2019年03月27日

Kenny Dorham『Matador』

Jackie McLeanとの双頭コンボによる名盤☆Kenny Dorham『Matador』
マタドール
録音年:1962年
ez的ジャンル:双頭コンボ系ハードバップ
気分は... :闘牛士の如く・・・

今回は60年代ジャズからKenny Dorham『Matador』(1962年)です。

ジャズ・トランペッターKenny Dorham(1924-1972年)に関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚

 『Afro-Cuban』(1955年)
 『Quiet Kenny』(1959年)
 『Una Mas (One More Time) 』(1963年)

United Artistsからリリースされた本作『Matador』(1962年)は、Kenny DorhamJackie McLeanの共演が印象的な作品です。

Dorhamのリーダー作ですが、Dorham不参加でMcLeanが代わりに主役を務める演奏もあり、実質的にはDorhamとMcLeanの双頭コンボ作品と呼んでいいと思います。

レコーディング・メンバーはKenny Dorham(tp)、Jackie McLean(as)、Bobby Timmons(p)、Teddy Smith(b)、J.C. Moses(ds)、

プロデュースはAlan Douglas

スパニッシュ・ムードが印象的なタイトル曲「El Matador」、スリリングに疾走するMcLean作の組曲「Melanie Pt.1-3」、Chaplin名曲の好カヴァー「Smile」、Dorham不参加でMcLeanが牽引する「Beautiful Love」DorhamとBobby Timmonsのデュオ演奏「Prelude」、寛いだ雰囲気のスタンダード・カヴァー「There Goes My Heart」と全6曲充実しています。

DorhamとMcLeanの双頭コンボが生み出した素敵なギフトを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「El Matador」
Kenny Dorham作。タイトル曲は曲名の通り、スパニッシュ・ムードが漂います。まさに生死を掛けて戦う闘牛士の美学を感じるファンキー・チューンです。Dorhamのダンディズム溢れるトランペット・ソロ、それに続くMcLeanの奔放なアルト・ソロのコントラストが闘牛士の二面性を示しているようですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Abqx5H5rEeM

「Melanie Pt.1-3」
Jackie McLean作。Jackie McLeanのリーダー作『Let Freedom Ring』(1962年)収録曲「Melody for Melonae」の再演です。スケールの大きな組曲ですが、ミステリアスな序盤から一変し、スリリングに疾走していく格好良さがたまりません。ここではDorhamよりも作者McLeanの方が主役といった感じですね。クラブジャズ好きの人もグッとくるスピード感だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=j8McpLZ3GFA

「Smile」
Charles Chaplinの名作映画『モダン・タイムズ』で使われた名曲をカヴァー(Charlie Chaplin作)。当ブログではStacey KentThe Peddlersのカヴァーを紹介済みです。お馴染みの名曲を軽やかなハードバップで聴かせてくれます。Dorham、McLean共に快調なソロを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2Bcjeb1K7fE

「Beautiful Love」
Haven Gillespie/Wayne King/Egbert Van Alstyne/Victor Young作のポピュラー/ジャズ・スタンダードをカヴァー。リーダー作でありながらDorhamは演奏に参加せず、McLeanのみの1管です。ですのでMcLeanのソロを存分に楽しみましょう。リラックスした中にも味がある演奏でスタンダードを聴かせてきれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aRd0uLVtvYs

「Prelude」
偉大なるブラジル人コンポーザーHeitor Villa-Lobosの作品をカヴァー。DorhamのトランペットとBobby Timmonsのピアノのみのデュオ演奏です。美しくも寂しげなムードがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=hPW-eHQOue8

「There Goes My Heart」
Benny Davis/Abner Silver作のスタンダードをカヴァー。オリジナルは1934年レコーディングのIsham Jones & His Orchestraヴァージョンです。ラストはスタンダードを寛いだ雰囲気の演奏を聴かせてくれます。小粋なムードがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sbMW3iBLQlA

Kenny Dorhamの他作品もチェックを!

『Kenny Dorham Quintet』(1953年)
Quintet

『Afro-Cuban』(1955年)
アフロ・キューバン

『'Round About Midnight at the Cafe Bohemia』(1956年)
カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム+4

『And The Jazz Prophets Vol. 1』(1956年)
ケニー・ドーハム&ザ・ジャズ・プロフェッツ

『Jazz Contrasts』(1957年)
Jazz Contrasts

『2 Horns/2 Rhythm』(1957年)
2 Horns/2 Rhythm

『This Is the Moment!』(1958年)
Kenny Dorham Sings and Plays: This Is the Moment!

『Blue Spring』(1959年)
Blue Spring

『Quiet Kenny』(1959年)
Quiet Kenny

『The Arrival of Kenny Dorham』(1960年)
ジ・アライヴァル・オブ・ケニー・ドーハム(紙ジャケット仕様)

『Jazz Contemporary』(1960年)
JAZZ CONTEMPORARY

『Showboat』(1960年)
ショウボート

『Whistle Stop』(1961年)
Whistle Stop

『Inta Somethin/Matador』(1961、1962年)※2in1CD
Matador + Inta Somethin

『Una Mas (One More Time) 』(1963年)
ウナ・マス+1

『Trompeta Toccata』(1964年)
Trompeta Toccata
posted by ez at 00:54| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする