2019年03月21日

Leon Thomas『Blues And The Soulful Truth』

レア・グルーヴ方面で再評価の高い1枚☆Leon Thomas『Blues And The Soulful Truth』
ブルース・アンド・ザ・ソウルフル・トゥルース (日本初CD化、日本独自企画盤、歌詞、解説付き)
発表年:1972年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系黒人ジャズ・ヴォーカル
気分は... :芸術は爆発だ!

今回は独自のヨーデル調スキャットで知られる男性ジャズ・シンガーLeon Thomas『Blues And The Soulful Truth』(1972年)です。

イリノイ州イーストセントルイス出身の男性ジャズ・シンガーLeon Thomas(1937-1999年)の紹介は、1stソロ・アルバム『Spirits Known And Unknown』(1969年)に続き2回目となります。

本作『Blues And The Soulful Truth』(1972年)はレア・グルーヴ方面からも再評価の高い1枚です。Flying Dutchmanからのリリースです。

レコーディングにはLeon Thomas(vo、per)、Pee Wee Ellis(p、ts)、Donald Pate(b)、Gordon Edwards(b)、Stanley Clarke(b)、Bernard Purdie(ds)、Airto Moreira(ds)、Jesse Kilpatrick(ds)、Cornell Dupree(g)、Larry Coryell(g)、Neal Creque(p)、Baba Feme(per)、Gene Golden(congas)、John Eckert(tb)、Dick Griffin(tp)、Cecil Payne(bs)等のミュージシャンが参加しています。

プロデュースはBob ThielePee Wee Ellisがアレンジを手掛けています。

スピリチュアル・ジャズのイメージがあるLeon Thomasですが、本作はジャズ・ファンク、ソウル、ブルースのエッセンスを取り入れたジャズ・アルバムらしからぬ1枚に仕上がっています。

Leon Thomas版「Tighten Up」なグルーヴィー・ソウル「Love Each Other」、JBライクにシャウトするジャズ・ファンク「Let's Go Down To Lucy's」、Stanley Clarkeのベースが牽引するGabor Szaboのカヴァー「Gypsy Queen」、アラビックな雰囲気が漂うミステリアス&サイケデリックな「Shape Your Mind To Die」、ゴスペル・ライクに高揚する「L-o-v-e」あたりがおススメです。

エキセントリックなジャケのインパクトも大!
独特のオーラを放つ1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Let's Go Down To Lucy's」
Alfred Ellis/Leon Thomas作。LeonがJBライクに熱くシャウトするジャズ・ファンクがオープニング。Bernard Purdie、Gordon Edwards、Cornell Dupreeらのバッキングによるファンク・グルーヴもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=1BnHNeUauww

「L-o-v-e」
Leon Thomas作。女性コーラス隊も加わり、ファンキーに躍動するソウル・チューン。ゴスペル・ライクな高揚感もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ziX3g-I7qPM

「Gypsy Queen」
George David Weiss/Gabor Szabo作。Santanaヴァージョンでも知られるGabor Szabo作品をカヴァー。Gabor Szaboのオリジナルは、当ブログでも紹介した『Spellbinder』(1966年)に収録されています。10分超の大作ですが、格好良すぎるStanley Clarkeのベース、Airto Moreiraのドラムが牽引するミステリアス&エキサイティングな演奏をバックに、Leonらしいヨーデル調スキャットを披露してくれるクロスオーヴァー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PYjURwrMkbE

House of Pain「All My Love」のサンプリング・ソースとなっています。
House of Pain「All My Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=uK15faVp8EY

「Love Each Other」
Leon Thomas作。レア・グルーヴ的には本作のハイライト。思わずArchie Bell & The Drells「Tighten Up」をイメージしてしまうグルーヴィーなソウル・ダンサー。正にLeon Thomas版「Tighten Up」といった感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CT-jsTQL8n0

「Shape Your Mind To Die」
Leon Thomas/Neal Creque作。中東のアラビックな雰囲気が漂うミステリアス&サイケデリックなジャズ・グルーヴ。不敵なLeonのヴォーカルも含めて独特の雰囲気を醸し出します。終盤のヴィター(ヴァイオリンとギターを合わせた電子楽器)の音色も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ib4QhAfhOFo

Brand Nubian「The Travel Jam」、Melanin 9「The Generation Gap」等のサンプリング・ソースとなっています。
Melanin 9「The Generation Gap」
 https://www.youtube.com/watch?v=b7Tt57hyQEw

「Boom-Boom-Boom」
偉大なブルース・マンJohn Lee Hooker、1962年のR&Bヒットをカヴァー。ジャズ・アルバムであることを忘れてしまいそうなブルージーな演奏&ヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=i0z1KaYlnZU

「China Doll」
Alfred Ellis/Jesse Kilpatrick/Leon Thomas作。タイトルから想像できるように、オリエンタル・ムードのピアノが印象的なスピリチュアル・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=DON5WvSVYSc

Lootpack「Wanna Test」のサンプリング・ソースとなっています。
Lootpack「Wanna Test」
 https://www.youtube.com/watch?v=lYjPXX6KYb0

「C.C. Rider」
ブルース・クラシックのカヴァー。ラストは「Boom-Boom-Boom」同様にブルージーに締め括ってくれます。ここでもヴィターの音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=HkJZuKSyn7M

Leon Thomasの他作品もチェックを!

『Spirits Known And Unknown』(1969年)
スピリッツ・ノウン&アンノウン +3  (日本独自企画盤、解説、歌詞付き)

『The Leon Thomas Album』(1970年)
レオン・トーマス・アルバム  (日本初CD化、日本独自企画盤、解説、歌詞付き)

Leon Thomas With Oliver Nelson『In Berlinb』(1971年)
In Berlin

『Full Circle』(1973年)
フル・サークル (日本初CD化、日本独自企画盤、歌詞、解説付き)
posted by ez at 01:45| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする