2019年04月30日

Little Beaver『Joey』

ブルージーな味わいの1stアルバム☆Little Beaver『Joey』
ジョーイ [国内プレス盤 / 最新リマスター / 日本語解説付き](CDSOL-5670)
発表年:1972年
ez的ジャンル:T.K.サウンド系マイアミ・ソウル
気分は... :いぶし銀・・・

マイアミ・ソウル/T.K.サウンドを代表するギタリスト/シンガーLittle Beaverのソロ・デビュー・アルバム『Joey』(1972年)です。

Little Beaver(本名Willie Hale)の紹介は、『When Was the Last Time』(1976年)、『Party Down』(1974年)に続き3回目となります。

1945年アーカンソー州生まれのBeaverは、60年代半ばにマイアミに活動拠点を求め、Frank Williams & The Rocketeersへ参加します。
The Rocketeers名義でレコーディング機会を得て、1968年にはソロ名義でシングルもリリースしています。

やがて、マイアミ・ソウルの重要人物であり、T.K. Productionsの創始者であるHenry Stoneに見出され、セッション・ギタリストとして活動するようになり、マイアミ・ソウル・クラシックBetty Wright「Clean Up Woman」では印象的なギター・リフレインを聴かせてくれました。

そして、いよいよ自身の初ソロ・アルバムとして制作されたのが本作『Joey』(1972年)です。T.K.傘下のCatからリリースされました。

メイン・プロデューサーはSteve Alaimo。それ以外にBetty Wright/Willie Clarkeが1曲プロデュースしています。

レコーディングにはLittle Beaver(g、vo)、Edmund Collins(b)、Ron Bogdon(b)、Robert Fergeson(ds)、Freddie Scott(ds)、Latimore(p)等のミュージシャンが参加しています。このうち、Edmund Collins、Robert FergusonはThe Rocketeers時代の同僚です。

Bobby Blandの名曲カヴァー「Two Steps From The Blues」以外はLittle Beaverのオリジナルです(共作含む)。

『Party Down』(1974年)あたりの音を期待するとギャップがあるかもしれませんが、シブすぎるブルージー・ソウルが魅力の1枚です。

シングルにもなったタイトル曲「Joey」Gwen McCraeもカヴァーした「I'm Losin' The Feelin」、メロウ・バラード「That's How It Is」、Bobby Blandの名曲カヴァー「Two Steps From The Blues」あたりが僕のおススメです。

1stアルバムにしてこのシブさ!いぶし銀のBeaverワールドをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Joey」
Betty Wright/Willie Clarkeプロデュース。Willie ClarkeとLittle Beaverの共作です。シングルにもなりました。ブルージーな魅力に溢れた哀愁モードのタイトル曲。Beaverの味のあるギターと哀愁ヴォーカルが織り成すシブさがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=jtWNwVxFTyM

「Give A Helping Hand」
Steve Alaimoプロデュース。ストリングスを配したブルージー・ソウル。美しくも切ないムードがたまりません。終盤のスキャット&ギターがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=DfvC3kP1sck

「I'm Losin' The Feelin」
Steve Alaimoプロデュース。Beaverのハスキーなハイトーン・ヴォーカルがシブすぎるブルージー・ソウル。洗練されたイナたさ加減が絶妙です。抑えたトーンのギターが逆にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ilYpsgkolbY

Gwen McCraeがカヴァーしています。また、Smoke DZA feat. Benny the Butcher「Luck of Draw」のサンプリング・ソースとなっています。
Gwen McCrae「I'm Losin' The Feelin」
 https://www.youtube.com/watch?v=kD0V_N2yXrE
Smoke DZA feat. Benny the Butcher「Luck of Draw」
 https://www.youtube.com/watch?v=SWI4Ua78gGY
 
「What The Blues Is」
Steve Alaimoプロデュース。延々とじらされる感じがクセになるファンキー・ブルース。
https://www.youtube.com/watch?v=gDPAj9i3U5M

「That's How It Is」
Steve Alaimoプロデュース。カントリー・ソウル・テイストのメロウ・バラード。Beaverのメロウな側面やシンガーLittle Beaverの魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=nH8EpQvpFME

「Katie Pearl」
Steve Alaimoプロデュース。11分半の大作。ストリングスを配した壮大なスケール感のあるバラードです。1曲の中にドラマがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=tWY0fHqffPw

Blowfly(Clarence Reid)が「Capricorn」のタイトルでカヴァーしています。

「Two Steps From The Blues」
Steve Alaimoプロデュース。Bobby Blandの名曲カヴァー(Deadric Malone/John Riley Brown作)。後のBeaver作品に通じる洗練されたブルージー感覚があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FnfBlyNI6NY

Little Beaverの他作品もチェックを!

『Black Rhapsody』(1974年)
ブラック・ラプソディ

『Party Down』(1974年)
パーティ・ダウン(紙ジャケット仕様)

『When Was the Last Time』(1976年)
ホエン・ワズ・ザ・ラスト・タイム(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 02:04| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月29日

Stanley Turrentine『Rough 'N Tumble』

Duke Pearsonアレンジ、Blue Mitchell、McCoy Tyner、Grant Green参加☆Stanley Turrentine『Rough 'N Tumble』
ラフ・ン・タンブル
録音年:1966年
ez的ジャンル:ビッグ・コンボ・ソウルフル・ジャズ
気分は... :編集の妙・・・

今回はソウルフル&ブルージーなジャズ・サックス奏者Stanley Turrentine『Rough 'N Tumble』(1966年)です。

Stanley Turrentine(1934-2000年)の紹介は、『Easy Walker』(1967年)、Stanley Turrentine with The Three Sounds名義の『Blue Hour』(1960年)に続き3回目となります。

本作『Rough 'N Tumble』(1966年)は、Duke Pearsonをアレンジャーに迎えたビッグ・コンボ作品です。Oliver Nelsonをアレンジャーに起用した『Joyride』(1965年)のビッグ・バンド路線を受け継いだ作品となっています。

レコーディング・メンバーはStanley Turrentine(ts)以下、Blue Mitchell(tp)、James Spaulding(as)、Pepper Adams(bs)、McCoy Tyner(p)、Grant Green(g)、Bob Cranshaw(b)、Mickey Roker(ds)。

曲構成としては、「What Could I Do Without You」(Ray Charles)、「Shake」(Sam Cooke)、「Feeling Good」(Nina Simone)、「Walk On By」Dionne Warwick)といったソウルや当時のヒット曲のカヴァーが目立ちます。

主役のTurrentine以外にもBlue MitchellMcCoy TynerGrant Greenといったネーム・バリューのあるミュージシャンが揃っていますが、そうしたミュージシャンの個性よりも、Duke Pearsonのアレンジ・センスを生かしたアンサンブルの妙が印象的です。

ビッグ・コンビならではの鮮やかなアンサンブルとTurrentineのソウルフルな持ち味の組み合わせを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「And Satisfy」
Ronnell Bright作。Turrentineらしいソウルフル&ブルージーな演奏を楽しめます。続くMitchell、Greenのソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=H92-3QsT96g

「What Could I Do Without You」
Ray Charlesのカヴァー。Tynerの小粋なピアノが冴えるソウルフル・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ohwyE0HBsms

「Feeling Good」
ミュージカル『The Roar of the Greasepaint – The Smell of the Crowd』挿入歌をカヴァー(Anthony Newley/Leslie Bricusse作)。Nina Simoneヴァージョンでもお馴染みの曲。当ブログではShirley ScottDwight Trible With Matthew Halsallのカヴァーを紹介済みです。Pearsonのアレンジの妙を感じる素晴らしいアンサンブルを満喫できます。寛いで酒でも飲みながら聴きたい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=Xa4UECLqR7E

「Shake」
Sam Cooke作のカヴァー。ファンキー&グルーヴィーなソウル・ジャズに仕上がっています。鮮やかな三管ホーン隊が印象的です。また、こういうグルーヴィーな演奏にはGreenのギターが映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=RGbWAAbU0rA

「Walk On By」
Dionne Warwickのヒットでお馴染みのBurt Bacharach/Hal David作品をカヴァー。お馴染みのヒット曲をムーディー&ソウルフルに聴かせてくれます。このあたりもPearsonのアレンジ・センスでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=zybdpkpmiJo

名曲「Walk On By」に関して、当ブログではDionne Warwickヴァージョン以外に、Cal TjaderAverage White BandGloria GaynorThe Four King CousinsThe CarnivalPucho & The Latin Soul BrothersGimmicksChristopher ScottRobin McKelle & The FlytonesEnoch LightGabor SzaboThe Afro Blues Quintet Plus Oneのカヴァーを紹介済みです。ご興味のある方はそれらの記事もご参照下さい。

「Baptismal」
John Hines作。ラストも素敵なアンサンブルが映えます。ブルージーながらも颯爽とした演奏がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bK-OvDgZchU

Stanley Turrentineの過去記事や60年代半ば〜後半の他作品もチェックを!

Stanley Turrentine with The Three Sounds『Blue Hour』(1960年)
ブルー・アワー

『A Chip Off the Old Block』(1964年)
Chip Off the Old Block

『Hustlin'』(1965年)
Hustlin'

Shirley Scott and Stanley Turrentine『Blue Flames』(1965年)
Blue Flames

『Joyride』(1965年)
ジョイライド

『Let It Go』(1967年)
レット・イット・ゴー

『The Spoiler』(1967年)
ザ・スポイラー

Stanley Turrentine『Easy Walker』(1967年)
イージー・ウォーカー+2

『The Look of Love』(1968年)
ザ・ルック・オブ・ラヴ

Stanley Turrentine Featuring Shirley Scott『Common Touch』(1968年)

stanley turrentine common touch.jpg
posted by ez at 01:54| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月28日

Celso Fonseca『Turning Point』

進化を止めないベテランのネオ・ボッサ☆Celso Fonseca『Turning Point』
ターニング・ポイント
発表年:2018年
ez的ジャンル:円熟味ネオ・ボッサ
気分は... :進化を止めないベテラン

新作からベテランのブラジル人ギタリスト/シンガー・ソングライターCelso Fonsecaの最新アルバム『Turning Point』です。

2018年発売のようですが、国内に流通するようになったのが最近なので2019年新作扱いにさせていただきます。

現在のブラジル音楽シーンを代表するギタリスト/シンガー/コンポーザー/プロデューサーCelso Fonsecaに関して、当ブログではこれまで7枚のアルバムを紹介済みです。

 『Paradiso』(1997年) 
  ※Celso Fonseca & Ronaldo Bastos名義
 『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)
  ※Celso Fonseca & Ronaldo Bastos名義
 『Natural』(2003年)
 『Rive Gauche Rio』(2005年)
 『Pagina Central』(2009年) 
  ※Marcos Valle & Celso Fonseca名義
 『No Meu Filme』(2011年)
 『Like Nice』(2015年)

前作『Like Nice』(2015年)から約3年ぶりとなる新作ですが、相変わらず円熟味のあるボッサ・ワールドで魅了してくれます。

この人の場合、元々枯れた味わいが魅力なので、年齢を重ねるほどに深みが増す感じがいいですね。

プロデュースはCelso Fonseca本人。

レコーディングにはCelso Fonseca以外に、Junior CastanheiraDudu TrentinRricardo Mota等が参加しています。また、パナマ生まれの人気女性シンガーErika Enderがゲスト参加しています。

Junior CastanheiraDudu TrentinはFonsecaと共にアレンジでも貢献しています。

アコースティック・サウンドとエレクトロニカ/プログラミングの組み合わせが目立つ本作ですが、エレクトロニカ/プログラミングがアコースティックの美しさを邪魔せず、逆に引き立てている感じがいいですね。相変わらず引き算の美学を感じるネオ・ボッサ・ワールドです。

ベテランならではの円熟のネオ・ボッサを満喫できますが、新たなスタイルを模索する新境地にも出会えるのがいいですね。以前からアコースティック・サウンドとエレクトロニカ/プログラミングの組み合わせの妙を心得ている人ですが、ますます磨きがかかった感があります。

Coldplayのカヴァー「Sparks」以外はCelso Fonsecaのオリジナルです(共作含む)。

他のCelso Fonseca同様、長く愛聴できそうな魅力を持ったネオ・ボッサ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Mais Perto De Mim」
Celso Fonsecaらしい引き算の美学を感じるオープニング。淡々としながらもジワジワ味わいが増してきます。バンドネオンの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=MTiGY5Y-zL0

「Like a Bossa Nova」
Fonsecaの素敵なギターと囁きヴォーカルの魅力を満喫できるロマンティック・ボッサ。聴いているだけでバカンス・モードの寛いだ気分になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JWQ4TxLe000

「When You Came」
美しいアコースティック・サウンドとエレクトロニカのアクセントを巧みに融合させたビューティフル・ソング。実にコンテンポラリーなセンスに溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=BLYkBszkklA

「Vem Pra Cuidar De Mim」
ベテランならではの味わい深さを感じる哀愁ボッサ。この美しい枯れ具合はCelso Fonsecaならではですね。
https://www.youtube.com/watch?v=VK444_F9foQ

「Desliga a Luz」
パナマ生まれの女性シンガーErika Enderとのデュエット。オトナの色気に溢れたアーバンなボッサ・デュエットに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=bZxnAJYXrJk

「Inutilidade」
ジェントルなFonsecaのヴォーカルがよく似合う1曲。派手さはありませんが、コンテンポラリーなサウンド・センスも冴えています。
https://www.youtube.com/watch?v=hOxgDfGqhX8

「Turning Point」
タイトル曲はエレクトロニカ/プログラミングを前面に打ち出したダンサブル・チューン。本作において最も冒険している曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=0-9BePxsGac

「Sparks」
UKの世界的ロック・バンドColdplayのデビュー・アルバム『Parachutes』収録曲をカヴァー(Guy Berryman/Jonny Buckland/Will Champion/Chris Martin作)。Coldplayの音世界を尊重しつつ、Fonsecaらしい味わいに仕上げる手腕は流石です。
https://www.youtube.com/watch?v=nfSjoB5LtK8

「O Que Move Essa Cancao」
エレクトロニカなエッセンスを上手く取り入れたネオ・ボッサ。昔からそうですが、エレクトロニカを取り入れるセンスがこの人は抜群ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=b_gxvL7H5Ok

「Quando Tudo Parece Quieto」
哀愁メロディを、寂しげなジェントル・ヴォーカルで歌う絶品ボッサ。余韻も含めて噛みしめて味わいたい気分です。
https://www.youtube.com/watch?v=bBT0xu3hG2Q

「Delicadeza」
ラストはエレクトロニカのエッセンスを巧みに駆使したクール・サウンドが印象的なミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VzUe9YZfVig

Celso Fonsecaの過去記事もご参照下さい。

『Paradiso』(1997年)
Paradiso

『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)
Juventude / Slow Motion Bossa Nova

『Natural』(2003年)
Natural

『Rive Gauche Rio』(2005年)
Rive Gauche Rio

『Pagina Central』(2009年) 
パジナ・セントラウ [ボーナス・トラック付]

『No Meu Filme』(2011年)
No Meu Filme

『Like Nice』(2015年)
Like Nice
posted by ez at 02:40| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月27日

Babatunde Lea And Phenomena『Levels of Conciousness』

元Oneness of Jujuメンバーのアフロ・ジャズ・ファンク作品☆Babatunde Lea And Phenomena『Levels of Conciousness』
Levels of Conciousness
発表年:1979年
ez的ジャンル:USブラック・ジャズ/ファンク/ソウル
気分は... :GW突入!

今回はUSブラック・ジャズ作品からBabatunde Lea And Phenomena『Levels of Conciousness』(1979年)です。

『Rare Groove A to Z』掲載盤としても知られる再評価の高い1枚です。

本作の主役Babatunde Lea(本名:Michael Lea)はバージニア州出身のパーカッション奏者。ナイジェリア出身のジャズ・ドラマーBabatunde Olatunjiの影響でBabatundeを名乗るうようになりました。

当ブログでも紹介したUSアフロ・ジャズ・ファンク・グループJuJuOneness of Jujuのメンバーとしても活動していました。。

本作はOneness of Jujuでの活動に区切りをつけ、サンフランシスコに活動拠点を移したBabatundeが、Babatunde Lea And Phenomena名義でリリースした初リーダー作です。

Pharoah Sanders作品などで知られるTheresa Recordsからのリリースです。

Babatunde(ds、timbales、congas、vo)以下、Muziki (Duane Roberson)(p、el-p、syn)、Marvin Boxley(g、vo)、Hiroyuki Shido(b)、Cedric Deombi(vo)、Jose Najera(congas、per)、William Murphy(ts、fl)、Martin Fiero(as、fl)、()、Forest Buchtel(tp)がPhenomenaメンバーとしてクレジットされています。

それ以外にスペシャル・ゲストとして、Eddie Henderson(tp)、Julian Priester(tb)、Mark Isham(syn)、Russell Baba(as)が参加しています。

プロデュースはAllen G. PittmanPhil CrescenzoBabatundeMarvin BoxleyMuziki

ピラミッドをバックにしたジャケはブラック・ジャズ/スピリチュアル・ジャズを連想させるし、Babatundeの経歴から便宜上、ジャズとしておきますが、実際にはソウル、ラテン/ブラジル、ファンクの色合いが強く、ジャズ好きよりもソウル好き、レア・グルーヴ好き、フリーソウル好きにフィットする1枚だと思います。

ハード・ボイルドなブラック・ジャズ「Thailand Stick」、ラテン・メロウ・グルーヴ「Use Your Hands」
ブラジリアン・フュージョン調のタイトル曲「Levels Of Conciousness」、ファンキー・ソウルな「Thang」「Merely A Suggestion」、フリーソウルなメロウ・ソウル「Plea From The Soul」などジャンル分け不能な魅力に溢れています。

確かにコレはレア・グルーヴとしてセレクトしたくなる1枚ですね。

全曲紹介しときやす。

「Thailand Stick」
Muziki作。格好良いホーン・アンサンブルが牽引するハード・ボイルドなブラック・ジャズです。アルバムで最もジャズを感じるインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=eQvEcNx4wDE

「Use Your Hands」
Russell Baba作。ラテン・フレイヴァーを効かせたメロウ・グルーヴ。フリーソウル好きにもフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=pGe6hn2prsI

「Levels Of Conciousness」
Babatunde作。パーカッシヴに疾走するラテン/ブラジリアン・フュージョン調のインスト。スウィンギーな緩急、涼しげなフルート、Eddie Hendersonのトランペット・ソロ、Babatundeのティンバレス・ソロなど盛り沢山の演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=Jk0zrKzNiyM

「Thang」
Marvin Boxley作。ソウルフルなCedric Deombiのヴォーカルが印象的なブラック・フィーリングに満ちたファンキー・グルーヴ。

「Plea From The Soul」
Babatunde作。フリーソウル好きが歓喜しそうなメロウ・ソウル・チューン。女性コーラスがメロウな雰囲気を盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Pdi7pdVTiTE

「Merely A Suggestion」
Muziki作。ヴィヴィドなファンキー・ソウル。鮮やかなホーン・アンサンブルも含めて輪郭のはっきりしたサウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TRqWYkQ_4F4

「It's That Simple」
Marvin Boxley作。ラストはムーディーなミディアム・バラードで締め括ってくれます。

Babatunde Leaの他作品もチェックを!

『Level Of Intent』(1996年)
Level of Intent

『March of the Jazz Guerillas』(2000年)
March of the Jazz Guerrillas

『Master Drummers Vol. 4』(2001年)
Master Drummers Vol.4

『Soul Pools』(2003年)
ソウル・プールス

『Suite Unseen: Summoner of the Ghost』(2005年)
Suite Unseen: Summoner of Th

『Umbo Weti - A Tribute to Leon Thomas』(2009年)
Umbo Weti: Tribute to Leon Thomas (Dig)
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2019年04月25日

Mikki Bleu『Gimmie The Keys』

NJSな魅力に溢れた男性R&B☆Mikki Bleu『Gimmie The Keys』
Gimme the Keys
発表年:1991年
ez的ジャンル:NJS系男性R&B
気分は... :妙花風・・・

90年代男性R&BからMikki Bleu『Gimmie The Keys』(1991年)です。

Mikki Bleu(本名:John Kenneth Williams)はテキサス州ヒューストン出身。

ファンク・バンドGlassのメンバーとして『Introducing Glass』(1983年)でレコード・デビュー。

その後、有名アーティストのツアー・メンバーとして活動した後、その後「Lean On Me」の大ヒットを放つClub Nouveauに参加しますが、正式メンバー扱いではなかったようです。

ようやくソロ・アーティストとしてのレコーディング機会を得て、『I Promise』(1989年)でソロ・デビュー。本作『Gimmie The Keys』(1991年)は2ndアルバムとなります。その後もインディ・レーベルから何枚かのアルバムをリリースしています。

また、当ブログでも紹介したGroove U『Tender Love』(1994年)などのプロデュースも手掛けています。

さて、本作『Gimmie The Keys』(1991年)ですが、この時代らしいNJSとセクシーなミディアム〜スロウのバランスが取れた1枚に仕上がっています。

プロデュースはMikki Bleu自身。

アップ系ならば、タイトル曲「Gimme The Keys」「Whenyadowhachado」といったシングル曲。セクシーな魅力に溢れた「Good 2 U」、NJSらしい「Be With U」がおススメ。ミディアム〜スロウ系ならば、「I-O-U Love」「All My Life (I've Waited)」の2曲ですかね。あとStevie Wonderの名曲カヴァー「All I Do」も忘れてはいけませんね。

シンガーと同時に、彼のプロデューサーとしての才も感じる好盤です。

全曲紹介しときやす。

「Gimme The Keys」
シングルにもなったタイトル曲がオープニング。この時代らしいNJSで妖しげに疾走します。NJS好きの人であればグッとくるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=9Ko82I77i9A

「Whenyadowhachado」
この曲もシングルになりました。メロディアスなアップ・チューンはシングル向きのキャッチーな仕上がり。Marvin Gaye「Mercy Mercy Me」ネタのアクセントもいい感じ!
https://www.youtube.com/watch?v=WYX7cXfS4s8

「Good 2 U」
セクシーな魅力に溢れたアーバン・ナイトなアップ・チューン。彼のプロデューサーとしてのセンスも感じます。かなり僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=dtWD0NqKF28

「Be With U」
典型的なNJSを格好良くキメてくれます。ありがちな曲調ですが、完成度が高いのでグッときてしまいます。足し算、引き算のバランスが絶妙なのかな?
https://www.youtube.com/watch?v=zDGYQxpOcD0

「Stand」
1st『I Promise』(1989年)収録曲の再収録。Princeライクな雰囲気の1曲に仕上がっています。

「Stay」
セクシーなミディアム・スロウ。テクニックというより雰囲気で聴かせる巧みさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=P-wpy3BqYZ0

「All I Do」
Stevie Wonderの名曲カヴァー。オリジナルは『Hotter than July』(1980年)に収録されています。
当ブログでは少し前にMarc Dorseyのカヴァーを紹介したばかりです。NJS調ながらもオリジナルの魅力を受け継ぐ好カヴァーだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SyWMLxbhMAg

「I-O-U Love」
ロマンティックなサックスと共に始まるロマンティックなスロウ。スロウ系ではコレが一番好きです。ここでも彼のプロデューサーとしてのセンスも感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=0ZmNN12Pe0U

「All My Life (I've Waited)」
オーセンティックな魅力があるスロウ。前曲「I-O-U Love」からの流れがいいですね。ここでも雰囲気で聴かせる巧みさが光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=sRHdiz4pfhc

「Lock 'N Key」
「Stand」と同じく1st『I Promise』(1989年)収録曲の再収録。そのせいかアルバム全体の雰囲気とはギャップを感じますが、ファルセットも駆使したメロウ・ミディアムはなかなかキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=1RYbtqmx-LM

Mikki Bleuの他作品もチェックを!

『I Promise』(1989年)
I Promise

『Love Dictionary』(1993年)
mikki bleu love dictionary.jpg

『Melodic Massage』(1997年)
Melodic Massage

Glass『Introducing Glass』(1983年)
Introducing Glass
posted by ez at 01:48| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする