2019年04月30日

Little Beaver『Joey』

ブルージーな味わいの1stアルバム☆Little Beaver『Joey』
ジョーイ [国内プレス盤 / 最新リマスター / 日本語解説付き](CDSOL-5670)
発表年:1972年
ez的ジャンル:T.K.サウンド系マイアミ・ソウル
気分は... :いぶし銀・・・

マイアミ・ソウル/T.K.サウンドを代表するギタリスト/シンガーLittle Beaverのソロ・デビュー・アルバム『Joey』(1972年)です。

Little Beaver(本名Willie Hale)の紹介は、『When Was the Last Time』(1976年)、『Party Down』(1974年)に続き3回目となります。

1945年アーカンソー州生まれのBeaverは、60年代半ばにマイアミに活動拠点を求め、Frank Williams & The Rocketeersへ参加します。
The Rocketeers名義でレコーディング機会を得て、1968年にはソロ名義でシングルもリリースしています。

やがて、マイアミ・ソウルの重要人物であり、T.K. Productionsの創始者であるHenry Stoneに見出され、セッション・ギタリストとして活動するようになり、マイアミ・ソウル・クラシックBetty Wright「Clean Up Woman」では印象的なギター・リフレインを聴かせてくれました。

そして、いよいよ自身の初ソロ・アルバムとして制作されたのが本作『Joey』(1972年)です。T.K.傘下のCatからリリースされました。

メイン・プロデューサーはSteve Alaimo。それ以外にBetty Wright/Willie Clarkeが1曲プロデュースしています。

レコーディングにはLittle Beaver(g、vo)、Edmund Collins(b)、Ron Bogdon(b)、Robert Fergeson(ds)、Freddie Scott(ds)、Latimore(p)等のミュージシャンが参加しています。このうち、Edmund Collins、Robert FergusonはThe Rocketeers時代の同僚です。

Bobby Blandの名曲カヴァー「Two Steps From The Blues」以外はLittle Beaverのオリジナルです(共作含む)。

『Party Down』(1974年)あたりの音を期待するとギャップがあるかもしれませんが、シブすぎるブルージー・ソウルが魅力の1枚です。

シングルにもなったタイトル曲「Joey」Gwen McCraeもカヴァーした「I'm Losin' The Feelin」、メロウ・バラード「That's How It Is」、Bobby Blandの名曲カヴァー「Two Steps From The Blues」あたりが僕のおススメです。

1stアルバムにしてこのシブさ!いぶし銀のBeaverワールドをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Joey」
Betty Wright/Willie Clarkeプロデュース。Willie ClarkeとLittle Beaverの共作です。シングルにもなりました。ブルージーな魅力に溢れた哀愁モードのタイトル曲。Beaverの味のあるギターと哀愁ヴォーカルが織り成すシブさがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=jtWNwVxFTyM

「Give A Helping Hand」
Steve Alaimoプロデュース。ストリングスを配したブルージー・ソウル。美しくも切ないムードがたまりません。終盤のスキャット&ギターがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=DfvC3kP1sck

「I'm Losin' The Feelin」
Steve Alaimoプロデュース。Beaverのハスキーなハイトーン・ヴォーカルがシブすぎるブルージー・ソウル。洗練されたイナたさ加減が絶妙です。抑えたトーンのギターが逆にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ilYpsgkolbY

Gwen McCraeがカヴァーしています。また、Smoke DZA feat. Benny the Butcher「Luck of Draw」のサンプリング・ソースとなっています。
Gwen McCrae「I'm Losin' The Feelin」
 https://www.youtube.com/watch?v=kD0V_N2yXrE
Smoke DZA feat. Benny the Butcher「Luck of Draw」
 https://www.youtube.com/watch?v=SWI4Ua78gGY
 
「What The Blues Is」
Steve Alaimoプロデュース。延々とじらされる感じがクセになるファンキー・ブルース。
https://www.youtube.com/watch?v=gDPAj9i3U5M

「That's How It Is」
Steve Alaimoプロデュース。カントリー・ソウル・テイストのメロウ・バラード。Beaverのメロウな側面やシンガーLittle Beaverの魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=nH8EpQvpFME

「Katie Pearl」
Steve Alaimoプロデュース。11分半の大作。ストリングスを配した壮大なスケール感のあるバラードです。1曲の中にドラマがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=tWY0fHqffPw

Blowfly(Clarence Reid)が「Capricorn」のタイトルでカヴァーしています。

「Two Steps From The Blues」
Steve Alaimoプロデュース。Bobby Blandの名曲カヴァー(Deadric Malone/John Riley Brown作)。後のBeaver作品に通じる洗練されたブルージー感覚があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FnfBlyNI6NY

Little Beaverの他作品もチェックを!

『Black Rhapsody』(1974年)
ブラック・ラプソディ

『Party Down』(1974年)
パーティ・ダウン(紙ジャケット仕様)

『When Was the Last Time』(1976年)
ホエン・ワズ・ザ・ラスト・タイム(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 02:04| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする