2020年02月16日

The Oldians『Roots 'N' Soul (Nice & Easy)』

バルセロナ産ジャマイカン・ジャズの最新作☆The Oldians『Roots 'N' Soul (Nice & Easy)』
ルーツ&ソウル(ナイス&イージー)
発表年:2020年
ez的ジャンル:バルセロナ産ジャマイカン・ジャズ
気分は... :ナイス&イージー!

今回は新作アルバムからバルセロナのジャマイカン・ジャズ・グループThe Oldiansの最新作『Roots 'N' Soul (Nice & Easy)』です。

2001年にスペイン、バルセロナで結成されたジャマイカン・ジャズ・グループThe Oldiansの紹介は、日本独自編集盤『Island Jazz Sessions』(2013年)、5thアルバム『Out Of The Blue』(2016年)に続き3回目となります。

The Gramophone Allstars Big Bandと共に、バルセロナ発の"ジャマイカン・ジャズ"を代表するグループThe Oldians

ロックステディ、スカといったヴィンテージなジャマイカン・サウンドとジャズ・サウンドを融合させた"ジャマイカン・ジャズ"というスタイルは、レゲエ、スカ好き日本でも大いに受け入れられました。

本作『Roots 'N' Soul (Nice & Easy)』は、グループにとっての7thオリジナル・アルバム。

国内盤としては『Island Jazz Sessions』(2013年)、『Out Of The Blue』(2016年)に続く3枚目となります。

本作『Roots 'N' Soul (Nice & Easy)』と国内前作『Out Of The Blue』(2016年)の間に、6thオリジナル・アルバムとなる『We Are Reggae』(2018年)があるのですが、同作は未CD化のままです。

本作のメンバーはリーダーのJavier Garcia(g)をはじめ、Saphie Wells(vo)、Pol Omedes(tp、flh)、Ricard Vinyets(ts)、Xavi Angulo(ds)、 Alvaro Taborda(b)、Eduard Fernandez(p、el-p)、Dani Lamperez(org)という8名。

全体的には『Out Of The Blue』(2016年)のアイランド・ジャズ・ワールドをさらに成熟させている印象を受けます。レゲエ/スカのエッセンスを取り入れつつも、しっかりジャズ・バンドしているのがいいですね。

楽曲はすべてオリジナルです。
「The Root」以外はすべてSaphie Wellsのヴォーカル入りです。

個人的にはSaphieのキュートなヴォーカルが映える「Feeling High」「A Little Bit of Trust」「Easy Loving」「Hold Me」といったロマンティックな楽曲がお気に入りです。

軽快なのにセンチメンタルな「Oh, What a Day!」、ノスタルジックな「Talking About」、スカ×メロウ・ジャズな「Reaction」あたりもおススメです。

ファンの期待を裏切らない1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Feeling High」
Saphieのキュートなヴォーカルが映えるメロウなオープニング。The Oldiansらしいサンセットが似合いそうなロマンティックな1曲に仕上がっています。

「Oh, What a Day!」
ジャマイカン・ジャズらしいスカ×ジャズな雰囲気を楽しめる1曲。軽快なのにセンチメンタルな感じがたまりません。

「A Little Bit of Trust」
レゲエ調の演奏をバックに、Saphieが切ないヴォーカルで歌い上げるラヴァーズ。ロマンティックなサックス・ソロもグッド!

「The Root」
本作唯一のインスト。ハードボイル感のあるスカ調ジャマイカン・ジャズに仕上がっています。

「Talking About」
The Oldiansらしい少しノスタルジックなメロウ・チューン。Saphieのコケティッシュなヴォーカルが似合います。

「The Answer is Love」
憂いを帯びたSaphieのヴォーカルが印象的な哀愁ラヴァーズ。

「Easy Loving」
Saphieのラブリーな魅力が生かされたメロウ・チューン。The Oldians好きには間違いアイランド・ラヴァーズ。

「Reaction」
The Oldiansらしい美学が貫かれた都会的な仕上がり。スカ×メロウ・ジャズな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zr43EgyezDc

「If You Don't Know」
ソウルフルなコーラスワークが印象的なラヴァーズ。甘く切ないながらも湿っぽくないのがいいですね。

「Walking By The Line」
ダビーなレゲエ・チューンでアルバムにアクセントをつけています。

「Hold Me」
Saphieのキュート・ヴォーカルが映えるThe Oldiansワールド全開のメロウ・チューン。Javier Garciaの素敵なギター・ソロやPol Omedesのトランペット・ソロもロマンティック・ムードを盛り上げてくれます。

「When Spring Comes Back」
ラストはアイランド・ジャズらしい確信犯的なノスタルジック・ムードで締め括ってくれます。

The Oldiansの他作品もチェックを!

『Island Jazz Sessions』(2013年)
アイランド・ジャズ・セッションズ

『Out Of The Blue』(2016年)
アウト・オブ・ザ・ブルー
posted by ez at 00:13| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月14日

The Impressions『This Is My Country』

ニューソウル前夜のCurtom第一弾アルバム☆The Impressions『This Is My Country』
ディス・イズ・マイ・カントリー
発表年:1968年
ez的ジャンル:シカゴ・ソウル・グループ
気分は... :今宵コの字で一杯・・・

シカゴの名グループThe ImpressionsCurtom第一弾アルバム『This Is My Country』(1968年)です。

Jerry ButlerCurtis MayfieldLeroy Hutsonらを輩出したシカゴ・ソウルの名グループThe Impressionsについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)
 『Times Have Changed』(1972年)
 『Finally Got Myself Together』(1974年)

本作『This Is My Country』(1968年)はCurtisが設立したCurtomの第一弾アルバムです。

本作におけるメンバーはCurtis MayfieldSam GoodenFred Cashという3名。

プロデュースはCurtis Mayfield

シカゴのゲットーでポーズをキメるメンバー3人が写るジャケは、ニューソウル前夜の雰囲気がありますね。

ニューソウルへのモデル・チェンジを図っているImpressionsの中間報告みたいな感じが逆に魅力です。これまでのImpressionsのスタイルのなかにニューソウルな香りが喧嘩せずに溶け込んでいるのがいいですね。

シングル・カットされた「Fool for You」「This Is My Country」、オープニングを飾る「They Don't Know」あたりにモデル・チェンジを図るグループの姿を窺うことができます。

それ以外に、Donny Hathaway/Curtis Mayfieldという偉大な二人の共作「Gone Away」Billy Griffin/Donny Hathaway作の「You Want Somebody Else」、レゲエ・カヴァーでも人気のバラード「My Woman's Love」あたりもおススメです。

The Impressionsの新たな第一歩を感じる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「They Don't Know」
Curtis Mayfield作。ニューソウルの到来と同時にCurtis Mayfieldのソロ作を予感させるオープニング。Curtis好きにはたまらない1曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XxbCC0Aclao

「Stay Close to Me」
Curtis Mayfield作。溌剌としたノーザン・ソウルで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bXErGObCFa4

「I'm Loving Nothing」
Curtis Mayfield作。従来スタイルのバラードですが、ジワジワと滲みでる哀愁モードに今までとは異なるサムシングを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=gA0Td89Xf7E

Fel Sweetenberg「The Nuthin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Fel Sweetenberg「The Nuthin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=e-h8-17-lyg

「Loves Happening」
Curtis Mayfield作。伝統的なソウル・コーラスですが、アレンジの妙で古臭く聴こえないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=S04TjfJHQDY

Toni Braxton「Let Me Show You the Way (Out)」のサンプリング・ソースとなっています。
Toni Braxton「Let Me Show You the Way (Out)」
 https://www.youtube.com/watch?v=rWgzwhjEnFU

「Gone Away」
Donny Hathaway/Curtis Mayfieldという偉大なソウル・シンガー二人の共作。曲調は伝統的なソウル・バラードですが、壮大なストリングスにニューソウルの風を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=-BJfAGCxO1Y

Roberta Flackがアルバム『Chapter Two』(1970年)でカヴァーしています。
Roberta Flack「Gone Away」
 https://www.youtube.com/watch?v=TKDO76zV8GE

「You Want Somebody Else」
Billy Griffin/Donny Hathaway作。ノーザン・ソウル調ななかにもニューソウルの息吹を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=Yf6QrwIlmxM

「So Unusual」
Curtis Mayfield作。ファルセット・ヴォーカルが映えるソウル・グループらしいメロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=h2cW1QY755g

「My Woman's Love」
Curtis Mayfield作。伝統的スタイルのようでモダンな香りがする素敵なソウル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=BQNp_xbllck

Slim Smith & The Uniques等のレゲエ・カヴァーも人気です。また、K-Hill feat. Kaze & Pumpkinhead「The Eulogy」のサンプリング・ソースとなっています。
Slim Smith & The Uniques「My Woman's Love」
https://www.youtube.com/watch?v=HL62mpEvw2U
K-Hill feat. Kaze & Pumpkinhead「The Eulogy」
 https://www.youtube.com/watch?v=rF6HZAhkeNA

「Fool for You」
Curtis Mayfield作。シングル・カットされ、US R&Bチャート第3位となっているバラード。これまでのImpressionsとニューソウルなImpressionsの両方が同居しているのが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=i8kuQz-VVDs

Professor P & DJ Akilles feat. Felix De Luca & Gracias「Fool」のサンプリング・ソースとなっています。
Professor P & DJ Akilles feat. Felix De Luca & Gracias「Fool」
 https://www.youtube.com/watch?v=kdfTQpVFP38

「This Is My Country」
Curtis Mayfield作。タイトル曲はシングルとしてUS R&Bチャート第8位となっています。「Fool for You」同様に、これまでのImpressionsとニューソウルなImpressionsの両方が同居している味わい深い1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=z_esbRoOeR0

Killarmy「Allah Sees Everything」のサンプリング・ソースとなっています。
Killarmy「Allah Sees Everything」
 https://www.youtube.com/watch?v=6KZR773X_JU

The Impressionsの他作品もチェックを!

『The Impressions/Never Ending Impressions』(1963/1964年) ※2in1CD
Impressions/Never Ending Impressions

『Keep on Pushing/People Get Ready』(1964/1965年) ※2in1CD
Keep on Pushing/People Get Ready

『One by One/Ridin' High』(1965/1966年) ※2in1CD
ONE BY ONE/RIDIN!

『The Fabulous Impressions/We're a Winner』(1967/1968年) ※2in1CD
The Fabulous Impressions / We're A Winner

『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)
ヤング・モッズ・フォゴットン・ストーリー

『Check Out Your Mind!』(1970年)
チェック・アウト・ユア・マインド!

『Times Have Changed』(1972年)
タイムズ・ハヴ・チェンジド

『Preacher Man』(1973年)
プリーチャー・マン

『Finally Got Myself Together』(1974年)
ファイナリー・ガット・マイセルフ・トゥゲザー

『First Impressions/Loving Power』(1975/1976年) ※2in1CD
First Impressions & Loving

『It's About Time』(1976年)
It's About Time

『Come to My Party/Fan the Fire』(1979/1981年) ※2in1CD
Come to My Party/Fan the Fire
posted by ez at 01:07| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月13日

Channel2『Slammin' At Eleven』

Foster & McElroy全面プロデュース☆Channel2『Slammin' At Eleven』
Slammin' at Eleven
発表年:1989年
ez的ジャンル:Foster & McElroy系ファンク/ソウル
気分は... :少欲知足・・・

名プロデューサー・チームFoster & McElroy関連作品からChannel2『Slammin' At Eleven』(1988年)です。

Channel 2は、オークランド出身のCarl NickolasTrisha Nickolasによる兄妹(or姉弟)デュオ。

人気プロデューサー・チームFoster & McElroy(Denzil Foster/Thomas McElroy)が全面プロデュースした本作(1988年)が唯一のアルバムです。

アルバムにはTony! Toni! Tone!Dwayne Wiggins(g、prog)、Foster & McElroyとClub Nouveau時代の同僚であったDavid Agent(g、b)が参加しています。

1989年リリースということで、この時代特有の音の陳腐化を感じる部分もありますが、Foster & McElroyの仕事ぶりを楽しめる1枚です。

Foster & McElroy好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Keep It Simple」
David Agent/Denzil Foster/Thomas McElroy作。シングルにもなったオープニング。Foster & McElroyらしい仕事ぶりを聴くことができるダンサブル・チューンTrishaの素敵なヴォーカルが映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=XVN8GtaMpD8

「In Debt To You」
Denzil Foster/Thomas McElroy/Nancy Walker-Wasdon作。この曲もシングルになりました。多少リズムが陳腐ですが、この時代らしいアーバンなダンサブル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=1Tfil1soLK4

「Never Gonna Let You Go」
Denzil Foster/Thomas McElroy作。レゲエ調のミディアム・グルーヴでアルバム全体にアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=xJ0ZpYLgqrs

「Dreams Don't Come True」
Denzil Foster/Thomas McElroy/Nancy Walker-Wasdon作。寂しげな雰囲気がたまらない哀愁メロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=rsWrlOW95co

「The Truth Is」
Denzil Foster/Thomas McElroy作。ヴォコーダー入りのファンク・チューン。サウンドのキラキラ感がこの時代らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kgFfZdnEd3Y

「If You Want Me To Stay」
Sly & The Family Stoneのカヴァー(Sylvester Stewart作)。オリジナルは『Fresh』(1973年)収録。お馴染みの人気曲をFoster & McElroyらしい調理で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=cxg4pl2lBIY

本曲に関して、当ブログではEric BenetMica ParisThe Baker Brothersのカヴァーも紹介済みです。

「Not This Time」
Denzil Foster/Thomas McElroy作。80年代後半ならではの妖しげな雰囲気が印象的なダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=P7U4mKnXrX4

「Love Is Just A Feeling」
Denzil Foster/Thomas McElroy作。ソウルフルなミディアム・バラードを味わい深く聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rEJY-_JSbiY

「You Send Me」
ラストはSam Cookeの名曲のア・カペラ・カヴァー。このデュオの魅力がダイレクトに伝わってくる好カヴァーで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=itkmL0Yn4Z0

本曲に関して、当ブログではNicolette LarsonAretha FranklinRoy Ayersのカヴァーも紹介済みです。

Foster & McElroy関連作品の過去記事もご参照ください。

Foster McElroy『FM2』(1989年)
FM2 by Foster Mcelroy (1989-06-19) 【並行輸入品】

Samuelle『Living in Black Paradise』(1990年)
Living in Black Para

The Nation Funktasia『In Search Of The Last Trump Of Funk』(1991年)
In Search of the Last Trump

Asante『Asante Mode』(1995年)
Asante Mode

Premiere『Premiere』(1996年)
premiere premiere.jpg
posted by ez at 03:11| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月12日

Jameszoo『Fool』

Brainfeederからリリースの1stアルバム☆Jameszoo『Fool』
Fool [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC513)
発表年:2016年
ez的ジャンル:Brainfeeder系エレクトロニカ×前衛ジャズ
気分は... :ピカソの絵を観るように・・・

オランダ出身の新進アーティストJameszooBrainfeederからリリースした1stアルバム『Fool』です。

Jameszoo(本名Mitchel Van Dinther )はオランダ南部デン・ボスの出身のミュージシャン/DJ/プロデューサー。

2007年頃からDJとしての活動を開始し、2011年に初シングル「Leaf People/Krishnan Feathers」をリリースします。

「Faaveelaa」(2012年)、「Jheronimus」(2013年)といったEPでJameszooサウンドの原型を固めます。

そして、Flying Lotus率いるBrainfeederJameszooの才能を発掘し、1stアルバムとなる本作『Fool』のリリースにこぎ着けました。

プロデュースはJameszoo自身。

アルバムにはベテラン・ジャズ・ピアニストSteve Kuhn(key、vo)、名アレンジャーとして知られるブラジル人ミュージシャンArthur Verocai(g)がフィーチャリングされています。

さらにThundercat(b)、Richard Spaven(ds)をはじめ、Julian Sartorius(Colin Vallon Trio)(ds)、Niels Broos(p、syn、org)、Raphael Vanoli(Knalpot)(b)、John Dikeman(ts)、 Frans Petter Eldh(b)等のミュージシャンが参加しています。

正直、聴く人を選ぶ前衛的で難解なアルバムです。
非ミュージシャン的感性で作られた進化形ジャズといった感じですかね。

僕もリリース当時にCDショップで試聴しましたが、そのときはピンと来ずにスルーし、その後中古CDで購入しました。

決して、毎日繰り返し聴くような作品ではないと思いますが、キャッチーな音楽の洪水の合間に聴くと、得体の知れない刺激をもらえると思います。

Steve Kuhnのカヴァー「The Zoo」以外はJameszooのオリジナルです。

ピカソの絵を観るような感性で聴きましょう(笑)

全曲紹介しときやす。

「Flake」
音のおもちゃ箱のようなエレクトロニカがオープニング。そんな中でもしっかりジャズしているのが本作らしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=1EEeEnrHZTA

「Lose」
Jameszooらしい不調和な音世界が展開されます。不調和なのに美しい!不思議な感覚に陥ります。
https://www.youtube.com/watch?v=ZAOHAsXsmZE

「Soup」
エレクトロニカ×新世代ジャズな仕上がり。John Dikemanのフリーキーなサックスも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=GGLAt4SWCDQ

「Flu」
Arthur Verocaiをフィーチャー。ジャズらしいセッション感のある演奏が印象的です。本作においては比較的聴きやすい(?)演奏なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=THYTYF4ihLs

「Wrong」
Richard Spaven(ds)参加曲。数秒の無音状態があるなど実験的すぎて凡人には理解不能です(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=DbgSIMfB-_k

「Meat」
Thundercat(b)参加曲。静かなる狂気を感じるアヴァンギャルドな仕上がり。John Dikemanのマッドなサックスを聴かせてくれます。サスペンス・スリラーのサントラに似合いそうですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XM-ZnkFC2rg

「The Zoo」
Steve Kuhn本人をフィーチャーしたSteve Kuhnのカヴァー。オリジナルは『Steve Kuhn』(1971年)収録の「Pearlie's Swine」。正にJameszooに相応しいタイトルの曲ですね。新世代ジャズの格好良さを備えた前衛電化ジャズに仕上がっています。これであれば一般のジャズ・ファンも聴けるのでは(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=i7cREtQQ1wE

「Crumble」
現在進行形ジャズらしいドラミングが格好良い1曲。少し前のThundercat作品がお好きな人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=3Jc-fbYf800

「Nail (Skit)」
コズミックなシンセ・サウンドによるスキット。
https://www.youtube.com/watch?v=wnM8-U2wJyo

「Toots」
前半は「Wrong」同様に実験的すぎて戸惑います。後半はなかなかエキサイティングなセッションを繰り広げます。
https://www.youtube.com/watch?v=A7tY7TDYzR8

「Teeth」
キーボードとヴィオラによる美しい展開・・・しかし一筋縄ではいかないのがJameszooワールド。予測不能な終盤へ・・・
https://www.youtube.com/watch?v=7HEcYX--l_c

「Virus」
国内盤ボーナス・トラック。不調和かつ不穏なサウンドに背筋が寒くなります。これもサスペンス・スリラーのサントラに似合いそうです。

Philip Akkermanによるジャケがアーティスティックでいいですよね。
posted by ez at 01:32| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月11日

Southern Energy Ensemble『Open Your Mind』

Oneness of Jujuの弟分バンド、唯一のアルバムSouthern Energy Ensemble『Open Your Mind』
サザン・エナジー・アンサンブル
発表年:1993年
ez的ジャンル:USブラック・ジャズ/ジャズ・ファンク
気分は... :もっとエナジーを!

アフロ・ジャズ・ファンク・グループOneness of Jujuの弟分バンドSouthern Energy Ensemble唯一のアルバム『Open Your Mind』です。

1993年リリースですが、レコーディング自体は70年代後半なので70年代カテゴリーに分類します。

ヴァージニア州リッチモンド出身のサックス奏者Plunky Nkabinde(Plunky Branch)を中心としたアフロ・ジャズ・ファンク・グループOneness of Juju(Juju)について、当ブログで紹介した作品は以下の3枚。

 JuJu『Chapter Two : Nia』(1974年)
 Oneness Of Juju『African Rhythms』(1975年)
 Oneness Of Juju『Space Jungle Luv』(1976年)

そんなプOneness of Jujuと同じホームタウンであるヴァージニア州リッチモンドで結成されたジャズ・ファンク・グループがSouthern Energy Ensembleです。

数名のメンバーはPlunky & the Oneness of Jujuにも参加していた模様です。

唯一のアルバムとなる本作『Open Your Mind』におけるメンバーは、Garrie Wayne (Zeek)(vo)、Marvin Daniels (Dash)(tp、flh、vo)、Adolphus Maples (Peddie)(congas、vo)、Nathaniel Lee (Nat)(p、el-p、clavinet、syn)、William Johnson (Spike)(ds、per)、Judith Spears (Anglais)(vo)、Al Clarke(sax、fl)、Michael Pitt (Wolf)(b)、Tony Joyner (Onginga)(congas)、Veronica Jones (Ronnie)(vo)、Bill McGhee (Hoffa)(syn prog)という11名。

プロデュースはJimmy GrayMarvin Daniels

聴く前はもっとアフロ色の強いサウンドをイメージしていましたが、実際に聴いてみるとブラック・ジャズ/ジャズ・ファンクの印象が強かったです。

女性ヴォーカル隊が躍動するブラック・ジャズ「Open Your Mind」、ストリート・ファンクな「F-U-N-K-Y Til The Day I Die」「See Funk」、アフロ・リズムが印象的な「Third House」、スペイシーなジャズ・ファンク「Energy」、スピリチャルなバラード「The Best Part Of Me Southern Energy」など充実の全7曲です。

僕好みの魅惑のB級アルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Open Your Mind」
女性ヴォーカル隊が躍動するブラック・ジャズ的なオープニング。Natの力強いタッチのピアノと、Al Clarkeのフリーキーなサックス・ソロ、Dashのエネルギッシュなトランペット・ソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=5CoPyMGsix8

「F-U-N-K-Y Til The Day I Die」
クラヴィネットの響きが良く似合うストリート・ファンク。ソウルフルな女性コーラス隊が盛り上げてくれます。適度にパーカッシヴなのも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=SG5sdwt1PaQ

「Third House」
コンガによるアフロ・リズムとスリリングな空気感がたまらないブラック・ジャズ的な演奏です。中盤のドラム&パーカッション・ブレイクもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TyCvbcGT4AU

「See Funk」
クラヴィネットが生み出すうねるグルーヴがクセになるストリート・ファンク。ダイナミックなホーン・アンサンブルもグッド!格好良さでいえばアルバム随一なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=KYyQp4mvV1g

「Looking Ahead」
女性ヴォーカル隊の素敵なヴォーカルが映えるメロウ・ソウル・バラード。静寂のなかで優しさに包まれていくような感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yOPXUzqvumw

「Energy」
重心の低いグルーヴが魅力のジャズ・ファンク。少しスペイシーなアクセントも印象的です。

「The Best Part Of Me Southern Energy」
ラストはビューティフル&スピリチャルなミディアム・バラードで締め括ってくれます。静かなるパワーを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=1SaiWPM859c

ご興味がある方はOneness of Jujuの作品もチェックを!

Juju『A Message From Mozambique』(1973年)
ア・メッセージ・フロム・モザンビーク

JuJu『Chapter Two : Nia』(1974年)
チャプター2:ニア

Oneness Of Juju『African Rhythms』(1975年)
アフリカン・リズムス

Oneness Of Juju『Space Jungle Luv』(1976年)
スペース・ジャングル・ラヴ

Oneness of Juju『Bush Brothers & Space Rangers』(1977年)
ブッシュ・ブラザーズ・アンド・スペース・レンジャーズ

Plunky & the Oneness of Juju『Every Way But Loose』(1982年)
Every Way But Loose
posted by ez at 02:04| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする