2019年05月07日

Gal Costa『Gal(1992)』

アフロ・ブラジリアンなアプローチ☆Gal Costa『Gal(1992)』
gal costa gal 1992.jpg
発表年:1992年
ez的ジャンル:ミューズ系MPB
気分は... :90年代のGalも忘れずに・・・

MPBの歌姫Gal Costa『Gal(1992)』(1992年)です。
※他に同タイトルのアルバムがあるため、便宜上『Gal(1992)』と表記しておきます。

これまで当ブログで紹介したGal Costa作品は以下の10枚。

 『Gal Costa』(1969年)
 『Gal』(1969年)
 『India』(1973年)
 『Cantar』(1974年)
 『Gal Canta Caymmi』(1976年)
 『Gal Tropical』(1979年)
 『Aquarela Do Brasil』(1980年)
 『Fantasia』(1981年)
 『Minha Voz』(1982年)
 『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)

1992年にリリースされた本作『Gal(1992)』では、アフロ・ブラジリアンな楽曲を中心に、円熟味を増したGalワールドを楽しむことができます。

Noel RosaCartolaAntonio Carlos Jobimといったブラジルの偉大なミュージシャンや盟友Caetano Velosoのカヴァー、バイーア州生まれの男性SSWGeronimoや当時は気鋭ミュージシャンであったCelso Fonsecaの楽曲などバランスの良い構成になっています。

本作らしいアフロ・ブラジリアンなアプローチを楽しめる「Coisas Nossas」「E d'Oxum」、「Don't Worry, Be Happy」の大ヒットで知られる人気黒人ジャズ・シンガーBobby McFerrinをフィーチャーしたCole Porterカヴァー「The Laziest Gal In Town」、作者Jobimもピアノで参加した名曲カヴァー「Caminhos Cruzados」、Noel Rosaの感動的カヴァー「Feitio de Oracao」、ヴィオランのみをバックに歌うCartolaカヴァー「Cordas de Aco」、作者Celso Fonsecaが鮮やかなギターでサポートする「Comunida」あたりがおススメです。

どうしてもデビューから80年代半ばあたりまでの作品が注目されがちなGal Costaですが、隠れた名盤だと思います。

円熟のGalワールドをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」
アルバムのテーマ曲とも言うべきアフロ・ブラジリアンな小曲。

「Revolta Olodum」
Domingos Sergio/Jose Olissan作。Galの凛としたヴォーカルが映えるアコースティックなアフロ・ブラジリアン。
https://www.youtube.com/watch?v=uKrWggqDtPE

「Coisas Nossas」
ブラジルの伝説的シンガー・ソングライターNoel Rosaの作品をカヴァー。軽やかなサンバのリズムと共にGalのヴォーカルも爽やかに躍動します。
https://www.youtube.com/watch?v=o3r0ePIf5a4

「Tropicalia」
盟友Caetano Velosoのカヴァー。オリジナルは『Caetano Veloso』(1968年)に収録されています。コンテンポラリーな仕上がりですが、エレクトリック・ギター&シンセでアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=JySO-UCLEuY

「The Laziest Gal In Town」
Marlene Dietrichで知られるCole Porter作品をカヴァー。Bobby McFerrinをフィーチャー。McFerrinの素敵なスキャットに包まれ、Galのヴォーカルが優しく響くメロウ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=cYyHUX7ED3k

「Raiz」
J. Velloso/Roberto Mendes作。軽やかなヴィオランの響きがGalのヴォーカルをナビゲートします。爽快かつ華やいだ雰囲気が素敵な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=z8zd52a6-yg

「E d'Oxum」
Geronimo/Veve Calasans作。本作らしいアフロ・ブラジリアン色の強い1曲。Galのヴォーカルにはフリーダムな土着的リズムがよく似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=JIhzrFI2Qyg

「Comunida」
Celso Fonseca/Gilberto Gil作。
作者Celso Fonsecaヴァージョンはアルバム『O Som Do Sim』(1995年)に収録されています。そのCelso Fonsecaもアレンジ&ギターで参加。Celsoの鮮やかなギターが映える生命感のある1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pyIaw1GezVk

「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」
「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」のパート2。

「Cordas de Aco」
サンバの巨人Cartolaのカヴァー。オリジナルは『Cartola』(1976年)に収録されています。
Marco Pereiraの素敵なヴィオランのみをバックに、Cartolaの名曲をGalが情感たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=Zcq-OCok_Qs

「Caminhos Cruzados」
Antonio Carlos Jobim/Newton Mendonca作。作者Jobim本人をゲストに迎えたカヴァー。数あるJobim作品の中でかなり上位で好きな曲なので、それをGalがカヴァーしてくれるだけでサイコーです。しかもJobimのピアノ付!この曲の世界観を見事に表現しきっている素敵なカヴァー。

当ブログではIve MendesNicola Conte/Stefania Dipierroのカヴァーも紹介済みです。

「Feitio de Oracao」
Noel Rosa/Vadico作。Noel Rosaの作品をカヴァー2曲目。サウダージな感動メロウ・バラード。「Caminhos Cruzados」からの流れがサイコーですね。
https://www.youtube.com/watch?v=klBjjSpkbps

「Rumba de Jacarepagua」
Haroldo Barbosa作。開放的なライト・メロウ・ルンバ。楽しげなGalのヴォーカルが聴く者をハッピーにしてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=srqksMT2iTU

「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」
「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」のパート3。ラストはアフロ・ブラジリアンな余韻で締め括ってくれます。

Gal Costaの過去記事もご参照下さい。

『Gal Costa』(1969年)
Gal Costa

『Gal』(1969年)
Gal

『India』(1973年)
インディア

『Cantar』(1974年)
カンタール

『Gal Canta Caymmi』(1976年)
Gal Canta Caymmi

『Gal Tropical』(1979年)
Gal Tropical by Gal Costa (2010-09-24)

『Aquarela Do Brasil』(1980年)
Aquarela Do Brazil

『Fantasia』(1981年)
Fantasia

『Minha Voz』(1982年)
Minha Voz

『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)
Lua De Mel Como O Diabo Gosta
posted by ez at 01:51| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月06日

Con Funk Shun『Fever』

プロデューサーにEumir Deodatoを迎えた1枚☆Con Funk Shun『Fever』
Fever
発表年:1983年
ez的ジャンル:カリフォルニア産メロウ・ファンク
気分は... :ルナティック・・・

今回はカリフォルニア出身の人気ファンク・バンドCon Funk Shunが1983年にリリースした『Fever』です。

これまで当ブログで紹介したCon Funk Shun作品は以下の5枚。

 『Secrets』(1977年)
 『Loveshine』(1978年)
 『Spirit Of Love』(1980年)
 『Touch』(1980年)
 『7』(1981年)

『Fever』(1983年)は、Kool & The Gangの商業的成功に導いたEumir Deodatoをプロデューサーに迎えた1枚です。

本作におけるメンバーは、Michael Cooper(vo、g)、Felton Pilate(key、syn、g、b、vo)、Karl Fuller(tp、per、vo)、Paul Harrell(sax、fl、per、vo)、Danny Thomas(key、vo)、Cedric Martin(b、g、vo)、Louis McCall(ds、per、vo)というお馴染みのラインナップです。

また、Kirk Crumpler(b)、Phillip Charles (g)、Carlos Gomez(per)、Wayne Wallace(tb)、Frederick Berry(tp)、Marvin McFadden(tp)、 A. Marc Russo(sax)といったミュージシャンが参加しています。

一般的には、US R&Bシングル・チャート第5位となったメロウ・バラード「Baby I'm Hooked (Right Into Your Love)」、MJ「Don't Stop 'Til You Get Enough」ライクなディスコ・ファンク「Can You Feel The Groove Tonight」あたりが注目曲ですかね。

個人的には、AORなメロウ・ミディアム「Don't Let Your Love Grow Cold」、アーバン・メロウ・ダンサー「If I'm Your Lover」、アーバン・ファンク「Thinking About You Baby」、ブギー・ファンク「Lovin' Fever」がおススメです。

埋もれがちな1枚かもしれませんが、Con Funk Shunらしさに満ちた充実の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Can You Feel The Groove Tonight」
Eddie Minninfield作。ヴィヴィッドなシンセと開放的なホーン・サウンドが印象的なオープニング。Michael Jackson「Don't Stop 'Til You Get Enough」ライクなディスコ・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=vs8jU3vxbBo

「Indiscreet Sweet」
Felton Pilate/Michael Cooper作。この時代らしい推進力のあるエレクトリック・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=fyqerDvmEOA

「Baby I'm Hooked (Right Into Your Love)」
Cedric Martin/Van Ross Redding作。シングル・カットされ、US R&Bチャート第5位のヒットとなった至極のメロウ・バラード。Con Funk Shunのメロウな魅力を存分に満喫できる名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=Xs2kyITrpEc

「Thinking About You Baby」
Michael Cooper作。ファンクネスとメロウネスのバランスが絶妙なCon Funk Shunらしいアーバン・ファンクに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9FQd06Cr3aU

「Don't Let Your Love Grow Cold」
Felton Pilate/Melvin Carter作。AORなメロウ・ミディアムはシングルにもなりました。The Doobie Brothers「What A Fool Believes」好きの人ならば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=BONP5KZjj0s

「Lovin' Fever」
Felton Pilate/Michael Cooper作。アーバン・ナイトなブギー・ファンク。キレのあるストレート的な感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Cm4O9UZiSk8

「Hard Lovin'」
G.L. Calhoun/Michael Cooper作。ベース&ギターが効いている重量ファンク。アルバムの中では目立ちませんが悪くありません。。
https://www.youtube.com/watch?v=FXSrMdmplUw

「If I'm Your Lover」
Felton Pilate作。ラストは僕好みのアーバンなメロウ・ダンサーで締め括ってくれます。ダンサブルでメロウでキャッチーというCon Funk Shunの魅力が詰まった1枚です。
https://www.youtube.com/watch?v=Vte5F-u9lws

Oxmo Puccino「Mensongeur」のサンプリング・ソースとなっています。
Oxmo Puccino「Mensongeur」
 https://www.youtube.com/watch?v=DqKnTaBgfCE

Con Funk Shunの他作品もチェックを!

『Con Funk Shun/Secrets』(1976/1977年) ※2in1CD
Con Funk Shun / Secrets (2 on 1) [from UK]

『Secrets』(1977年)
シークレッツ

『Loveshine』(1978年)
ラヴ・シャイン

『Candy』(1979年)
キャンディ

『Spirit Of Love』(1980年)
Spirit of Love

『Touch』(1980年)
タッチ

『7』(1981年)
7

『Touch/7/To The Max』(1980/1980/1981年) ※3in1CD
Touch / Seven / To The Max

『Electric Lady』(1985年)
Electric Lady
posted by ez at 01:21| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月05日

Liquid Saloon『Liquid Saloon』

イスラエル産アフロビート/ハイブリッド・ジャズ☆Liquid Saloon『Liquid Saloon』
Liquid Saloon (リキッド・サルーン)
発表年:2019年
ez的ジャンル:イスラエル産アフロビート/ハイブリッド・ジャズ
気分は... :知の編集!

今回は新作ジャズからイスラエル産アフロビート作品、Liquid Saloon『Liquid Saloon』(2019年)です。

Liquid Saloonは、Amir Bresler(ds、prog、per、g、b)、Nomok(key)、Sefi Zisling(tp)というイスラエルの新進ジャズ・ミュージシャンによって結成されたトリオ。

メンバーのうち、Amir BreslerSefi Zislingは、昨年アルバム『More Than One Thing』が話題となった、イスラエルの新進ジャズ・ミュージシャンのコレクティヴTime Groveのメンバーです。

また、Amir BreslerはHip-Hop/ネオソウルなクロスオーヴァー・ユニットL.B.T(Live Beat Tapes)としても作品をリリースしています。

さて、Liquid Saloonの1stアルバム『Liquid Saloon』はアフロビート色の強いハイブリッド・ジャズに仕上がっています。Amir Breslerはアフロビート探求者であり、彼の志向が反映された1枚です。

イスラエルとアフロビートって、我々日本人のイメージでは結びつきづらいですが、考えてみれば地理的にはアフリカ大陸と隣接している国であり、それほど意外なものではないのかもしれません。

レコーディングには、メンバー以外にTime GroveのメンバーであるRejoicerButtering Trio)(key、b)やNitai Hershkovits(key)、さらにはShlomi Alon(sax、fl)、Jenny Penkin(vo)、Yonatan Albalak(g)、Eyal Talmudi(clarinet)といったミュージシャンが参加しています。

ハイライフ/アフロビートに刺激を受けつつも、しっかり現在進行形のジャズに昇華させ、さらにプログラミング/エレクトロニカを巧みに融合させたハイブリッド/ハイパーな音世界で楽しませてくれます。

このGW中、文化的な美意識の変遷・発展に関わる書籍をいくつか読み込んでおり、「知の編集」が僕の中で1つのキーワードになっています。

強引に関連づけると、本作は音楽という知の編集の巧みさを感じる1枚です。

組み合わせの妙がイノベーションを生み出す!
そんなことを実感した1枚でした。

全曲紹介しときやす。

「Naive By Choice」
本作を象徴するアフロビート調のオープニング。アフロビートのエッセンスを大胆に取り入れながらも、イスラエルの現在進行形ジャズらしさも提示している点が魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=EoIB64maC_o

「Gueta」
Nitai Hershkovitsをフィーチャー。エレクトロニカなエッセンスでハイパーなハイライフ/アフロビートを楽しめる本作らしい1曲。Sefi Zislingのトランペットはしっかりジャズしています。
https://www.youtube.com/watch?v=qGtDua4vK1Y

「Belibi」
Eyal Talmudiのクラリネットをフィーチャー。アフロビート探求者のAmir Breslerが叩き出すビートが印象的なハイライフ/アフロビート調のクロスオーヴァー・ジャズ。このハイブリッド感覚は実に刺激的です。
https://www.youtube.com/watch?v=qo7HsVKHS4I

「Self Parade」
ホーン・サウンドを前面に出した現在進行形ジャズな演奏です。イスラエル"今"ジャズを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=CD-tQkeyNx0

「Play Play」
ジャズの枠に収まらないAmir Breslerのトラック・メイカー的センスが冴えるアブストラクトなクロスオーヴァー・チューン。こういうの大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=M_oK_MRWMvs

「Polaroid Banana」
プログラミング/エレクトロニカを駆使したハイパー感覚のアフロビート。このユニットの新しさを実感できる1曲。クラブジャズ好きの人も楽しめるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Ll4ZgRlXjrI

「Border Lines」
アフロ・ジャズ×エレクトロニカ×クール・ジャズといった趣の時空を超えたハイブリッド・ジャズ。うまく言い表せないですが面白い!
https://www.youtube.com/watch?v=UI_JwnBoWa8

「Won't Be Led By Fear」
Jenny Penkinのヴォーカルをフィーチャーしたミステリアスな次世代ネオソウル。J.Lamotta SuzumeMoonchildあたりがお好きな人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=lyB6iUc_-3M

「Slow Loris」
ラストはButtering TrioのRejoicerをフィーチャーした幻想的なアトモスフィアなメロウ・チューンで締め括ってくれます。心が浄化されます。
https://www.youtube.com/watch?v=6oftO_RxnK0

ご興味がある方はTime Grove『More Than One Thing』(2018年)あたりもチェックしてみては?

Time Grove『More Than One Thing』(2018年)
More Than One Thing (モア・ザン・ワン・シング)
posted by ez at 01:33| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月04日

Ruff Endz『Someone To Love You』

実力派男性R&Bデュオ☆Ruff Endz『Someone To Love You』
サムワン・トゥ・ラヴ・ユー
発表年:2002年
ez的ジャンル:実力派男性R&Bデュオ
気分は... :山水臥遊・・・

今回は2000年代男性R&Bユニット作品、Ruff Endz『Someone To Love You』(2002年)です。

メリーランド州ボルティモア出身のDante "Chi" JordanDavid "Davinch" Chanceによる男性R&BデュオRuff Endzの紹介は、デビュー・アルバム『Love Crimes』(2000年)に続き2回目となります。

デビュー・アルバム『Love Crimes』(2000年)に続く2ndアルバムとなる本作『Someone To Love You』(2002年)も、前作同様、実力派男性R&Bデュオらしいミディアム〜スロウ系が魅力の1枚に仕上がっています。

結局、David "Davinch" Chanceがソロに転向したため、本作を最後にグループは解散してしまいます。

メンバー以外にCory RooneyTroy OliverNate Clemons The Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)Night & DayC.Carroll Cole等の多彩なプロデューサーが起用されています。

アルバムは実力派男性R&Bデュオらしいミディアム〜スロウ系と2000年代初めらしいサウンド/ビートが目立つ楽曲に分かれます。後者は今聴くと好き/嫌いが分かれるかもしれませんね。

個人的にはシングルにもなったタイトル曲「Someone To Love You」、僕の一番のお気に入り、Robin Thickeもソングライティングに参加した「You Mean The World To Me」、The Charactersプロデュースの「You」、男性R&BデュオNight & Dayプロデュースの「Bigger」、美メロの「Sure Thing」といったミディアム〜スロウがおススメです。

ビートの効いた曲であれば、Memphis Bleekのラップをフィーチャーしたシングル曲「Cash, Money, Cars, Clothes」が好きです。

とりあえず「Someone To Love You」「You Mean The World To Me」の2曲を聴いてみてください。

全曲紹介しときやす。

「Someone To Love You」
Cory Rooney/Troy Oliverプロデュース。シングルにもなったタイトル曲。このユニットの魅力は十二分に伝わってくる素敵なミディアム・バラード。実力派ユニットらしい貫禄を見せつけてくれます。レゲエ・シンガーMauriceがカヴァーしています。また、9th Wonder「Smooth Love」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3VJZgJ8oEdw

