2020年02月12日

Jameszoo『Fool』

Brainfeederからリリースの1stアルバム☆Jameszoo『Fool』
Fool [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC513)
発表年:2016年
ez的ジャンル:Brainfeeder系エレクトロニカ×前衛ジャズ
気分は... :ピカソの絵を観るように・・・

オランダ出身の新進アーティストJameszooBrainfeederからリリースした1stアルバム『Fool』です。

Jameszoo(本名Mitchel Van Dinther )はオランダ南部デン・ボスの出身のミュージシャン/DJ/プロデューサー。

2007年頃からDJとしての活動を開始し、2011年に初シングル「Leaf People/Krishnan Feathers」をリリースします。

「Faaveelaa」(2012年)、「Jheronimus」(2013年)といったEPでJameszooサウンドの原型を固めます。

そして、Flying Lotus率いるBrainfeederJameszooの才能を発掘し、1stアルバムとなる本作『Fool』のリリースにこぎ着けました。

プロデュースはJameszoo自身。

アルバムにはベテラン・ジャズ・ピアニストSteve Kuhn(key、vo)、名アレンジャーとして知られるブラジル人ミュージシャンArthur Verocai(g)がフィーチャリングされています。

さらにThundercat(b)、Richard Spaven(ds)をはじめ、Julian Sartorius(Colin Vallon Trio)(ds)、Niels Broos(p、syn、org)、Raphael Vanoli(Knalpot)(b)、John Dikeman(ts)、 Frans Petter Eldh(b)等のミュージシャンが参加しています。

正直、聴く人を選ぶ前衛的で難解なアルバムです。
非ミュージシャン的感性で作られた進化形ジャズといった感じですかね。

僕もリリース当時にCDショップで試聴しましたが、そのときはピンと来ずにスルーし、その後中古CDで購入しました。

決して、毎日繰り返し聴くような作品ではないと思いますが、キャッチーな音楽の洪水の合間に聴くと、得体の知れない刺激をもらえると思います。

Steve Kuhnのカヴァー「The Zoo」以外はJameszooのオリジナルです。

ピカソの絵を観るような感性で聴きましょう(笑)

全曲紹介しときやす。

「Flake」
音のおもちゃ箱のようなエレクトロニカがオープニング。そんな中でもしっかりジャズしているのが本作らしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=1EEeEnrHZTA

「Lose」
Jameszooらしい不調和な音世界が展開されます。不調和なのに美しい!不思議な感覚に陥ります。
https://www.youtube.com/watch?v=ZAOHAsXsmZE

「Soup」
エレクトロニカ×新世代ジャズな仕上がり。John Dikemanのフリーキーなサックスも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=GGLAt4SWCDQ

「Flu」
Arthur Verocaiをフィーチャー。ジャズらしいセッション感のある演奏が印象的です。本作においては比較的聴きやすい(?)演奏なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=THYTYF4ihLs

「Wrong」
Richard Spaven(ds)参加曲。数秒の無音状態があるなど実験的すぎて凡人には理解不能です(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=DbgSIMfB-_k

「Meat」
Thundercat(b)参加曲。静かなる狂気を感じるアヴァンギャルドな仕上がり。John Dikemanのマッドなサックスを聴かせてくれます。サスペンス・スリラーのサントラに似合いそうですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XM-ZnkFC2rg

「The Zoo」
Steve Kuhn本人をフィーチャーしたSteve Kuhnのカヴァー。オリジナルは『Steve Kuhn』(1971年)収録の「Pearlie's Swine」。正にJameszooに相応しいタイトルの曲ですね。新世代ジャズの格好良さを備えた前衛電化ジャズに仕上がっています。これであれば一般のジャズ・ファンも聴けるのでは(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=i7cREtQQ1wE

「Crumble」
現在進行形ジャズらしいドラミングが格好良い1曲。少し前のThundercat作品がお好きな人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=3Jc-fbYf800

「Nail (Skit)」
コズミックなシンセ・サウンドによるスキット。
https://www.youtube.com/watch?v=wnM8-U2wJyo

「Toots」
前半は「Wrong」同様に実験的すぎて戸惑います。後半はなかなかエキサイティングなセッションを繰り広げます。
https://www.youtube.com/watch?v=A7tY7TDYzR8

「Teeth」
キーボードとヴィオラによる美しい展開・・・しかし一筋縄ではいかないのがJameszooワールド。予測不能な終盤へ・・・
https://www.youtube.com/watch?v=7HEcYX--l_c

「Virus」
国内盤ボーナス・トラック。不調和かつ不穏なサウンドに背筋が寒くなります。これもサスペンス・スリラーのサントラに似合いそうです。

Philip Akkermanによるジャケがアーティスティックでいいですよね。
posted by ez at 01:32| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする