発表年:1986年
ez的ジャンル:女性ファンク・グループ
気分は... :物語はクライマックスへ・・・
今回は「I Miss You」の大ヒットで知られる、80年代に活躍した女性ファンク・グループKlymaxxの『Klymaxx』(1986年)です。
1979年にL.A.で結成された女性ファンク・グループKlymaxxの紹介は、出世作『Meeting In The Ladies Room』(1984年)に続き2回目となります。
大ヒット・シングル「I Miss You」を含む前作『Meeting In The Ladies Room』(1984年)の商業的成功の勢いに乗って制作されたのが、本作『Klymaxx』(1986年)です。
前作ほどの大成功を収めることはできませんでしたが、それでも中身は前作と並びKlymaxxの絶頂期を示すアルバムに仕上がっています。
本作もグループのメンバーは、Bernadette Cooper(ds、vo)、Joyce "Fenderella" Irby(b、vo)、Lorena Porter Shelby(vo)、Lynn Malsby(key)、Robbin Grider(syn、g)、Cheryl Cooley(g、vo)という6名。
メンバー以外にGeorge Clinton、Steve Shockley(Lakeside)、Rod Temperton等がプロデュースに関与しています。また、Babyfaceがソングライティングで参加している曲もあります。
また、Howard Hewett、Siedah Garrett等がバック・コーラスで参加しています。
Rod Temperton作&プロデュースの「Man Size Love」(映画『Running Scared』挿入歌)、George Clintonもプロデュースに関与した重量ファンク「Sexy」、大ヒット「I Miss You」を彷彿させるビューティフル・バラード「I'd Still Say Yes」、アーバン・ミディアム「Divas Need Love Too」という4曲のシングルがアルバムを象徴しています。。
それ以外に「I'd Still Say Yes」と双璧をなす素敵なバラード「Long Distance Love Affair」、ミネアポリス・ファンク調の「Fab Attack」、セクシー・ファンク「Fashion」もおススメです。
結果として、本作を最後にBernadette Cooper、Joyce "Fenderella" Irby、Lynn Malsbyの3名が脱退してしまいます。
その意味では、KlymaxxがKlymaxxらしかった最後の作品だと思います。
キャッチーで聴きやすい女性ファンク・グループ作品をぜひ!
全曲紹介しときやす。
「Sexy」
Bernadette Cooper作。Bernadette Cooper/Joyce "Fenderella" Irbyプロデュース。共同プロデューサーとして、George Clintonの名もクレジットされています。シングル・カットされ、US R&Bチャート第18位となっています。タイトルの通り、セクシーな重量ファンクに仕上がっています。彼女たちのファンク魂が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wi1zbSBcv7w
「Fab Attack」
Bernadette Cooper/Cheryl Cooley/Marquis "Hami" Dair/Joyce "Fenderella" Irby/Sami McKinney作。Joyce "Fenderella" Irbyプロデュース。ミネアポリス・ファンク系の妖しげなダンサブル・チューン。このグループらしいファンク・チューンです。Cheryl Cooleyのギター・ソロもキマっています。
「Divas Need Love Too」
Bernadette Cooper/Vincent Brantley/Rick Timas作&プロデュース。シングル・カットされ、US R&Bチャート第14位となっています。ブラコンらしいアーバンなミディアム・グルーヴは僕好み。翌年 Michael Jacksonとのデュエット「I Just Can't Stop Loving You」で大ヒットを記録するSiedah Garrettがバック・コーラスを務めます。
https://www.youtube.com/watch?v=B1Azsa8r1jI
「I'd Still Say Yes」
Babyface/Joyce "Fenderella" Irby/Greg Scelsa作。Joyce "Fenderella" Irbyプロデュース。シングル・カットされ、USチャート第18位、US R&Bチャート第7位となっています。大ヒット「I Miss You」を彷彿させる素敵なビューティフル・バラード。ソングライティングにはBabyfaceも参加しています。甘酸っぱい青春の思い出が蘇ってくる感じがたまりません。Howard HewettやThe Watersがバック・コーラスを務めます。
https://www.youtube.com/watch?v=hiMUVPWE7ec
「Fashion」
Bernadette Cooper/Mike Hightower作。Bernadette Cooper/Joyce "Fenderella" Irbyプロデュース。セクシー・モードのファンク・チューン。ポップになりすぎていないのがグッド!
「Danger Zone」
Joyce "Fenderella" Irby/Chuck Gentry作。Joyce "Fenderella" Irbyプロデュース。ポップ・マーケットを意識したシンセ・ポップ調の哀愁グルーヴ。この時代らしい雰囲気ですが、僕の好みではありません。
https://www.youtube.com/watch?v=N1ua3qErUqI
「Long Distance Love Affair」
Scott Durbin作。Joyce "Fenderella" Irbyプロデュース。「I'd Still Say Yes」と同路線のピュアな魅力に満ちたビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=ACo7mYdUKhA
「Come Back」
Lynn Malsby作。Lynn Malsby/Steve Shockleyプロデュース。哀愁バラードですが、少し正攻法すぎる気も・・・何かもう一工夫欲しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=4c6kAHq9dOU
「Man Size Love」
Rod Temperton作。Bruce Swedien/Dick Rudolph/Rod Tempertonプロデュース。Gregory Hines、Billy Crystal主演のアクション・コメディ映画『Running Scared』の挿入歌。シングルにもなり、USチャート第15位のヒットとなりました。Rod Temperton絡みということもあり、ポップ・マーケットを意識したキャッチーなダンサブル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LHg_8-1EBPI
Klymaxxの他作品もチェックを!
『Girls Will Be Girls』(1982年)
『Meeting In The Ladies Room』(1984年)
『The Maxx Is Back』(1990年)
『One Day』(1994年)