発表年:1965年
ez的ジャンル:ジャズ・サンバ・トリオ
気分は... :決定力の違い・・・
サッカーはコパ・アメリカの男子代表、W杯の女子代表ともに敗れ、大会から姿を消しました。どちらのチームも決定機を決めきれずに敗戦というパターンでしたね。いつもの決定力不足・・・
勝ち上がれなかったが日本らしさは見せることができた・・・という言い訳にはいい加減ウンザリですね。
さてブラジルのジャズ・サンバ作品からJongo Trio『Jongo Trio (1965)』(1965年)です。
※1972年リリースのセルフ・タイトル・アルバムと区別するために便宜上リリース年を補足しています。
Jongo Trioはは1965年にサンパウロで結成されたジャズ・サンバ・トリオ。
オリジナル・メンバーはAntonio "Toninho" Pinheiro(ds、vo)、Cido Bianchi(p、vo)、Sebastiao "Sabá" Oliveira Da Paz(b、vo)の3名。
ToninhoとSabaはSom Tresでの活動でも知られています。
1stアルバムとなる本作『Jongo Trio』(1966年)以降、Claudette Soaresらとの共演アルバムClaudette Soares, Taiguara e Trio『Primeiro Tempo: 5 X 0』(1966年)、ヴォーカル・メンバーを加え4人体制となった『Jongo』(1970年)、再びトリオ編成に戻った『Jongo Trio』(1972年)といったアルバムをリリースしています。
さて、本作『Jongo Trio (1965)』ですが、ヴォーカル曲中心のエレガントかつ変幻自在なジャズ・サンバ作品に仕上がっています。3人のメンバーが演奏のみならず3声コーラスによるヴォーカル・ワークでも魅せてくれます。また、ジャズ・サンバ・トリオですが、その枠からはみ出たような演奏を聴けるのも楽しいですね。
特に有名曲のカヴァーについては、オリジナルの雰囲気をうまく受け継ぎつつ、Jongo Trio流の個性を発揮している演奏や、オリジナルの雰囲気を一変させている演奏といったように、オリジナル(作者ヴァージョン)と聴き比べると更に楽しめると思います。
なかなか個性的なジャズ・サンバ・トリオ作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「O Menino Das Laranjas」
Theo De Barros作。アフロ・サンバなイントロに続き、変幻自在なジャズ・サンバが展開されます。この1曲を聴けば、彼らが只者ではないことがわかるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=tNgzQMpD9dc
「Feitinha Pro Poeta」
Baden Powell作。当ブログではBossacucanovaのカヴァーも紹介済みです。ここでは軽快かつエレガントなジャズ・サンバで楽しませてくれます。メリハリのつけ方が絶妙ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_Cg6xlzibr4
「Ela Vai,Ela Vem」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。ジャズ・サンバとジャズ・ワルツを織り交ぜたセンスに脱帽の1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=sa_VIys5dz8
「Eternidade」
Adylson Godoy/Luiz Chaves作。Cidoのピアノを楽しめるインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=amOZeEfOwms
「Terra De Ninguem」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcos自身のヴァージョンは『Viola Enluarada』(1968年)に収録されています。当ブログではSabrina Malheirosのカヴァーも紹介済みです。Marcosヴァージョンを知っていると、そのプロトタイプ的な演奏に聴こえてきますね。
https://www.youtube.com/watch?v=-Ih2iuCZOEA
「Seu Chopin, Desculpe」
Johnny Alf作。タイトルの通り、ショパンの調べを織り交ぜた品格のあるジャズ・サンバです。
https://www.youtube.com/watch?v=rQ4ZUmuoUnQ
「Arrastao」
Edu Lobo/Vinicius de Moraes作。Loboのオリジナルは『A Musica De Edu Lobo Por Edu Lobo』(1965年)に収録されています。Loboのオリジナルにあったノルデスチ・モードのリズミック・パートとテンポを落としたエレガント・パートの緩急を受け継ぎ、Jongo Trio流の演奏に再構築しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6pRxnNLpRZY
「Garota Moderna」
Evaldo Gouveia/Jair Amorim作。小粋なセンスのインスト・ジャズ・サンバ。ヴォーカル入りの演奏とは違った彼らの魅力を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=eNn-4WHgRfU
「Vai Joao」
Vera Brasil作。3人のヴォーカル・ワークが冴える軽やかなジャズ・サンバ。
https://www.youtube.com/watch?v=Q0hnShAi-l8
「Reza」
Edu Lobo/Ruy Guerra作。Loboのオリジナルは『A Musica De Edu Lobo Por Edu Lobo』(1965年)に収録されています。Loboの名曲を少しテンポを落として聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JkVAW1l-81w
本曲について、当ブログではSergio Mendes & Brasil '66、Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio 、Lennie Dale & Sambalanco Trio、Tamba 4、The Carnival、Dorothy Ashby、The Girls From Bahiaのカヴァーも紹介済みです。
「Balanco No 1」
Hermeto Pascoal作。凛とした疾走感が格好良い僕好みのンスト・ジャズ・サンバ。
https://www.youtube.com/watch?v=kKg6SghZ5eo
「Deus Brasileiro」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcosのオリジナルは『O Compositor E O Cantor』(1965年)で聴くことができます。当ブログではTita、Doris Monteiroヴァージョンも紹介済みです。Marcosのオリジナルのしっとりとした雰囲気を打ち破る変幻自在なジャズ・サンバを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GS5GJ-FMhVk
再発CDにはボーナス・トラック「Medley Dorival Caymmi」が追加収録されています。
Jongo Trioの他作品もチェックを!
Claudette Soares, Taiguara e Trio『Primeiro Tempo: 5 X 0』(1966年)
Jongo Trio『Jongo Trio (1972)』(1972年)