2019年06月05日

Tina Brooks『True Blue』

幻のテナー・サックス奏者。生前唯一リリースのリーダー作☆Tina Brooks『True Blue』
トゥルー・ブルー(紙ジャケット仕様)
録音年:1960年
ez的ジャンル:幻のテナー・サックス奏者系ハードバップ
気分は... :謎は深まるばかり...

今回は60年代ジャズからBlue Noteハードバップ傑作の誉れ高い1枚、Tina Brooks『True Blue』(1960年)です。

Tina Brooks(1942-74年)はてノースカロライナ州生まれのテナー・サックス奏者。

ヴァイヴ奏者Lionel Hampton、トランペット奏者Benny Harrisのグループに参加した後、1958年にJimmy Smithのサイドメンとして初のレコーディングを行います。その直後にはArt Blakey(ds)、Lee Morgan(tp)、Sonny Clark(p)といった大物を従えて、初リーダー作『Minor Move』Blue Noteでレコーディングしますが、何故かお蔵入りになってしまいます。

そして、1960年に正真正銘の初リーダー作となる本作『True Blue』をレコーディングします。

1961年以降はレコーディング機会がなくなり、1974年に肝臓疾患で42歳の若さで逝去してしまったTina Brooks。結局、彼の存命中にリリースされたリーダー作は『True Blue』のみとなってしまいました。

しかし、その唯一のリーダー作『True Blue』はハードバップ傑作として今日高い評価を得ています。

レコーディング・メンバーはTina Brooks(ts)、Freddie Hubbard(tp)、Duke Jordan(p)、Sam Jones(b)、Art Taylor(ds)。

当時28歳のTina Brooksと24歳のFreddie Hubbardという若いフロント二管のプレイが魅力のアルバムです。

「Nothing Ever Changes My Love For You」以外はTina Brooksのオリジナルです。

Brooks、Hubbardが自信満々のフレーズを聴かせてくれるオープニング「Good Old Soul」、クラブジャズ的な聴き方をしてもグッとくる格好良いハードバップの「Up Tight's Creek」「Miss Hazel」、ラテン・フレイヴァーを効かせた「Theme For Doris」、印象的なテーマのリピートで中毒になりそうなタイトル曲「True Blue」、Art Taylorのドラムが上手く変化をつける「Nothing Ever Changes My Love For You」という充実の6曲です。

聴けば聴くほど、これが生前唯一のリーダー作というのが信じらない、Tina Brooksというジャズ・ミュージシャンの才に溢れた1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Good Old Soul」
Brooks、Hubbardのブルージーなアンサンブルが印象的なオープニング。ブルースのようでブルースではありません。Brooks、Hubbard共に臆することなく自信満々のフレーズを聴かせてくれます。。
https://www.youtube.com/watch?v=IAr4P9ulv5U

「Up Tight's Creek」
格好良いハードバップで疾走します。Art Taylorのドラミングに煽られ、Hubbard、Brooksのソロへ・・・特にBrooksのソロがいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=gCNE9sFPVog

「Theme For Doris」
僕好みのラテン・フレイヴァーを効かせた演奏です。特にBrooks、Hubbardの鮮やかなアンサンブルがいいですね。軽やかなDuke Jordanのピアノもグッド!Brooksのソロも存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=nt0YUclyGAY

「True Blue」
タイトル曲は印象的なテーマのリピートで中毒になりそうなインパクトのある演奏です。こういう聴かせ方もあるんですね。Brooksのセンスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=XCQ4ElOXlwQ

「Miss Hazel」
痛快なハードバップで一気に駆け抜けます。Brooksのソロに触発されたかのように、Hubbardが格好良いソロでキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1-ANZvUcTpk

「Nothing Ever Changes My Love For You」
Jack Segal/Marvin Fisher作。ラストはスタンダード・カヴァー。Art Taylorのドラムが上手く変化をつけながら、いいムードの演奏を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uR5ALgE34ag

ご興味がある方は1980年にようやく日の目を見た『Minor Move』もチェックを!

『Minor Move』(1958年録音)
Minor Move
posted by ez at 03:10| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする