発表年:2019年
ez的ジャンル:ベルリン産次世代ネオソウル
気分は... :すずめの学校の先生は・・・
新作アルバムからイスラエル出身、ドイツ、ベルリンを拠点に活動する女性アーティストJ. Lamotta Suzumeの2ndアルバム『Suzume』です。
イスラエル、テルアビブでモロッコ系の両親の元に生まれ、現在はベルリンを拠点に活動するビートメイカー、シンガー/ラッパーJ. Lamotta Suzumeの紹介は、デビュー・アルバム『Concious Tree』(2017年)に続き2回目となります。
デビュー・アルバム『Concious Tree』(2017年)は、年末恒例『ezが選ぶ2018年の10枚』にもセレクトしたお気に入り作品です。
Hiatus Kaiyote、Jordan Rakei、Moonchildに通じる次世代ネオソウル感覚と、J Dillaを敬愛するビートメイカーとしての才、さらにErykah Baduを思わせるキュートなヴォーカルを調和させた『Concious Tree』のメロウな音世界は格別でした。
その『Concious Tree』に続く2ndアルバム『Suzume』は、自らの音世界に対する自信を深めた彼女の充実ぶりが窺える1枚に仕上がっています。
デビュー・アルバム『Concious Tree』(2017年)と同じく、ドイツの気鋭レーベルJakarta Recordsからのリリースです。
プロデュースはJ.Lamotta Suzume自身。
レコーディングにはMartin Buhi(b、strings arr)、Daron Segal(key)、Pier Ciaccio(ds)、Ra'fat Muhammad(ds、per)、Jarita Freydank(per)、Omri Abramov(ts、brass arr)、William Henderson(tp)、Frank Dasent(tb)、Linda Jozefowski(fl)、Josefine Andronic(vln)、Yuka Snell(vln)、Mishi Stern(vln)、Tabias Opialla(vla)、Lucy Hoile(cello)、Ron Meir(back vo)、Noritsu(back vo)といったミュージシャンが参加しています。
アルバムのリード曲「Turning」、Moonchildに通じる日だまりのメロウ・ソウル「If You Wanna」、ジャズ・フィーリングの効いた「Shake It」、パーカッシヴに疾走する「Back In Town」、心地好いジャジー&メロウ「Where's The Sun In Berlin」、Hip-Hopトラック「Free The Jazz」、洒脱なセンスが冴え渡る「That's What I Call (Freedom)」などSuzumeワールドを存分に満喫できます。
また、国内盤ボーナス・トラック3曲も本編に劣らない充実ぶりです。
次世代ネオソウル好きには間違いない1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「If You Wanna」
日だまりのメロウ・ソウルがオープニング。彼女のキュートな魅力を満喫できます。Moonchildあたりの次世代ネオソウルがお好きな人は気に入るはず!
「Shake It」
ジャズ・フィーリング濃いめの次世代ネオソウルといった仕上がり。さり気ないですが、彼女のセンスが詰まっています。
「Back In Town」
ジャジー・メロウ・サウンドとパーカッシヴな疾走感が心地好い1曲。自身によるポケット・トランペットの音色も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=oFAn8GEBbmM
「Shine」
つなぎの小曲ですが、素敵なメロウ・チューンです。
「Where's The Sun In Berlin」
生音ジャジー&メロウ・サウンドが心地好いメロウ・グルーヴ。彼女のキュート・ヴォーカルとジャジー&メロウ・サウンドの相性は抜群です。
「Deal with It II」
故郷イスラエルを思わせるエキゾチックなエッセンスの効いたメロウ・グルーヴ。
「Turning」
アルバムのリード曲。透明感のある彼女の歌声が優しく包み込んでくれるメロウ・ミディアム。聴く者を惹き付けるサムシングがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=p84yvVeOYWQ
「Free The Jazz」
Teknical Development.isをフィーチャーしたHip-Hopトラック。ラッパー&ビートメイカーとしての彼女の才を満喫できます。クールなジャジー&メロウ感覚がいいですね。
「Shugah Boi」
ストリングを交えたメロウなネオソウル・グルーヴ。後半はジャズ・フィーリングで楽しませてくれます。
「That's What I Call (Freedom)」
キュートな彼女の歌声が映えるジャジー&メロウ。洒脱なセンスが冴え渡ります。
「Free The Jazz (Instrumental)」
「Free The Jazz」のインスト・ヴァージョン。このトラックのジャジーな魅力を再認識できます。
ここまでが本編。ここから3曲は国内盤ボーナス・トラック。このボートラ3曲が
「Ulai/Maybe」
本編以上に、彼女のコケティッシュな魅力が伝わってくるメロウ・チューン。
「Yoshitaka」
"Suzume"というアーティスト名を伝授した日本人グラフィックデザイナー川井田 好應 (Yoshitaka Kawaida)氏の名を冠したトラック。本編ではあまり聴けなかった、J Dilla的トラックを楽しめる1曲。
「Se Love」
ドリーミーな浮遊感が心地好いメロウ・グルーヴ。ヴァイヴの音色がいい感じです。
未聴の方はデビュー・アルバム『Concious Tree』(2017年)もチェックを!
『Concious Tree』(2017年)