の心臓の鼓動のように聴こえてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=c_xG0crdnrE

「Focus」
H.E.R./DJ Camperプロデュース。前述のように、グラミーBest R&B Songにノミネートされた話題曲。美しいイントロから惹きつけられるドリーミーなメロウ・チューン。H.E.R.という才能を実感できる名曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Z5ze4CUAkE8

「U」
H.E.R./Swagg R'celiousプロデュース。自分中心の彼氏への不満を嘆く、切ないラブソング。この世界観が同世代の女性の共感を呼ぶのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=iLWayccuhts

「Every Kind Of Way」
DJ Camperプロデュース。愛する人への思いの丈を打ち明けるラブソング。新世代シンガーならではのメロウネスに溢れたメロディアスな音世界に魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wn1FH9BS-Ic

「Best Part」
H.E.R./Daniel Caesarプロデュース。Daniel Caesarをフューチャーし、グラミーBest R&B Performanceを受賞した本作のハイライトの1つ。Daniel Caesarのデビュー・アルバム『Freudian』(2017年 ※デジタル、アナログのみ)にも収録されています。名曲と呼ぶに相応しい素敵なデュエット・ラブソング。飾らないナチュラル感にグッときてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=hKgl5-lkT8U

「Changes」
H.E.R./Swagg R'celiousプロデュース。Gabriel Garzon-Montana「68」ネタのビートとアンビエントなサウンドに乗って、女性の心模様を歌い上げます。これがH.E.R.らしいスタイルなのでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=cdDMGa5K8Ug

「Jungle」
H.E.R./Swagg R'celiousプロデュース。Drakeの隠れた名曲をカヴァー。オリジナルはミックステープ『If You're Reading This It's Too Late』(2015年)に収録されています。オリジナルの雰囲気を受け継いだ感動的なカヴァーに仕上がっています。Drakeの世界観にH.E.R.が見事にシンクロしている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hhAs04sHlvA

「Free」
H.E.R./DJ Camperプロデュース。先の見えない恋に揺れ動く女心を歌った哀愁ラブソング。不安な気持ちを見事に表現しています。
https://www.youtube.com/watch?v=JsKQtvIqF2o

「Rather Be」
H.E.R./Swagg R'celiousプロデュース。美しいピアノに乗って、愛する人への強い思いを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=8ZY56YQuP7Y

「2」
H.E.R./MNEKプロデュース。UK期待のアーティストMNEKの関与に注目ですね。ビートの効いたアンビエント・サウンドに乗って歌われる♪Too-too-too♪Too-too-too♪のフレーズに脳内が侵食されていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=WtCREZoiSQQ

「Hopes Up」
Swagg R'celious/Ant Bプロデュース。クールなエレクトロニカ・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=GHn0WuuGW18

「Still Down」
H.E.R./DJ Camperプロデュース。愛する人の気持ちを確かめたい心模様を歌ったラブソング。実にクールです。
https://www.youtube.com/watch?v=rWp9oDRn8g4

「Wait For It」
H.E.R./DJ Camperプロデュース。Floetry「Say Yes」を下敷きにしたメロディが印象的なメロウ・チューン。歌詞にUberが登場するあたり、今時のアーティストですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fBTTVpfCQVc

「Pigment」
H.E.R./Qreamybeatsプロデュース。「H.E.R. Vol. 1」ではショート・ヴァージョンだった楽曲のフル・ヴァージョン。Robert Glasper Experiment「Lift Off/Mic Check」Robert Glasper「Tribute」をサンプリングしたビューティフル・ソングです。ラップ・シンギングを織り交ぜながら、切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=Rv4YCOYebNk

「Gone Away」
H.E.R./Syk Senseプロデュース。美しいメロディに惹き込まれる切ないラブソング。彼女が敬愛するAlicia Keysとの共通点を感じることができる素晴らしいバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=08pbAX6varw

「I Won't」
H.E.R./DJ Camperプロデュース。内なる対話で揺れ動く恋心を問い直す切ないラブソングでアルバムを締め括ってくれます。歌詞にJanet Jacksonの楽曲「Feedback」も登場します。Bonnie Raitt「I Can't Make You Love Me」 の一節を改変した♪You can't make me love you if I don't♪のフレーズが胸の奥まで響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=Dth04X2p5VU

本作以降にリリースされた「I Used to Know Her: The Prelude」(2018年)と「I Used to Know Her: Part 2」(2018年)という2枚のEPもCD化して欲しいですね。
posted by ez at 04:25| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする