2019年04月03日

Phil Moore III & The Afro Latin Soultet『Afro Brazil Oba!/Wild!』

USラテン・ジャズ・プロジェクト☆Phil Moore III & The Afro Latin Soultet『Afro Brazil Oba!/Wild!』
アフロ・ブラジル・オバ!+ワイルド!
発表年:1966/67年
ez的ジャンル:USラテン・ジャズ・プロジェクト
気分は... :ワイルドだぜ!

今回はUS鍵盤奏者Phil Moore IIIが率いるラテン・ジャズ・プロジェクトPhil Moore III & The Afro Latin Soultet『Afro Brazil Oba!/Wild!』(1966/67年)です。

本作はPhil Moore III & The Afro Latin Soultet Introducing Leni Groves名義の『Afro Brazil Oba!』(1967年)およびThe Afro Latin Soultet Featuring Phil Moore III名義の『Wild!』(1966年)の2in1CDです。
※ジャケは『Afro Brazil Oba!』をベースにしたもの

女性シンガーLeni Grovesをフィーチャリングした『Afro Brazil Oba!』(1967年)の方がお馴染みかもしれません。

ちなみに、ライナー・ノーツによれば、このLeni Grovesは70年代にセッション・シンガーとして数多くの有名作品に参加したLani Grovesと同一人物らしいです。

『Afro Brazil Oba!』(1967年)のレコーディング・メンバーはPhil Moore III(p、org)以下、Leni Groves(vo)、Joe Pass(g)、Joe Comfort(b)、Clarence Johnston (ds)、Francisco Aguabella(congas、per)、Hadley Caliman(ts、fl)。Gil Fullerがアレンジを手掛けています。

一方のThe Afro Latin Soultet Featuring Phil Moore III名義の『Wild!』(1966年)は、プエルトリコでのライブ・レコーディング作品。

レコーディング・メンバーはPhil Moore III(p)以下、Chauncey Locke(tp)、Jack Fulks(as、fl)、Vance Matlock(b)、Leroy Brooks(ds)、Moises Obligacion(congas)。

Jack FulksMoises ObligacionThe Afro Blues Quintet Plus Oneのメンバーです。

個人的には、ヴォーカルものが多い『Afro Brazil Oba!』(1967年)メインのつもりで購入したのですが、実際に聴いてみると、インストのみの『Wild!』(1966年)の格好良さにシビれました。

『Afro Brazil Oba!』であれば、Leni Grovesのヴォーカルをフィーチャーした「Batucada」「I Want Your Kiss」「What Is Wrong With Grooving」あたりがおススメです。

『Wild!』であれば、「Afro Breed」「Afro Freakout」「Afro Soul」というタイトルにAfroが付く3曲、さらには「Get Ready」「So There You Are」あたりがおススメです。

全曲紹介しときやす。

「I Want Your Kiss」
Adylson Godoy/Gil Fuller作。妖しげなオルガンの音色が響くラテン・ジャズ。Leni Grovesの艶やかなヴォーカルも印象的です。

「The Eighth Day」
Phil Moore III作。インストのボッサ・ジャズ。アシッドなオルガンの音色が独特の雰囲気を醸し出します。

「He's Coming My Way」
C. Barnard作。名手Joe Passのギターと共に始まるロマンティックなバラード。Leni Grovesがしっとりと歌い上げます。

「Midnight Blue」
Phil Moore III作。ミッドナイトな雰囲気のオルガン・ラテン・ジャズ。ムーディーなサックスがミッドナイト気分を盛り上げます。

「Batucada」
Walter Wanderleyでお馴染み、Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作の名曲をカヴァー。オリジナルは『Samba '68』(1968年)に収録されています。小粋なオルガン・ジャズ・サンバをバックに、Leni Grovesのヴォーカルが躍動する好カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=zIqV6N1sK3Y

当ブログではWalter Wanderleyヴァージョン以外に、Sergio Mendes & Brasil'66Sonido 5のカヴァーも紹介済みです。

「Prece A Chuva」
Adylson Godoy/Gil Fuller作。ムーディーなサウンドをバックに、Leni Grovesがエモーショナルに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=foj7RIrfETg

「Lavender Lady」
Gil Fuller作。Joe Passのロマンティックなギターを楽しむインスト。

「Watching Pretty Raindrops」
C. Barnard作。ロマンティックなボレロをLeni Grovesがしっとりと歌い上げます。

「Recorda Me」
Joe Henderson作品をカヴァー。
オリジナルは『Page One』(1963年)に収録されています。ライトなオルガン・ボッサ・グルーヴが心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=lGB8w7QcpZo

「What Is Wrong With Grooving」
Hugh Masekela作。『Afro Brazil Oba!』のラストはLeni Grovesのエモーショナルなヴォーカルで締め括ってくれます。ライトなパーカッシヴ感が心地好いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=v5JGHcFLpb4

ここまでが『Afro Brazil Oba!』収録曲です。

「I Couldn't Live Without Your Love」
『Wild!』のオープニングはPetula Clark、1966年のヒット曲をカヴァー(Jackie Trent/Tony Hatch作)。ワイルドに躍動するラテン・グルーヴです。

「Afro Breed」
グルーヴィーなブーガルー。パーティー・モードで盛り上げてくれます。。

「Get Ready」
The Temptationsのカヴァー(Smokey Robinson作)。アッパーなラテン・グルーヴ。ヒップな魅力があります。

「Afro Freakout」
Phil Moore IIIのアタッキングなピアノが躍動するヒップな演奏です。スウィンギン・ロンドン好き人にもフィットするはず!

「Afro Soul」
涼しげなフルートがナビゲートする軽やかでパーカッシヴな演奏です。

「So There You Are」
鮮やかなホーン・アンサンブルが格好良いラテン・ジャズ。モーダルな魅力もあります。

「The Sheik」
ラテン・ジャズ版「Cantaloupe Island」みたいな雰囲気がいいですね。

「Montuno」
ラストはPhil Moore IIIのピアノと共にエレガントに疾走するラテン・ジャズで締め括ってくれます。

年度末の残務が一区切りし、ようやく新年度モードへ!
今年度は変化すべきタイミングかも?
全ては自分次第!心技体を整えるべし・・・
posted by ez at 03:57| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする