2020年03月25日

Martine Girault『Revival』

Ray Haydenとの強力タッグ☆Martine Girault『Revival』
リヴァイヴァル
発表年:1995年
ez的ジャンル:Opaz系UKソウル
気分は... :復活!

今回は90年代UKソウルからMartine Girault『Revival』(1995年)です。

Martine Giraultは1968年N.Y.ブルックリン生まれの女性R&Bシンガー。
母親はフランス(ハイチ)系、父親はイタリア系。

16歳のときに有名なブロードウェイ・ミュージカル『The Wiz』のドロシー役に抜擢され、注目を浴びます。その後、19歳でオランダに渡り、さらにはイギリスに拠点を移します。

そこでUKの気鋭プロデューサーRay Haydenと出会い、彼女のデビュー・シングルとなる「Revival」をレコーデイングします。

1992年にシングル・リリースされた同曲は、UKシングル・チャートにチャート・インするヒットとなりました。

「Revival」
https://www.youtube.com/watch?v=HiFiYiJCS_0

その後、MartineとRay Haydenは方向性を巡るレコード会社とのトラブルで作品をリリースできずにいましたが、1995年にRay Hayden自身のレーベルOpazから1stアルバムとなる本作『Revival』をリリースします。

さらにMartineとRay Haydenのコンビは、2ndアルバムとなる『S.O.U.L.』(1997年)をリリースしています。

僕の場合、CDシングルで「Revival」を購入し、同曲に魅せられ、その後突如リリースされた本作『Revival』も試聴もせずにオートマチックに購入した記憶があります。

前年にリリースされたRay Hayden自身のアルバムOpaz Featuring Ray Hayden『Back! From The Raggedy Edge』(1994年)とセットで聴いていた記憶があります。

プロデュース&ソングライティングは全てRay Hayden

こういうアルバムは、ハイライト「Revival」のみの作品とイメージする方もいるかもしれません。しかし、他の曲もMartine GiraultRay Haydenのタッグが強力であることを示してくれるのが本作の魅力です。

特に冒頭の「These Are The Best Days Of Your Life」「Soulfully Yours」「Been Thinking About You」「Good Love」という4曲を聴けば本作のUKソウルとしての充実度が一発でわかるはずです。

UKソウルらしくありませんが、キュートな「Don't Dog Me」「Love To Love You」あたりも僕のおススメ。

本作が惜しいのはリリースが1995年という時期であったこと。レコード会社とのトラブルなく、あと2年位早くリリースできていればもっと名盤としての評価が高まっていた気がします。

それでも今聴いてもテンション上げる僕にとっての名盤です。

全曲紹介しときやす。

「Intro/Interlude」
アルバムのイントロ。

「These Are The Best Days Of Your Life」
シングルにもなったミディアム・グルーヴ。UKソウルらしいクラブ寄りのダンサブル・サウンドがいいですね。Martineの声質もサウンドとよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=fvmSbzvpreQ

「Soulfully Yours」
アーバン感覚ながらもスピリチュアルな深遠さもある僕好みのミディアム・グルーヴ。面影のUKソウルといった趣がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2-uJCtLyBDg

「Been Thinking About You」
この曲もサイコー!僕の好きだったUKソウルのセンスが凝縮されている1曲だと思います。久々に聴いたけど真夜中にテンション上がってしまった!
https://www.youtube.com/watch?v=gpjchdT67_Y

「Good Love」
クールなグラウンドビート調サウンドとキュートなMartineのヴォーカルの組み合わせにグッとくる1曲。Timmy Thomas 「Why Can't We Live Together」調のオルガンの使いが心憎いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hjeNVDg4kSo

「Revival」
前述の彼女の代名詞と呼べるUKソウル・クラシック。アルバム・ヴァージョンは8分40秒の長尺です。Tom Scott & The L.A. Express「Sneakin' in the Back」をサンプリング。冒頭のカウントはBobby Byrd「I Know You Got Soul」ネタ。Ray Hayden自身は本曲を"部屋の灯りを消して、じっくり耳を傾けるようなソウル・チューン"と称したようですが、まさにミッドナイトが似合うUKソウル・クラシックだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=BXwqQwhsLYg

オリジナル・シングル・ヴァージョンはGuru「Feel the Music」等のサンプリング・ソースとなっています。Guru「Feel the Music」も本作と同じ1995年リリース曲なのでセットでよく聴きました。
Guru「Feel the Music」
 https://www.youtube.com/watch?v=eIWTKrj9SfI

「We've Got Tomorrow」
切ない哀愁ミディアム。コズミックな雰囲気のある哀愁メロウ・サウンドの何とも切ないムードがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=T7714J63MIM

「Special」
ピアノをバックに歌い上げるジャジー・ソウルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=9HPwZCgMhA8

「Don't Dog Me」
キュートな魅力全開のUKソウル・グルーヴ。US女性R&Bとセットで聴きたくなる1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=TYGtZGGzyy4

「Love To Love You」
この曲も大好き!USヒップホップ・ソウルと一緒に聴きたくなるような雰囲気のUKソウル・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=QBjYK2bHj1g

「Bring Back Your Love」
哀愁モードのミディアム・グルーヴ。Ray Haydenらしいプロダクションですね。
https://www.youtube.com/watch?v=EK5VafgyHYQ

「I Wish」
ミュージカル仕込みの実力派ヴォーカルを披露してくれるバラード。終盤のゴスペル調コーラスワークも感動的です。
https://www.youtube.com/watch?v=o15J2sIcGgw

「Outro/Interlude」
アルバムのイントロ。

「These Are The Best Days Of Your Life (Extended Mix)」
国内盤ボーナス・トラック。「These Are The Best Days Of Your Life」のExtendedヴァージョン。
https://www.youtube.com/watch?v=sa7iae_7MuA

ご興味がある方は2ndアルバム『S.O.U.L.』(1997年)やOpaz Featuring Ray Hayden『Back! From The Raggedy Edge』(1994年)もチェックを!

『S.O.U.L.』(1997年)
S.O.U.L.

Opaz Featuring Ray Hayden『Back! From The Raggedy Edge』(1994年)
Back from the Raggedy Edge
※上記は輸入盤ですが、僕が保有するのはジャケが異なる国内盤CDです
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2020年03月23日

『今の気分は...2020年3月23日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は1970年代カテゴリーからロック中心にファンキー&メロウな10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

The J. Geils Band「Southside Shuffle」
https://www.youtube.com/watch?v=XWUS38la_ZY
From 『Bloodshot』(1973年)
Bloodshot by J Geils (1995-05-03)

Kokomo「Feeling This Way」
https://www.youtube.com/watch?v=dMQDHluqFfQ
From 『Kokomo』(1975年)
ファンキー・マシーン★ココモ1号

Traffic「Shoot Out at the Fantasy Factory」
https://www.youtube.com/watch?v=tyKl1kUzwDI
From 『Shoot Out at the Fantasy Factory』(1973年)
Shoot Out at the Fantasy Factory

Kingfish「Hypnotize」
https://www.youtube.com/watch?v=T4ytWN56Sqo
From 『Kingfish』(1976年)
Kingfish

Barrabas「Family Size」
https://www.youtube.com/watch?v=TGb3HqL06RQ
From 『Heart of the City』(1975年)
Heart of the City

Leon & Mary Russell「Daylight」
https://www.youtube.com/watch?v=JV7Eo8WSVKg
From 『Wedding Album』(1976年)
ウェデイング・アルバム(SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

Stephen Stills「It Doesn't Matter」
https://www.youtube.com/watch?v=so--q9hgXpc
From 『Manassas』(1972年)
Manassas

Robert Palmer「Back in My Arms」
https://www.youtube.com/watch?v=54nzN_pmmCM
From 『Pressure Drop』(1975年)
Pressure Drop

Redbone「Gamble (Take a Chance on Me)」
https://www.youtube.com/watch?v=4tX7CJip6hE
From 『Cycles』(1977年)
サイクルズ

Average White Band「When They Bring Down the Curtain」
https://www.youtube.com/watch?v=49-E77d9ozw
From 『Cut The Cake』(1975年)
カット・ザ・ケイク+2  (最新リマスター、新装解説、歌詞、ボーナス・トラック付)
posted by ez at 00:15| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月22日

The Seshen『Cyan』

ベイエリア産フューチャー・ソウル☆The Seshen『Cyan』
Cyan [輸入盤CD] (TRUCD376)_928
発表年:2020年
ez的ジャンル:ベイエリア産フューチャー・ソウル
気分は... :メランコリーの時代を生きる・・・

新作アルバムからベイエリアのフューチャー・ソウル・ユニットThe Seshenの最新作『Cyan』です。

日系4世のAkiyoshi Ehara(b)を中心に、サンフランシスコで結成されたフューチャー・ソウル・ユニットThe Seshenの紹介は、『Flames & Figures』(2016年)に続き2回目となります。

本作『Cyan』は、セルフ・リリースの『The Seshen』(2012年)、Tru Thoughts第一弾となった前作『Flames & Figures』(2016年)に続く3rdアルバム、Tru Thoughtsからの第二弾アルバムとなります。

本作のメンバーはAkiyoshi Ehara(b)、Lalin St. Juste(vo)、Kumar Butler(software instrument)、Mahesh Rao(key)、Mirza Kopelman(per)、Chris Thalmann(ds)という6名。

プロデュース、ソングライティング、アレンジ、エンジニアリング、ミックスはすべてAkiyoshi Ehara

前作以上にエレクトロ・サウンドとLalin St. Justeのキュート・ヴォーカルに磨きがかかっています。

同じエレクトロ・サウンドでもドリーミーな楽曲とメランコリックな楽曲のバランスがいいですね。80年代エレポップを2020年仕様にアップデートさせたような楽曲があるのも僕好み。

前作以上に僕の嗜好にフィットした1枚です。
というより僕の嗜好がThe Seshenの音世界に寄ったのかも?

全曲紹介しときやす。

「Take It All Away」
クールなドリーミー感が心地好いオープニング。フューチャー・ソウルなErykah Baduといった雰囲気のLalin St. Justeのヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bUJmc4pzW_w

「4AM」
幻想的なエレクトロ・サウンドが印象的なエレクトリック・ソウル。キュートな気怠さがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Ey5NYVDfJg4

「Still Dreaming」
ドリーミーなダンサブル・チューン。本作らしいポップなエレクトロ感を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=8RZhxxHPbOE

「Head to Head」
哀愁モードのダンス・サウンドを聴いていると、90年前後にタイムスリップしたような感覚になります。
https://www.youtube.com/watch?v=_hQAbvvDW08

「Close Your Eyes」
ロウ・ハウス調のメランコリックなダンス・チューン。美しくも儚いムードが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=mevfjYt3e7w

「1000 Lights」
祈りのようなLalin St. Justeのヴォーカルが印象的なビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=TzSkzc5Ci1g

「Faster Than Before」
アルバムの中で最もフューチャー・ソウル・バンドらしいかもしれません。2020年版ニューウェイヴ/エレポップといった趣がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_PyBCMJzzRQ

「Don't Answer」
アコギ&ストリングスによる清らかなサウンドが印象的なドリーミー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=lrJPC1IOJDM

「Can't Pretend」
これも2020年版エレポップといった雰囲気のダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=0cowtn2jZ1M

「Dive」
先行シングルにもエレクトロ・ポップ。Erykah BaduばりのコケティッシュなLalin St. Justeのヴォーカルが映える1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=AMEjfkT_wVA

「Stones」
エレクトロニカ色の強い哀愁フューチャー・ソウル。美しくも儚いメランコリックな音世界が今の僕の嗜好にフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=geb694Iiv_k

「Wander」
ラストはワンダー・モードのミディアムで幻想的なエンディングを迎えます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZnK-xagX4zo

『Flames & Figures』(2016年)
Flames & Figures [帯・解説付 / 国内流通仕様盤CD] (BRTRU330)
posted by ez at 00:52| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月21日

Somethin' For The People『Issue』

人気プロデュース・チームの3rd☆Somethin' For The People『Issue』
Issues by Somethin' for the People (2000-07-18)
発表年:2000年
ez的ジャンル:人気プロデュース・チーム系男性R&B
気分は... :情動を呼び覚ます!

プロデュース・チームとしても活躍した男性R&BグループSomethin' For The Peopleの3rdアルバム『Issues』(2000年)です。

Curtis "Sauce" WilsonJeff "Fuzzy" YoungRochad "Cat Daddy" Holidayの3名がL.A.で結成したプロデュース・チーム/男性R&BグループSomethin' For The Peopleの紹介は、デビュー・アルバム『Somethin' For The People』(1993年)に続き2回目となります。

男性R&Bグループというよりも人気プロデュース・チームの印象が強いSomethin' For The Peopleですが、前作『This Time It's Personal』(1997年)からは全米チャート第4位、同R&Bチャート第2位の大ヒット・シングル「My Love Is the Shhh!」が生まれました。

それに続く3rdアルバムとなった本作『Issues』(2000年)は、ヒット・シングルは生まれなかったものの、人気プロデュース・チームらしい充実作に仕上がっています。

勿論プロデュースはSomethin' For The People

アルバムには前述の大ヒット・シングル「My Love Is the Shhh!」でフィーチャリングされていたTrina & Tamara、人気男性R&BシンガーEric Benet、人気ラッパーXzibit、元The 2 Live CrewLuke Campbell、さらにはDiabloTashShauntaといったアーティストがフィーチャリングされています。

Trina & Tamaraをフィーチャーしたシングル曲「Ooh Wee」Xzibitをフィーチャーした「Now U Wanna」Luke Campbellをフィーチャーした「Take It Off」あたりが目立つかもしれません。

個人的にはメロディアスなR&Bグルーヴ「Come Clean」XzibitTashをフィーチャーした「Last Call」、前作『This Time It's Personal』収録曲の再収録であるEric Benetをフィーチャーした「Act Like You Want It」、アコースティックなラブ・バラード「Can We Make Love」あたりもおススメです。

プロデュース・チームと男性R&Bグループのバランスの取れたSomethin' For The Peopleのトータルな魅力を満喫できる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Flossin' (Interlude)」
アルバムのイントロ。

「Now U Wanna」
Xzibitをフィーチャー。本曲のみArmando Colonとの共同プロデュース。金目当てで近寄ってくる女性をディスったダンサブル・チューン。それに関連して、軽くTLCDestiny's Childをディスっています。
https://www.youtube.com/watch?v=QBv3euQCNpw

「Where U At」
Diabloのラップをフィーチャー。Eric Clapton「I Shot the Sheriff」をサンプリングしたミディアム・グルーヴ。

「Last Call」
Xzibit、Tashをフィーチャー。ナンパな軽さとキャッチーなプロダクションがグッドな僕好みの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=dVIs4EeXGUo

「Come Clean」
Shauntaの女性ラップをフィーチャー。僕の一番のお気に入り。彼らのセンスの良さを満喫できるメロディアスなR&Bグルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=Ky0zWekXJJQ

「Ooh Wee」
前述のように大ヒット・シングル「My Love Is the Shhh!」でフィーチャリングされていたTrina & Tamara(男性R&BシンガーJesse Powellの兄妹)をフィーチャー。シングルにもなりました。華のあるキャッチーなダンサブル・チューンで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=V_oNPouSY6w

「You」
この時代らしいバウンス・ビートの効いた1曲。良くも悪くも2000年前後のR&Bサウンドです。

「Bitch With No Man」
シングルにもなったミディアム。男性R&BグループとしてのSomethin' For The Peopleの実力を再確認できます。
https://www.youtube.com/watch?v=fy8SCh3MRXM

「Act Like You Want It」
Eric Benetをフィーチャー。前作『This Time It's Personal』にも収録されていた楽曲を再収録。Eric Benet好きにはたまらないセクシーR&B。Trina & Tamaraもバック・コーラスで参加。
https://www.youtube.com/watch?v=-GcmwQVeUWQ

「Can We Make Love」
アコギの質感がグッドなラブ・バラード。さり気ないセクシー感がたまりません。

「Things Must Change」
美しいサウンドとは裏腹にシリアスな内容の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=E0JIL4nHwfc

「I Apologize」
Eric Benetをフィーチャー。ただし、リード・ヴォーカルはFuzzy。神を讃えるゴスペル・ライクなビューティフル・ソングに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=dvVQD8ZnkHg

「Take It Off」
元The 2 Live CrewのLuke Campbellをフィーチャー。Elton John「Bennie and the Jets」をサンプリングしたパーティー・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=stien_nSwKE

僕が所有する国内盤にはボーナス・トラックとして、「Last Call (Remix)」 が追加収録されています。

Somethin' For The Peopleの他作品もチェックを!

『This Time It's Personal』(1997年)
This Time It's Personal

『Somethin' For The People』(1993年)
Somethin for the People
posted by ez at 02:26| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月20日

Herbie Hancock『Sextant』

アヴァンギャルドなエレクトリック・ファンク☆Herbie Hancock『Sextant』
Sextant by Herbie Hancock
発表年:1973年
ez的ジャンル:アヴァンギャルド&コズミック・エレクトリック・ファンク
気分は... :実験的精神!

今回はスーパー・ピアニストHerbie Hancockが1973年にリリースした『Sextant』です。

これまで紹介したHancock作品は以下の12枚(録音年順)。

 『Inventions And Dimensions』(1963年)
 『Empyrean Isles』(1964年)
 『Maiden Voyage』(1965年)
 Original Soundtrack『Blow-Up』(1966年)
 『Speak Like A Child』(1968年)
 『The Prisoner』(1969年)
 『Fat Albert Rotunda』(1969年)
 『Thrust』(1974年)
 『Sunlight』(1978年)
 『Feets Don't Fail Me Now』(1979年)
 『Magic Windows』(1981年)
 『Lite Me Up』(1982年)

Warner Bros.からColumbia Recordsへの移籍第一弾アルバムとなった本作『Sextant』(1973年)です。

レコーデイング・メンバーはHerbie Hancock(Mwandishi)(p、el-p、clavinet、syn、mellotron)、Bennie Maupin(Mwile)(ss、b clarinet、piccolo、afuche)、Eddie Henderson(Mganga)(tp、flh)、Julian Priester(Pepo)(tb、cowbell)、Buster Williams(Mchezaji)(b)、Billy Hart(Jabali)(ds)、Patrick Gleeson(syn)、Buck Clarke(per)。

前々作『Mwandishi』(1971年)と同じく主要メンバーの名がスワヒリ語でクレジットされています。

プロデュースはDavid Rubinson

エレクトリック・マイルス的エレクトリック・ファンクにコズミック、アフロ、スピリチュアルなエッセンスが加味されたアヴァンギャルドな1枚に仕上がっています。

楽曲はすべてHancockのオリジナルです。

ミュージシャンとしての矜持を感じるアヴァンギャルドなHerbie Hancockを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Rain Dance」
Patrick Gleesonのアナログ・シンセの響きが鮮烈なコズミック・ジャズがオープニング。アヴァンギャルドな空気感がたまりません。当時は難解だったかもしれませんが、今聴くとフツーにエレクトロニカとして楽しめるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=mfwvZaf7jac

Digable Planets「It's Good to Be Here」、Organized Konfusion「The Extinction Agenda」、DJ Krush「Roll & Tumble」、Jurassic 5「Lesson 6 (The Lecture)」、Cut Chemist「Lesson 4: The Radio」、Foreign Beggars feat. King Knut「Don't Dhoow It」、George Fields「Day at the Fair」、Phat Mob「Main Attraction」等のサンプリング・ソースとなっています。
Digable Planets「It's Good to Be Here」
 https://www.youtube.com/watch?v=lyGy0ODCutE
Organized Konfusion「The Extinction Agenda」
 https://www.youtube.com/watch?v=GTc5Yk1YXr0
Jurassic 5「Lesson 6 (The Lecture)」
 https://www.youtube.com/watch?v=Rz6ShSftDlI
Cut Chemist「Lesson 4: The Radio」
 https://www.youtube.com/watch?v=D-XoqZpbSv0
Foreign Beggars feat. King Knut「Don't Dhoow It」
 https://www.youtube.com/watch?v=GWztB60Jjn8
George Fields「Day at the Fair」
 https://www.youtube.com/watch?v=b0I8EEtZMv8
Phat Mob「Main Attraction」
 https://www.youtube.com/watch?v=Ovm3FQwBa8g

「Hidden Shadows」
静かなる狂気を感じるドープなエレクトリック・ファンク。Buster Williamsの野太いベースが生み出すダークな質感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=spnjTzuVBO0

Third Sight「3 Dimensional」、DJ Griffi feat. Mucho Muchacho「Pra Pa Pa Pha Pt Pt Pt Pta Tta」、Cricca Dei Balordi「Baggy Jeans」、Clementino「Artist No Good」等のサンプリング・ソースとなっています。
Third Sight「3 Dimensional」
 https://www.youtube.com/watch?v=BRYMuu45gzw
DJ Griffi feat. Mucho Muchacho「Pra Pa Pa Pha Pt Pt Pt Pta Tta」
 https://www.youtube.com/watch?v=RfbWXy7fS7c
Cricca Dei Balordi「Baggy Jeans」
 https://www.youtube.com/watch?v=nSGAy-deB1E
Clementino「Artist No Good」
 https://www.youtube.com/watch?v=e8BI_CaDlSc

「Hornets」
エレクトリック・マイルスのように得体の知れない格好良さを感じるアヴァンギャルドな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=FBiRsgjxXvM

Herbie Hancock作品の過去記事もご参照下さい。

『Inventions And Dimensions』(1963年)
Inventions & Dimensions

『Empyrean Isles』(1964年)
エンピリアン・アイルズ+2

『Maiden Voyage』(1965年)
処女航海

Original Soundtrack『Blow-Up』(1966年)
Blow Up

『Speak Like A Child』(1968年)
スピーク・ライク・ア・チャイルド

『The Prisoner』(1969年)
ザ・プリズナー

『Fat Albert Rotunda』(1969年)
ファット・アルバート・ロトゥンダ<紙ジャケット仕様>

『Thrust』(1974年)
Thrust

『Sunlight』(1978年)
Sunlight

『Feets Don't Fail Me Now』(1979年)
フィーツ

『Magic Windows』(1981年)
マジック・ウィンドウズ(期間生産限定盤)

『Lite Me Up』(1982年)
Lite Me Up
posted by ez at 14:41| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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