発表年:1977/1978年
ez的ジャンル:親子ラテン・フュージョン
気分は... :エディトリアルな自由!
チカーノ系パーカッション奏者の大御所Pete Escovedoと娘Sheila Escovedo(Sheila E.)の父娘共演アルバム『Solo Two』(1977年)、『Happy Together』(1978年)の2in1CDです。
Pete Escovedoについては、当ブログでは『Mister E』(1988年)を紹介済みです。
娘Sheila Escovedoについては、どうしてもPrinceファミリーのセクシーなSheila E.のイメージが強いですが、父にPete Escovedo、叔父にCoke Escovedoをもつ偉大なラテン・パーカッショニスト一家の正当な後継者という点を忘れてはいけませんね。
その意味で、Princeファミリー加入前に、父Pete Escovedoと共演した2枚のアルバムを聴けば、彼女の原点がよく分かると思います。
『Solo Two』(1977年)は、ラテン・パーカッションの父娘らしいインスト中心のラテン・フュージョン作品に仕上がっています。
プロデュースはBilly Cobham。
レコーディング・メンバーはPete Escovedo(congas、timbales、vo)、Sheila Escovedo(congas、timbales、vo)、Bill Summers(per、congas、bongos)、Mark Soskin(el-p、p、syn、key)、Ray Obiedo(g)、Abraham Laboriel(b)、Abraham Laboriel(b)、Willie Colon(back vo、bongos)、Al Bent(tb)、Julian Priester(tb)、Tom Harrell(tp)、Roger Glenn(vibe、fl、back vo)、Alvin Batiste(clarinet)等
一方、『Happy Together』(1978年)は、ヴォーカル曲が多く、メロウなラテン・フィーリングを楽しめます。
プロデュースは『Solo Two』と同じくBilly Cobham。
レコーディング・メンバーはPete Escovedo(congas、timbales、vo)、Sheila E.(congas、ds、vo)、Billy Cobham(ds)、Mark Soskin(key)、Tom Coster(syn)、Ray Obiedo(g)、Randy Jackson(b)、Eddie Henderson(flh)、Mel Martin(woodwind)等
『Solo Two』であれば、Milton Nascimento作品のカヴァー「Vera Cruz」、テンションの高い「Azteca Mozambique」、哀愁メロウな「Linda Chicana」がおススメです。
『Happy Together』であれば、「Bolinas」、「Bridges (Travessia)」(Milton Nascimento作品のカヴァー)、「Hello Like Before」(Bill Withersのカヴァー)、「Happy Together」といったメロウ・チューンやディスコ調の「Ain't That The Truth」がおススメです。
2枚セットになるとバランスの良い、お得な2in1だと思います。
全曲紹介しときやす。
『Solo Two』(1977年)
「Bittersweet」
Mark Soskin作。ジャズ・ファンク×ラテン・フュージョンなオープニング。次第にテンション上がっていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=E58XyJSDueg
「Vera Cruz」
Milton Nascimento作品のカヴァー。オリジナルは『Courage』(1969年)に収録されています。当ブログではFlora Purimのカヴァーも紹介済みです。ここではラテン/ブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・ダンサーで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zffpvwnweDc
「Solo Tu」
Al Bent作。ラテン・パーカッション奏者の父娘らしいパーカッシヴな演奏を楽しめるラテン・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=MrT5Z-n9WoY
「Azteca Mozambique」
Al Bent/Mark Soskin/Pete Escovedo作。トライバルなラテン・パーカッションが炸裂する序盤から、中盤以降はラテン・フュージョンなエッセンスも加わり、テンションの高い演奏が繰り広げられます。
https://www.youtube.com/watch?v=VC5DY19rZ6s
「Fantasy Junction」
Billy Cobham作。突き抜けた感じが心地好い、軽快なラテン・フュージョン。
https://www.youtube.com/watch?v=_hZ6Yc-PjnU
「Linda Chicana」
Mark Levine作。哀愁メロウなラテン・ジャズ。僕好みの演奏です。Roger Glennのヴァイヴがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4sS-jDgCQLc
ここまでが『Solo Two』の6曲。
『Happy Together』(1978年)
「Ain't That The Truth」
Mark Soskin作。ラテン・ディスコ・ファンクといった趣のオープニング。ディスコへのアプローチが嫌味っぽくないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yaB8nY0UFVs
「Harockamole」
Billy Cobham作。西海岸らしい雰囲気のラテン・フュージョン。父娘ラテン・パーカッションを存分に楽しめます。
「Bolinas」
Billy Cobham/Mark Soskin作。コレを本作のハイライトに挙げる人も多いのでは?口笛とカウベルに先導され、スウィートなヴォーカルも聴けるピースフル・メロウ・グルーヴ。僕も一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=VsxCq4GplTU
「Bridges (Travessia)」
Milton Nascimentoの名曲カヴァー(Milton Nascimento/Fernando Brant/Gene Lees作)。Peteが素敵なヴォーカルを聴かせてくれる感動メロウ・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3TkgNF8UADQ
本曲に関して、当ブログではElis Regina、Flora Purim、Christiane Legrand、Astrud Gilberto、Fred Johnsonのカヴァーを紹介済みです
「Burrito Bandito」
Billy Cobham作。パーカッション・ブレイクもキマっているラテン・ジャズ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=9XIH7TMuoME
「Hello Like Before」
Bill Withersのカヴァー(Bill Withers/John Collins作)。オリジナルは『Making Music』(1975年)に収録されています。当ブログではJose Jamesのカヴァーも紹介済みです。ここでもPeteがスウィートなヴォーカルを披露してくれます。オトナのメロウ・バラードは悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=lYxBtYhDdTw
「Happy Together」
Bill Courtial/Errol Knowles作。Courtial With Errol Knowlesでお馴染みのコンビによるソングライティングです。ヴォーカル入りのアーバン・メロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HaJ3J0t7V4U
「Cueros」
Pete Escovedo/Sheila Escovedo作。ライヴ仕立てのラテン・ジャズなインストで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Gut_Th4IHYE
Pete Escovedoの他作品もチェックを!
『Yesterday's Memories: Tomorrow's Dreams』(1985年)
『Mister E』(1988年)
『Flying South』(1995年)
『E Street』(1997年)
『E Musica』(2000年)
The E Family『 Now & Forever』(2011年)