2019年07月07日

Quantic『Atlantic Oscillations』

ダンスフロア仕様を目指した最新作☆Quantic『Atlantic Oscillations』
Atlantic Oscillations [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC599)
発表年:2019年
ez的ジャンル:コスモポリタン系N.Y.クロスオーヴァー
気分は... :多元的・・・

UK出身のDJ/ミュージシャン/プロデューサーQuanticの最新アルバム『Atlantic Oscillations』です。

QuanticことWill Hollandに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の10枚。

 Quantic『Apricot Morning』(2002年)
 The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
 The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
 Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
 Quantic『Magnetica』(2014年)
 Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
 Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
 Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)

Quantic名義では『Magnetica』(2014年)以来のアルバムとなります。

今でもコロンビア、クンビアのイメージが強いQuanticですが、6年前から活動拠点をコロンビアからN.Y.へ移しています。

本作では、そんなN.Y.のクラブ・サウンドを意識したダンスフロア仕様のアルバムを目指したようです。

個人的な感想としては、これまでの路線を一新したN.Y.クラブ・サウンドというよりも、UK時代、コロンビア時代といったこれまでのキャリアやThe Quantic Soul OrchestraFlowering InfernoThe Combo BarbaroOndatropica等さまざまプロジェクトで培ってきたサウンドと今のQuanticとをクロスオーヴァーさせたN.Y.クラブ・サウンドという印象を受けます。

アルバムには盟友とも呼べるUKの女性シンガーAlice Russell、共演アルバム『Curao』(2017年)でお馴染みのコロンビア人女性シンガーNidia Gongora、テキサス出身のナイジェリア系アメリカ人女性シンガーDenitia、Quantic作品にはお馴染みのサックス奏者Sly5thAve(Sylvester Onyejiaka)がフィーチャリングされています。

それ以外にCaito Sanchez(ds)、Sydney Driver(ds)、Joe Blaxx(ds)、 Paul Wilson(p)、Kofi Hunter(congas)、Adriana Molello(violin)、Juliette Jones(violin)、Freddy Colorado(per)といったミュージシャンが参加しています。

ダンサブルなサウンドに満ちたアルバムですが、全曲生音ドラムを取り入れ、随所でQuantic自身がアレンジを手掛けた美しいストリングスが配されています。

とりあえずYouTubeに音源のある「Atlantic Oscillations」「Motivic Retrograde」「You Used To Love Me」の3曲を聴いてもらえれば本作の雰囲気をわかって頂けると思います。

世界を股に掛けるコスモポリタンQuanticらしいクロスオーヴァーなダンス・ワールドを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Divergence」
美しいヴァイオリンとシンセのエレクトロニカな音色、さらに人力ビートによるオープニング。本作におけるQuanticのスタンスがよくわかります。

「Inscendium」
Quantic自身をヴォーカルを務めるダンス・チューン。N.Y.アンダーグラウンドのダンスフロア感がある本作らしいサウンドを楽しめます。

「September Blues」
Quantic自身が手掛けたストリングス・サウンドが冴えるインスト・ダンス・チューン。初期Quanticを2019年のN.Y.仕様にしたような雰囲気もあります。

「You Used To Love Me」
Denitiaをフィーチャー。少しレイジーなDenitiaのヴォーカルが映えるクールなソウル・グルーヴ。僕の一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=e2NIBW8L_Jw

「Atlantic Oscillations」
タイトル曲はN.Y.を拠点とする今のQuanticと世界中を飛び回ってきた彼のこれまでのキャリアをクロスオーヴァーさせたようなインスト・ディスコに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=AFZJKZVWv3U

「Now Or Never」
Alice Russellをフィーチャー。美しいヴァイオリンと臨場感のある生音グルーヴがAlice Russellのヴォーカルを盛り立てるソウル・グルーヴ。

「Orquidea」
Sly5thAveのサックスをフィーチャー。Sly5thAveのサックスをはじめ、開放的なサマー・モードのジャジー・サウンドで楽しませてくれます。

「Tierra Mama」
Nidia Gongoraをフィーチャー。今のQuanticとコロンビア時代のQuanticとの
クロスオーヴァーといった感じですね。ラテン・サウンドの中にN.Y.ダンスフロアのスパイスが効いています。

「Motivic Retrograde」
これはUK時代の初期Quanticとコロンビア時代のQuanticの融合させたようなインスト・ダンス・チューンです。Quantic好きの人であれば楽しめるであろうクロスオーヴァー・サウンドなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=_ur-AFT460A

「La Reflexion」
Flowering Inferno的なダビー感覚も取り入れたN.Y.×ラテンなクロスオーヴァー・チューン。マリンバやカリンバのアクセントもいい感じです。

「Is It Your Intention」
本編ラストはQuantic自身をヴォーカルを務める哀愁エレクトロニカで締め括ってくれます。

「Atlantic Oscillations (Disco Dub)」
国内盤ボーナス・トラック。「Atlantic Oscillations」のリミックスです。
https://www.youtube.com/watch?v=VOKNLPfCiJI

Quantic関連の他作品もチェックを!

Quantic『The 5th Exotic』(2001年)
The 5th Exotic

Quantic『Apricot Morning』(2002年)
Apricot Morning (TRUCD034)

The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
Stampede

The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Tales from Beyond the Groove (TRUCD057)

Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
Mishaps Happening

The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
Pushin On (TRUCD074)

Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
An Announcement to Answer (TRUCD100)

The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
I'm Thankful

The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Tropidelico (TRUCD139)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
Death Of The Revolution [日本語解説付き国内盤] (BRTRU163)

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Dog With A Rope [ボーナストラック2曲・日本語解説付き国内盤] (BRC-262)

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Look Around The Corner [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC325)

Ondatropica『Ondatropica』(2012年)
Ondatropica

Quantic『Magnetica』(2014年)
Magnetica [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC415)

Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
A NEW CONSTELLATION [帯解説・ボーナストラック収録] (BRC477)

Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
1000 Watts [帯解説・ボーナストラック4曲収録 / 国内盤CD] (BRC514)

Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
バイレ・ブカネロ

Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)
Curao [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC547)
posted by ez at 00:35| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする