2019年12月13日

The Clique『Sugar On Sunday』

Gary Zekleyが手掛けたソフトロック作品☆The Clique『Sugar On Sunday』

発表年:1969年
ez的ジャンル:Gary Zekley系ソフトロック
気分は... :リアリティよりアクチュアリティ!

今回は60年代ソフトロックからThe Clique『Sugar On Sunday』(1969年)です。

The Cliqueはテキサス州ヒューストンで結成されたグループ。
リード・シンガーはRandy Shaw

当初はThe Lavender Hourを名乗り、マイナー・レーベルから数枚のシングルをリリースした後、The Cliqueと改名。

1967年に西海岸のレーベルWhite Whaleと契約します。
そんなThe Cliqueの唯一のアルバムが『Sugar On Sunday』(1969年)です。

The Yellow Balloonのプロデュース&ソングライティング、The Grass Roots「Sooner or Later」のソングライティングで知られるGary Zekleyがプロデュースを手掛けています。

本作が再評価されているのもThe Cliqueというグループ以上に、ソフトロック職人Gary Zekleyへの注目からでしょう。

アルバム自体に統一感はありませんが、その分1曲毎の面白さがあります。

シングル・ヒットした「Sugar On Sunday」、後にR.E.M.がカヴァーした「Superman」をはじめ、「I'll Hold Out My Hand」「Judy, Judy, Judy」「Soul Mates」「Shadow Of Your Love」あたりが僕のおススメです。

再発CDにはオリジナル11曲に加え、シングル曲など10曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

ソフトロック好きの方はぜひチェックを!

全曲を紹介しときやす。

「Sugar On Sunday」
本作と同じ1969年リリースのTommy James & The Shondellsヴァージョンでも知られる曲(Mike Vale/Tommy James作)。シングルとしてUSチャート第22位のヒットとなっています。甘酸っぱいポップ感覚と揺らめくアレンジがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=xQVTVkmCAAQ

「My Darkest Hour」
ドラマティックなアレンジで聴かせる哀愁ポップ。
https://www.youtube.com/watch?v=JpKI_98XC0A

「Holiday」
Bee Geesのヒット曲をカヴァー。オリジナルは『Bee Gees 1st』(1967年)収録。ポップな中にもほんのりサイケな香りがします。
https://www.youtube.com/watch?v=hRQJYh7sxNQ

「Hallelujah!」
ビートとホーンの効いたキャッチーなロッキン・テイストなソフトロック。
https://www.youtube.com/watch?v=EHPaN3o8JWo

「I'll Hold Out My Hand」
Al Gorgoni/Chip Taylor作。エヴァーグリーンな魅力を持つ1曲。魅力的な楽曲を良いアレンジで引き立てています。
https://www.youtube.com/watch?v=_z1xopvvVoQ

「Little Miss Lucy」
抑えたトーンでスタートし、一気にスパークするソフトロックらしい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=IJ5bMtcXlLY

「Judy, Judy, Judy」
僕好みのビートの効いたバブルガム・ポップ。単純な分かりやすさがいいですね。サックス・ソロのアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=LOrr6Z2lI7g

「Soul Mates」
The ParadeのSmokey Roberdsによるソングライティング。ソフトロック好きにはたまらない曲調ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bC23DvGpUg8

「(There Ain't) No Such Thing As Love」
ポップの公式的な作りですが、何処となくイナたい感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UNHdLgWw1uM

「Superman」
White Whaleからの第1弾シングルのアルバム・ヴァージョン。中〜後期Beatlesの影響を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=5g-O4FntXPs

偉大なUSロック・グループR.E.M.がカヴァーしたことでも知られる楽曲です。R.E.M.ヴァージョンはアルバム『Lifes Rich Pageant』(1986年)に収録されています。
R.E.M.「Superman」
 https://www.youtube.com/watch?v=x_Wz1DRuPJo

「Shadow Of Your Love」
Dianne Colby作。本編ラストは楽曲の良さで勝負!どこかで聴いた名曲のような錯覚を起こしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=b_7dPqClX3o

ここまでがオリジナル11曲。
ここからはボーナス・トラック10曲。

「Stay By Me」
グルーヴィーな格好良さがあります。
 https://www.youtube.com/watch?v=uwwxoa4-CPM
「Splash 1」
13th Floor Elevatorsのカヴァー。1967年のシングル曲。
 https://www.youtube.com/watch?v=KNgQSUsWLOg
「Love Ain't Easy」
1968年のシングル曲。後期Beatlesの影響を感じます。
 https://www.youtube.com/watch?v=XHKq-yqPrrc
「Gotta Get Away」
ビートの効いたオルガン・グルーヴ。
 https://www.youtube.com/watch?v=0dIgucof6RU
「Shadow Of Your Love (Single Version)」
「Superman (Single Version)」
「Sparkle And Shine」
Tommy Jamesプロデュース&ソングライティング
 https://www.youtube.com/watch?v=ypMmeB6heJ8
「I'm Alive」
Tommy Jamesプロデュース&ソングライティング
 https://www.youtube.com/watch?v=_XBxVMkRECc
「Memphis」
オルガンの効いたグルーヴィー・ロック。少しハード・ロックも入っています!
 https://www.youtube.com/watch?v=b6b7Ttp7o8U
「Southbound Wind」
「Memphis」と同路線のロック・チューン。
 https://www.youtube.com/watch?v=FjYBujHdn4w

気づけば12月も半ばに突入。
To Doリストの項目が増す一方・・・
少し焦りが出てきました。
posted by ez at 03:55| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月11日

Mae Gee『Mae Day』

掘り出し物女性R&B☆Mae Gee『Mae Day』

発表年:2008年
ez的ジャンル:妖艶女性R&B
気分は... :嵐のような1日・・・

今回は2000年女性R&B作品からMae Gee『Mae Day』(2008年)です。

中古CDショップでジャケだけ見て直感的に購入し、気に入った1枚です。

しかし、今回記事にしようと思い、アーティスト、作品について調べようと思いましたが、殆どプロフィール情報がありません。

おそらく本作が唯一のアルバムだと思います。
メイン・プロデューサーはHip-HopユニットBlock BleedazのメンバーBig Hollisです。

アルバム全体としては、2000年代女性R&Bらしい妖艶な1枚に仕上がっています。殆どのソングライティング&アレンジをMae Geeが手掛けていますが、楽曲・サウンド・センスの良さもアルバムの魅力です。

ラッパーE-Moeをフィーチャーした「Original」「Young Luv」という2曲が僕の一押し!

それ以外にHip-Hop調の「Get Down」「Can't Change Me」Lady Remedyの女声ラップをフィーチャーした「Too Easy」、アーバンな「Can't Let Go」「I Belong 2 You」あたりもおススメです。

日本では殆ど話題にならない1枚ですが、なかなかの掘り出し物だと思います。

全曲を紹介しときやす。

「The Notch」
Big Hollis/Mae Geeプロデュース。ドラマティックなオープニング。2000年代女性R&Bらしい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=RAhiJU7yBDQ

「Get Down」
お気に入りその1。Big Hollisプロデュース。Big HollisによるHip-HopトラックとMaeの艶やかなヴォーカルがよくマッチしたキャッチーな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9DJMs_iFWpA

「Romie's Message」
Roman Washingtonプロデュース。留守電ネタのインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=XkR9POEVF4A

「Still」
Diamond Maxプロデュース。しっとりとしたバラードで魅せてくれます。抑えた妖艶さがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rc1RJaWGvRA

「Can't Change Me」
お気に入りその2。Big Hollisのラップをフィーチャー。Big Hollisプロデュース。シングル向きのキャッチーな1曲。歌姫らしい華があります。
https://www.youtube.com/watch?v=lzGB9dhuWnU

「You」
Big Hollisプロデュース。女性R&Bグループのようなヴォーカル・ワークが魅力です。Maeの歌いっぷりがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=y-YLkSeaXJw

「Too Easy」
お気に入りその3。Lady Remedyの女声ラップをフィーチャー。Big Hollisプロデュース。妖艶なムードで悩殺されます(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=gfE4bSJHesk

「Can't Let Go」
お気に入りその4。Michael Barefieldプロデュース。僕好みのアーバンなR&Bグルーヴ。艶やかなオトナのヴォーカルと落ち着きのあるサウンドのバランスが最高です。
https://www.youtube.com/watch?v=Jum96t2qj5Q

「Take Me Away」
Big Hollisプロデュース。妖艶なムードでジワジワ迫ってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=VGka_i2zmwI

「We Can Do」
Brown Sugaをフィーチャー。Big HollisとはBlock Bleedazの仲間であるEklips Da Hustlaのプロデュース。オートチューン使いの哀愁チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=Xqw7ravHJ38

「Fallin」
Big Hollisプロデュース。しっとりと歌い上げる哀愁バラード。さり気ないですが実にいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=lPQ_7sJAaJI

「The Way I Feel」
Warringtonプロデュース。メロウなアクセントがいい感じの哀愁グルーヴ。切々と思いが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=fNenMEbgaoA

「Original」
お気に入りその5。E-Moeのラップをフィーチャー。Big Hollisプロデュース。僕の一番のお気に入りはアーバンR&Bな本曲。E-Moeのラップもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=f5Q8xak9ZJA

「What U Did」
Big Hollisプロデュース。雨音交じりの哀愁チューンですが、正直雨音&ノイズは逆効果のように思います。
https://www.youtube.com/watch?v=msjQfogPzxs

「I Belong 2 You」
お気に入りその6。Big Hollisプロデュース。僕好みのアーバン・メロウ。落ち着きのある妖艶さがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=qg-t6WGTyUo

「Daddy」
Mae Geeプロデュース。素晴らしいア・カペラで父への思いを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=a3eY9xbqJns

「Young Luv」
お気に入りその7。E-Moeをフィーチャー。Big Hollisプロデュース。「Original」と並ぶ僕のお気に入り。オーガニックな質感を活かしたメロウ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=_veh-_gKSA0

今日は嵐のような1日になりそう・・・慌てず冷静に・・・
posted by ez at 00:29| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月10日

Doug Hammond『Reflections In The Sea Of Nurnen』

レア・グルーヴ人気盤のTribe作品☆Doug Hammond『Reflections In The Sea Of Nurnen』

発表年:1975年
ez的ジャンル:Tribe系ブラック・ジャズ
気分は... :嵐の1週間の予感・・・

スピリチュアル〜ブラック・ジャズ・レーベルTribeのレア・グルーヴ人気盤Doug Hammond『Reflections In The Sea Of Nurnen』(1975年)です。

Doug Hammondは1942年フロリダ州タンパ生まれのドラマー/パーカッショニスト/シンガー。

本作『Reflections In The Sea Of Nurnen』(1975年)はTribeからのリリースですが、それ以降は自身のレーベルIdibibから作品をリリースしています。

また、クラブジャズ好きには以下の作品で彼の名を知った人もいるのでは?

Jazzanova『In Between』(2002年)
イン・ビトゥイーン・デラックス・エディション

Tribe『Rebirth』(2009年)
リバース [カール・クレイグ・プロデュース] [日本盤ボートラ付]

さて、本作『Reflections In The Sea Of Nurnen』(1975年)ですが、Doug Hammond & David Durrah名義の作品と紹介されることもあり、Doug Hammondがキーボード奏者David Durrahと創り上げた1枚とも説明できます。

レコーディング・メンバーはDoug Hammond(vo、ds、melodica、syn)、David Durrah(p、el-p、moog、syn)、Otis Harris(as)、Trevis Mickeel(violin)、Fredrick Boon(per)、Charles Metcalf(b violin、b)、Charles Burnham(violin)、Thomas (Turk) Trayler(per)。

ブラックスプロイテーション的な「Fidalgo Detour」、ヴォーカル入りコズミック・ジャズ・ファンク「Wake Up Brothers」、R&Bテイストのアーシーなヴォーカル・チューン「For Real」、クラブジャズ好きも気に入るであろう「Sea Of Nurnen」エレクトリック・マイルス的な「Venus Fly Trap」あたりが僕のおススメです。

再評価の高いレア・グルーヴ人気盤をご堪能れ!

全曲を紹介しときやす。

「Fidalgo Detour」
おススメその1。Charles Metcalf作。Otis Harrisのサックスが牽引するオープニング。ブラックスプロイテーション的な躍動感が魅力のブラック・ジャズに仕上がっています。

「Space II」
David Durrah作。電子パルス的なアヴァンギャルド。
https://www.youtube.com/watch?v=v4Xe9beAgJU

「Wake Up Brothers」
おススメその2。Doug Hammond作。アープ・シンセの神秘的な音色が印象的なヴォーカル入りコズミック・ジャズ・ファンク。Dougの叩き出す推進力のあるビートも格好良いです。Madlib「Deodato」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Z7dUhS9gUfE

「Reflections」
Otis Harris作。Otis Harrisの哀愁ブロウと共に始まるバラード。少しミステリアスな雰囲気もグッド!

「For Real」
おススメその3。Doug Hammond作。R&Bテイストのアーシーなヴォーカル・チューン。David Durrahのピアノが冴え渡ります。Madlib「Ra」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ndFzVn7w2n8

「Space I」
David Durrah作。アヴァンギャルドな現代音楽といった趣の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=VzlIXFSdCmU

「Sea Of Nurnen」
おススメその4。David Durrah作。クラブジャズ好きも気に入るであろうビートの効いた躍動感とコズミックな鍵盤の組み合わせが魅力的です。パーカッシヴな僕好みの1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=y5n4MBvaSLE

「Moves」
Doug Hammond作。美しいヴァイオリンの音色が印象的なヴォーカル入りメランコリック・ジャズ。美しくも儚いムードがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2Z4AZXO4vrM

9th Wonder「Last Real Nigga Alive」のサンプリング・ソースとなっています。
9th Wonder「Last Real Nigga Alive」
 https://www.youtube.com/watch?v=5M__yPR4OzI

ここまでがオリジナルの8曲。国内盤CDには以下のシングル収録2曲がボーナス・トラックとして追加されています。

「Venus Fly Trap」
おススメその5。David Durrah作。パワフルに疾走する格好良い演奏を満喫できます。エレクトリック・マイルス好きも気に入るであろうブラック・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=NfJ_lHqFzuc

「Kai」
David Durrah作。ミステリアスなエレピの音色が印象的なメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=z52YsD0YzfI

Doug Hammondの他作品もチェックを!

『Spaces』(1982年)


『A Real Deal』(2007年)


『It's Born』(2008年)


『New Beginning』(2010年)

posted by ez at 02:32| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月09日

『今の気分は...Jose Jamesかな』

記事を書く時間がとれないので、過去記事から10曲セレクトするシリーズで・・・

今回はJose James関連の10曲(フィーチャリング曲を含む)をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

「Love」
https://www.youtube.com/watch?v=xl4n57LH0_g
From 『The Dreamer』(2007年)
The Dreamer [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック3曲収録 / 国内盤] (BRC369)

Jazzanova feat. Jose James「Little Bird」
https://www.youtube.com/watch?v=i6CmEcCndGU
From Jazzanova『Of All The Things』(2008年)
Of All the Things

Nicola Conte feat. Jose James「Like Leaves in the Wind」
https://www.youtube.com/watch?v=XIcx6hl0kV0
From Nicola Conte『Rituals』(2008年)
リチュアルズ

>Timo Lassy feat. Jose James「The More I Look At You」
https://www.youtube.com/watch?v=OprMTRpWwl8
From Timo Lassy Featuring Jose James『Round Two』(2009年)
ラウンド・トゥー

「Promise In Love」
https://www.youtube.com/watch?v=fedtgqd4GTI
From 『Blackmagic』(2010年)
Blackmagic [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] 期間限定廉価盤 (BRC246Z)

「It's All Over Your Body」
http://www.youtube.com/watch?v=K3lOMyo1uqk
From 『No Beginning No End』(2013年)
ノー・ビギニング・ノー・エンド

Kris Bowers feat. Jose James「Ways of Light」
https://www.youtube.com/watch?v=yQnvVjj-42k
From Kris Bowers『Heroes + Misfits』(2014年)
Heroes & Misfits

「Anywhere U Go」
https://www.youtube.com/watch?v=IOLpoKPbR8M
From 『While You Were Sleeping』(2014年)
While You Were Sleeping

「To Be With You」
https://www.youtube.com/watch?v=-Jqs-9DUoIg
From 『Love In A Time Of Madness』(2017年)
ラヴ・イン・ア・タイム・オブ・マッドネス

「Kissing My Love」
https://www.youtube.com/watch?v=2rSj8ADOSp8
From 『Lean On Me』(2018年)
リーン・オン・ミー
posted by ez at 01:06| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月08日

Steve Lacy『Apollo XXII』

いきなりグラミー・ノミネート!☆Steve Lacy『Apollo XXII』

発表年:2019年
ez的ジャンル:次世代官能R&B
気分は... :ローファイ再ブーム!

