発表年:1990年
ez的ジャンル:姉妹系女性R&Bグループ
気分は... :ルックスで損していますが・・・
今回は90年代女性R&Bグループ作品よりPerri『Tradewinds』(1990年)です。
PerriはCarol Perry、Darlene Perry、Lori Perry、Sharon PerryというPerry4姉妹による女性R&Bグループ。
Anita Bakerのバック・コーラスで名を上げたグループとして知られていますね。
グループは『Celebrate』(1986年)、『The Flight』(1988年)、『Tradewinds』(1990年)という3枚のアルバムをリリースしています。
3rdアルバムとなる本作のメイン・プロデュースはPerriとJon Baker。また、Raymond Jones(State Of Art)も1曲プロデュースを手掛けています。
レコーディングにはBill Summers>(per)、Bobby Lyle(p)、Freddie Washington(b)等のミュージシャンも参加しています。
実力派ヴォーカル・グループなので、オーセンティックな楽曲が似合います。その意味では、前半の「Someone Like You」、「It's Been You」、「You Taught Me How」、「Tradewinds」というバラード4曲が圧巻です。ミディアム・バラード「Mary, Mary」やポップ・ソウルな「Say You Will」も彼女たちの魅力を楽しめます。
ダンサブル系は好き/嫌いが分かれるかもそれませんが、個人的には「Talk To Me」、「You're The One」、「No Way To Treat A Lady」あたりもかなり惹かれました。ダンサブル・サウンドに埋もれないヴォーカルの存在感に彼女たちの矜持を感じます。
90年代女性R&Bグループ好きやAnita Baker等のクワイエットストーム好きの方はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Someone Like You」
シングルにもなったオープニング。Anita Baker好きはハマるであろうクワイエットストームど真ん中の仕上がりです。このグループの持つオーセンティックな魅力が凝縮された1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=7rchDk7zxkc
「It's Been You」
この曲もシングル曲。Anita Bakerも『Rhythm Of Love』(1994年)でカヴァーしています。クワイエットストームなバラード曲です。Bill Summers、Bobby Lyleといった名手がバッキングを務めています。
https://www.youtube.com/watch?v=RgZmoyYvx3k
「You Taught Me How」
オーセンティックなバラードを素晴らしいヴォーカル・ワークで聴かせてくれます。Everette Harpがサックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=oQNwGNByRc4
「Tradewinds」
「Where Is The Love?」のソングライティングでお馴染みの名コンビRalph MacDonald/William Salterによる名曲カヴァー。Rod Stewart、Roberta Flack、The Three Degrees、Maggie Bellあたりのカヴァーが有名ですかね。作者Ralph MacDonald自身のヴァージョンはアルバム『Universal Rhythm』(1984年)に収録されています。当ブログではPenny Goodwinヴァージョンも紹介済みです。作者Ralph MacDonaldヴァージョンをはじめ、個人的に大好きな曲ですが、本ヴァージョンは数ある本曲カヴァーの中でもかなり上位にくる出来栄えなのでは?楽曲の持つ魅力とグループの圧倒的なヴォーカル・ワークが見事に噛み合っています。
https://www.youtube.com/watch?v=npEmrkgQxpQ
「Talk To Me」
甘く危険な香りのするダンサブル・チューン。当時のR&Bサウンドが好きな人であれば楽しめる1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SzYAz7abMg8
「You're The One」
NJSなダンサブル・チューン。このタイプの楽曲もそつなくこなせるあたりにグループの実力を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ajmWbNRShX8
「Crazy」
メンバーのLori PerryとRaymond Jonesの共同プロデュース。打ち込みサウンドでオーセンティックなアプローチを試みていますが、あまり成功していないかも?
https://www.youtube.com/watch?v=gINxtP7Vg04
「Mary, Mary」
生音を強調したミディアム・バラード。息の合ったヴォーカル・ワークが躍動します。コンテンポラリー・ゴスペルが好きな人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ySC_x3mKs0w
「No Way To Treat A Lady」
90年代らしいダンサブル・チューンですが、素晴らしいヴォーカル・ワークで自分たちの個性を埋没させていない点に、このグループの凄みを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=KrNjEwi654k
「Say You Will」
ラストはポップ・ソウルな楽曲で締め括ってくれます。なかなかキャッチーだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=OXWs6kmOA48
『Celebrate』(1986年)