2019年02月07日

Half Seas Over『Half Seas Over』

コンテンポラリー・ジャズ・デュオの静かなる1枚☆Half Seas Over『Half Seas Over』
Half Seas Over [日本語解説付き国内盤] (BRBW47)
発表年:2010年
ez的ジャンル:Brownswood系コンテンポラリー・ジャズ・デュオ
気分は... :静寂の美学・・・

今回はコンテンポラリー・ジャズ・デュオ作品、Half Seas Over『Half Seas Over』(2010年)です。

Gilles PetersonBrownswood Recordingsからリリースされたアルバムです。

Half Seas Overは、N.Y.を拠点とするジャズ・ピアニストElan MehlerとUS出身ながらフランス在住のシンガー・ソングライターAdam McBride-Smithによるデュオ。

Elan Mehlerがヴォーカル作品に取り組んだソロ・アルバム『The After Suite』(2009年)に、Becca Stevensと共にAdam McBride-Smithがヴォーカリストとして参加し、意気投合した2人がHalf Seas Overとしてユニットを組むことになりました。

レコーディングには、Elan Mehler(p)、Adam McBride-Smith(vo)以下、Tod Hendrick(b)、Max Goldman(ds)、Jeremy Viner(ts)、Liam Robinson(accordion、back vo)、Becca Stevens(vo)といったミュージシャンが参加しています。

Brownswoodからのリリースということでクラブジャズ的な音をイメージする人もいるかもしれませんが、内容はSSW的な味わいのコンテンポラリー・ジャズ作品に仕上がっています。

ジャズ・ピアニストElan Mehlerが、フォーク/カントリーをバックボーンに持つSSW Adam McBride-Smithの個性を取り込み、『The After Suite』(2009年)のアプローチをさらに深化させた作品という印象です。

SSW的な静寂のジャズ、といった趣が魅力だと思います。

胸に染み入る静寂の音世界に浸るのも悪くありません。

全曲紹介しときやす。

「Get Me To The Station」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。本作らしいジャズ×SSWな雰囲気を満喫できる1曲。派手さはないものの気の利いたジャジー・サウンドにグッときます。

「The New Breed」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。AdamのSSWらしい側面を前面に打ち出した味わい深い1曲。僕の一番のお気に入り。胸に染み入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=jEFM4OPuEYU

「Sad Mona」
Adam McBride-Smith作。サックス、アコーディオンも加わった哀愁チューン。タンゴのアクセントがグッド!目立ちませんがBecca Stevensもバック・コーラスで参加しています。

「Prelude」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。Elanのピアノ・ソロによる次曲へのプレリュードです。

「Evensong」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。美しいピアノ・バラードをAdamが少し寂しげに歌います。ゆったりと時間が流れていく感じがいいですね。

「Sunday's Empire」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。Adamのフォーク/カントリーのバックボーンを活かした軽快なカントリー・ジャズ。本作らしい演奏といえるのでは?

「Into The Night」
Adam McBride-Smith作。夜、酒でも飲みながら聴きたく小粋なジャジー・チューン。酒場のジャズといった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9dpDqQVf4e0

「The Hathaways」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。Elanのピアノをバックに、Adamがしみじみと歌い上げます。

「Just To Clear My Head」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。何処となく寂しげな雰囲気が本作らしくていいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=-ayRw41pQiI

「Cypress Grove」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。ブルージーな雰囲気な演奏でアルバム全体にアクセントをつけてくれます。

「Here On The Plains」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。Elanの美しいピアノをバックに、Adamが囁くように歌います。静寂の美学を感じます。

「Rake」
Elan Mehler/Adam McBride-Smith作。淡々とした雰囲気ながらもAdamが噛みしめながら歌い上げます。

「Long Way Down」
Adam McBride-Smith作。ラストはElanの優しいピアノをバックに、Adamが静かに語りかけ、アルバムは幕を閉じます。

ご興味がある方は、2人が出会うきっかけとなったElan Mehler『The After Suite』(2009年)もチェックしてみては?Becca Stevensも参加しています。

Elan Mehler『The After Suite』(2009年)
The After Suite

Elan MehlerAdam McBride-Smithのソロ作もチェックしてみては?

Elan Mehler『Scheme for Thought』(2007年)
Scheme for Thought

Elan Mehler『Being There Here』(2013年)
Being There Here

Elan Mehler『Early Sunday Morning』(2014年)
Early Sunday Morning

Adam McBride-Smith『Good & Gone』(2007年)
Good & Gone
posted by ez at 12:42| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする