発表年:2004年
ez的ジャンル:エレガント・ボッサ・ジャズ
気分は... :空手還郷・・・
Eliane Elias『Dreamer』(2004年)です。
Eliane Eliasは1960年ブラジル、サンパウロ生まれのジャズ・ピアニスト/シンガー/コンポーザー/アレンジャー。
ジャズ・フュージョン・ユニットSteps Aheadへの参加を経て、当時公私のパートナーであった人気トランぺッターRandy Brecker とのデュオ・アルバム『Amanda』(1986年)でソロ・アーティストとしてのキャリアをスタートさせます。
その後、今日までコンスタントにリーダー作をリリースし続ける実力派アーティストです。
本作『Dreamer』(2004年)は、それまでの彼女のボッサ・ジャズ路線を踏襲する1枚ですが、カヴァー・セレクトなどバラエティに富んだ曲構成になっています。
全体的に抑えたトーンのオトナのボッサ・ジャズ・ヴォーカル作品に仕上がっています。
プロデュースはEliane Elias自身と彼女の公私のパートナーMarc Johnson、そしてSteve Rodby。
レコーディングにはEliane Elias(p、vo)以下、Michael Brecker(ts)、Mike Mainieri(vibe)、Guilherme Monteiro(g)、Oscar Castro-Neves(g)、Marc Johnson(b)、Paulo Braga(ds)、Diva Gray(back vo)、Martee Lebow(back vo)、Vaneese Thomas(back vo)が参加しています。
Petula Clarkのカヴァー「Call Me」、軽やかな「Baubles, Bangles And Beads」、
アーバン・ナイトな「Movin' Me On」、寂しげな情感がたまらないスタンダード・カヴァー「That's All」、
ピアノ・ソロも堪能できる「Tangerine」、スタンダードかと錯覚しそうなオリジナル「Time Alone」、国内盤ボーナス・トラック「Tell Me No Lies」あたりがおススメです。
抑えたトーンのオトナのボッサ・ジャズを聴きながら、落ち着きのある週末を過ごしてみては・・・
全曲紹介しときやす。
「Call Me」
UKの女性シンガー/女優Petula Clark、1965年のシングル曲のカヴァー(Tony Hatch作)。当ブログではヒットしたChris Montezヴァージョンをはじめ、Astrud Gilberto/Walter Wanderley Trio、Larry Young、Oscar Petersonのカヴァーを紹介済みです。Oscar Castro-Nevesの素敵なギターとElianeのヴォーカルが寄り添うしっとりとしたボッサ・ジャズでアルバムはスタートします。
https://www.youtube.com/watch?v=OqBUKPmeSkQ
「Baubles, Bangles And Beads」
ミュージカル『Kismet』の挿入歌をカヴァー(Alexander Borodin/George Forrest/Robert Wright作)。当ブログではLarry Nozeroのカヴァーも紹介済みです。軽やかなボッサ・ジャズですが、Elianeの上品なピアノをはじめ、抑えたエレガントさが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=nUANdbULP_U
「Photograph (Fotografia)」
Antonio Carlos Jobim/Ray Gilbert作のボッサ名曲をカヴァー。ここではストリングスをバックに、しっとりかつクールに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=XDIP1FNSFVw
本曲について、当ブログではNara Leao(アルバム『Dez Anos Depois』および『Os Meus Amigos Sao Um Barato』)、Adam Dunning、Elis Regina、Daniela Basso/Ernesto Salgueiro、Stacey Kentのカヴァーも紹介済みです。
「Movin' Me On」
Eliane Elias/Marc Johnson作。Michael Breckerの素敵なサックスと共にスタートする、アーバン・ナイトなオトナのバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=dExlbbZNMlE
「So Nice (Samba de Verao)」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。「Summer Samba」「So Nice」のタイトルでも知られる名曲「Samba de Verao」をカヴァー。Marcos自身のヴァージョンは『O Compositor E O Cantor』(1965年)、『Samba '68』(1968年)で聴くことができます。抑えたトーンの「静」の「Summer Samba」が実にクール!吐息交じりのElianeのヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_DAIbV7ft0I
本曲について、当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley Trio、Bebel Gilberto、O Quarteto、Bossa Tres、Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca、Doris Monteiroのカヴァーも紹介済みです。
「That's All」
Alan Brandt/Bob Haymes作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。オリジナルは1953年のNat King Coleヴァージョン。当ブログではStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。寂しげな情感がたまらない、彼女のジャズ・ミュージシャンとしてのセンスを感じる感動バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=TxKeth4iuo0
「Tangerine」
Victor Scherzinger/Johnny Mercer作。1942年、Jimmy Dorseyが歌いNo.1ヒット曲となったポピュラー・スタンダード。The Salsoul Orchestraのディスコ・ヒットでもお馴染みですね。当ブログではStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。ピアノ・ソロも堪能できるオトナのボッサ・ジャズに仕上がっています。実に上品でいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YdapOGbEtYw
「Dreamer (Vivo Sonhando)」
Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作の名曲カヴァー。当ブログではWanda Sa(Wanda De Sah)、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Rosalia De Souzaのカヴァーを紹介済みです。ボサノヴァ名曲を前半はポルトガル語、後半は英語で上品に歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=8Q7eJH5DIkA
「Time Alone」
Eliane Elias作。素敵なオーケストレーションに続き、美しいピアノと共にElianeがしみじみと歌い上げるバラード。スタンダートを聴いているような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=tC6PFzLncok
「Doralice」
Antonio Almeida/Dorival Caymmi作。Stan Getz/Joao Gilberto 『Getz/Gilberto』収録曲として有名ですね。当ブログではGretchen Parlatoのカヴァーも紹介済みです。ここではOscar Castro-Nevesのギターが軽やかに先導するボッサ・ジャズを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XaXUAcSJBZc
「A House Is Not a Home」
Burt Bacharach/Hal David作。オリジナルはDionne Warwick『Make Way For Dionne Warwick』(1964年)ヴァージョン。本編ラストはElianeの美しいピアノを満喫できるインスト・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VNpOxoaprGU
本曲について、当ブログでもLuther Vandross、Cheryl "Pepsii" Riley、Bill Evans Trio、The Frank Cunimondo Trio Feat. Lynn Marinoのカヴァーを紹介済みです。
「Tell Me No Lies」
国内盤ボーナス・トラック。ジャズ・サンバ調のメロウ・グルーヴを公私のパートナーMarc Johnsonとデュエットします
Eliane Eliasの他作品もチェックを!
Randy Brecker & Eliane Elias『Amanda』(1986年)
『Illusions』(1986年)
『So Far So Close』(1989年)
『Plays Jobim』(1990年)
『A Long Story』(1991年)
『Fantasia』(1992年)
『Paulistana』(1993年)
『Solos and Duets』(1995年)
『Sings Jobim』(1998年)
『Everything I Love』(2000年)
『Kissed by Nature』(2002年)
『Around the City』(2006年)
『Something for You: Eliane Elias Sings & Plays Bill Evans』(2008年)
『Bossa Nova Stories』(2009年)
『Eliane Elias Plays Live』(2009年)
『Light My Fire』(2011年)
Marc Johnson/Eliane Elias『Swept Away』(2012年)
『I Thought about You: A tribute to Chet Baker』(2013年)
『Made in Brazil』(2015年)
『Dance of Time』(2017年)
『Music From Man of La Mancha』(2018年)