2020年03月03日

Sugarhill Gang『Sugarhill Gang』

Hip-Hopの夜明け!「Rapper's Delight」収録☆Sugarhill Gang『Sugarhill Gang』
キープ・イット・リアル シュガ
発表年:1980年
ez的ジャンル:創成期Hip-Hop
気分は... :Hip-Hopの夜明け!

今回はHip-Hopの夜明けとなった歴史的な楽曲「Rapper's Delight」収録のオールド・スクール・クラシックSugarhill Gang『Sugarhill Gang』(1980年)です。

Sugarhill Gangは1979年にWonder MikeMaster GeeBig Bank Hankの3人で結成されたHip-Hopユニット。

厳密には、「Pillow Talk」のヒットで知られる女性ソウル・シンガー/プロデューサーでSugar Hill Recordsの設立者の一人でもあるSylvia Robinsonが、Grandmaster Cazとも交流があったBig Bank Hankを見出して、急ごしらえで作ったユニットのようです。

そんなSylviaの目論見がズバリ当たり、1979年にリリースしたシングル「Rapper's Delight」は、USチャート第36位、同R&Bチャート第4位、UKチャート第3位のヒットなり、USチャート・インした初のHip-Hopシングルとなりました。

その翌年には1stアルバムとなる本作『Sugarhill Gang』をリリースし、こちらもUS R&Bアルバム・チャート第4位となりました。

その後も『8th Wonder』(1981年)、『Rappin' Down Town』(1983年)、『Livin' in the Fast Lane』(1984年)といったアルバムをリリースしますが、「Rapper's Delight」のような成功を収めることはありませんでした。

このようにHip-Hop創成期に大きな役割を果たしたユニットですが、金字塔とも呼べる「Rapper's Delight」のリリックがGrandmaster Cazのパクりということもあり、必ずしもコアなHip-Hopファンの評価が高いとは限らないようです。

それでも「Rapper's Delight」を含む『Sugarhill Gang』(1980年)は、Hip-Hopを知るうえでは欠かせないオールド・スクール・クラシックだと思います。

プロデュースはBilly JonesNate EdmondsSylvia Robinson

アルバムにはSugar Hill Records所属だったソウル/ファンク・バンドPositive Forceや人気女性R&BシンガーAngie Stoneがメンバーであった女性Hip-HopトリオThe Sequenceも参加しています。

全6曲のうち、Hip-Hopしているのは「Rapper's Delight」「Sugarhill Groove」「Rapper's Reprise (Jam-Jam)」の3曲。残りの3曲はスウィート・ソウルやファンク・チューンです。

このあたりのちぐはぐさもHip-Hop創成期らしくて面白いと思います。

「Rapper's Delight」がハイライトですが、個人的には「Rapper's Reprise (Jam-Jam)」「Bad News Don't Bother Me」「Passion Play」あたりもおススメです。

また、4thアルバム『Livin' in the Fast Lane』(1984年)からのボーナス・トラック3曲も僕好みでお得感があります。
※盤によってボーナス・トラックは異なるのでご注意を!

Hip-Hopの夜明けを楽しむべし!

全曲紹介しときやす。

「Rapper's Delight」
Hip-Hopの夜明けとなったクラシック。前述のようにUSチャート第36位、同R&Bチャート第4位、UKチャート第3位となりました。Chic「Good Times」ネタのキャッチーなトラックに乗り、 Grandmaster Cazからパクったリリックでラップします。Positive Forceがバック・コーラスで参加しています。、Love De-Luxe with Hawkshaw's Discophonia「Here Comes That Sound Again」もサンプリングしています。
https://www.youtube.com/watch?v=rKTUAESacQM

このHip-Hopクラシックはカヴァー、サンプリング・ソースとしても大人気で数多くのカヴァーがあり、サンプリング・ソースやフレーズ引用に至っては200以上の楽曲に及びます。
Erick Sermon, Keith Murray & Redman「Rapper's Delight」
 https://www.youtube.com/watch?v=o-mhnqVxkeA
Audio Force Crew「Rapper's Delight With Good Times (Hip Hop Funk Mix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=S6ScrA2zAHc

「Bad News Don't Bother Me」
Hip-Hop色は全くないスウィート・・ソウルですが、これはこれで悪くありません。というかモロに僕好みのメロウネスに満ちた仕上がりに思わずニンマリしてしまいます。Positive Forceがバック・コーラスで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=E_onJw8zHiY

「Sugarhill Groove」
Pleasure「Glide」をサンプリングしています。オールド・スクールHip-Hopらしさに溢れた1曲に仕上がっています。格好良いファンク・トラックとしても楽しめると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=1bsbd4QEF_A

De La Soul「The Mack Daddy on the Left」、Beastie Boys「Shadrach」MC Solaar「Funky Dreamer」、Stezo「Going for Mine」、Kris Kross feat. Da Brat「Da Bomb (Remix - the Explosive Mix)」等のサンプリング・ソースとなっています。
De La Soul「The Mack Daddy on the Left」
 https://www.youtube.com/watch?v=g6tW9JgqYFc
MC Solaar「Funky Dreamer」
 https://www.youtube.com/watch?v=jen6pDCo8Qo
Stezo「Going for Mine」
 https://www.youtube.com/watch?v=b7dNviz6mb0
Kris Kross feat. Da Brat「Da Bomb (the Explosive Mix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=xx6_ExwP9mE

「Passion Play」
コレも僕好みのアーバンなメロウ・ファンク。
Positive Forceがバック・コーラスで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=3cny45j0fbw

Brothers Like Outlaw「Deja Vu」、Large Professor「Havin' Fun」、Queen Latifah「No/Yes」、Rhymester「東京, 東京」等のサンプリング・ソースとなっています。
Brothers Like Outlaw「Deja Vu」
 https://www.youtube.com/watch?v=Klv-AC3ATG4
Large Professor「Havin' Fun」
 https://www.youtube.com/watch?v=u7aw_FB7DrI
Queen Latifah「No/Yes」
 https://www.youtube.com/watch?v=8ENHN1cQfX8

「Here I Am」
しっとりと歌い上げるメロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=XWbdcNzjawo

「Rapper's Reprise (Jam-Jam)」
この曲もシングルとなりました。The Sequenceをフィーチャリングしています。若き日のAngie Stoneがキュートなフロウを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2ZrBhCSIbkw

僕が保有する国内盤CDには4thアルバム『Livin' in the Fast Lane』(1984年)収録された以下の3曲(いずれもシングル曲)がボーナス・トラックとして追加されています。

「Kick It Live From 9 To 5」
Chic「Good Times」Pleasure「Joyous」をサンプリングしたファンキー・トラックが印象的です。スクラッチも強調されて本編以上にオールド・スクールHip-Hop感があるかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=ZeDOR_PjQmY

「Troy」
時期的にHerbie Hancock「Rock It」あたりを意識したようなトラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=fFA__--0DQY

「Girls」
The Moments feat. The Whatnauts「Girls」をサンプリング。爽快ヴォーカル・パートも含めて僕好みのキャッチーな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yx61prEHhY4

Sugarhill Gangの他作品もチェックを!

『8th Wonder』(1981年)
8th Wonder

『Rapper's Delight: The Best of Sugarhill Gang』(1996年)
ザ・ベスト・オブ・シュガーヒル・ギャング

『Jump on It!』(1999年)
Jump on It
posted by ez at 04:20| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする