2019年08月25日

BJ The Chicago Kid『1123』

期待を裏切らないMotown第2弾☆BJ The Chicago Kid『1123』
1123
発表年:2019年
ez的ジャンル:新進男性R&Bシンガー
気分は... :世界観!

新作から期待の大型男性R&BシンガーBJ The Chicago Kidの最新作『1123』です。

1984年シカゴ生まれの男性R&Bシンガー/ソングライターBJ the Chicago Kid(本名Bryan James Sledge)の紹介は、初のメジャー作品となった2ndアルバム『In My Mind』(2016年)に続き2回目となります。

本作『1123』は、前作『In My Mind』(2016年)に続くMotownからの第2弾アルバムとなります。

前作『In My Mind』は、グラミーのBest R&B Albumにもノミネートされ、BJがMotownの未来を担う大型男性R&Bシンガーであることを印象づけてくれました。

その期待の中で遂にリリースされた最新作『1123』
70年代ソウルへの愛情を感じるヴィンテージ感と内省的な現行R&Bを調和させた、前作『In My Mind』をさらに深化させた1枚に仕上がっています。

アルバムにはAnderson .PaakBuddy/J.I.D./Kent JamzEric BellingerRick RossMigosOffsetAfrojackといったアーティストがフィーチャリングされています。

また、DanjaKarriem RigginsAndre HarrisJairus "J Mo" MozeCool & DreBongo the Drum GAHDCalvin "Tubb Young" FrazierLil’C "C GuTTA"AfrojackGiorgio Tuinfortといった多様なプロデューサー陣が起用されています。そして、実兄Aaron Sledgeがヴォーカル・プロダクションを手掛けています。

Anderson .Paakをフィーチャーしたオープニング「Feel The Vibe」、MigosのOffsetをフィーチャーしたシングル「Worryin' Bout Me」、Rick Rossをフィーチャーした「Playa's Ball」、Ella Maiのカヴァー「Close」あたりが目立つかもしれません。

個人的にはダンサブルな「Champagne」、Karriem Rigginsプロデュースの「Get Away」、Dungen「Fredag」をサンプリングした「Can't Wait」、Eric Bellingerをフィーチャーした「Back It Up」、70年代ソウルへのリスペクトを感じる「Too Good」、ビートの効いた「Rather Be With You」あたりもお気に入りです。

BJらしい美学が貫かれた、期待を裏切らない充実作です。

全曲紹介しときやす。

「Feel The Vibe」
Anderson .Paakをフィーチャー。Paak作品へ度々参加しているBJへのお返しといったところでしょうか。相性抜群の2人の悪かろうはずがありません。Paakらしいラップ調ヴォーカルとBJのソウルフル・ヴォーカルのコントラストが効果的に配置されたミディアム・グルーヴに仕上がっています。Danjaプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=BEXlezLx30I

「Champagne」
Danjaプロデュース。さり気ないエレクトリック・ソウル感が心地好いダンサブル・チューン。BJのセクシーな魅力を上手く引き出していると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=ZKbmRCpy9_E

「Get Away」
Buddy/J.I.D./Kent Jamzをフィーチャー。Karriem Rigginsプロデュース。Karriem Rigginsのトラック作りの巧みさを感じるHip-Hop調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=USYqr4ck-Uo

「Time Today」
Andre Harris/Jairus "J Mo" Mozeeプロデュース。大型男性R&Bシンガーらしさを感じさせるソウル・バラード。新世代シンガーらしいハイトーン・ヴォーカルで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Mq1f1eYPTNA

「Can't Wait」
Cool & Dreプロデュース。Dungen「Fredag」をサンプリングした哀愁トラック。孤高の叫びのような哀愁ヴォーカルが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=HAxRNuBqCcw

「Back It Up」
Eric Bellingerをフィーチャー。Bongo the Drum GAHDプロデュース。現行R&Bらしい哀愁チューン。BJのイメージにフィットしたR&Bワールドです。
https://www.youtube.com/watch?v=E15qqadp_h8

「1123's Playa's Intro」
次曲へのイントロ。

「Playa's Ball」
Rick Rossをフィーチャー。Cool & Dreプロデュース。Taana Gardner「We Got To Work It Out」をサンプリングしたソウルフル・チューン。Rick Rossも存在感を見せています。
https://www.youtube.com/watch?v=tILWIXCGZPc

「Too Good」
Jairus "J Mo" Mozeeプロデュース。70年代ソウルへのリスペクトを感じるソウル・バラード。70年代ソウルを2019年仕様にアップデートさせた感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7f8mC9SVHMw

「Close」
Calvin "Tubb Young" Frazier/BJ the Chicago Kidプロデュース。今年のグラミーでBest R&B Songを受賞したUKの新進女性R&BシンガーElla Maiのカヴァーです。オリジナルは大ヒットしたデビュー・アルバム『Ella Mai』(2018年)に収録しています。オリジナルも素晴らしいですが、BJがカヴァーしたことで名バラードとしての評価が高まるのでは?聴き入ってしまう絶品カヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=5mQn_g0tB-g

Ella Mai「Close」
 https://www.youtube.com/watch?v=zTDK0z1vgRs
Ella Mai『Ella Mai』(2018年)
エラ・メイ

「Rather Be With You」
Calvin "Tubb Young" Frazierプロデュース。ロック調のビートの効いたミディアム・グルーヴ。秘めた強い思いが伝わってくる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=nV8mNDowAes

「Worryin' Bout Me」
MigosのOffsetをフィーチャー。シングルにもなっています。Lil’C "C GuTTA"プロデュース。Hip-Hop色の強い哀愁R&Bグルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7u07AjN0dx0

「Reach」
Afrojackをフィーチャー。Afrojack/Giorgio Tuinfortプロデュース。ラストは力強いダンサブル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ByO1vOIJqV4

未聴の方は『In My Mind』(2016年)もチェックを!

『In My Mind』(2016年)
In My Mind
posted by ez at 00:07| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月24日

Joao Gilberto『Amoroso』

偉大なボサノヴァのパイオニアを偲んで☆Joao Gilberto『Amoroso』
AMOROSO(イマージュの部屋) <BRASIL SUPERSTAR 1200>
録音年:1977年
ez的ジャンル:ボサノヴァ・パイオニア
気分は... :囁きヴォーカルの美学・・・

ボサノヴァ創成の功労者の一人であり、先月惜しくも逝去したシンガー/ギタリストJoao Gilberto『Amoroso』(1977年)です。

Joao Gilberto(1931-2019年)の紹介は、『Ela E Carioca(En Mexico)』(1970年)、『Joao Voz E Violao』(2000年)に続き3回目の紹介となります。

先月Joao Gilbertoの訃報を聞いてから、偉大なボサノヴァのパイオニアを偲んで何度となく本作を聴いています。

この人の場合、やはり囁きヴォーカルの枯れ具合に惹かれますね。

プロデュースはTommy LiPuma Helen Keane
Claus Ogermanがストリングス・アレンジを手掛けています。

レコーディングにはGrady Tate(ds)、Joe Correro (ds)、Jim Hughart(b)、Ralph Grierson(key)といったミュージシャンが参加しています。

オリジナルLPのA面4曲は、Gershwin作品、イタリアの名曲、メキシコの名曲などバラエティに富んだ選曲で楽しませてくれます。一方、B面の4曲はすべてAntonio Carlos Jobim作品のカヴァーが占めます。

A面であれば、「'S Wonderful」「Tin Tin Por Tin Tin」、B面であれば、「Caminha Cruzados」「Triste」が僕のおススメです。

本作を噛みしめながら、偉大なボサノヴァのパイオニアを追悼したいと思います。

全曲紹介しときやす。

「'S Wonderful」
Ira Gershwin/George Gershwin作のスタンダードをカヴァー。ジャズのイメージが強い曲ですが、素敵なメロウ・ボッサに変貌させて楽しませてくれます。当ブログではAdam Dunningのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=hAeADv6clZk

「Estate」
Bruno Brighetti/Bruno Martino作。Bruno Martinoの名曲をカヴァー。イタリア語の原語のままカヴァーしています。本カヴァーにより再び脚光を浴びることとなった名曲。ロマンティックなストリングスをバックに、イタリア語の囁きヴォーカルを披露するムーディーな仕上がりです。当ブログではThe Michel Petrucciani Trioのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=WbHjYwSeZpQ

「Tin Tin Por Tin Tin」
Geraldo Jaques/Haroldo Barbosa作。個人的には一番のお気に入りの爽快ボッサ。軽快なギター同様、ここでのJoaoのヴォーカルも実に軽やかです。
https://www.youtube.com/watch?v=QIS_yGvEF28

「Besame Mucho」
Consuelo Velazquez作。メキシコ産のラテン名曲「ベサメムーチョ」をカヴァー。Joaoは『Ela E Carioca(En Mexico)』でもカヴァーしており、よほどお気に入りの曲なのでしょうね。ここではオーケストレーションを駆使した美しくも切ない哀愁ボッサを聴かせてくれます。当ブログではGrant GreenThe Dave Pike Quartetのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=GICw4CoJInA

「Wave」
ここからはAntonio Carlos Jobim作品のカヴァー4連発。この曲とClaus Ogermanの組み合わせとなれば、Jobim本人のヴァージョンを思い出してしまいますが、基本的にはJobimヴァージョンを受け継ぐようなイージーリスニング調メロウ・ボッサに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=2RCnbOzCj1I

本曲に関して、当ブログではElis ReginaWalter WanderleySergio Mendes & Brasil '66Toots Thielemans & Elis ReginaBossa RioPeter FesslerLenita BrunoCollageThe Gimmicksのカヴァーも紹介済みです。

「Caminha Cruzados」
Antonio Carlos Jobim/Newton Mendonca作。僕の大好きなJobim作品の1つなので、嬉しいカヴァーです。美しいオーケストレーションをバックに、Joaoの囁きヴォーカルがいい味を出します。
https://www.youtube.com/watch?v=D3Hf-725Yk4

本曲に関して、当ブログではIve MendesNicola Conte/Stefania DipierroGal Costaのカヴァーも紹介済みです。

「Triste」
Antonio Carlos Jobim作。コンテンポラリーなアレンジが映えるメロウ・ボッサに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=EqjZT7UnNYM

本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil '66Steen Rasmussen Feat. Josefine CronholmCybill ShepherdBeto Calettiのカヴァーも紹介済みです。

「Zingaro」
Chico Buarque/Antonio Carlos Jobim作。ラストは美しいオーケストレーションをバックに、囁きヴォーカルによる哀愁ボッサで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UhOHlyuct2g

Joao Gilbertoの他作品もチェックを!

『Chega De Saudade』(1959年)
Chega De Saudade (import)

『O Amor, O Sorriso E A Flor』(1961年)
O AMOR O SORRISO E A FLOR

『Joao Gilberto』(1962年)
JOAO GILBERTO

『Ela E Carioca(En Mexico)』(1970年)
Ela E' Carioca

『Joao Gilberto(邦題:三月の水)』(1973年)
三月の水

『Brasil』(1981年)
Brasil

『Joao』(1991年)
Joao  (I Really Samba)

『Joao Voz E Violao』(2000年)
JOAO VOZ E VIOLAO
posted by ez at 02:46| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月22日

Walter & Scotty『My Brother's Keeper』

The WhispersのScott兄弟ユニット、唯一のアルバム☆Walter & Scotty『My Brother's Keeper』
マイ・ブラザーズ・キーパー
発表年:1993年
ez的ジャンル:The Whispers系双子R&Bデュオ
気分は... :完璧な試合展開!

今回はベテラン・ソウル・ヴォーカル・グループThe WhispersScott兄弟Walter & Scotty名義でリリースした『My Brother's Keeper』(1993年)です。

Walter & Scottyは、The Whispersの中心メンバーWallace ScottWalter Scottという双子のScott兄弟によるユニット。

意外にも、当ブログでThe Whispersは未紹介なんですね。1枚位は紹介していると思い込んでいました。順序としては、The Whispers作品を紹介したうえで、Walter & Scottyを紹介すべきなのでしょうが・・・

僕の場合、The Whispersに特別思い入れがある訳ではないので、むしろWalter & Scotty名義の本作の方がフィットするのかもしれません。

Walter & Scotty名義では唯一のアルバムとなる『My Brother's Keeper』(1993年)は、Scott兄弟らしいシルキー&スウィートなヴォーカルと当時のR&Bサウンドのエッセンスが見事に調和した1枚に仕上がっています。

Nick CaldwellThe Whispers)、Grady WilkensThe Whispersの音楽ディレクター)、L.A. Reid/BabyfacePortraitMichel Angelo Saulsberry/Phillip JohnsonKeni BurkeAl JohnsonPaul MinorJohn Benton/Patrick GreeneSean BryantRobert BrookinsGary Taylorといった多彩なプロデューサーが起用されています。

これら多彩なプロデューサー陣が、それぞれのやり方でScott兄弟の魅力を巧みに引き出していると思います。

アルバムに先駆けて1991年にシングルとなった「I Want To Know Your Name」(The Intrudersのカヴァー)、L.A. Reid/Babyfaceプロデュースの美メロ・バラード「With All My Heart」Keni Burkeプロデュース「Heaven」、ファルセットの映える「My Love」といったバラード系は安定・安心の仕上がりです。

その一方で90年代らしいサウンドのダンサブル・チューンも難なくこなしてしまうところがScott兄弟の実力です。ダンス系であれば、若手R&BグループPortraitのメンバーがプロデュースした「Move Your Body」「Open Door」Keni Burkeプロデュースの爽快メロウ「A Fool For You (Baby)」Al Johnsonプロデュースのポップ・ソウル「Sticks And Stones」といった曲がおススメです。

バラード良し、ダンス系良しのバランス抜群の90年代R&B名盤だと思います。

応援するチームが、攻守のバランスのとれたゲーム展開で完勝したような気分になるアルバムですね。

全曲紹介しときやす。

「Move Your Body」
90年代好きにはお馴染みの男性R&BグループPortraitのMichel Angelo Saulsberry/Phillip Johnsonプロデュース。Portraitメンバー全員がバック・コーラスを務めます。若手R&BグループがR&Bグループの大先輩Scott兄弟を盛り立ています。このユニットらしさは正直感じませんが、純粋に格好良いダンサブル・チューンに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=3PpGYMKErVk

「Dirty Dancin' (Slow Motion)」
John Benton/Patrick Greeneプロデュース。オーセンティックなバラードですが、このユニットらしいシルキー&スウィートな魅力に溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=HkShs17cuRQ

「Heaven」
Keni Burkeプロデュース。Keni Burkeと共にCharlie Singletonがソングライティングを手掛けています。アーバン・メロウなスロウ・チューン。まさに天国気分のスウィート・メロウです。
https://www.youtube.com/watch?v=u8Gp1z7dW3g

「Open Door」
再びPortraitのMichel Angelo Saulsberry/Phillip Johnsonプロデュース。90年代R&B好きならば気に入るであろう爽快ダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=gcYG2i1bCWk

「My Love」
Sean Bryantプロデュース。円熟のファルセット・ヴォーカルが映えるメロウ・ミディアム。このユニットの魅力が滲み出てくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hs9ls7np_BE

「I Know You're My Baby」
Robert Brookinsプロデュース。この時代らしいダンサブル・チューンですが、サウンド先行ではないヴォーカル重視のメロディアスな仕上がりはなかなかです。
https://www.youtube.com/watch?v=ubXFiFnoC40

「With All My Heart」
L.A. Reid/Babyfaceプロデュース。Babyface自身もバック・コーラスで参加しています。L.A. Reid/Babyfaceらしい美メロのミディアム・バラードがScott兄弟のヴォーカルと見事にフィットし、至極のメロウ・ワールドを届けてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=fwolUcVg0FI

「Sticks And Stones」
Al Johnson/Paul Minorプロデュース。ポップ・ソウルな味わいのミディアム・グルーヴ。好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、90年代らしい雰囲気が好きですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FKTF2b8Rp54

「Rest My Lips」
Gary Taylorプロデュース。オトナな哀愁バラードでアーバン・ナイトを演出してくれます。Gerald Albrightのサックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4rAs5CZ9wGA

「A Fool For You (Baby)」
Keni Burkeプロデュース。この曲もKeni BurkeCharlie Singletonの共作です。僕好みの爽快メロウなダンサブル・チューン。Scott兄弟とKeni Burkeの相性は抜群ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bE6v4sB1H6g

「I Want To Know Your Name」
The Intruders、1973年のR&Bヒットをカヴァー(Kenneth Gamble/Leon Huff作)。オリジナルは『Save the Children』(1973年)収録。アルバムに先駆けて1991年にシングル・リリースされました。90年代らしいコンテンポラリー感のあるスウィート・バラードに仕上がっています。Al Johnsonプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=6VbhKrRppEc

「Thank You (Falletin Me Be Mice Elf Agin)」
Grady Wilkens/Nick Caldwell/Paul Minorプロデュース。The WhispersファミリーのプロデュースでSly & The Family Stone、1969年の大ヒット曲をカヴァー(Sly Stone作)。時代を反映したNJSカヴァーは好き/嫌いがハッキリ分かれるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=ey-jfgzqkIw

The Whispersの作品もそのうち紹介したいと思います。
posted by ez at 01:46| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月21日

The Twinkle Brothers『Countrymen』

独自のルーツ・レゲエ・ワールド☆The Twinkle Brothers『Countrymen』
Countrymen
発表年:1980年
ez的ジャンル:ルーツ・レゲエ
気分は... :酔って候・・・

今回はレゲエ作品からThe Twinkle Brothers『Countrymen』(1980年)です。

The Twinkle Brothersは、Norman GrantRalston GrantのGrant兄弟を中心に1962年ジャマイカ、ファルマウスで結成されたレゲエ・バンド。

70年代に入ってから本格的にレコーディングを開始し、1975年に1stアルバム『Rasta Pon Top』をリリースしています。

『Love』(1978年)、『Praise Jah』(1979年)といったアルバムがプログレッシブな音楽性で高い評価を受け、本作『Countrymen』(1980年)をリリース後はUKを拠点に活動するようになり、その後もコンスタントに作品をリリースしています。

本作『Countrymen』(1980年)は、『Love』(1978年)、『Praise Jah』(1979年)で得た自信に漲った充実作に仕上がっています。Norman Grantのソウルフル・ヴォーカル、爽快ハーモニー、クロスオーヴァーなサウンドのバランスが絶妙です。適度にダビー・サウンドを織り交ぜているのもいいですね。

本作におけるメンバーはNorman Grant(vo、ds)、Ralston Grant(vo、g)、Eric Bernard(b、g、vo)、Albert Green(congas、per)、Karl Hyatt(per、vo)の5名。

プロデュースはPaul SmykleTerry Barham

アルバム全編、一味違うルーツ・レゲエを楽しめます。あとはNorman Grantのソウルフル・ヴォーカルがアルバムの魅力アップに大きく貢献しています。

個人的には「I Don't Want To Be Lonely Any More」「Patoo」「Never Get Burn」「Since I Threw The Comb」「Bite Me」「Babylon Falling」あたりがおススメです。

ありそうでない独自のルーツ・レゲエ・ワールドをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「I Don't Want To Be Lonely Any More」
Norman Grantの伸びやかなヴォーカルが映える哀愁モードのルーツ・レゲエがオープニング。普段レゲエを聴かない人でも格好良さを感じるレゲエ・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=a_a_AgK3o44

「Patoo」
Norman Grantのソウルフル・ヴォーカルを楽しめるスロウ・テンポの仕上がり。ラヴァーズではないルーツ・レゲエならではのスロウ・テンポ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=q9-rQKGbVCM

「Never Get Burn」
ダブ感覚の仕上がり。このダビーなグルーヴは当時のUKニュー・ウェイヴあたりと一緒に聴いてもフィットしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=fW1LjubDLUo

「Free Us」
「Free Us Dub」
Ralston Grantがリード・ヴォーカルをとります。哀愁モードのルーツ・レゲエなオリジナルに続きダブ・ヴァージョンへ・・・個人的にはダブ・ヴァージョンに惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3r_-OyIT3b8

「Jah Kingdom Come」
タイトルからして王道ルーツ・レゲエですが、彼らならではのサウンド・センスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=uZxlpX_ts8I

「Since I Threw The Comb」
僕の一番のお気に入りです。Norman Grantのソウルフル・ヴォーカルの魅力全開です。
https://www.youtube.com/watch?v=YYgxQKb3lQg

「One Head」
哀愁ルーツ・レゲエですが、Norman Grantのヴォーカルと魅惑のサウンドに惹き込まれてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=lPO84UDQg0M

「Bite Me」
本曲を本作のハイライトに挙げる人が多いのでは?彼らのクロスオーヴァー感覚を存分に楽しめる演奏です。ゆったりとしたグルーヴの中に刺激が満ちています。
https://www.youtube.com/watch?v=oQWAhm-aQBg

「Babylon Falling」
ラストはTwinkle Brothersらしさに満ちたサウンド・センスのルーツ・レゲエで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TjRTgKjXpu8

The Twinkle Brothersの70年代〜80年代初めの他作品もチェックを!

『Rasta Pon Top』(1975年)
Rast Pon Top

『Love』(1978年)
Love

『Praise Jah』(1979年)
プレイズ・ジャー

『Underground』(1982年)
Underground

『Burden Bearer』(1983年)
Burden Bearer
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2019年08月19日

Brainstorm『Funky Entertainment』

ラスト・アルバムもディスコ全開☆Brainstorm『Funky Entertainment』
Funky Entertainment
発表年:1979年
ez的ジャンル:Tabu Records系ファンク/ディスコ
気分は... :大ディスコ大会!

今回は70年代ファンク/ディスコ作品からBrainstorm『Funky Entertainment』(1979年)です。

1976年デトロイトで結成されたファンク/ディスコ・バンドBrainstormの紹介は、2ndアルバム『Journey To The Light』(1978年)に続き2回目となります。

前2作と同じく、Tabu Recordsからリリースされた3rdアルバムとなる本作『Funky Entertainment』(1979年)は、結果としてグループのラスト・アルバムとなりました。

アルバム自体はタイトルの通り、ファンキーに弾けたディスコ・アルバムに仕上がっています。

本作におけるメンバーはBelita Woods(vo)、Trenita Womack(vo、fl、per)、Charles Overton(sax、vo)、Renell Gonsalves(ds)、Larry Sims(horns)の5名。

レコーディングにはDeon Estus(b)、Gerald Ken(g)、William L. Wooten, III (key)といった前メンバーや、Jerry Peters(key)、Harvey Mason(ds)、Greg Poree(g)、Joe O' Doherty(g)、Phil Upchurch(g)、Paul Jackson Jr. (g、sitar)、Jerry Hey(tp)、Ernie Watts(sax)、Fred Jackson Jr.(sax)等のミュージシャンも参加しています。

プロデュースはJerry Peters

シングルにもなったガラージ・クラシック「Hot for You」、Sam Dees作の爽快ディスコ・ブギー「A Case of the Boogie」、前作のメンバーが作者に名を連ねるディスコ・ファンク「Popcorn」、ハードなファンク・グルーヴ「Funky Entertainment」が本作を象徴していると思います。また、シングルにもなった唯一のスロウ「You Put a Charge in My Life」もなかなかいいですよ。

ディスコ全開で幕を閉じたグループの潔さに好感が持てます。

全曲紹介しときやす。

「Hot for You」
Belita Woods/Trenita Womack作。アルバムからの1stシングル。ガラージ・クラシックとして人気のディスコ・チューン。ファンキーに弾ける華やかなパーティー・ジャムです。途中のパーカッション・ブレイクも僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=1z2U3vIyKD8

「A Case of the Boogie」
Sam Dees作。Solarisヴァージョンでも知られる爽快ディスコ・ブギー。Sam Dees作というのが意外ですが、個人的には一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZT7EodR5CrA

「Popcorn」
Belita Woods/Trenita Womack/Charles Overton/Renell Gonsalves/Larry Sims/Deon Estus/William L. Wooten, III/Gerald Kent/Jeryl Bright作。前作のメンバーが作者に名を連ねるディスコ・ファンク。P-Funkのエッセンスも入っていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=XXEo2Wxdvm4

「Funky Entertainment」
Gerald Kent/Charles Overton/Belita Woods作。ハードなファンク・グルーヴ。スケールの大きなファンク・サウンドは迫力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=b-JgUVJkJYM

「You Put a Charge in My Life」
Lynn Mack/Jerry Peters作。アルバムからの2ndシングル。本作唯一のスロウ。ファルセット・ヴォーカルの映えるスウィート・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=zTTP_Sz5DPU

Realidade Cruel「Por Que Voce Nao Me Fez Te Am」のサンプリング・ソースとなっています。
Realidade Cruel「Por Que Voce Nao Me Fez Te Am」
 https://www.youtube.com/watch?v=zk7uGv_ou1Y

「Don't Let Me Catch You With Your Groove Down」
Renell Gonsalves作。開放的なホーン・サウンドが印象的な爽快インスト・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=ez7yUQBnnjI

再発CDには「Hot For You (Single Version)」がボーナス・トラックとして追加収録されています。

Brainstormの他作品もチェックを!

『Stormin'』(1977年)
ストーミン+5

『Journey To The Light』(1978年)
ジャーニー・トゥ・ザ・ライト+4 [名盤1000円]
posted by ez at 00:01| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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