発表年:1976年
ez的ジャンル:ウルグアイ産フュージョン
気分は... :邂逅・・・
今回はHugo Fattoruso率いるウルグアイのフュージョン・グループOpaの1stアルバム『Goldenwings』(1976年)です。
Opaは、Hugo Fattoruso(key、per、vo)、Osvaldo Fattoruso(Jorge Fattoruso)(ds、per、vo)、Ringo Thielmann(b、vo)というウルグアイ人ミュージシャン3名が1969年に結成したフュージョン・グループ。OsvaldoはHugoの弟です。
リーダーのHugo Fattoruso(1943年生まれ)は、Airto Moreira、Flora Purim、Milton Nascimento等ブラジル人ミュージシャン作品への参加でお馴染みですね。
また、当ブログでも紹介したブラジル人女性シンガーMaria De Fatimaは、彼の奥方でした。
そのHugo Fattoruso率いるOpaの1stアルバム『Goldenwings』(1976年)は南米レア・グルーヴつぃて再評価の高いフュージョン作品です。
プロデュースはお馴染みのブラジル人パーカッション奏者Airto Moreira。
メンバー、Airto Moreira(per、congas)以外に、Flora Purim(vo)、David Amaro(g)、Hermeto Pascoal(fl、per)といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。
Opaの3人は、Airto Moreira『Fingers』(1973年)、Flora Purim『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』(1977年)といった作品に参加しており、Airto Moreira/Flora Purim夫妻との共演は自然な流れだったのかもしれませんね。
メンバーのオリジナルに加え、次作『Magic Time』(1977年)からメンバーとして参加するRuben Radaの楽曲を2曲取り上げています。
アルバム全体としては、ブラジリアン・フュージョンを基調にしつつも、その枠をはみ出したウルグアイ人ミュージシャンならではの味わいや、プログレシッヴなサウンド・センスがアルバムを魅力的なものにしています。
Azymuthを彷彿させる「Goldenwings」、フォルクローレ×フュージョンなメロウ・グルーヴ「Paper Butterflies (Muy Lejos Te Vas)」、南米プログレシッヴ・フュージョン「Totem」、クラブジャズ/ブラジリアン・グルーヴ好きも注目の「African Bird」、Flora Purim『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』でも取り上げられていた「Corre Nina」、Airtoの人気サンバ・グルーヴ「Tombo in 7/4」が引用されている「Pieces:Tombo/La Escuela/Tombo/The Last Goodbye」、各プレイヤーが存在感を示すファンキーな「Groove」という充実の全7曲です。
グループの個性とAirtoのカラーがケミストリーを起こした名盤だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Goldenwings」
Hugo Fattoruso/Osvaldo Fattoruso作。人気ブラジリアン・フュージョン・バンドAzymuthを彷彿させるようなコズミック・フュージョン。Hugoのキーボードが冴え渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=eblNAoISzrs
「Paper Butterflies (Muy Lejos Te Vas)」
Ruben Rada作。南米ならではのフォルクローレ×フュージョンな味わいが魅力のメロウ・グルーヴ。ブラジルの鬼才Hermeto Pascoalのフルートが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2pEaSMvnMxg
「Totem」
Hugo Fattoruso/Osvaldo Fattoruso作。このグループのスケールの大きさを感じる南米プログレシッヴ・フュージョン。ケバケバしいサウンドがよく似合います(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=mQvtFVeFVuc
「African Bird」
Ruben Rada作。クラブジャズ/ブラジリアン・グルーヴ好きにはたまらないブラジリアン・フュージョン。ウルグアイ特有のカンドンベ・リズムのパーカッション・ソロも飛び出します。Opaの個性とAirtoのカラーが見事に融合しています。
https://www.youtube.com/watch?v=NL7TlXwSQLk
「Corre Nina」
Hugo Fattoruso/Osvaldo Fattoruso作。Flora Purim『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』でも取り上げられていた楽曲です。そのFlora Purimのスキャットが冴え渡るエキサイティングなブラジリアン・フュージョンですが、本作らしいプログレシッヴなスパイスが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=L-3n5s2YlsI
「Pieces:Tombo/La Escuela/Tombo/The Last Goodbye」
Hugo Fattoruso/Osvaldo Fattoruso作。Airto Moreiraの人気サンバ・グルーヴ「Tombo in 7/4」のメロディが引用されているメロウ&ミステリアスな組曲。リズムよりメロウ・サウンド重視の「Tombo in 7/4」といった感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ss7JaHFeB6s
Kan Kick「Laserbeam」、Captain Murphy(Flying Lotus) feat. Earl Sweatshirt「Between Friends」、Guts「The Only Thing I Have」、Termanology feat. Kendra Foster「Moving Forward」のサンプリング・ソースとなっています。
Kan Kick「Laserbeam」
https://www.youtube.com/watch?v=s39nkfpenl8
Captain Murphy feat. Earl Sweatshirt「Between Friends」
https://www.youtube.com/watch?v=1FS35SshVxQ
Guts「The Only Thing I Have」
https://www.youtube.com/watch?v=5kgTaPJWS5s
Termanology feat. Kendra Foster「Moving Forward」
https://www.youtube.com/watch?v=bx3pgusMLDM
「Groove」
Hugo Fattoruso/Osvaldo Fattoruso作。ラストはDavid Amaroのギターも加わったファンキー・フュージョンで締め括ってくれます。Ringo Thielmannのベース、Hermeto Pascoalのフルートも含めて各プレイヤーが存在感を示してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1WH6mRqrHl0
Opaの他作品もチェックを!
『Goldenwings/Magic Time』(1976/77年) ※2in1CD
『En Vivo 87' & Rarities...』(2001年)
『Back Home: Lost 1975 Sessions』(2003年)