新作アルバムから最注目R&BユニットThe Internetの中心メンバーでもある若き才能Steve Lacyのソロ・デビュー・アルバム『Apollo XXII』です。

1998年生まれ。若干18歳にしてL.A.の最注目R&BユニットThe Internetに参加して以降、目まぐるしい活躍を見せるSteve Lacy

The Internetメンバーとして、『Ego Death』(2015年)、『Hive Mind』(2018年)という2枚のアルバムに参加。

また、プロデューサーとしてもSyd『Fin』(2017年)、Matt Martians『The Drum Chord Theory』(2017年)といったThe Internetメンバーのソロや大ヒット・アルバムKendrick Lamar『Damn』(2017年)を手掛け、その才を存分に見せてつけてくれました。

上記以外に、J. Cole『4 Your Eyez Only』(2017年)、Mac Miller『 Swimming』(2018年)、Vampire Weekend『Father Of The Bride』(2019年)、Solange『When I Get Home』(2019年)といった話題作のプロデュースも手掛けています。

そんなSteve Lacyが今年リリースした初ソロ・アルバムが『Apollo XXII』です。

当初はデジタル配信のみでしたが、アナログ、CDでようやくリリースされました。

しかも、先日発表された第62回グラミー賞ノミネートBest Urban Contemporary Albumの候補に選ばれました。

プロデュース&ソングライティング(共作含む)はSteve Lacy自身。

ゲストもL.A.のラウド・ジャズ・バンドDaisy、トークで参加の女優Amandla Stenberg、実妹の実妹Asiatica(Asia Lacy)程度で演奏の殆ども彼自身によるものです。

全体としてはミニマルな体制によるローファイ次世代R&Bといった感じですね。また、バイセクシャルであるSteve Lacyの思いなども綴られた内省的で官能的な1枚に仕上がっています。Prince殿下に通じるものもあります。

個人的にはシングルにもなったJesse Boykins IIIとの共作曲「Playground」Prince殿下を思わせる官能的な「Guide」、美しくも切ない「Love 2 Fast」「Hate CD」、ローファイな魅力に溢れた「N Side」あたりが僕のお気に入り。

本作も含めて。最近になって再びローファイ・サウンドがブームになりつつありますね。

全曲紹介しときやす。

「Only If」
ローファイながらもメロディアスな小曲がオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=ODQLN3ghuj4

「Like Me」
L.A.ラウド・ジャズ・バンドDaisyをフィーチャーした3パートからなる9分超の大作。バイセクシャルである自身の気持ちを歌い上げます。さまざまな心模様が表現されています。
https://www.youtube.com/watch?v=B51T9xidovw

「Playground」
Jesse Boykins IIIとの共作。シングルにもなったブギー・ファンク調の仕上がり。最近のThe Internetがお好きな人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=g_ICWul5hqQ

「Basement Jack」
確信犯的なチープ感が魅力のラップトップ・ミュージック。
https://www.youtube.com/watch?v=hVemKitrKQ8

「Guide」
Prince殿下を思わせる官能的なダンサブル・チューン。こういうの大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=zPaS59yCcjk

「Lay Me Down」
愛を懇願する心の叫びといった雰囲気のミディアム。泣きのギターの官能的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TPxjMjh4jEU

「Hate CD」
白日夢のラブソングといった美しくも儚いムードがたまりません。ある意味The Internetメンバーらしい音世界かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=k_LHO8Hobmk

「In Lust We Trust」
性の解放をストレートに歌った官能的な1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Ks4Tydeo1_o

「Love 2 Fast」
美しくも切ないギターと共に歌われるラブソング。美しさと苦悩が交錯する音世界に惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HMa5LnRuWRQ

「Amandla's Interlude」
女優Amandla Stenbergのトークをフィーチャーしたアコースティックな雰囲気の1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=hs65JwOadb8

「N Side」
本作らしいローファイな魅力に溢れた1曲。シンプルだからこそ伝わる歌世界がある・・・
https://www.youtube.com/watch?v=udOf9cPnR1A

「Outro Freestyle/4ever」
ローファイなアウトロの後、しばらく無音が続き、隠れトラックのように「4ever」が始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=PUQfNBzMjiw

「The Night Owl」
国内盤ボーナス・トラック。実妹Asiatica(Asia Lacy)をフィーチャー。本編にはない躍動感のあるオルタナ・ロック調の1曲に仕上がっています。

The Internet『Ego Death』(2015年)
Ego Death

The Internet『Hive Mind』(2018年)
ハイヴ・マインド
posted by ez at 01:49| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする