2019年11月24日

Tenderlonious『Hard Rain』

UK新世代ジャズ経由のテクノ/ハウス作品☆Tenderlonious『Hard Rain』
ハード・レイン
発表年:2019年
ez的ジャンル:UK新世代ジャズ系テクノ/ハウス
気分は... :アナザー・サイド

新作アルバムから、サウスロンドン注目の音楽クルー/音楽レーベル22aのリーダーTenderloniousことEd Cawthorneの2ndソロ・アルバム『Hard Rain』です。
※共同名義のアルバムを含めると3枚目のアルバム

UK新世代ジャズ・ミュージシャンの一人でもあるTenderloniousの紹介は、1stソロ・アルバム『Shakedown Featuring The 22archestra』(2018年)に続き2回目となります。

『Shakedown Featuring The 22archestra』は、22aの面々がジャズ・ミュージシャンとしての側面を見せつけた本格的なジャズ作品でした。

それに対して、2ndソロ・アルバムとなる本作『Hard Rain』はデトロイト・テクノの影響が色濃いテクノ/ハウス作品に仕上がっています。ジャケだけ見ると、バリバリの60年代Blue Note作品のようなのですが(笑)

このギャップに戸惑う方もいるかもしれませんね。『Shakedown Featuring The 22archestra』と本作とではリスナー層が異なると思います。

僕は前作も本作も渋谷の某大手CDショップで購入しましたが、前作をジャズ・コーナーで購入したため、本作もジャズ・コーナーで探していたら見つからず、店員さんに調べてもらったらクラブミュージック・コーナーに置いてありました。

プロデュース、ソングライティング、アレンジ、パフォーマンス全てTenderlonious一人でこなしています。

デトロイト・テクノ影響下のテクノ/ハウス作品ですが、UK新世代ジャズ・ミュージシャンならではの感性、さらにJ DillaやUkブロークンビーツのエッセンスが織り交ぜられているのが本作の魅力です。

Moodyman的な漆黒の電子グルーヴ「Casey Jr.」、デトロイト・テクノ的なタイトル曲「Hard Rain」「Another State Of Consciousness」J Dilla的な「GU22」、Tenderloniousのフルートも交えたクロスオーヴァー「Aesop Thought」、UK新世代ジャズの感性が冴える「Workin' Me Out」、ブロークンビーツなボーナス・トラック「Brokentom」が僕のおススメです。

『Shakedown Featuring The 22archestra』では聴けなかったTenderloniousのもう一つの顔を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Casey Jr.」
オープニングはMoodyman好きが気に入りそうな漆黒の電子グルーヴ。

「Buffalo Gurl」
70年代クロスオーヴァー的なエッセンスも感じる仕上がり。

「Hard Rain」
タイトル曲はデトロイト・テクノ的なエレクトリック・サウンドを楽しめる1曲。目を閉じて聴いていると瞑想モードに浸れる感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=oWyPvW6Re50

「GU22」
J Dilla的なHip-Hopトラック。1分半の短いトラックですがUK新世代ジャズな雰囲気もあって楽しめます。

「Low Tide」
幻想的なビートレスの小曲。コズミックな雰囲気がいいですね。

「Another State Of Consciousness」
デトロイト・テクノ的な電子音を楽しめる1曲。本作の中でも派手めな音使いで印象に残ります。

「Aesop Thought」
Tenderloniousのフルートも交えた1曲。デトロイト・テクノ×Ukブロークンビーツなクロスオーヴァー・サウンドが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=bSGHrj3QgG8

「Love You」
1分半の小曲ですが、サウンド・コラージュ的な面白さがあります。

「Workin' Me Out」
UK新世代ジャズ・ミュージシャン&トラックメイカーならではの音世界を楽しめます。サウンド的にはアルバムで一番刺激的かも?

「Almost Time」
本編ラストはジャジー・ムードで締め括ってくれます。淡々とした雰囲気が好きです。

「Brokentom」
国内盤CDボーナス・トラック。タイトルの通り、ブロークンビーツな仕上がり。クラブジャズ好きの人は気に入るはず!

未聴の方は『Shakedown Featuring The 22archestra』(2018年)もチェックを!

『Shakedown Featuring The 22archestra』(2018年)
SHAKEDOWN FEAT. THE 22
posted by ez at 01:23| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月23日

Bernadette Cooper『Drama According To Bernadette Cooper』

Klymaxx中心メンバーのソロ・アルバム☆Bernadette Cooper『Drama According To Bernadette Cooper』
Drama According to
発表年:1990年
ez的ジャンル:レディ・ファンク
気分は... :金よりも創造性・・・

今回はKlymaxxの中心メンバーであったBernadette Cooperのソロ・アルバム『Drama According To Bernadette Cooper』(1990年)です。

「I Miss You」の大ヒットで知られる、80年代に活躍した女性ファンク・グループKlymaxxについて、当ブログでは『Meeting In The Ladies Room』(1984年)、『Klymaxx』(1986年)という2枚のアルバムを紹介済みです。

本作はKlymaxx脱退後にソロ転向したBernadette Cooperの初アルバムであり、当時それなりに話題となり、内容的にも更なる飛躍を予感させる魅力的なファンク作品に仕上がっています。僕も当時かなり愛聴していた1枚です。

それにも関わらず、本作がKlymaxx時代のようにヒットすることはありませんでした。売れ筋路線ではなく、アーティストとしての個性を打ち出そうとしたことが仇となったのかもしれません・・・

プロデュースはBernadette Cooper自身。

アルバム全体はミネアポリス・ファンクの影響を感じるファンク作品に仕上がっています。

女性ブルー・アイド・ソウル・シンガーTeena Marieが2曲でフィーチャリングされています。それ以外にChuckii Booker(g)、 Pennye Ford(back vo)、Amp Fiddler(key)、The Phoenix Horns等のミュージシャンが参加しています。

NJS/Go-Goテイストの「Stupid」、Jam & Lewisを意識した「The Underground」Teena Marieをフィーチャーしたタイトル曲「Drama According To Bernadette Cooper」、シングルにもなったオープニング「I Look Good (An Interview With Bernadette Cooper)」、片言の日本語を交えた「Do You Really Know What Love Is」、クールなシンセ・ファンク「The Howard Hughes Sitcom」あたりが僕のおススメです。

この時代ならではの素晴らしいレディ・ファンク作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「I Look Good (An Interview With Bernadette Cooper)」
シングルにもなったオープニング。Nikki Guthrie/Steven Ivoryのヴォーカルをフィーチャー。ラップ調ヴォーカルによるエレクトリック・ファンクです。後にBette Midlerがカヴァーしています。Klymaxx 「The Men All Pause」の引用といった遊び心も見せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=cGOb4WrpFKc

「Do You Really Know What Love Is」
♪スイマセン、コーヒーをもう一杯クダサイ♪コーヒーをノミタイ♪なんて片言の日本語と共に始まるミネアポリス・ファンク調の仕上がり。終盤にはThe Phoenix Hornsが盛り上げてくれます。

「Stupid」
この曲もシングルになりました。NJS/Go-Goテイストのキャッチーなファンク・チューン。当時もコレが一番好きだったかも?
https://www.youtube.com/watch?v=Uow9GlZC2Ug

「The Underground」
この曲もシングルになりました。Jam & Lewisあたりを意識したようなクールなダンサブル・チューン。Kraftwerk「Tour De France」をサンプリング。コレも大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=aw14trE6zH8

「The Agency Sent Me」
Prince殿下の影響を感じるミディアム・バラード。美しくも切ない感じがいいですね。

「Let's Be Discreet」
ミステリアスなミディアム・ファンク。抑えたトーンがいい雰囲気を醸し出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=QsaxnxIT27Q

「Drama According To Bernadette Cooper」
タイトル曲はTeena Marieをフィーチャー。ちなみに本作と同年にリリースされた彼女のアルバム『Ivory』収録の「The Sugar Shack」にBernadette Cooperがフィーチャリングされています。自分流のファンク・ワールドを構築しようとしている姿勢を感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HH7UcKgcKuQ