「Love Of All Time (Will You Be Mine)」
David "Davinch" Chance/Nate Clemonsプロデュース。流行に配慮しながらも、自分達らしさを貫いているミディアム・バラード。甘すぎず塩味を軽く効かせている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zM2vj7f5M68

「You」
The Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)プロデュース。僕好みの美メロ・ミディアム。素敵なメロディを対照的な2人のヴォーカルで歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=9aJ87eWzh84

「Cash, Money, Cars, Clothes」
David "Davinch" Chanceプロデュース。Memphis Bleekのラップをフィーチャー。2001年にシングル・リリースしていた楽曲です。このユニットらしいのかはビミョーですが、キャッチーなダンサブル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6x6eE59NnHU

「Bigger」
当ブログでも紹介した男性R&BデュオNight & Dayのプロデュース。しみじみと歌い上げる素敵なバラードです。さり気なさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tQO4qe7jJ3c

「Shake It」
C.Carroll Coleプロデュース。少しダーク・トーンのサウンドで妖しげな雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=zMVLGnTT378

「Would U Leave Me」
David "Davinch" Chanceプロデュース。少し流行に配慮したサウンドを聴かせてくれるHip-Hop調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=JmQxNZ95w6A

「Sure Thing」
Troy Oliverプロデュース。コレも僕好みの美メロ・バラード。素直にヴォーカルの魅力で勝負している感じがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=wC6PM-juKv0

「Kamasutra」
Dante "Chi" Jordan/David "Davinch" Chanceプロデュース。ダーク・トーンのダンサブル・チューン。いかにも2000年代前半らしいアラビックなアクセントのサウンドが、今聴くと少しビミョーかも?
https://www.youtube.com/watch?v=Zl7zIrbeSas

「Threesome」
Nate Clemons/Big Mikeプロデュース。哀愁のメロディを優しく歌い上げるバラード。切々とした雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=3AT1ic-YbL4

「If It Wasn't For...」
Jerel Allen/Terry Harrisプロデュース。Missy Elliottのチキチキ・ビートを意識した仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=UwS5qUmD5_M

「You Mean The World To Me」
Cory Rooneyプロデュース。あのRobin Thickeもソングライティングに参加した素敵なラブ・バラード。僕の一番のお気に入り。曲良し、歌良し、音良しの三拍子揃った名バラードだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=p80hWvX-lS8

「Don't Stop」
Frank Johnson/Rufus Waller/James Pierceプロデュース。2000年代前半らしいHip-Hop調トラックによるダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=_9sdyf9V8P0

「Look To The Hills」
David "Davinch" Chanceプロデュース。ラストはオーセンティックなバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zGb6yE4jQnk

『Love Crimes』(2000年)
Love Crimes
posted by ez at 02:14| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月02日

Pointer Sisters『Special Things』

大ヒット「He's So Shy」収録☆Pointer Sisters『Special Things』
スペシャル・シングス(期間生産限定盤)
発表年:1980年
ez的ジャンル:姉妹ソウル・コーラス・グループ
気分は... :内気なオヤジ・・・

今回はPointer Sisters『Special Things』(1980年)です。

カリフォルニア州オークランド出身のPointer姉妹によるコーラス・グループPointer Sistersの紹介は、『Having A Party』(1977年)、『Black & White』(1981年)に続き3回目となります。

RuthAnitaJuneという3名体制で、Richard PerryPlanetへ移籍し、コンテンポラリーなポップ路線の作品で大成功を収めたPointer Sisters

本作『Special Things』(1980年)は、『Energy』(1978年)、『Priority』(1979年)に続くPlanet第3弾アルバムとなります。

プロデュースは勿論Richard Perry

レコーディングにはMark Goldenberg(g)、Marlo Henderson(g)、Paul Jackson, Jr.(g)、David Williams(g)、Greg Phillinganes(key、syn)、Tom Snow(key、syn)、Burt Bacharach(key)、John Barnes(key)、Clarence McDonald(p)、Michael Boddicker(syn)、James Jamerson(b)、Nathan Watts(b)、Ollie E. Brown(ds)、James Gadson(ds)、Ricky Lawson(ds)、Paulinho da Costa(per)、Chuck Findley(tp、flh)、Don Myrick(sax、fl)、Bill Reichenbach(tb)等のミュージシャンが参加しています。

アルバムからはシングル「He's So Shy」(邦題「内気なボーイ」)がUSシングル・チャート第3位、同R&Bチャート第10位の大ヒットとなっています。

そのため、「He's So Shy」がどうしても目立ってしまいますが、個人的にはグループの魅力を存分に満喫できる「Save This Night for Love」、名ソングライター陣の共作によるバラード「The Love Too Good to Last」、N.Y.ディスコを意識した「We've Got the Power」、晴れやかな「Could I Be Dreaming」あたりもおススメです。

「内気なボーイ」以外にも素敵な楽曲の揃った充実作です。

全曲紹介しときやす。

「Could I Be Dreaming」
Anita Pointer/Trevor Lawrence/Marlo Henderson作。シングルにもなったオープニング。リード・ヴォーカルはAnita。Paul Jackson, Jr.の軽快なギター、鮮やかなホーン・サウンドと共にAnitaのヴォーカルが躍動するダンサブル・チューン。晴れやかな雰囲気が実に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=AqYlizTrzlw

「He's So Shy」
邦題「内気なボーイ」。Tom Snow/Cynthia Weil作。前述のように、USシングル・チャート第3位、同R&Bチャート第10位の大ヒット曲。リード・ヴォーカルはJune。The Doobie Brothers「What A Fool Believes」的なエッセンスを散りばめたアーバン・メロウ/AOR。「What A Fool Believes」好きの人ならば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=YS_KakS1cD4

「The Love Too Good to Last」
Burt Bacharach/Carole Bayer Sager/Peter Allen作。リード・ヴォーカルはAnita。名ソングライター陣の共作らしい名曲の風格が漂う1曲。そんな素敵な楽曲を素晴らしいヴォーカル・ワークで聴かせてくれるミディアム・バラード。Phyllis Hymanがカヴァーしています。また、Letherette「What's the Point」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=MVv--nXi19g

「Evil」
Geoffrey Leib/Larry Lingle作。リード・ヴォーカルはJune。タイトルの通り、悪魔のように攻め入ってくるダークなダンサブル・チューン。ギター・ソロはPaul Jackson, Jr.。

「Save This Night for Love」
Ellison Chase/Bill Haberman/Art Jacobson作。リード・ヴォーカルはAnita。このグループの魅力を存分に満喫できるメロウ・グルーヴ。このメロウ・フィーリングはAOR好きも気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=I_mjNDwYqsg

「We've Got the Power」
Michael Brooks/Bob Esty作。リード・ヴォーカルはJune。ChicChangeあたりのN.Y.ディスコを意識したサウンドが心地好いダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=aScD-mOotWA

「Where Did the Time Go」
Burt Bacharach/Carole Bayer Sager作。リード・ヴォーカルはJune。切々とした思いが伝わってくる哀愁バラード。姉妹コーラスの魅力を実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=nyODtP_zHFA

「Special Things」
Anita Pointer作。リード・ヴォーカルはAnita。ラテン・フレイヴァーを効かせたアーバンに疾走するダンサブル・チューン。甘く危険な香りが漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=-07eXXir_RY

「Here Is Where Your Love Belongs」
Sons of Champlinのカヴァー(Bill Champlin作)。オリジナルは『A Circle Filled With Love』(1976年)に収録されています。リード・ヴォーカルはRuth。Don Myrickのサックス・ソロが印象的なアーバン・メロウ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=U5kTZFcIlZw

再発CDにはボーナス・トラックとして「Movin' On」が追加収録となっています。

Pointer Sistersの他作品もチェックを!

『The Pointer Sisters』(1973年)
ポインター・シスターズ

『That's A-Plenty』(1974年)
That's A-Plenty

『Steppin'』(1975年)
Steppin

『Having A Party』(1977年)
ハヴィング・ア・パーティー

『Energy』(1978年)
Energy: Expanded Edition

『Priority』(1979年)
Priority: Remastered

『Black & White』(1981年)
ブラック&ホワイト(期間生産限定盤)

『So Excited』(1982年)
So Excited

『Break Out』(1983年)
Break Out: Deluxe Expanded Edition

『Contact』(1985年)
Contact

『Hot Together』(1986年)
Hot Together

『Serious Slammin』(1988年)
Serious Slammin

『Right Rhythm』(1990年)
Right Rhythm

『Only Sisters Can Do That』(1993年)
Only Sisters Can Do That
posted by ez at 00:01| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする