発表年:2019年
ez的ジャンル:Stones Throw系次世代ジャズxHip-Hop
気分は... :百花繚乱!
新作アルバムからL.A.の次世代ジャズxHip-Hop作品Kiefer『Superbloom』です。
1992年サンディエゴ生まれ。現在はL.A.を拠点に活動するピアニスト/ビートメイカーKiefer(本名Kiefer Shackelford)の紹介は、『Happysad』(2018年)に続き2回目となります。
Stones Throw Records第1弾アルバムであった『Happysad』(2018年)
は、次世代ジャズ・ピアニスト×ビートメイカーという個性を見事に反映し、各方面で高評価を得ました。
その後も、今最も旬な西海岸Hip-Hop/R&BアーティストAnderson .Paakの『Oxnard』(2018年)、『Ventura』(2019年)という2枚のアルバムのプロデュースを手掛けるなど多方面で活躍しています。
Stones Throw Recordsからの第2弾アルバムとなる最新作『Superbloom』は、前半Superbloomと後半Bridgesという2パートから成り立っています。
Superbloomとは、砂漠などで一斉に花が咲き乱れる現象を意味します。Bridgesとは、この場合、曲のBメロのことをさすようです。
Bridgesパートは、今年4月にデジタルとカセットでリリースされたEP「Bridges」を収録したものです。
前作『Happysad』は、某大手CDショップのHip-Hopコーナーで購入しましたが、本作はジャズ・コーナーで購入しました。
アルバム全体としては、よりメロディ、サウンドを重視した演奏が目立ちます。ピアノのみならずシンセも駆使してサウンドの幅を広げています。
その意味ではStones Throwらしい作品ではなく、Hip-Hop好きの人には物足りなさも感じるかもしれません。
その一方で、J Dillaを通過してきた次世代ジャズ・ピアニストとしてのKieferに魅力を感じる人には、彼の進化を感じる1枚に仕上がっていると思います。
Kieferの新たな一面を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
Superbloom
「Golden」
非日常的な音世界が展開されるオープニング。ピアノのみならずシンセも加わった本作らしいサウンドを楽しめます。終盤はサウンドが一挙にカラフルとなります。
https://www.youtube.com/watch?v=-hSPx4y364s
「Frozen」
これまで以上にサウンドのメリハリを感じる演奏です。その分、ジャズ好きの人が聴いても楽しめるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NvDYEy5f0to
「May 20」
チープなリズム・ボックスがビートを刻む、Kieferらしいジャズ・ピアノ×Hip-Hopな音世界を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=qWO3lb3PmzA
「10,000 Days」
Kieferのジャズ・ピアノ×Hip-Hopな美学が一段上のステージへ上がったと感じる演奏です。気品を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=9A7fmEehmxY
「Good Looking」
Hip-Hopサウンドを強調した演奏ですが、それでもピアノHip-Hopではなく、ジャズ・ピアノと思えるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FRve6pPNbks
「Be Encouraged」
まさに百花繚乱といったひたすら美しく落ち着いた演奏です。優しく包み込むKieferのジェントルな側面を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=UPGNLa9uyEg
「And Encourage Others」
「Be Encouraged」のパート2といった美しい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=CJMf08V4T-M
Bridges
「Journey」
メロディ重視のBridgesパートのオープニングに相応しい優しいタッチの演奏で、(良い意味で)これまでのKiefer像を覆してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dBi-zAquRdo
「Island」
ジャズ・ピアノ×Hip-Hopな演奏ですが、よりメロディを大切にしているKieferのスタンスが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=8iNZHmF-6rA
「Orange Crayon」
より洗練されたジャズ・ピアノ×Hip-Hopな演奏を楽しめます。小難しくするのではなく、より聴きやすくなっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rswt16YNoZs
「Cute」
本作らしい音色へのこだわりを感じるメロディアスな演奏です。何処となく儚さを伴う美しさが日本人の涙腺に触れるのかも?
https://www.youtube.com/watch?v=Kaa9DkW_OvE
「Sunny」
タイトルの通り、太陽を感じる穏やかな演奏です。Kieferの新たな一面を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=x_C935CGzWQ
「Green Crayon」
ラストも次世代ジャズ・ピアニストらしい落ち着いた雰囲気の演奏で締めくくってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ybfYfCkfkV8
Kieferの他作品もチェックを!
『Kickinit Alone』(2017年)
『Happysad』(2018年)