発表年:2003年
ez的ジャンル:女性サンビスタ・トリオ
気分は... :幸せのサンバ!
今回はブラジルものから女性サンビスタ・トリオO Rodaの2ndアルバム『Coisas Do Amor』(2003年)です。
O Rodaは、Ana Costa、Bianca Calcagni、Dede Alvesという3名の女性サンビスタによるユニット。
3人のメンバーのうち、Ana Costaは『Meu Carnaval』(2006年)でソロ・デビューし、実力派サンバ・シンガーとしての地位を不動のものにしています。
最近もDorina、Lu Oliveiraとの共同名義でSocorro Lliraのトリビュート・アルバムをリリースしたばかりです。
Ana Costa/Dorina/Lu Oliveira『Na Lira Da Cancao: Entre Versos De Socorro Llira』(2019年)
また、当ブログでも『Meu Carnaval』(2006年)、『Novos Alvos』(2009年)という2作品を紹介済みです。
そんなAna Costaのソロ・デビュー以前の軌跡を辿ることができるのがO Rodaとしての活動です。
本作『Coisas Do Amor』(2003年)は、『To de olho』(2000年)に続く2ndアルバムとなります。
アルバムにはBeth Carvalho、Zeca Pagodinho、Arlindo Cruz(Fundo de Quintal)といったベテラン・アーティストがフィーチャリングされています。
とにかく生命の躍動に満ちた女性サンビスタたちのヴォーカルと見事なバッキングによるアコースティック・サンバを満喫できます。
特に、「Presente de Deus」、「E Sempre Assim」、「Anjos E Orixas」、「Desfile da Saudade」あたりが僕のおススメです。
こういうサンバを聴いていると、心のモヤモヤが一気に吹き飛び、幸せな気分になれますね。
今はこういう世界にどっぷり浸りたい・・・
全曲紹介しときやす。
「Presente de Deus」
Fred Camacho/Alceu Maia作。Conjunto 3Dのメンバーでもあったベテラン女性シンガーBeth Carvalho(1946-2019年)をフィーチャー。本作の魅力が詰まった小気味よいオープニングであり、生命の鼓動のようなサンバを堪能できます。フィーチャリングされているBeth Carvalhoは今年惜しくも逝去してしまいましたが、彼女への追悼も込めて聴き直しました。
「E Sempre Assim」
Sombrinha/Arlindo Cruz/Marquinho PQD作。素敵なクラリネットの音色と共に始まります。Ana Costaのシンガーとしての魅力を満喫できるサウダージ・モードの1曲に仕上がっています。
「So Sei Amar Se For Assim」
Ana Costa作。軽快なホーン・サウンドが先導する哀愁メロウなサンバ・グルーヴ。ここではBianca Calcagniがリード・ヴォーカルをとります。艶やかな透明感のある歌声がいいですね。
「Anjos E Orixas」
Ana Costa/Leandro Fregonesi/Negao da Abolicao作。絶妙なアレンジとAna Costaの絶品ヴォーカルが調和した素敵なメロウ・サンバ。久々に聴き直して惚れ惚れしました!
「Senhora Liberdade」
Wilson Moreira/Nei Lopes作。涼しげなフルートと共に躍動します。オーセンティックななかにもBianca Calcagniのキュートな魅力が映えます。
「Sentimento Perdido」
Elton Medeiros/Paulinho da Viola作。Zeca Pagodinhoをフィーチャー。ベテランZeca Pagodinhoの味わいのあるヴォーカルもいいですが、それに見劣りしないAna Costaのヴォーカルの成熟ぶりに驚かされます。
「Mais Uma Vez/Nao Adianta/O Samba E o Meu Lugar」
Ana Costa作「Mais Uma Vez」、Ana Costa/Bianca Calcagni作「Nao Adianta」および「O Samba E o Meu Lugar」という3曲のメドレー。メンバー3名がサンビスタとして素直に演奏を楽しんでいる感じがサイコーです。
「Beijo na Boca」
Alcino Correia "Ratinho"/Monarco作。素晴らしいバッキングとBianca Calcagniのヴォーカルが一体化したアンサンブル感にヤラれます。
「Vem Sambar」
Agriao/Fred Camacho作。軽やかなアコースティック・グルーヴ感が魅力の演奏です。
「Desfile da Saudade」
Moacyr Luz/Delcio Carvalho作。僕好みの生命の息吹を感じるサンバ。女性サンビスタらしいしなやかさがあるのもいいですね。Bianca Calcagniのリード・ヴォーカルでコレが一番好きです。
「Samba da Duvida」
Pedro Amorim/Paulo Cesar Pinheiro作。哀愁サンバを雰囲気のある歌い回しで聴かせてくれます。
「Parabéns Pra Voce」
Mauro Diniz/Sereno/Ratinho作。哀愁のメロディをBiancaが憂いを帯びたヴォーカルで歌います。
「Crianca Louca」
Candeia作。ストリングスを配したロマンティックなバッキングを従え、Ana Costaが感動的なヴォーカルを聴かせてくれます。
「Coisas do Amor」
Ze Luiz/Marcos Paiva作。Fundo de QuintalのArlindo Cruzのバンジョーをフィーチャー。ラストは小気味よい演奏で開放的に締め括ってくれます。
『Meu Carnaval』(2006年)
『Novos Alvos』(2009年)
『Hoje E O Melhor Lugar』(2012年)
『Pelos Caminhos Do Som』(2015年)
Ana Costa e Carrapicho Rangel『Do Comeco Ao Infinito』(2018年)
Ana Costa/Dorina/Lu Oliveira『Na Lira Da Cancao: Entre Versos De Socorro Llira』(2019年)