2019年04月13日

Eliane Elias『Dreamer』

オトナのボッサ・ジャズ・ヴォーカル作品☆Eliane Elias『Dreamer』
夢そよぐ風(期間生産限定盤)
発表年:2004年
ez的ジャンル:エレガント・ボッサ・ジャズ
気分は... :空手還郷・・・

Eliane Elias『Dreamer』(2004年)です。

Eliane Eliasは1960年ブラジル、サンパウロ生まれのジャズ・ピアニスト/シンガー/コンポーザー/アレンジャー。

ジャズ・フュージョン・ユニットSteps Aheadへの参加を経て、当時公私のパートナーであった人気トランぺッターRandy Brecker とのデュオ・アルバム『Amanda』(1986年)でソロ・アーティストとしてのキャリアをスタートさせます。

その後、今日までコンスタントにリーダー作をリリースし続ける実力派アーティストです。

本作『Dreamer』(2004年)は、それまでの彼女のボッサ・ジャズ路線を踏襲する1枚ですが、カヴァー・セレクトなどバラエティに富んだ曲構成になっています。

全体的に抑えたトーンのオトナのボッサ・ジャズ・ヴォーカル作品に仕上がっています。

プロデュースはEliane Elias自身と彼女の公私のパートナーMarc Johnson、そしてSteve Rodby

レコーディングにはEliane Elias(p、vo)以下、Michael Brecker(ts)、Mike Mainieri(vibe)、Guilherme Monteiro(g)、Oscar Castro-Neves(g)、Marc Johnson(b)、Paulo Braga(ds)、Diva Gray(back vo)、Martee Lebow(back vo)、Vaneese Thomas(back vo)が参加しています。

Petula Clarkのカヴァー「Call Me」、軽やかな「Baubles, Bangles And Beads」
アーバン・ナイトな「Movin' Me On」、寂しげな情感がたまらないスタンダード・カヴァー「That's All」
ピアノ・ソロも堪能できる「Tangerine」、スタンダードかと錯覚しそうなオリジナル「Time Alone」、国内盤ボーナス・トラック「Tell Me No Lies」あたりがおススメです。

抑えたトーンのオトナのボッサ・ジャズを聴きながら、落ち着きのある週末を過ごしてみては・・・

全曲紹介しときやす。

「Call Me」
UKの女性シンガー/女優Petula Clark、1965年のシングル曲のカヴァー(Tony Hatch作)。当ブログではヒットしたChris Montezヴァージョンをはじめ、Astrud Gilberto/Walter Wanderley TrioLarry YoungOscar Petersonのカヴァーを紹介済みです。Oscar Castro-Nevesの素敵なギターとElianeのヴォーカルが寄り添うしっとりとしたボッサ・ジャズでアルバムはスタートします。
https://www.youtube.com/watch?v=OqBUKPmeSkQ

「Baubles, Bangles And Beads」
ミュージカル『Kismet』の挿入歌をカヴァー(Alexander Borodin/George Forrest/Robert Wright作)。当ブログではLarry Nozeroのカヴァーも紹介済みです。軽やかなボッサ・ジャズですが、Elianeの上品なピアノをはじめ、抑えたエレガントさが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=nUANdbULP_U

「Photograph (Fotografia)」
Antonio Carlos Jobim/Ray Gilbert作のボッサ名曲をカヴァー。ここではストリングスをバックに、しっとりかつクールに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=XDIP1FNSFVw

本曲について、当ブログではNara Leao(アルバム『Dez Anos Depois』および『Os Meus Amigos Sao Um Barato』)、Adam DunningElis ReginaDaniela Basso/Ernesto SalgueiroStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。

「Movin' Me On」
Eliane Elias/Marc Johnson作。Michael Breckerの素敵なサックスと共にスタートする、アーバン・ナイトなオトナのバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=dExlbbZNMlE

「So Nice (Samba de Verao)」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。「Summer Samba」「So Nice」のタイトルでも知られる名曲「Samba de Verao」をカヴァー。Marcos自身のヴァージョンは『O Compositor E O Cantor』(1965年)、『Samba '68』(1968年)で聴くことができます。抑えたトーンの「静」の「Summer Samba」が実にクール!吐息交じりのElianeのヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_DAIbV7ft0I

本曲について、当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley TrioBebel GilbertoO QuartetoBossa TresWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De ValencaDoris Monteiroのカヴァーも紹介済みです。

「That's All」
Alan Brandt/Bob Haymes作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。オリジナルは1953年のNat King Coleヴァージョン。当ブログではStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。寂しげな情感がたまらない、彼女のジャズ・ミュージシャンとしてのセンスを感じる感動バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=TxKeth4iuo0

「Tangerine」
Victor Scherzinger/Johnny Mercer作。1942年、Jimmy Dorseyが歌いNo.1ヒット曲となったポピュラー・スタンダード。The Salsoul Orchestraのディスコ・ヒットでもお馴染みですね。当ブログではStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。ピアノ・ソロも堪能できるオトナのボッサ・ジャズに仕上がっています。実に上品でいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YdapOGbEtYw

「Dreamer (Vivo Sonhando)」
Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作の名曲カヴァー。当ブログではWanda Sa(Wanda De Sah)Diane Denoir/Eduardo MateoRosalia De Souzaのカヴァーを紹介済みです。ボサノヴァ名曲を前半はポルトガル語、後半は英語で上品に歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=8Q7eJH5DIkA

「Time Alone」
Eliane Elias作。素敵なオーケストレーションに続き、美しいピアノと共にElianeがしみじみと歌い上げるバラード。スタンダートを聴いているような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=tC6PFzLncok

「Doralice」
Antonio Almeida/Dorival Caymmi作。Stan Getz/Joao Gilberto 『Getz/Gilberto』収録曲として有名ですね。当ブログではGretchen Parlatoのカヴァーも紹介済みです。ここではOscar Castro-Nevesのギターが軽やかに先導するボッサ・ジャズを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XaXUAcSJBZc

「A House Is Not a Home」
Burt Bacharach/Hal David作。オリジナルはDionne Warwick『Make Way For Dionne Warwick』(1964年)ヴァージョン。本編ラストはElianeの美しいピアノを満喫できるインスト・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VNpOxoaprGU

本曲について、当ブログでもLuther VandrossCheryl "Pepsii" RileyBill Evans TrioThe Frank Cunimondo Trio Feat. Lynn Marinoのカヴァーを紹介済みです。

「Tell Me No Lies」
国内盤ボーナス・トラック。ジャズ・サンバ調のメロウ・グルーヴを公私のパートナーMarc Johnsonとデュエットします

Eliane Eliasの他作品もチェックを!

Randy Brecker & Eliane Elias『Amanda』(1986年)
AMANDA

『Illusions』(1986年)
イリュージョン

『So Far So Close』(1989年)
So Far So Close

『Plays Jobim』(1990年)
Plays Jobim

『A Long Story』(1991年)
Long Story

『Fantasia』(1992年)
Fantasia

『Paulistana』(1993年)
Paulistana

『Solos and Duets』(1995年)
Solo's & Duets

『Sings Jobim』(1998年)
海風とジョビンの午後~イリアーヌ・シングス・ジョビン~

『Everything I Love』(2000年)
Everything I Love

『Kissed by Nature』(2002年)
キスト・バイ・ネイチャー(期間生産限定盤)

『Around the City』(2006年)
Around the City

『Something for You: Eliane Elias Sings & Plays Bill Evans』(2008年)
Something for You

『Bossa Nova Stories』(2009年)
BOSSA NOVA STORIES

『Eliane Elias Plays Live』(2009年)
デサフィナード

『Light My Fire』(2011年)
ライト・マイ・ファイアー

Marc Johnson/Eliane Elias『Swept Away』(2012年)
Swept Away

『I Thought about You: A tribute to Chet Baker』(2013年)
I Thought About You (A Tribute To Chet Baker)

『Made in Brazil』(2015年)
メイド・イン・ブラジル

『Dance of Time』(2017年)
DANCE OF TIME

『Music From Man of La Mancha』(2018年)
MUSIC FROM MAN OF LA M
posted by ez at 01:29| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする