発表年:1977年
ez的ジャンル:ラブリー・ヴォイス系UKフォーキー・ソウル
気分は... :セクシー・ジャケにご用心!
永遠のラブリー・ヴォイス!UKの黒人女性シンガー・ソングライターLinda Lewisの『Woman Overboard』(1977年)です。
一度聴いたら忘れられない個性的かつラブリーな声の持ち主、Linda Lewisの紹介について、当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『Fathoms Deep』(1973年)
『Lark』(1972年)
『Not a Little Girl Anymore』(1975年)
本作『Woman Overboard』(1977年)は、『Not a Little Girl Anymore』(1975年)に続く、Aristaへの移籍第2弾アルバム
『Lark』以降、Lindaの作品を手掛け、本作がリリースされた1977年には彼女と結婚するUKロック・バンドFamilyのギタリストとしても知られるJim Creganをはじめ、ニューオーリンズR&Bを代表するプロデューサー/アレンジャーAllen Toussaint、UKの人気男性シンガー・ソングライターCat Stevens、前作でも手掛けたBert DeCoteauxの4名がプロデューサーに起用されています。
レコーディングはニューオリンズ、L.A.、N,Y.、ロンドンで行われ、Jim Cregan(g)、Ray Parker, Jr.(g)、Tim Renwick(g)、Jeff Mironov(g)、Jerry Friedman(g)、Lance Quinn(g)、Snowy White(g)、Alun Davies(g)、Clyde Toval(b)、Willie Weeks(b)、Phil Chen(b)、Bob Babbitt(b)、Allen Toussaint(p)、Jean Roussel(key)、Max Middleton(key)、Derek Austin(key)、Derek Smith(key)、Herman Ernest III(ds)、Ollie E. Brown(ds)、Richard Bailey(ds)、Bobbye Hall(per)、Steve Gregory(brass)、Peter Hope Evans(harmonica)、Barry St. John(back vo)、Liza Strike(back vo)、Vicki Brown(back vo)、Alex Brown(back vo)、Deniece Williams(back vo)、Jim Gilstrap(back vo)、John Perry(back vo)、Stu Calver(back vo)、Tony Rivers(back vo)、Anna Peacock(back vo)、Bob Barton(back vo)等のミュージシャンが参加しています。
この制作体制からもAristaのテコ入れぶりが窺えますが、結果的に商業的成功には結びつきませんでした。
しかしながら、アルバムの内容自体はLinda Lewis好きの人であれば、満足できる充実作となっています。
特にAllen Toussaintプロデュースの「You Came」、「Shining」、「No. 1 Heartbreaker」、「Dreamer of Dreams」、Cat Stevensプロデュースの「Bonfire」、Bert DeCoteauxプロデュースの「So Many Mysteries to Find」といったソウル・フィーリングの強い楽曲がおススメです。
ソウル路線へ進化したLinda Lewisワールドをご堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
オリジナルLPのA面は"Vertical"というタイトルが付いています。
「You Came」
Allen Toussaint作/プロデュース。落ち着いた雰囲気のオトナのLinda Lewisを満喫できる素敵なレディ・ソウルがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=oImZx9tw1oc
「Shining」
Allen Toussaint作/プロデュース。女性コーラス隊を従えたエモーショナルなソウル・グルーヴは、かつてAllen Toussaintが手掛けたLaBelleあたりのイメージに近いかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=MtEMTyImlbw
「Bonfire」
Cat Stevens作/プロデュース。Cat Stevensのオリジナルはアルバム『Izitso』(1977年)に収録されています。シングルにもなりました。僕の好きなLindaに出会えるキュートなラブリー・ソウル。フリーソウル好きの人は気に入ると思います。
「Come Back and Finish What You Started」
Cat Stevensプロデュース。。Faith Hope & Charityのカヴァー(Van McCoy/Joe Cobb作)。オリジナルはアルバム『Heavy Love』(1972年)に収録されています。Jim Gilstrapとのデュエット風のディスコ・チューンはシングルにもなりました。前作からのヒット曲「It's In His Kiss」の路線に近い感じですかね。
「No. 1 Heartbreaker」
Linda Lewis作。Allen Toussaintプロデュース。Linda Lewisらしいラブリー・ヴォイスが映えるメロウ・ミディアム。Linda、君こそNo. 1 Heartbreakerだ!
https://www.youtube.com/watch?v=el3toYWXmAg
「Dreamer of Dreams」
Allen Toussaint作/プロデュース。グッド・ヴァイヴに触れたソウル・グルーヴ。Allen Toussaint起用の狙いが分かる気がします。
A面が"Vertical"に対して、B面には"Horizontal"というタイトルが付いています。
「Moon and I」
Gilbert & Sullivan(W.S. Gilbert/Arthur Sullivan)作品に新しい歌詞をつけたもの。Jim Creganプロデュース。シングルにもなりました。Linda Lewisの天使のラブリー・ヴォイスが優しく流れるフォーキー・チューン。美しいストリングスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=HqXnsbxe9FU
「Light Years Away」
Linda Lewis作。Jim Creganプロデュース。メロウ・フォーキーなサウンドは普段着のLinda Lewisって雰囲気なので落ち着きます。
https://www.youtube.com/watch?v=1_6qGu4HbG4
「My Love is Here to Stay」
Linda Lewis作。Jim Creganプロデュース。ソウルフルな女性コーラス隊を従えたポップ・ソウル調の仕上がり。ポジティヴなムードがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=nEos2ccRYzo
「My Friend the Sun」
Jim Creganプロデュース。UKロック・バンドFamilyのカヴァー(John Whitney/Roger Chapman作)。オリジナルはアルバム『Bandstand』(1972年)に収録されています。愛くるしいヴォーカルと素朴なフォーキー・サウンドの組み合わせにホッとします。
https://www.youtube.com/watch?v=xnNTjcOGUgQ
「So Many Mysteries to Find」
Linda Lewis作。Bert DeCoteauxプロデュース。本編のラストはタイトルの通り、ミステリアスなミディアム・ソウルで締め括ってくれます。ラテン・フレイヴァーのアクセントが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=4-EwZFAi0kQ
再発CDには「Winter Wonderland」、「All Comes Back To Love」、「Never Been Done Before」、「Flipped Over Your Love」、「Can't We Just Sit Down and Talk About It」といったシングルおよびシングルB面曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
「Winter Wonderland」
https://www.youtube.com/watch?v=YPrW9KvJQBM
「Never Been Done Before」
https://www.youtube.com/watch?v=-fjxINimwko
「Flipped Over Your Love」
https://www.youtube.com/watch?v=Y8eVTnlcNfE
「Can't We Just Sit Down and Talk About It」
https://www.youtube.com/watch?v=1dqYc-xXyUA
Linda Lewisの他作品もチェックを!
『Say No More』(1971年)
『Lark』(1972年)
『Fathoms Deep』(1973年)
『Not a Little Girl Anymore』(1975年)
『Hacienda View』(1979年)
『A Tear and a Smile』(1983年)
『Second Nature』(1995年)
『Born Performer』(1996年)
『Whatever』(1997年)
『Kiss of Life』(1999年)