発表年:2019年
ez的ジャンル:次世代官能R&B
気分は... :ローファイ再ブーム!
新作アルバムから最注目R&BユニットThe Internetの中心メンバーでもある若き才能Steve Lacyのソロ・デビュー・アルバム『Apollo XXII』です。
1998年生まれ。若干18歳にしてL.A.の最注目R&BユニットThe Internetに参加して以降、目まぐるしい活躍を見せるSteve Lacy。
The Internetメンバーとして、『Ego Death』(2015年)、『Hive Mind』(2018年)という2枚のアルバムに参加。
また、プロデューサーとしてもSyd『Fin』(2017年)、Matt Martians『The Drum Chord Theory』(2017年)といったThe Internetメンバーのソロや大ヒット・アルバムKendrick Lamar『Damn』(2017年)を手掛け、その才を存分に見せてつけてくれました。
上記以外に、J. Cole『4 Your Eyez Only』(2017年)、Mac Miller『 Swimming』(2018年)、Vampire Weekend『Father Of The Bride』(2019年)、Solange『When I Get Home』(2019年)といった話題作のプロデュースも手掛けています。
そんなSteve Lacyが今年リリースした初ソロ・アルバムが『Apollo XXII』です。
当初はデジタル配信のみでしたが、アナログ、CDでようやくリリースされました。
しかも、先日発表された第62回グラミー賞ノミネートでBest Urban Contemporary Albumの候補に選ばれました。
プロデュース&ソングライティング(共作含む)はSteve Lacy自身。
ゲストもL.A.のラウド・ジャズ・バンドDaisy、トークで参加の女優Amandla Stenberg、実妹の実妹Asiatica(Asia Lacy)程度で演奏の殆ども彼自身によるものです。
全体としてはミニマルな体制によるローファイ次世代R&Bといった感じですね。また、バイセクシャルであるSteve Lacyの思いなども綴られた内省的で官能的な1枚に仕上がっています。Prince殿下に通じるものもあります。
個人的にはシングルにもなったJesse Boykins IIIとの共作曲「Playground」、Prince殿下を思わせる官能的な「Guide」、美しくも切ない「Love 2 Fast」や「Hate CD」、ローファイな魅力に溢れた「N Side」あたりが僕のお気に入り。
本作も含めて。最近になって再びローファイ・サウンドがブームになりつつありますね。
全曲紹介しときやす。
「Only If」
ローファイながらもメロディアスな小曲がオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=ODQLN3ghuj4
「Like Me」
L.A.ラウド・ジャズ・バンドDaisyをフィーチャーした3パートからなる9分超の大作。バイセクシャルである自身の気持ちを歌い上げます。さまざまな心模様が表現されています。
https://www.youtube.com/watch?v=B51T9xidovw
「Playground」
Jesse Boykins IIIとの共作。シングルにもなったブギー・ファンク調の仕上がり。最近のThe Internetがお好きな人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=g_ICWul5hqQ
「Basement Jack」
確信犯的なチープ感が魅力のラップトップ・ミュージック。
https://www.youtube.com/watch?v=hVemKitrKQ8
「Guide」
Prince殿下を思わせる官能的なダンサブル・チューン。こういうの大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=zPaS59yCcjk
「Lay Me Down」
愛を懇願する心の叫びといった雰囲気のミディアム。泣きのギターの官能的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TPxjMjh4jEU
「Hate CD」
白日夢のラブソングといった美しくも儚いムードがたまりません。ある意味The Internetメンバーらしい音世界かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=k_LHO8Hobmk
「In Lust We Trust」
性の解放をストレートに歌った官能的な1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Ks4Tydeo1_o
「Love 2 Fast」
美しくも切ないギターと共に歌われるラブソング。美しさと苦悩が交錯する音世界に惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HMa5LnRuWRQ
「Amandla's Interlude」
女優Amandla Stenbergのトークをフィーチャーしたアコースティックな雰囲気の1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=hs65JwOadb8
「N Side」
本作らしいローファイな魅力に溢れた1曲。シンプルだからこそ伝わる歌世界がある・・・
https://www.youtube.com/watch?v=udOf9cPnR1A
「Outro Freestyle/4ever」
ローファイなアウトロの後、しばらく無音が続き、隠れトラックのように「4ever」が始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=PUQfNBzMjiw
「The Night Owl」
国内盤ボーナス・トラック。実妹Asiatica(Asia Lacy)をフィーチャー。本編にはない躍動感のあるオルタナ・ロック調の1曲に仕上がっています。
The Internet『Ego Death』(2015年)
The Internet『Hive Mind』(2018年)