発表年:1989年
ez的ジャンル:N.W.A系女性R&Bシンガー。
気分は... :キュートな小悪魔・・・
今日はキュートな小悪魔に惑わされたい気分・・・
Dr.Dre、N.W.Aとも関連が深い女性アーティストMichel'leのデビュー・アルバム『Michel'le』(1989年)です。
Michel'le(本名:Michel'le Toussaint)は1970年L.A.生まれの女性R&Bシンガー。Dr.Dreのかつてのパートナーであり、1991年にはDreの息子を出産しています。
Dr. Dre、DJ Yellaらが参加していたユニットWorld Class Wreckin Cruのシングル「Turn Off the Light」への参加でレコーディング・デビューします。
その後、Eazy-EのRuthless Recordと契約し、Dr. Dre全面プロデュースのデビュー・アルバム『Michel'le』(1989年)をリリースします。1stシングルとなった「No More Lies」はUSチャート第7位、同R&Bチャート第2位の大ヒットとなりました。
華々しいデビューを飾ったMichel'leですが、1991年の出産後は育児のためにシーンから姿を消してしまいます。
その後、Death Rowから2ndアルバム『Hung Jury』(1998年)をリリースします。ちなみ彼女は後にDeath Rowの総帥Suge Knightの奥方になっていた時期もあります。
さて、本作『Michel'le』(1989年)ですが、Dr. Dreが全面プロデュースし、エグゼクティブ・プロデューサーとしてEazy-Eの名がクレジットされ、ミックスにはDr. Dreに加えてDJ Yellaも関与するというN.W.A全面バックアップの制作体制です。Andre "L.A. Dre" Boltonも共同プロデューサーとしてクレジットされています。
ナスティと幼さが同居するようなMichel'leの魅力をDr. Dreが上手く引き出していると思います。
「No More Lies」、「Nicety」というシングル・ヒットした2曲が、そんなアルバムの魅力を象徴していると思います。また、「Something In My Heart」や「Silly Love Song」(Enchantmentのカヴァー)といったスロウにおける堂々とした歌いっぷりもいい感じです。
それ以外にDr. Dreの手腕が光る「100% Woman」、Jam & Lewisをイメージさせる「Close To Me」あたりも僕のお気に入りです。
キュートな小悪魔の歌声に惑わされましょう(笑)
全曲紹介しときやす。
「No More Lies」
USチャート第7位、同R&Bチャート第2位となった大ヒット・デビュー・シングル。キュートなMichel'leが躍動するダンサブル・チューンです。特段、歌が上手いわけではありませんが、物怖じせず堂々とした感じがいいですね。Mike Simsのギターも活躍しています。James Brown「Funky Drummer」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=U1_CZusajb0
「Nicety」
「No More Lies」に続く2ndシングル。USチャート第29位、同R&Bチャート第5位のヒットとなりました。Orange Krush「Action」をサンプリング。James Brown「Funky President (People It's Bad) 」の声ネタも使われています。個人的には大ヒットした「No More Lies」よりも、こちらのダンサブル・チューンの方が完成度が高い気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=NWKlp0UK97M
「If?」
Michael Holmesとのデュエット。ロマンティックなラブ・バラードを堂々と歌い上げます。ここでもMike Simsのギターが印象的です。Kehlani「As I Am」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ePf4R4kg1hU
「Keep Watchin」
3rdシングル。ソングライティングにはD.O.C.の名もクレジットされています。少しナスティなポップ・ダンス調の仕上がり。Lyn Collins「Think (About It)」をサンプリングしています。
https://www.youtube.com/watch?v=_ipe17LrerU
「Something In My Heart」
4thシングル。USチャート第31位、同R&Bチャート第2位のヒットとなりました。Michel'leのキュートな魅力が伝わってくるロマンティックなスロウ。P-Dub「4 Walls the After Effect」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9VDFaqcRav8
「100% Woman」
Fred Wesley & The J.B.'s「Blow Your Head」をサンプリング。Michel'leのキュートな歌声を素材として巧みに使っているアップ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=Hshc_v4zwYE
「Silly Love Song」
Enchantmentのカヴァー(Emmanuel Johnson/Michael Stokes作)。オリジナルはアルバム『Once Upon a Dream』(1978年)収録されています。オーセンティックなバラードをしっかり歌いきるあたりに大物感が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=jtXuOfkSo5E
「Never Been In Love」
ダンサブル・チューンですが、ラテン・パーカッションでアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=G5pfcEfqENI
「Close To Me」
Jam & Lewisをイメージさせるブラコン調のアーバン・メロウ。コレがDr. Dreプロデュース?と思ってしまいますが、こういうの大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=I7Nn-KbasU8
「Special Thanks」
コレはDr. DreプロデュースらしいHip-Hopトラック。チャイルディシュなラップ調ヴォーカルでSpecial Thanksを述べています。
https://www.youtube.com/watch?v=grJd68VEpVY
「If? (Reprise)」
「If?」のジャジーなリプライズでアルバムは幕を閉じます。
『Hung Jury』(1998年)