発表年:1969年
ez的ジャンル:サンタナ・ファミリー系ラテン・ジャズ
気分は... :夢前案内人・・・
今回は60年代ラテン・ジャズからLuis Gasca『The Little Giant』(1969年)です。
Luis Gascaは1940年テキサス州ヒューストン生まれのトランペット奏者。
後にSantana『Santana III』(1971年)、Malo『Malo』(1972年)への参加などでSantanaファミリーの印象が強いミュージシャンですが、Woody Hermanのオーケストラ、Mongo Santamariaのコンボなどでも活動していた模様です。
本作『The Little Giant』(1969年)は、彼にとって初のリーダー作となるアルバムです。
プロデュースはJoel Dorn
レコーディングにはLuis Gasca(tp、flh)以下、Herbie Hancock(p)、Mark Levine(p)、Paul Griffin(p)、Charles Rainey(b)、Dave Herscher(b)、Bernard Purdie(ds)、Mickey Roker(ds)、Joe Henderson(ts)、Joe Gallardo(tb)、Hubert Laws(fl)、Lew Tabackin(fl)、Mongo Santamaria(congas)、Steve Berrios(timbales)、Marty Sheller (cowbell)といったミュージシャンが参加しています。
Luis Gasca、Hubert Laws、Mark Levineがアレンジを手掛けています。
ラテン/アフロ・キューバン色を全面に打ち出した作品イメージしていたのですが、意外にしっかりジャズしていて、ジャズ×ラテン/アフロ・キューバンのバランスが絶妙な1枚に仕上がっています。
軽快なラテン・パーカッションが鳴り響く「Motherless Child」がハイライトですが、Mongo Santamaria作の人気アフロ・キューバン・クラシックをカヴァー「Afro-Blue」、Herbie Hancockのエレガントなピアノが印象的な「Joy Ride」、リリカルなバラード「Nancy」、Hubert Laws作のエレガント・ファンキー「Just A Little Bit」あたりもおススメです。
昨夜の吹雪は踊り疲れ・・・
全曲紹介しときやす。
「Just A Little Bit」
Hubert Laws作。Charles Raineyの格好良いベースと作者Hubert Lawsのフルートが印象的なエレガント・ファンキー・チューンがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=4Wc3SbgSYrU
「Motherless Child」
トラディショナルのカヴァー。軽快なラテン・パーカッションが鳴り響くアフロ・キューバン・ジャズは本作のハイライトなのでは?Joe Hendersonのテナー・ソロ、Luis Gascaのトランペット・ソロもエキサイティングでグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=cJCjinUJg2w
「Nancy」
Don Garcia作。アフロ・キューバンのエッセンスを取り入れたリリカルなバラード。Luis Gascaのトランペット・ソロも実にロマンティックです。
https://www.youtube.com/watch?v=KeWohKErcbc
「Cosia No. 2」
Moacir Santos作。Herbie Hancockのピアノが映えるミステリアスな演奏です。黄昏モードのようなLuis Gascaのフリューゲルホーンもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=4GjbdODKZ2c
「Afro-Blue」
ラテン・ファンにはお馴染みMongo Santamaria作の人気アフロ・キューバン・クラシックをカヴァー。作者Mongo Santamariaのコンガをバックに、Luis Gascaが情熱的なトランペットを聴かせる序盤から、覚醒的なラテン・リズムで徐々に高揚してくる中盤、さらにラテン・パーカッションが強化される終盤へという流れがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=x2SwJO3_2MQ
当ブログでは人気のDee Dee Bridgewaterヴァージョンをはじめ、Cal Tjader、Robert Glasper Experiment feat. Erykah Badu、Two Banks Of Fourのカヴァーを紹介済みです。
「Joy Ride」
Bob Porcelli作。Herbie Hancockのエレガントなピアノが牽引する優雅な仕上がり。Luis GascaのフリューゲルホーンやHubert Lawsのフルートも実に穏やかです。
https://www.youtube.com/watch?v=SgEGuRqt68k
「Sweet Pea」
Mark Levine作。ラストはLuis Gascaのトランペットと作者Mark Levineのピアノのみの美しいバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=beFqbX191vE
Luis Gascaの他のリーダー作もチェックを!
『For Those Who Chant』(1972年)
『Collage』(1975年)