発表年:1968年
ez的ジャンル:トロピカリア系女性MPB
気分は... :神々しく・・・
ブラジルを代表する女性シンガーNara Leaoのトロピカリア的な1枚、『Nara Leao(邦題:リンドネイア)』(1968年)です。
これまで当ブログで紹介したNara Leao作品は以下の6枚。
『Nara』(1964年)
『O Canto Livre De Nara』(1965年)
『Vento De Maio』(1967年)
『Dez Anos Depois』(1971年)
『Os Meus Amigos Sao Um Barato』(1977年)
『Com Acucar Com Afeto』(1980年)
本作がリリースされた1968年はブラジルで起きた音楽を中心としたカウンター・カルチャー運動トロピカリア(トロピカリズモ)の金字塔的アルバム『Tropicalia: ou Panis Et Circencis』がリリースされた年です。
Naraは同作にCaetano Veloso、Gilberto Gil、Gal Costa、Os Mutantesらと共に参加していました。
そんな影響も受けて、本作『Nara Leao』もトロピカリア的な1枚に仕上がっています。
プロデュースはManuel Barenbein.
Rogerio Dupratがアレンジを手掛けています。
『Tropicalia: ou Panis Et Circencis』収録曲も取り上げていますが、半数以上は1900〜1940年代の曲であり、"ディスカヴァー・ブラジル"といった側面もあります。
Nara Leao作品としては異色作かもしれませんが、トロピカリアのムーヴメントを踏まえて聴くと楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Lindoneia」
Caetano Veloso作。『Tropicalia: ou Panis Et Circencis』にも収録されていたヴァージョンと同じです。エレガントなオーケストレーションをバックに、Naraが雰囲気たっぷりに歌うボレロ調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=zWK5SUsiYMo
「Quem E」
Custodio Mesquita/Joracy Camargo作。ショーロのトラッドをトロピカリア的なアレンジで聴かせてくれます。何処となくフレンチ・ポップ調なのがいいですね。
「Donzela Por Piedade Nao Perturbes」
J. S. Arvelos作。ノスタルジックなアレンジの哀愁トラッドをNaraが寂しげに歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=yS2Th7PfWwY
「Mamae Coragem」
Torquato Neto/Caetano Veloso作。この曲も『Tropicalia: ou Panis Et Circencis』に収録され、Gal Costaが歌っていました。独特のミステリアスな音世界がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=ueOMCX7WL1g
「Anoiteceu」
Francis Hime/Vinicius De Moraes作。美しいストレングスをバックに疾走するジャズ・サンバ調の仕上がり。少し憂いを帯びたNaraの歌声が雰囲気あっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=EbziYHYR5AA
「Modinha」
Manuel Bandeira/Heitor Villa Lobos作。哀愁トラッドを寂しげに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=MzFczQJ-eUw
「Infelizmente」
Lamartine Babo作。ノスタルジックな古典をモダンなアレンジで実にスマートに聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QMoXsN5Ni_Y
「Um Chorinho Chamado Odeon」
Ernesto Nazareth/Vinicius De Moraes作。古典ショーロにNaraの依頼でViniciusが歌詞をつけたもの。そんな思い入れの強い曲を表情豊かに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=OA1Ue5Mik5M
「Mulher」
Custodio Mesquita/Sady Cabral作。エレガントなアレンジをバックに、Naraもムーディーに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZFXgMtB_HH8
「Medroso De Amor」
Alberto Nepomuceno/Juvenal Galeno作。美しくも切ない哀愁メロディを寂しげに歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=2OofSlHD7yU
「Deus Vos Salve Esta Casa Santa」
Caetano Veloso/Torquato Neto作。当ブログではTerra Trioのカヴァーも紹介済みです。少しバロック調のRogerio Dupratのアレンジが冴える哀愁メロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=xuLaX0nA5xk
「Tema De "Os Inconfidentes"」
Cecilia Meireles/Chico Buarque作。ラストは哀愁メロディをメリハリのあるヴォーカルで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mw_fP6lK1x0
Nara Leaoの過去記事もご参照下さい。
『Nara』(1964年)
『O Canto Livre De Nara』(1965年)
『Vento De Maio』(1967年)
『Dez Anos Depois』(1971年)
『Os Meus Amigos Sao Um Barato』(1977年)
『Com Acucar Com Afeto』(1980年)