発表年:2018年
ez的ジャンル:L.A.ミニマル・ファンク・バンド
気分は... :これはクセになる・・・
年内最後の新作紹介です。
セレクトしたのはVulfpeck『Hill Climber』です。
2018年リリースの作品ですが、今年11月にようやくCD化が実現したので新作扱いにしたく思います。
Vulfpeckはミシガン州アナーバーで結成されたミニマル・ファンク・バンド。現在はL.A.を活動拠点としています。
メンバーはJack Stratton(syn、clavinet、b、ds)、Theo Katzman(g、ds、per)、Woody Goss(el-p、org、per)、Joe Dart(b)という4名。
2011年にEP「Mit Peck」でデビュー。
これまで『Thrill of the Arts』(2015年)、『The Beautiful Game』(2016年)、『Mr. Finish Line』(2017年)という3枚のスタジオ・アルバムをリリースしています。
4thアルバムとなる本作『Hill Climber』(2018年)では彼らのユニークなポップ感覚に一層磨きがかかっています。
70年代ポップ/ファンク/ソウル/ロックなどのエッセンスのいいとこ取りな感じがたまりません。
Antwaun Stanley(vo)、Joey Dosik(key、sax)、Cory Wong(g)といったVulfpeckの準メンバー的ミュージシャンも参加しています。
また、PHOXのMonica Martin、Candy ButchersのMike Viola、KNOWERのLouis Coleがゲスト参加しています。
職人的パワー・ポップ「Half of the Way」、ヴォコーダー入りのポップ・ファンク「Darwin Derby」、Monica Martinをフィーチャーしたロマンティック・バラード「Love is a Beautiful Thing」、ニューオリンズ・ファンク調の「Soft Parade」や「The Cup Stacker」、初期Prince×Nile Rodgersなインスト・ディスコ「Disco Ulysses (Instrumental)」、
Louis Coleをフィーチャーした変態的ポップ・ファンク「It Gets Funkier IV」など、あの手この手で楽しませてくれます。
彼らのポップ職人的ファンク・ワールドを満喫しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Half of the Way」
Theo Katzmanをフィーチャー。Larry Goldings/Ryan Lerman作。彼らのポップ・センス全開の職人的パワー・ポップがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=rr6f26I2cBI
「Darwin Derby」
Theo Katzman & Antwaun Stanleyをフィーチャー。底抜けに明るいヴォコーダー入りのポップ・ファンク。僕の一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=_RTcxRLj2RQ
「Lonely Town」
Theo Katzmanをフィーチャー。ライナーノーツにあったように、Paul McCartneyがスカ調のポップ・チューンを歌っている感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=61dDuA2DCq4
「Love is a Beautiful Thing」
Theo KatzmanとPHOXのMonica Martinをフィーチャー。Theo Katzmanがソロ名義でリリースしていた楽曲のセルフ・カヴァー。さり気ないですがロマンティックなミディアム・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=x0vgMl6n7m0
「For Survival」
ソロおよびCandy Butchersとして活躍するMike Violaをフィーチャー。カントリー・フレイヴァーの軽快ポップ。
https://www.youtube.com/watch?v=X0VZGycfems
「Soft Parade」
ニューオリンズ・ファンクのエッセンスを取り入れたインスト。ウーリッツァーのヴィンテージ感のある響きがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GJi1EmI_11E
「Lost My Treble Long Ago」
前曲に続くニューオリンズ・ファンク調。Joe Dartのベースがグイグイ来ます。
https://www.youtube.com/watch?v=to22meUpSEI
「Disco Ulysses (Instrumental)」
初期Prince×Nile Rodgersといった雰囲気のインスト・ディスコ。爽快ギター・カッティングと本領発揮のJoe Dartの格好良いベースがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UBmHfLeuBdc
「The Cup Stacker」
再びニューオリンズ・ファンク調のインスト。余計なものを削ぎ落し、ニューオリンズ・ファンクの骨格のみを聴かせてくれる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=3HOb5vXOIkw
「It Gets Funkier IV」
エレクトロ・ポップ・ユニットKNOWERの鬼才Louis Coleをフィーチャー。VulfpeckとLouis Coleの共演はポップ変態同士の組み合わせでハマりますね。中毒性の高いポップ・ファンクに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ujK3nnpP56I
CDには「Half Of The Way (Instrumental)」、「Darwin Derby (Instrumental)」、「Lonely Town (Instrumental)」、「For Survival (Instrumental)」の4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
Vulfpeckの他作品もチェックを!
『The Beautiful Game』(2016年)
『Mr. Finish Line』(2017年)