「I'm That Girl」
Hip-Hopのエッセンスも交えたダンサブル・チューン。Joel Utterbachのラップをフィーチャー。
https://www.youtube.com/watch?v=d2_f8nPKMTM

「The Howard Hughes Sitcom」
僕好みのクールなシンセ・ファンク。ミネアポリス・ファンク経由で自分のファンク・ワールドを構築しようとしている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OJT5qUSdqzc

「Straight Jacket (Love Affair)」
硬質なファンク・チューンですが、今聴くと本曲でのアプローチはあまり成功していない気が・・・
https://www.youtube.com/watch?v=uMXv2z-lxtY

「Nothin' You Can Do」
抑えたトーンのミディアム。他の曲にはない雰囲気でいいアクセントになっています。

「Movie Produce Her」
ラストはTeena Marieをフィーチャー。怪しげなファンク・チューンでドラマティックに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=94bHBhHUqGQ

Klymaxxの過去記事もご参照ください。

『Meeting In The Ladies Room』(1984年)
レディーズ・ルーム

『Klymaxx』(1986年)
Same
posted by ez at 13:41| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月22日

Leon Haywood『Back To Stay』

西海岸男性ソウル・シンガーのグッド・ソウル☆Leon Haywood『Back To Stay』
バック・トゥ・ステイ+キープ・イット・イン・ザ・ファミリー
発表年:1973年
ez的ジャンル:西海岸男性ソウル
気分は... :世界定めと趣向!

今回は70年代に活躍したアメリカ西海岸の男性ソウル・シンガーLeon Haywood『Back To Stay』(1973年)です。

単独CDは未実現のため、上記ジャケおよびAmazonへのリンクは『Keep It in the Family』(1974年)との2枚組CD(ボーナス・トラック8曲追加収録)となります。

1942年テキサス州ヒューストン生まれの男性ソウル・シンガーLeon Haywoodの紹介は、『Come And Get Yourself Some』(1975年)に続き2回目となります。

60年代にはSam Cookeのバック・バンドのキーボード奏者も務め、『Soul Cargo』(1966年)、『It's Got to Be Mellow 』(1967年)といったソロ・アルバムもリリースしていたLeon Haywood

そのLeon Haywoodの70年代最初のアルバムとなったのが20th Centuryからの第一弾アルバム『Back To Stay』(1973年)です。

プロデュースはLeon Haywood本人。

Leon Haywoodの変幻自在のヴォーカルと絶妙なアレンジで60年代レトロ・ソウル感と70年代ニュー・ソウル的を雰囲気を巧みに織り交ぜている点に魅力を感じます。

ピースフルな爽快メロウ・ソウル「La La Song」、語り口にグッとくる「Show Me That You Care」、愛が滲み出てくるソウル・バラード「One Way Ticket To Loveland」、60年代的な雰囲気をスマートに聴かせる「Make Me Yours」、ニュー・ソウル的な「Long As There's You (I Got Love)」あたりがおススメです。

Leon Haywoodならではのグッド・ソウルが詰まった1枚です。

全曲紹介しときやす。

「La La Song」
Leon Haywood作。僕の一番のお気に入り。ピースフルなグルーヴが心地好い爽快メロウ・ソウル。聴いているだけでワクワクしてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=PEFe_nWRzxY

「Sweet Loving Pair」
Bill Williams, Jr./Marshall McQueen, Jr./Winston Ray Williams作。スウィート・バラードですがニュー・ソウルな味わいもあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4_31-Vk_I6Y

「Show Me That You Care」
Leon Haywood/Marshall McQueen, Jr.作。彼のソウル・シンガーとしての魅力を実感できる1曲。彼ならではの語り口がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RglkquGfvdM

「Let Them Walk」
Sonny Thompson作。ストリングスをバックに甘い歌声を届けれくれる素敵なラブ・バラード。仰々しくなりすぎない感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KGlgkBv4K_A

「Fair Warmin'」
Marshall McQueen, Jr.作。Al Greenがお好きな人なんかが気に入りそうな雰囲気の1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=kvqVeW-GX_0

「One Way Ticket To Loveland」
Jimmy Lewis/Leon Haywood作。少しイナたい雰囲気の中にも洗練を感じるソウル・バラード。愛が滲み出てくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9-p_GPVpgTc

「Make Me Yours」
Bettye Swann作。60年代的なレトロ・ソウルを実にスマートに聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=U1_8xURj83c

Murs & 9th Wonder「Intro (Sweet Lord)」のサンプリング・ソースとなっています。
Murs & 9th Wonder「Intro (Sweet Lord)」
 https://www.youtube.com/watch?v=AcBFDMAAYwE

「Long As There's You (I Got Love)」
Leon Haywood/Marshall McQueen, Jr.作。アレンジの妙が冴えるニュー・ソウル的でスケールの大きな1曲。むせび泣くギターが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=_b12lAtyOjU

Eve「Eve of Destruction」、Eclesiastes O Pregador「Carla」、Afu-Ra and Ofx「Hip Hop (The Basement)」、Louis Logic & J.J. Brown「A Perfect Circle」、Joell Ortiz「Brooklyn Bullshit」、Son of Ran「As Long as There's You」、Umse「Versuch's Mal Mit Musik」、A286「Seja Como For」のサンプリング・ソースとなっています。
Eve「Eve of Destruction」
 https://www.youtube.com/watch?v=N_g0lxtw_hc
Eclesiastes O Pregador「Carla」
 https://www.youtube.com/watch?v=0I3dDzKV0OU
Afu-Ra and Ofx「Hip Hop (The Basement)」
 https://www.youtube.com/watch?v=-a3kQVFwMZk
Louis Logic & J.J. Brown「A Perfect Circle」
 https://www.youtube.com/watch?v=TbDGr9UFhpw
Joell Ortiz「Brooklyn Bullshit」
 https://www.youtube.com/watch?v=Z4N55GyD4EM
Son of Ran「As Long as There's You」
 https://www.youtube.com/watch?v=zOirKrSXR1o
Umse「Versuch's Mal Mit Musik」
 https://www.youtube.com/watch?v=23flTix6tXg
A286「Seja Como For」
 https://www.youtube.com/watch?v=q3eYfQ4tjc0

「There Ain't Enough Hate Around (To Make Me Turn Around)」
Leon Haywood作。ラストは60年代を継承する王道ソウルな雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZrkC9SGwHj0

Leon Haywoodの他作品もチェックを!

『Soul Cargo』(1966年)
ソウル・カーゴ

『Come And Get Yourself Some』(1975年)
Come & Get Yourself Some

『Intimate』(1976年)
INIMATE
posted by ez at 01:14| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月21日

E.U.『Livin' Large』

Go-Goの人気バンド。ヒット曲満載☆E.U.『Livin' Large』
Livin' Large
発表年:1989年
ez的ジャンル:Go-Goバンド系R&B
気分は... :ゴー!ゴー!

今回はChuck Brown & The Soul Searchers、Trouble Funkと並ぶGo-GoバンドE.U.『Livin' Large』(1989年)です。

当ブログでは前身グループであるExperience Unlimited‎時代のExperience Unlimited『Experience Unlimited』‎(1976年)を紹介済みです。

70年代後半にChuck Brown & The Soul SearchersTrouble Funkによって確立されたワシントンD.C.生まれのブラック・ミュージックGo-GoTrouble Funk「Pump Me Up」(1982年)あたりで注目を浴びるようになります。

そんな流れの中でE.U.も80年代にGo-Goバンドとして再スタートし、Spike Lee監督の映画『School Daze』(1988年)の主題歌となった「Da Butt」がR&BチャートNo.1になるなど3曲のR&BチャートTop10ヒットを生み出しました。

Go-Goバンドとしてのプリミティヴな魅力を満喫するのであれば、初期作品なのかもしれませんが、基本はローカルなダンス・ミュージックであり、決して一般向けではないと思います。

その点、4曲(客演曲、リミックス含む)のR&BチャートTop10ヒットが収録された本作『Livin' Large』(1989年)が最も聴きやすいE.U.作品なのではないかと思います。

僕もリアルタイムでE.U.作品を聴いたのは本作が最初でした。

本作におけるメンバーはGregory "Sugar Bear" Elliot(vo、b)、 Ivan Goff(key)、William "Ju Ju" House(ds)、Genairo "Foxxy" Brown Foxx(congas)、Timothy "Shorty Tim" Glover(per)、Valentino "Tino" Jackson(g)、Darryel "Tidy Boy" Hayes(tp)、Michael "Go Go Mike" Taylor(tb)、Kent Wood(key)、Edward "Junie" Henderson(vo)という10名。

メンバーによるプロデュース以外に、Raymond JonesLarry RobinsonHurby Luv BugMarvin EnnisMarcus Millerといったプロデューサーが起用されています。

また、当時僕が好きだった男性R&BシンガーKipper Jones‎の名がソングライティングで数曲クレジットされています。

「Buck Wild」「Taste of Your Love」というUS R&BチャートTop10入りのヒット・シングル2曲、ヒット・シングルのリミックス「Da Butt 89」E.U.が客演したSalt-N-Pepaのヒット・シングル「Shake Your Thang」あたりが目玉だと思います。

それ以外にBlack Ivory‎のカヴァー「Don't Turn Around」
E.U.流のファンクネスを楽しめる「Livin' Large」「Shake It Like a White Girl」Marcus Millerプロデュースの「Come To the Go-Go」なども楽しめます。

今となってはあまり話題になりませんが、なかなか楽しい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Buck Wild」
William "Ju Ju" House/Kent Wood/Raymond Jonesプロデュース。アルバムからの1stシングルとしてUS R&Bチャート第8位のヒットとなりました。Go-GoをR&B/Hip-Hopテイストでまとめたダンサブル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=iNXtQDi6gCM

「Livin' Large」
Larry Robinsonプロデュース。タイトル曲はアルバムからの2ndシングルにもなりました。Kipper Jones‎がソングライティングで関与しています。Go-Goを意識せずR&B/ファンクとして楽しめると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Vw6xcj4Jodw

「Shake Your Thang」
Salt-N-Pepaをフィーチャー。前年にE.U.が客演したSalt-N-PepaのシングルとしてUS R&Bチャート第4位となったヒット曲。The Isley Brothers「It's Your Thing」、James Brown「Funky President (People It's Bad)」をサンプリング。Hurby Luv Bugプロデュース。キャッチー&キュートなHip-Hopチューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=aYtY7VaF85s

「Taste of Your Love」
Marvin Ennisプロデュース。アルバムからの3rdシングルとしてUS R&Bチャート第4位のヒットとなりました。個人的には昔も今も一番のお気に入りはコレ。至極のメロウ・バラードです。本来のE.U.の姿とは全く異なる1曲ですが、この素敵なメロウ・ワールドには抗えません。
https://www.youtube.com/watch?v=m81pcg5e61U

「Shaka Zulu」
Ivan Goffプロデュース。Go-Go×Hip-Hop×アフリカ音楽といった雰囲気の1曲。きっとこの手の曲はスタジオ作よりライブで聴いた方がハマるんでしょうね。

「Come To the Go-Go」
Marcus Millerプロデュース。Marcus MillerがGo-Goを調理するとどうなるのか?という観点で聴くと楽しめると思います。Kipper Jones‎がソングライティングで関与しています。

「Shake It Like a White Girl」
Larry Robinsonプロデュース。Kipper Jones‎がソングライティングで関与しています。この時代らしいファンク・チューンですが、E.U.らしい肉感のあるゴリゴリした雰囲気は伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=mCZtLl6zv3s

「Da Butt 89」
Ivan Goff/Kent Woodプロデュース。ヒット・シングル「Da Butt」のリミックス。大胆なリミックスではないので、ヒット・シングルをアルバムでも楽しめるといった気分でしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=UqEXNWRA-Rg
Spike Leeも登場するオリジナルのPVもチェックを!
「Da Butt」
https://www.youtube.com/watch?v=FShE0VifCYs

「Don't Turn Around」
男性ソウル・グループBlack Ivory‎のカヴァー(Patrick Adams作)。オリジナルはアルバム『Don't Turn Around』(1971年)収録。Raymond Jonesプロデュース。「Taste of Your Love」と本曲という2曲のバラードが本作の魅力を高めるのに大きく貢献しています。
https://www.youtube.com/watch?v=FY-Jl_Eu-pE

「Express」
William "Ju Ju" House/Kent Woodプロデュース。ラストはこのグループらしいノリ一発のダンサブルなインスト・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=neC2BprRYjE

E.U.の他作品もチェックを!

Experience Unlimited『Experience Unlimited』‎(1976年)
エクスペリエンス・アンリミテッド

『Rock Yuh Butt』(1988年)
Rock Yuh Butt 88

『Cold Kickin' It』(1990年)
Cold Kickin It
posted by ez at 13:07| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月20日

Sergio Mendes『The Swinger From Rio』

『Timeless』ジャケの元ネタです☆Sergio Mendes『The Swinger From Rio』
Swinger From Rio by Sergio Mendes
録音年:1964年
ez的ジャンル:ボッサ・ジャズ
気分は... :マネジメントよりイメージメント!

久々にSergio Mendesです。
セレクトしたのは1964年レコーディング(リリースは1966年)の『The Swinger From Rio』です。

当ブログでこれまで紹介してきたSergio Mendes作品は以下の11枚。

 『Brasil '65』(1965年)
 ※Wanda Sa(Wanda De Sah)Rosinha De Valencaとの共演作
 『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil '66』(1966年)
 『Equinox』(1967年)
 『Look Around』(1968年)
 『Fool On The Hill』(1968年)
 『Sergio Mendes' Favorite Things』(1968年)
 『Crystal Illusions』(1969年)
 『Stillness』(1970年)
 『Vintage 74』(1974年)
 『Home Cooking』(1976年)
 『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)

本作『The Swinger From Rio』は、Sergio Mendes & Brasil '66でブレイクする前のインスト・アルバムです。

また、内容以上に『Timeless』(2006年)のジャケの元ネタとなったジャケでお馴染みのアルバムかもしれませんね。

『Timeless』(2006年)
Timeless by Sergio Mendes (2007-05-23)

レコーディング・メンバーはSergio Mendes(p)、Tiao Neto (b)、Chico de Souza (ds)のピアノ・トリオを中心に、Antonio Carlos Jobim(g)、Art Farmer(flh)、Phil Woods (as)、Hubert Laws(fl)といったミュージシャンが参加したジャズ寄りのボッサ・ジャズ作品に仕上がっています。

全11曲中6曲がAntonio Carlos Jobim作品です。

Art Farmer(flh)、Phil Woods (as)、Hubert Laws(fl)といった一流のUSジャズ・ミュージシャンをフィーチャリングし、Jobim本人のギターによるサポートを得ながら、Jobimのボサノヴァ名曲をどう仕上げていくのか、という観点で聴くと楽しいと思います。

ブレイク後の作品にはないSergio Mendesのプリミティヴな魅力を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Maria Moita」
Carlos Lyra/Vinicius De Moraes作。当ブログではRosalia De SouzaNara Leaoのカヴァーを紹介済みです。軽快なジャズ・サンバをPhil Woodsのサックスが盛り上げてくれます。セルメンの小粋なピアノもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=z6XLqSf8Z5k

「Sambinha Bossa Nova(So Tinha De Ser Com Voce)」
Antonio Carlos Jobim/Aloysio de Oliveira作。英題「It Could Only Happen with You」。当ブログではTitaDuke Pearsonのカヴァーを紹介済みです。Art Farmerのフリューゲルホーンをフィーチャーした抑えたトーンのボッサ・ジャズに仕上がっています。。
https://www.youtube.com/watch?v=BAkEyqsCjgw

