2019年07月25日

Jeffrey Osborne『Only Human』

第一幕のラストを飾るアルバム☆Jeffrey Osborne『Only Human』
Only Human
発表年:1990年
ez的ジャンル:アーバン・コンテンポラリー系R&B
気分は... :失敗しても成功せよ!

人気ファンク・グループL.T.D.のフロントマンとしても活躍した男性R&BシンガーJeffrey Osborne『Only Human』(1990年)です。

1948年ロードアイランド州プロビデンス生まれの男性R&BシンガーJeffrey Osborneの紹介は、『Stay With Me Tonight』(1983年)に続き2回目となります。

本作『Only Human』(1990年)はソロ転向後、『Jeffrey Osborne』(1982年)を皮切りに人気男性R&Bシンガーの地位を確立していったJeffrey Osborneの第一幕の区切りとなったアルバムです。本作の後、次のスタジオ新作『That's for Sure』(2000年)まで10年のブランクがあり、復帰後はかつての勢いを取り戻すことはできませんでした。

そんな第一幕のラストを飾る本作『Only Human』の内容ですが、Jeffreyらしいブラコン調オーセンティック・バラードとNJS、Hip-Hopといった当時人気のダンサブル・サウンドを取り入れた楽曲から構成されています。正直、後者はアイデア倒れのものも多いですが、そのトライ・アンド・エラーのスタンスは興味深いものがあります。

メイン・プロデュースはBarry Eastmond。それ以外にJeffrey Osborne自身、Darryl DuncanDaddy-OStetsasonic)、Shep PettiboneRobert Brookinsがプロデュースを務めています。

レコーディングにはMike Campbell(g)、Eric Rehl(prog)、Bright Eyes(rap)、Grover Washington Jr.(sax)、Vincent Henry(sax)、Karen Anderson(back vo)、B.J. Nelson(back vo)、Nicki Richards(back vo)、Tawatha Agee(back vo)、Yolanda Lee(back vo)、Alex Brown(back vo)、Portia Griffin(back vo)、Marlena Jeter(back vo)、Terry Silverlight(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

US R&Bチャート第3位となったタイトル曲「Only Human」、3rdシングルとなった「The Morning After I Made Love To You」、ジェントルな「Back In Your Arms」、アーバン・ミディアム「Nitetime」、Sam Dees作の美しいバラード「Gettting Better All The Time」といったバラード/ミディアム系は、Jeffrey Osborneの魅力を存分に楽しめます。

一方のダンス系は、シングルにもなった「If My Brother's In Trouble」、Daddy-Oプロデュースの「Good Things Come To Those Who Wait」Roberta Flackの大ヒットで知られるEugene Mcdanielsの名曲のNJSカヴァー「Feel Like Making Love」、Darryl Duncanロデュースの「Baby Wait A Minute」あたりが、Jeffreyのチャレンジを楽しめるのでは?おススメとまでは言いません(笑)

Jeffrey Osborne好きの人であれば、いろいろな意味で興味深く聴ける1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「If My Brother's In Trouble」
Shep Pettibonプロデュース。この時代らしいNJSなダンサブル・チューンがオープニング。アルバムの2ndシングルとしてUS R&Bチャート第11位となりました。NJSながらもアーバン・テイストも微かに感じるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=w7KyWjMZEtY

「Only Human」
Barry Eastmondプロデュース。シングル・カットされ、US R&Bチャート第3位となったタイトル曲。Jeffrey Osborneにはオーセンティック・バラードが似合いますね。
https://www.youtube.com/watch?v=9_1zIrJpQ4Q

Mad Skillz「Move Ya Body」、Guce & J Stalin feat. Shady Nate「Another Quelo」 、Doughboyz Cashout「The Game Made Me」、Ohbliv「Civilization」、Yukmouth feat. San Quinn & J-Ro「Move Mean」等のサンプリング・ソースとしても人気です。
Mad Skillz「Move Ya Body」
 https://www.youtube.com/watch?v=gp97Ft5EJ5E
Guce & J Stalin feat. Shady Nate「Another Quelo」
 https://www.youtube.com/watch?v=trIT8Uo2Wbs
Doughboyz Cashout「The Game Made Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=Gx-J38jWANE
Ohbliv「Civilization」
 https://www.youtube.com/watch?v=XaVeVuNck-g
Yukmouth feat. San Quinn & J-Ro「Move Mean」
 https://www.youtube.com/watch?v=VS77GySGBuI

「Good Things Come To Those Who Wait」
Daddy-O(Stetsasonic)プロデュース。ダンサブルなHip-Hopトラックとの組み合わせは、必ずしも成功しているわけではありませんが、興味深い1曲に仕上がっています。

「The Morning After I Made Love To You」
Barry Eastmondプロデュース。アルバムからの3rdシングル。US R&Bチャート第24位となりました。個人的にはアルバムで一番お気に入りの感動バラード。Jeffreyらしいオーセンティックな魅力に溢れています。
Vincent Henryのサックス・ソロやTawatha Ageeらのバック・ヴォーカル陣もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=d3pLnQgta3k

「Lay Your Head」
Barry Eastmondプロデュース。甘く危険な香りのするアーバン・ミディアム。80年代テイストも感じられ、ブラコン好きの人は気に入るのでは?Grover Washington Jr.がサックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jU3_2Bnx4fs

J Stalin「Call on U」のサンプリング・ソースとなっています。
J Stalin「Call on U」
 https://www.youtube.com/watch?v=Z3CuVmEC38c

「Baby Wait A Minute」
Darryl Duncan/Jeffrey Osborneプロデュース。個人的にはDarryl Duncanに興味があって、唯一のソロ・アルバム『Heaven』(1988年)もリアルタイムでアナログ盤を購入したりしていました。Bright Eyesのラップも織り交ぜたDarryl Duncanらしいダンサブルなファンク・トラックに仕上がっています。全然Jeffreyらしくありませんが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=lo-zVPXGRQ8

「Sending You A Love Song」
Barry Eastmondプロデュース。哀愁バラードを切々と歌い上げます。このあたりのJeffreyの歌いっぷりは流石です。
https://www.youtube.com/watch?v=hd4kjh45cNo

「Feel Like Making Love」
Jeffrey Osborne/Robert Brookinsプロデュース。Roberta Flackの大ヒットでお馴染みのEugene Mcdaniels作の名曲「Feel Like Makin' Love」をなんとNJS調でカヴァー。アイデア先行の感もありますが、チャレンジ精神は評価しましょう(笑)

当ブログではMarlena ShawD'AngeloMeta Roos & Nippe Sylwens BandRicardo Marrero & The GroupB.E.F.Roy Ayers UbiquityEly Brunaのカヴァーも紹介済みです。

「Back In Your Arms」
Barry Eastmondプロデュース。「The Morning After I Made Love To You」と並ぶ僕のお気に入り。Jeffreyの歌声が聴く者の心を優しく包み込んでくれる素敵なバラードです。80年代ブラコン好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=wy5G70XCESA

「Nitetime」
Barry Eastmondプロデュース。これも80年代ブラコン調のアーバン・ミディアム。さり気ないですが僕は結構好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=UW-KPV8YIn8

「Gettting Better All The Time」
Barry Eastmondプロデュース。ラストは名ソングライターSam Dees作品で締め括ってくれます。ストリングスを配した美しいバラードを情感豊かな歌い上げます。やはりSam Deesはいい曲書きますね。
https://www.youtube.com/watch?v=gpadxaFxmao

Jeffrey Osborneの他作品もチェックを!

『Jeffrey Osborne』(1982年)
Jeffrey Osborne

『Stay With Me Tonight』(1983年)
Stay With Me Tonight

『Don't Stop』(1984年)
Don't Stop

『Emotional』(1986年)
Emotional
posted by ez at 01:07| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月24日

Vida Nova『It's Our Dance』

UKブラジリアン・ジャズ・ユニット☆Vida Nova『It's Our Dance』
イッツ・アワ・ダンス
発表年:2001年
ez的ジャンル:UKブラジリアン・ジャズ
気分は... :新たな人生・・・

今回はUKブラジリアン・ジャズ作品からVida Nova『It's Our Dance』(2001年)です。

Vida Novaはロンドンで結成されたブラジリアン・ジャズ・ユニット。

『It's Our Dance』(1998年)、『Bossa Jazz』(2000年)という2枚のアルバムをリリースしています。

本作は上記2枚のアルバムの全曲を収録した日本独自編集盤です。

メンバーはLisa Brown(vo)、John Crawford(p)、Tristan Banks(ds)、
Oli Albergaria Saville(per、vo)、Rob Statham(b)、Nick Cohen(b)。

メンバーのうちNick Cohenについては、彼がメンバーであったVibraphonicのアルバムやソロ名義の作品『Nick Cohen Presents Cushty』(2007年)も紹介済みです。

楽曲はブラジル名曲を中心としたカヴァーとオリジナルが半々です。

紅一点Lisa Brownのヴォーカルが引き立つ曲が魅力だと思います。

カヴァー曲であれば、Patsy Gallantの人気曲カヴァー「Te Caliente」「Waters Of March (Aguas De Marco)」「Agua De Beber」という2曲のJobimカヴァー、Sergio Mendes & Brasil '66ヴァージョンで知られる「Ye-Me-Le」、Paulo Jobim/Ronaldo Bastos作品のカヴァー「Samba Do Soho」がおススメです。

オリジナルであれば、「Earthling」「Capoeira De Bahia」あたりが好きです。

UKブラジリアン・ジャズ好きであれば、いろいろ楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Menina」
Joao Donatoのカヴァー(Joao Donato/Gutemberg Guarabyra作)。Donatoヴァージョンは『Lugar Comum』(1975年)で聴けます。Lisa Brownの透明感のあるヴォーカルが映えるクラブジャズ経由のブラジリアン・ジャズに仕上がっています。

「Te Caliente」
カナダのポップ・シンガーPatsy Gallantのカヴァー(Jimmy Tanaka作)。オリジナルは当ブログでも紹介した『Patsy!』(1978年)に収録されており、ロンドン・クラブ・シーンでも注目された高速スキャット・ブラジリアン・グルーヴです。本カヴァーもオリジナルの格好良さを受け継いだ高速スキャット・ブラジリアン・グルーヴに仕上がっています。

「Meta」
John Crawford/Lisa Brown作。落ち着いたミディアム・メロウ・ボッサに仕上がっています。メロウ・エレピの音色が心地好いです。

「Waters Of March (Aguas De Marco)」
Antonio Carlos Jobim作の名曲「三月の水」をカヴァー。Lisa Brownの透明感のあるヴォーカルは映えるメロウ・ボッサ。奇を衒わない正攻法カヴァーがいいですね。

本曲について、当ブログではTania MariaSergio Mendes & Brasil '77
Stacey KentRonald MesquitaElis ReginaAgustin Pereyra LucenaCassandra WilsonBossacucanovaのカヴァーも紹介済みです。

「Thinking Of You」
Sister Sledge永遠のダンス・クラシックをカヴァー(Bernard Edwards/Nile Rodgers作)。当ブログではLord Echoのカヴァーも紹介済みです。ブラジリアン・ジャズというよりもラテン・ジャズ風の仕上がりです。ダンス・クラシックをラテン・ジャズに変貌させてしまうところがUKクラブジャズらしいですね。

「Capoeira De Bahia」
Lisa Brown/Oli Albergaria Savill作。土着的リズムを用いつつ感動メロウに仕上がっているのがいいですね。

「Berimbau」
Baden Powell/Vinicius de Moraes作の名曲カヴァー。ここではコンテンポラリーなアレンジで瑞々しい「Berimbau」を聴かせてくれます。

本曲について、当ブログではLennie DaleDiane Denoir/Eduardo MateoAgustin Pereyra LucenaSambalanco TrioNara LeaoFelicidade A BrasilGary McFarlandKenny RankinLe Trio CamaraTrio 3DWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca Giulio Camarca & TrinidadThe Girls From Bahiaのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。

「Ye-Me-Le」
Chico Feitosa/Luis Carlos Vinhas作。Sergio Mendes & Brasil '66ヴァージョン(アルバム『Ye-Me-Le』収録)で知られる楽曲ですね。ここではラテン・アレンジを効かせた魅惑のメロウ・チューンで聴かせてくれます。トロンボーンによるアシストもグッド!

「Samba Liberdade」
John Crawford作。クールな哀愁メロウ。Lisa Brownのセクシー・スキャットがいいですね。

「Crickets Sing For Ana Maria」
Marcos Valle作品をカヴァー。Marcosヴァージョンは『Samba '68』(1968年)に収録されています。正攻法カヴァーですが、この曲の魅力を再確認できる好カヴァーに仕上がっていると思います。

当ブログではMarcos Valle自身やWalter WanderleyThe Dee Felice TrioBossa Nostraのカヴァーも紹介済みです。

「Because Of You」
Lisa Brown作。Lisaが少しレイジーなヴォーカルが印象的な哀愁メロウ。John Crawfordの美しいピアノがいいですね。

「Samba Do Soho」
Paulo Jobim/Ronaldo Bastos作。当ブログではFabiana Passoniのカヴァーを紹介済みです。僕好みのコンテンポラリーなジャズ・サンバに仕上がっています。涼しげなフルートがよく似合います。

「Earthling」
John Crawford/Lisa Brown/Nick Cohen作。大地の香りのするブラジリアン・メロウ・ジャズ。オリジナルではコレが一番好きですね。

「Agua De Beber」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲カヴァー。Lisaの艶やかなスキャット/ヴォーカルが映えるメロウ・ボッサで聴かせてくれます。抑えたトーンで品良くまとめているのがいいですね。

本曲について、当ブログでは、Sergio Mendes & Brasil'66Wanda Sa(Wanda De Sah)Diane Denoir/Eduardo MateoAl JarreauBossacucanova & Roberto MenescalSheila Landis/Rick MatleAquarius Y Luiz AntonioSebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriquesのカヴァーを紹介済みです。

「It's Our Dance」
John Crawford/Lisa Brown作。ラストはスケール感のあるブラジリアン・ジャズのタイトル曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VQt6-6ewl9I

明日(もう今日ですが)は健康診断なので早く寝ようっと!
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2019年07月23日

Cecilio & Kapono『Cecilio & Kapono』

ハワイの人気デュオのデビュー作☆Cecilio & Kapono『Cecilio & Kapono』
セシリオ&カポノ(期間生産限定盤)
発表年:1974年
ez的ジャンル:ハワイアン・メロウ・フォーキー
気分は... :梅雨明け間近・・・

コンテンポラリー・ハワイアン・ミュージックのパイオニアCecilio & Kaponoのデビュー・アルバム『Cecilio & Kapono』(1974年)です。

メキシコ人とヤキ族インディアンの混血のCecilio Rodriguezとハワイ出身のHenry Kaponoのデュオであり、Kalapanaと並ぶハワイアン・サーフ・ロックを代表するユニットCecilio & Kaponoの紹介は、3rdアルバム『Night Music』(1977年)、2ndアルバム『Elua』(1975年)に続き3回目となります。

1973年にハワイで結成され、地元クラブでライヴ活動を行っていたCecilio & Kapono

Frank Zappaのオープニング・アクトを務めたことで注目され、デビューのきっかけをつかみます。そして、レコーディングされたデビュー・アルバムが本作『Cecilio & Kapono』(1974年)です。

プロデュースは元We FiveMike Stewart

Cecilio Rodriguez(vo、g)、Henry Kapono(vo、g、sitar)以下、Leland Sklar(b)、Wilton Felder(b)、Russ Kunkle(ds)、Craig Doerge(key)、David Paich(key)、Larry McNeely(banjo)、J.D. Maness(steel g)、Bobbye Hall(per)、Gary Coleman(marimba)、Jim Horn (sax、fl)、Jimmie Haskell(strings)といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。

アルバム全体は爽快ハーモニーが映えるメロウ・フォーキーに、ウエストコースト・サウンドのアクセントを加えた楽曲が目立ちます。

個人的には、爽快ハワイアン・メロウ・フォーキー「Friends」、シングルにもなった爽快メロウ・グルーヴ「Gotta Get Away」、優しいフォーキー・バラード「Sunflower」の3曲がおススメです。

優しい爽快ハーモニーを聴きながら、気分はハワイへ・・・

全曲紹介しときやす。

「Feeling Just The Way I Do (Over You)」
Kapono作。ブルー・スカイが似合う軽快なオープニング。彼ららしい爽快ハーモニーが心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=GSXmoild4jE

「Lifetime Party」
Cecilio作。アコースティックな質感にエレクトリックなアクセントをつけたメロウ・フォーキー。
https://www.youtube.com/watch?v=A2J5k33eOIc

「Sunflower」
Cecilio作。ハワイアン・メロウらしいフォーキー・バラード。優しくしみじみとした語り口はサンセット・モードにぴったりです。
https://www.youtube.com/watch?v=m0auX2FdZ6I

「Lovin' In Your Eyes」
Cecilio作。フォーキー・デュオらしい爽快ハーモニーを満喫できるメロウ・フォーキー。涼しげなフルートもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=CATI8gLckjk

「All In Love Is Fair」
Stevie Wonderの名曲カヴァー。オリジナルは『Innervisions』(1973年)に収録されています。当ブログではG.C.Cameronのカヴァーも紹介済みです。美しくも切ないメロディを彼ららしいハーモニーで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9u2RY9ewgeE

「Gotta Get Away」
Kapono作。シングルにもなった爽快メロウ・グルーヴ。ウエストコースト・サウンド好きの人が気に入りそうなキャッチーな1曲に仕上がっています。バンジョーやスティール・ギターでアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=24iruj29Xbo

「Song For Someone」
Kapono作。しっとりと歌い上げるバラード。抑えたトーンの味わいがいいですね。サックスがムードを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Fnmxsbi9Ks4

「Friends」
Kapono作。ハワイらしさという点では、この爽快メロウ・フォーキーが一番かもしれませんね。適度にパーカッシヴな感じも含めて僕好みの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=gdFft_aQDIY

「Sunshine Love」
Cecilio作。ラストはウエストコースト・ロック調で締め括ってくれます。

Cecilio & Kaponoの過去記事もご参照ください。

『Elua』(1975年)
Elua

『Night Music』(1977年)
ナイト・ミュージック(期間生産限定盤)
posted by ez at 01:30| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月21日

Dexter Story『Bahir』

エチオ・ジャズ路線を推し進めた最新作☆Dexter Story『Bahir』
BAHIR
発表年:2019年
ez的ジャンル:L.A.ジャズ系エチオ・ジャズ
気分は... :エチオピア/東アフリカ探求の旅・・・

今回は新作ジャズ作品からDexter Story『Bahir』です。

Carlos Ninoを中心としたL.A.のミュージシャン集団Build An Arkや、Carlos NinoとのジョイントThe Life Force Trioでの活動でも知られるプロデューサー/コンポーザー/マルチ奏者/シンガーDexter Storyの紹介は、『Seasons』(2013年)、『Wondem』(2015年)に続き3回目となります。

キラー・チューン「Underway (Love Is...)」をはじめ、楽園モードのL.A.ジャズで高い支持を得た1stソロ・アルバム『Seasons』(2013年)。

それに対して、アフロ・ジャズ作品の再発で知られるUKのレーベルSoundwayからリリースされた2ndアルバム『Wondem』(2015年)は、エチオ・ジャズをはじめとする東アフリカのエッセンスが全面に打ち出された内容でファンを驚かせました。

エチオ・ジャズ/東アフリカ路線の背景には、トランぺッターTodd Simonが率いるL.A.エチオ・ジャズ・アンサンブルEthio Caliへの参加があります。Ethio CaliにはKamasi Washingtonも参加していました。

3rdアルバムとなる本作『Bahir』も前作『Wondem』と同じくSoundwayからのリリースであり、前作のエチオピア/東アフリカ路線をさらに推し進めた内容に仕上がっています。

プロデュースはDexter StoryCarlos Nino

Stones Throw期待のヴァイオリン奏者/シンガーSudan ArchivesZap MamaMarie Daulne、L.A.の女性ネオソウル・シンガーJimetta Rose等がフィーチャリングされ、Miguel Atwood-Ferguson(strings)、Randal Fisher(ts、fl)、Alan Lightner(steel pan、per)、Josef Leimberg(tp)、Te'amir Sweeney(ds、per)等のミュージシャンが参加しています。

それ以外に多くのエチオピアのミュージシャンが起用され、本格的なエチオピア/東アフリカ色を強めています。

『Wondem』同様に、エチオ・ジャズ特有のクセのあるグルーヴがフィットするかどうかで好き/嫌いが分かれるかもしれません。しかしながら、『Wondem』以上にエチオ・ジャズを吸収しつつ、Dexterならではのクロスオーヴァー/ハイブリッドな音世界の創造に成功しており、『Wondem』で免疫ができている人には案外聴きやすいかもしれません。

新型エチオ・ジャズ・グルーヴをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Techawit」
アルバムのプロローグ的な小曲。土着的なムードの中に美しさが漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=bXI-9yDI8jI

「Bila」
US在住のエチオピアン・ミュージシャンKibrom Birhaneのヴォコーダーをフィーチャー。Zapp/Rogerがエチオ・ジャズしているみたいな面白さがあります。さり気ないですが、スティール・ドラムのアクセントもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=423jqC5MqUw

「Gold」
Sudan Archivesのヴァイオリン/ヴォーカルをフィーチャー。L.A.ネオソウル/R&B×エチオ・ジャズなクロスオーヴァーを楽しめます。意外にキャッチーなダンサブル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZPbIHCYUrZo

「Ras」
US在住のエチオピアン・ミュージシャンHaile Supremeをフィーチャー。演歌調ヴォーカルも含めてエチオ・ジャズ特有の音世界が充満しています。
https://www.youtube.com/watch?v=dOT8MSd7k6s

「Mamdooh」
Miguel Atwood-Fergusonによるストリングスが印象的なインスト。アラビックなエッセンスも取り込んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=PvqEzYZVALE

「Buna Be Chow」
Jimetta Roseをフィーチャー。Storyの探求心が生んだエチオ・ジャズを飛び越えたハイブリッド・アフロ・ジャズ。こういうの好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=qQaEDBOKjXA

「Electric Gurage」
エチオピアのGurage民族のダンス音楽をエレクリック調に仕上げたのでこのタイトルになったそうです。レトロなダンサブル感が一蹴回って新しい気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=hjin84yMknw

「Jijiga Jijiya」
Marie Daulne(Zap Mama)とKibrom Birhaneをフィーチャー。これは(エチオピアに隣接する)ソマリアのリズムを使っているのだとか。東アフリカ調のエレクトリック・ソウルといった雰囲気もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=fFBETngQnBI

「Chemin De Fer」
エチオ・ジャズ・ファンクとでも呼びたくなるインスト・チューン。覚醒的なオルガンの響きもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=4amN6E-aAZI

「Desta's Groove」
次曲「Shuruba Song」のPart1的な1分半強のインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=Dh72HUFouvI

「Shuruba Song」
エチオピアの伝説的な女性シンガーHamelmal Abateをフィーチャー。ここではHamelmal Abateの素晴らしい歌声がメインであり、その分、バックのサウンドは控えめになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4XJs1900Yv4

「Bahir」
エチオピアのエレクトリック・ミュージシャンEndeguena Muluをフィーチャー。エチオピアのエレクトリック・ミュージックとL.A.産エチオ・ジャズのケミストリーを楽しめる1曲に仕上がっています。Randal Fisherのテナー・サックスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=ICcz77eoslI

「Abebaye」
本編のラストは再びMarie Daulne(Zap Mama)をフィーチャー。エチオ・ジャズというよりアイランド・モードのワールド・ミュージックといった雰囲気です。癒されます!
https://www.youtube.com/watch?v=h9oxap7Yp4o

「Wejene Aola」
国内盤CDボーナス・トラック。Kamasi Washingtonをフィーチャーし、Ethio CaliのリーダーTodd Simonも参加しています。本編とは異なる雰囲気のフューチャリスティックなエチオ・ジャズを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JoeP8fnlrq4

ご興味がある方はDexter Storyの過去記事やThe Life Force Trioの作品もチェックを!

『Seasons』(2013年)
Seasons

『Wondem』(2015年)
Wondem

Dwight Trible & The Life Force Trio『Love Is the Answer』(2005年)
Love Is the Answer [2CD] (ZENCD108)

The Life Force Trio『Ima (Living Room Special Japanese Edition) 』(2006年)
IMA (LIVING ROOM SPECIAL JAPANESE EDITION)
posted by ez at 01:40| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月20日

Bob Thompson, His Chorus And Orchestra『Mmm, Nice!』

男女コーラスの映えるジャズ・オーケストラ作品♪Bob Thompson, His Chorus And Orchestra『Mmm, Nice!』
ンー,ナイス!(紙ジャケット仕様)
発表年:1960年
ez的ジャンル:男女コーラス系系ジャズ・オーケストラ
気分は... :ナイス!

Bob Thompson, His Chorus And Orchestra『Mmm, Nice!』(1960年)です。

Bob Thompson(1924-2013年)は、カリフォルニア州生まれのコンポーザー/アレンジャー/オーケストラ・リーダー。

Roger Nichols & The Small Circle Of FriendsHarpers Bizarreといったソフトロック作品のアレンジでも知られる人ですが、『The Sound Of Speed』(1958年)、『Just for Kicks』(1959年)、『Mmm, Nice!』(1960年)、『On the Rocks』(1960年)といった自身のリーダー作も再評価されています。

さて、本作『Mmm, Nice!』(1960年)ですが、全曲に男女コーラスを配したジャズ・オーケストラ作品です。

ヴォーカル・ワークとジャズ・オーケストラ・サウンドを合わせたトータルなサウンド・センスの冴える1枚に仕上がっています。

カフェ・アプレミディのコンピにも収録されたタイトル曲「Mmm, Nice!」が人気ですが、クラブジャズ好きも気に入りそうな「While We're Young」、華やかなスウィンギー「The Song Is You」、ホーン・アレンジが冴え渡る「Hello, Young Lovers」、スリリングな「Playboy」あたりもおススメです。

Thompsonのアレンジャーとしての才が冴え渡る男女コーラス&ジャズ・オーケストラをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Mmm, Nice!」
Bob Thompson作。お色気たっぷりの女性スキャット・コーラスがたまらない、まさにナイス・ラウンジなタイトル曲。カフェ・アプレミディのコンピにも収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=5iJivZs-bkI

「The Song Is You」
Jerome Kern/Oscar Hammerstein II作。リラックスしたスウィンギー・サウンドと華やかな男女コーラスの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=-v51I9mhVmc

「Younger Than Springtime」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II作。ミュージカル『South Pacific』(1949年)収録曲のカヴァー。スタンダードのジャズ・コーラス・カヴァーといった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=AJNwQLzW2QY

「People Will Say We're In Love」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II作。ミュージカル『Oklahoma!』(1943年)収録曲のカヴァー。スウィンギーな疾走感と華やかな男女コーラスがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=dXttm6cq_8c

「They Can't Take That Away From Me」
George Gershwin/Ira Gershwin作。お色気モードのキュートな女性コーラスが映える1曲。華があります。
https://www.youtube.com/watch?v=yV0CLZo34yM

「While We're Young」
Alec Wilder/Morty Palitz/Bill Engvick作。クラブジャズ好きも気に入るであろう格好良い疾走感がいいですね。男女コーラスに加えてヴァイヴの響きがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=nahxO775wlg

「The Best Thing For You」
Irving Berlin作。Thompsonのアレンジ・センスの冴える楽しげな演奏が女性コーラスを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=Lks5V19jVAE

「Ain't We Got Fun」
Richard A. Whiting/Raymond B. Egan/Gus Kahn作。リラックスした男女ヴォーカルとメリハリの効いたジャズ・オーケストラが一体化しています。
https://www.youtube.com/watch?v=FupOmg4RHYM

「Hello, Young Lovers」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II作。ホーン・アレンジが冴え渡る1曲。素敵な男女コーラスも含めて1曲の中にミュージカル的な楽しさが詰まっています。
https://www.youtube.com/watch?v=kQnujfU0cpc

「Do It Again」
George Gershwin/Buddy DeSylva作。演奏を少し抑えめにして女性コーラスを際立てています。
https://www.youtube.com/watch?v=sAhmd-eXEh4

「Joie De Vivre」
Bob Thompson作。小気味よいスウィンギー・サウンドを華やかなコーラスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=FUkbOuEEZ9w

「I've Grown Accustomed To Her Face」
Frederick Loewe/Alan Jay Lerner作。ミュージカル『My Fair Lady』(1956年)収録曲のカヴァー。ムーディーな雰囲気です。

「Playboy」
Bob Thompson作。ラストはスリリングなスウィンギー・サウンドでど派手に締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8hy6pYG-b5w

Bob Thompsonの他作品をチェックを!

『The Sound Of Speed』(1958年)
Sound of Speed

『Just for Kicks』(1959年)
ジャスト・フォー・キックス

『On the Rocks』(1960年)
オン・ザ・ロックス
posted by ez at 02:13| Comment(2) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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