発表年:1990年
ez的ジャンル:アーバン・コンテンポラリー系R&B
気分は... :失敗しても成功せよ!
人気ファンク・グループL.T.D.のフロントマンとしても活躍した男性R&BシンガーJeffrey Osborneの『Only Human』(1990年)です。
1948年ロードアイランド州プロビデンス生まれの男性R&BシンガーJeffrey Osborneの紹介は、『Stay With Me Tonight』(1983年)に続き2回目となります。
本作『Only Human』(1990年)はソロ転向後、『Jeffrey Osborne』(1982年)を皮切りに人気男性R&Bシンガーの地位を確立していったJeffrey Osborneの第一幕の区切りとなったアルバムです。本作の後、次のスタジオ新作『That's for Sure』(2000年)まで10年のブランクがあり、復帰後はかつての勢いを取り戻すことはできませんでした。
そんな第一幕のラストを飾る本作『Only Human』の内容ですが、Jeffreyらしいブラコン調オーセンティック・バラードとNJS、Hip-Hopといった当時人気のダンサブル・サウンドを取り入れた楽曲から構成されています。正直、後者はアイデア倒れのものも多いですが、そのトライ・アンド・エラーのスタンスは興味深いものがあります。
メイン・プロデュースはBarry Eastmond。それ以外にJeffrey Osborne自身、Darryl Duncan、Daddy-O(Stetsasonic)、Shep Pettibone、Robert Brookinsがプロデュースを務めています。
レコーディングにはMike Campbell(g)、Eric Rehl(prog)、Bright Eyes(rap)、Grover Washington Jr.(sax)、Vincent Henry(sax)、Karen Anderson(back vo)、B.J. Nelson(back vo)、Nicki Richards(back vo)、Tawatha Agee(back vo)、Yolanda Lee(back vo)、Alex Brown(back vo)、Portia Griffin(back vo)、Marlena Jeter(back vo)、Terry Silverlight(back vo)等のミュージシャンが参加しています。
US R&Bチャート第3位となったタイトル曲「Only Human」、3rdシングルとなった「The Morning After I Made Love To You」、ジェントルな「Back In Your Arms」、アーバン・ミディアム「Nitetime」、Sam Dees作の美しいバラード「Gettting Better All The Time」といったバラード/ミディアム系は、Jeffrey Osborneの魅力を存分に楽しめます。
一方のダンス系は、シングルにもなった「If My Brother's In Trouble」、Daddy-Oプロデュースの「Good Things Come To Those Who Wait」、Roberta Flackの大ヒットで知られるEugene Mcdanielsの名曲のNJSカヴァー「Feel Like Making Love」、Darryl Duncanロデュースの「Baby Wait A Minute」あたりが、Jeffreyのチャレンジを楽しめるのでは?おススメとまでは言いません(笑)
Jeffrey Osborne好きの人であれば、いろいろな意味で興味深く聴ける1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「If My Brother's In Trouble」
Shep Pettibonプロデュース。この時代らしいNJSなダンサブル・チューンがオープニング。アルバムの2ndシングルとしてUS R&Bチャート第11位となりました。NJSながらもアーバン・テイストも微かに感じるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=w7KyWjMZEtY
「Only Human」
Barry Eastmondプロデュース。シングル・カットされ、US R&Bチャート第3位となったタイトル曲。Jeffrey Osborneにはオーセンティック・バラードが似合いますね。
https://www.youtube.com/watch?v=9_1zIrJpQ4Q
Mad Skillz「Move Ya Body」、Guce & J Stalin feat. Shady Nate「Another Quelo」 、Doughboyz Cashout「The Game Made Me」、Ohbliv「Civilization」、Yukmouth feat. San Quinn & J-Ro「Move Mean」等のサンプリング・ソースとしても人気です。
Mad Skillz「Move Ya Body」
https://www.youtube.com/watch?v=gp97Ft5EJ5E
Guce & J Stalin feat. Shady Nate「Another Quelo」
https://www.youtube.com/watch?v=trIT8Uo2Wbs
Doughboyz Cashout「The Game Made Me」
https://www.youtube.com/watch?v=Gx-J38jWANE
Ohbliv「Civilization」
https://www.youtube.com/watch?v=XaVeVuNck-g
Yukmouth feat. San Quinn & J-Ro「Move Mean」
https://www.youtube.com/watch?v=VS77GySGBuI
「Good Things Come To Those Who Wait」
Daddy-O(Stetsasonic)プロデュース。ダンサブルなHip-Hopトラックとの組み合わせは、必ずしも成功しているわけではありませんが、興味深い1曲に仕上がっています。
「The Morning After I Made Love To You」
Barry Eastmondプロデュース。アルバムからの3rdシングル。US R&Bチャート第24位となりました。個人的にはアルバムで一番お気に入りの感動バラード。Jeffreyらしいオーセンティックな魅力に溢れています。
Vincent Henryのサックス・ソロやTawatha Ageeらのバック・ヴォーカル陣もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=d3pLnQgta3k
「Lay Your Head」
Barry Eastmondプロデュース。甘く危険な香りのするアーバン・ミディアム。80年代テイストも感じられ、ブラコン好きの人は気に入るのでは?Grover Washington Jr.がサックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jU3_2Bnx4fs
J Stalin「Call on U」のサンプリング・ソースとなっています。
J Stalin「Call on U」
https://www.youtube.com/watch?v=Z3CuVmEC38c
「Baby Wait A Minute」
Darryl Duncan/Jeffrey Osborneプロデュース。個人的にはDarryl Duncanに興味があって、唯一のソロ・アルバム『Heaven』(1988年)もリアルタイムでアナログ盤を購入したりしていました。Bright Eyesのラップも織り交ぜたDarryl Duncanらしいダンサブルなファンク・トラックに仕上がっています。全然Jeffreyらしくありませんが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=lo-zVPXGRQ8
「Sending You A Love Song」
Barry Eastmondプロデュース。哀愁バラードを切々と歌い上げます。このあたりのJeffreyの歌いっぷりは流石です。
https://www.youtube.com/watch?v=hd4kjh45cNo
「Feel Like Making Love」
Jeffrey Osborne/Robert Brookinsプロデュース。Roberta Flackの大ヒットでお馴染みのEugene Mcdaniels作の名曲「Feel Like Makin' Love」をなんとNJS調でカヴァー。アイデア先行の感もありますが、チャレンジ精神は評価しましょう(笑)
当ブログではMarlena Shaw、D'Angelo、Meta Roos & Nippe Sylwens Band、Ricardo Marrero & The Group、B.E.F.、Roy Ayers UbiquityEly Brunaのカヴァーも紹介済みです。
「Back In Your Arms」
Barry Eastmondプロデュース。「The Morning After I Made Love To You」と並ぶ僕のお気に入り。Jeffreyの歌声が聴く者の心を優しく包み込んでくれる素敵なバラードです。80年代ブラコン好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=wy5G70XCESA
「Nitetime」
Barry Eastmondプロデュース。これも80年代ブラコン調のアーバン・ミディアム。さり気ないですが僕は結構好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=UW-KPV8YIn8
「Gettting Better All The Time」
Barry Eastmondプロデュース。ラストは名ソングライターSam Dees作品で締め括ってくれます。ストリングスを配した美しいバラードを情感豊かな歌い上げます。やはりSam Deesはいい曲書きますね。
https://www.youtube.com/watch?v=gpadxaFxmao
Jeffrey Osborneの他作品もチェックを!
『Jeffrey Osborne』(1982年)
『Stay With Me Tonight』(1983年)
『Don't Stop』(1984年)
『Emotional』(1986年)