「Batida Diferente」
Mauricio Einhorn/Durval Ferreira作。当ブログではCannonball AdderleyRoberto MenescalTamba Trioのヴァージョンを紹介済みです。Hubert Lawsのフルートをフィーチャーした小気味良いジャズ・サンバで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gobbGObya_k

「So Danco Samba」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作のボサノヴァ名曲をカヴァー。作者Jobimのギターも加わった瑞々しい「So Danco Samba」を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=ydccifkFnMA

本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Wanda Sa(Wanda De Sah)Tamba TrioRoberto MenescalGimmicksJazzlife SextetStan Getz & Luiz BonfaPeter FesslerTill BronnerA TresCharlie Byrdのカヴァーを紹介済みです。

「Pau Brazil」
Sergio Mendesのオリジナル。Hubert Lawsのフルートをフィーチャーし、ジャズ寄りの演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=gkYSXm9NQpY

「The Girl From Ipanema」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作のボサノヴァ名曲「イパネマの娘」をカヴァー。作者Jobimのギターも加わった落ち着いたボッサ・ジャズに仕上がっています。Art Farmerのフリューゲルホーン・ソロも味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=qpAROg0PGa0

本曲について、当ブログではTamba TrioAgustin Pereyra LucenaDiane Denoir/Eduardo MateoRoberto MenescalBossacucanova & Roberto MenescalSheila Landis/Rick MatlePapikTrio 3DFreddie McCoyLaurindo AlmeidaCharlie ByrdSirius Bのカヴァーも紹介済みです。

「Useless Panorama」
Antonio Carlos Jobim作。Art Farmerのフリューゲルホーンをフィーチャーし、抑えたシブさが魅力のボッサ・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0uFyUrpR6ow

「The Dreamer (Vivo Sonhando)」
Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作の名曲カヴァー。Phil Woodsのサックスがリードする素敵なボッサ・ジャズに仕上がっています。個人的にはアルバムで一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=F2UwMsrCb9s

本曲について、当ブログではWanda Sa(Wanda De Sah)Diane Denoir/Eduardo MateoRosalia De SouzaEliane Eliasのカヴァーを紹介済みです。

「Primavera」
Carlos Lyra作。当ブログではO Quartetoのカヴァーも紹介済みです。Hubert Lawsのフルートをフィーチャーした穏やかなボッサ・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=W6ftoDyZDk0

「Consolacao」
Baden Powell作。ピアニストSergio Mendesのプレイを存分に満喫できるアフロ・サンバ。ミステリアスな疾走感が格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=UG_QEuMvqpU

本曲について、当ブログではTamba 4Tenorio Jr.Celso FonsecaA Bossa EletricaAgustin Pereyra LucenaSambalanco TrioSirius BNara LeaoTrio 3DWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valencaのカヴァーを紹介済みです。

「Favela (O Morro Nao Tem Vez)」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲カヴァー。ラストはHubert Lawsのフルートをフィーチャーし、作者Jobimのギターが優しくリードするメロウ・ボッサで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JLiwkXfjomc

本曲について、当ブログではSambalanco TrioWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De ValencaSimone MorenoSirius Bのカヴァーを紹介済みです。

Sergio Mendes作品の過去記事もご参照下さい。

Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca『Brasil '65』(1965年)
ブラジル'65

『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)
マシュ・ケ・ナーダ

『Equinox』(1967年)
分岐点~コンスタント・レイン

『Look Around』(1968年)
Look Around

『Fool On The Hill』(1968年)
フール・オン・ザ・ヒル

『Sergio Mendes' Favorite Things』(1968年)
Favorite Things

『Crystal Illusions』(1969年)
クリスタル・イリュージョンズ

『Stillness』(1970年)
スティルネス

『Vintage 74』(1974年)
Vintage '74

『Home Cooking』(1976年)
Homecooking

『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)
Sergio Mendes & The New Brasil 77 by Sergio Mendes & Brasil '77
posted by ez at 01:08| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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