発表年:2020年
ez的ジャンル:新世代南ロンドン・ジャズ
気分は... :ダークマターなジャズ
UK新世代ジャズ・シーンを牽引するドラマー/プロデューサーMoses Boydの最新作『Dark Matter』です。
ロンドン出身のドラマー/プロデューサーでMoses Boyd Exodus名義やBinker GoldingとBinker & Moses名義の作品もリリースしているMoses Boyd作品の紹介は、Moses Boyd Exodus『Displaced Diaspora』(2018年)に続き2回目となります。
ロンドン新世代ジャズ・ミュージシャンのなかでも期待度の高い一人です。。
"2020年、グライムとジャズは同じ夜に鳴り響く"
販売元のこの宣伝文句にグッときてしまいました。
自身のレーベルExodusからのリリースです。
レコーディングにはEzra CollectiveのJoe Armon-Jones(p、syn、key)、Sons Of Kemet等の活動でも知られるTheon Cross(tuba)、女性サックス奏者Nubya Garcia(ts)、Binker & Mosesの盟友Binker Golding(ts)、Moses Boyd ExodusのメンバーArtie Zaitz (g)といったロンドン新世代ジャズの注目アーティストが参加しています。
それ以外にMichael Underwood(ts、fl)、Nathaniel Cross(tb)、Ife Ogunjobe(tp)、Chelsea Carmichael(bs)、Arnaud Gichaud(as)、Phillip Harper(per)といったミュージシャンが参加しています。
また、Gary Crosby、Poppy Ajudha、Steven Umoh、Klein、Nonku Phiriといったヴォーカリストが参加しています。
ロンドン新世代らしいビートが刻まれる「Stranger Than Fiction」、アフロビート的な「B.T.B」、ダークマターな「Y.O.Y.O」と「Dancing In The Dark」、クラブ経由のクロスオーヴァー・ジャズ「Shades Of You」、グライムとジャズが同じ夜に鳴り響く「Nommos Descent」あたりがおススメです。
ロンドン新世代ジャズを象徴する1枚に大興奮です!
全曲紹介しときやす。
「Stranger Than Fiction」
幻想的なイントロに続き、ロンドン新世代らしいビートが刻まれ、ホーン隊のクールなアンサンブルが展開されます。特にIfe OgunjobeのトランペットとTheon Crossのチューバのコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Xh9mYj_AKs4
「Hard Food (Interlude)」
BoydのドラムとGary Crosbyのヴォイスによるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=iqjW9riMEhQ
「B.T.B」
Boydのドラムとベース的な役割のTheon Crossのチューバが織り成すアフロビート的アプローチの演奏です。Binker Goldingら雰囲気のあるホーン隊やArtie Zaitzのギターも格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IZqfLBBmC78
「Y.O.Y.O」
ダークマターな疾走感が格好良すぎる1曲。南ロンドンならではの新世代ジャズらしい演奏を存分に楽しめます。Artie Zaitzのギターが加わると途端にアフロ・テイストが強調される感じが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eiAV0zQipLY
「Shades Of You」
Poppy Ajudhaのヴォーカルをフィーチャー。クラブ経由のクロスオーヴァーなダンサブル・サウンドで楽しませてくれます。こういうクラブミュージックとの接点があるのが南ロンドン・ジャズの魅力ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PM9lh9ne8pU
「Dancing In The Dark」
Steven Umohをフィーチャー。Steven Umohのダミ声ヴォーカルが哀愁漂うダークな演奏とフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=9zdXp33ep28
「Only You」
BoydのドラムとKleinのヴォイスを中心としたダークな演奏です。押し寄せてくるようなBoydのドラミングが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=GE5SmJ69OAA
「2 Far Gone」
Joe Armon-Jonesの美しいピアノとBoydの刻むビートが織りなす音世界にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=CruvyNH8PGk
「Nommos Descent」
Nonku Phiriのヴォーカルをフィーチャー。正にグライムとジャズが同じ夜に鳴り響くといった雰囲気の演奏です。Nubya Garciaのサックスもいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=kS00LoXAP1I
「What Now?」
本編ラストは美しいコズミック・ジャズで締め括ってくれます。Michael Underwoodのフルートが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=7LoFHcm8z-8
国内盤にはボーナス・トラックとして、「Stranger Than Fiction (Instrumental)」、「2 Far Gone (Instrumental)」、「What Now (Instrumental)」、「Axiom」の4曲が追加収録されています。特に「Axiom」はエキサイティングでいいですよ。
Moses Boyd Exodus『Displaced Diaspora』(2018年)
Binker & Moses『Dem Ones』(2016年)
Binker & Moses『Journey To The Mountain Of Forever』(2017年)
Binker & Moses『Alive In The East?』(2018年)