発表年:2005年
ez的ジャンル:デトロイト産ジャズ・ファンク
気分は... :漆黒のジャズ・ファンク・・・
今回はデトロイト産ジャズ・ファンク作品、Painted Pictures『Tuxedo Sessions』(2005年)です。
Painted Picturesは、デトロイトのプロデューサー/DJ/キーボード奏者/シンガーMalik Alstonを中心としたユニット。
メンバーはMalik Alston(key、vo)、Joshua Adams Crilley(ds)、Howard Wazeerud-Din II(tp、vo)、Badriyyah Wazeerud-Din(vo)、Yolanda Day(vo)、Maurice 'Pirahna Head' Herd(g、b)、Ken Comstock(b)という7名。
Malik Alstonはデトロイトの次世代クリエイターによるコンピ『Detroit Beatdown (Volume One)』(2002年)への参加で注目されるようになりました。
『Detroit Beatdown (Volume One)』(2002年)
そのMalik Alston率いるPainted Pictures唯一のアルバムが本作『Tuxedo Sessions』(2005年)です。
Tuxedoといっても先週最新作『Tuxedo III』を紹介した人気ディスコ/ファンク・ユニットTuxedoとは全く関係ありません。デトロイトにTuxedo Streetという通りがあり、それ由来したアルバム・タイトルのようです。
基本はジャズ・ファンクですが、アフロ・キューバン、ブロークンビーツ、ハウス、ソウル/ゴスペル、クラブジャズ、正統派ジャズなどのエッセンスも取り入れた幅広い音楽性で楽しませてくれます。70年代デトロイトのソウル・フィーリング、90年代デトロイトのテクノ感覚を経由した2000年代デトロイトのジャズ・ファンクといった感じがいいですね。
漆黒グルーヴがお好き方はチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Sweet Melody」
アフロ・キューバン・タッチのラテン・ジャズがオープニング。ヨーロピアン・クラブジャズのアフロ・キューバンとは一味異なる感性を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=FWRftTzcObQ
「Fine (Show Your Toes Edit)」
次曲のイントロ。
「Fine」
デトロイトらしいアンダーグラウンド感の効いた少しダーク・トーンのジャズ・ファンク。ヴァイオリンによるアクセントもグッド!
「Keep It In The Pocket」
ソウル・フィーリングの効いたミディアム・ファンク。70年代デトロイトのフィーリングを2000年代仕様にアップデートした漆黒のグルーヴ感がたまりません。
「Send Me Over」
人力ブロークンビーツ調のダンサブル・チューン。個人的には本作のハイライト。西ロンドン×デトロイトのクロスオーヴァー感を楽しみましょう。
「Livin'」
ソウルフル・ヴォーカルが躍動するジャズ・ファンク・グルーヴ。ダイナミックなジャズ・ファンク・サウンドのなかにもコズミックを感じるのがいいですね。
「Woody」
正統派ジャズの演奏に意表を突かれます。メンバーたちのジャズDNAを満喫できます。
「Something」
ドラム&パーカッションが躍動するアッパーなジャズ・ファンク。ゴスペル・フィーリングのヴォーカル隊も迫力満点です。
「Fine (John Arnold Remix)」
「Fine」のJohn Arnoldによるリミックス。ソウルフル・ヴォーカルを活かしたデトロイト感覚のエレクトリック・ソウルで楽しませてくれます。
「Livin' (Alton Miller Remix)」
「Livin'」のAlton Millerによるリミックス。ハウス・フィーリングのクールなダンサブル・チューンは僕好みのリミックス。
「Where Do We Go」
Roy Davis Jr.がソングライティング&プログラミングで参加。僕好みのクロスオーヴァーなダンサブル・チューンです。さまざまなエッセンスのごった煮的な楽しさがあります。
同じデトロイト系ということで、本作のリミックスを手掛けたJohn Arnoldあたりの作品をチェックするのも楽しいのでは?
John Arnold『Neighborhood Science』(2003年)
John Arnold『Style And Pattern』(2005年)