2020年03月31日

The Sweet Inspirations『What the World Needs Now is Love』

Bacharach作品カヴァーが印象的な3rdThe Sweet Inspirations『What the World Needs Now is Love』(1968年)
世界は愛を求めてる
発表年:1968年
ez的ジャンル:黒人女性ヴォーカル・グループ。
気分は... :世界は愛を求めてる・・・

今週から完全に在宅ワーク体制。
新型コロナ以前から週の半分は在宅ワークだったので、自宅で仕事すること自体はいつも通りですが、オフィス勤めだった周囲の人たちが在宅ワークとなることで、Zoomでのミーティングが増えるなど仕事のやり方に変化が生じつつあります。

そんな中で、やはり昨日の志村けんさんの逝去は衝撃的でした。知人からのLineで知らされ、慌ててTVをつける各局が一斉に速報で伝えており、一気に眠気が吹き飛びました。

危機意識が希薄な人も多い日本において大きなインパクトを与えましたね。この訃報で多くの日本人が目覚めて、不要不急の外出自粛を徹底することが、志村さんへの供養となるのではないしょうか。

外出せずに家で音楽を楽しもう!

さて、今回は60年代後半から70年代にかけて活躍した黒人女性ヴォーカル・グループThe Sweet Inspirationsの3rdアルバム『What the World Needs Now is Love』(1968年)です。

バック・コーラス・グループからソロ・グループとなったThe Sweet Inspirationsの紹介は、『Estelle, Myrna And Sylvia』(1973年)に続き2回目となります。

3rdアルバムとなる本作『What the World Needs Now is Love』(1968年)は、前2作と同じくAtlanticからのリリースです。

2ndアルバムとなる前作『Songs of Faith & Inspiration』(1968年)はゴスペル・アルバムだったので、ソウル・アルバムとしては1stアルバム『The Sweet Inspirations』(1967年)からの流れで聴いたほうがいいかもしれません。

本作におけるメンバーは、Cissy Houston(Whitney Houstonの母)、Sylvia ShemwellMyrna SmithEstelle Brownという4名。

プロデュースは前2作も手掛けたTom Dowd
Arif Mardinがアレンジャーを務めます。

全12曲。カヴァー9曲、Cissy Houstonによるオリジナル3曲という構成です。

カヴァーはソウル・カヴァーのみならず、Burt Bacharach/Hal David作品、Bee Gees、、
The Righteous Brothersなども取り上げているのが本作らしい点だと思います。

「Alfie」「What the World Needs Now Is Love」というBurt Bacharach/Hal David作品カヴァー2曲、Bee Geesのカヴァー「To Love Somebody」という冒頭3曲が印象的です。

個人的にはDon Covay作の「Watch the One Who Brings You the News」Gladys Knight & The Pipsのカヴァー「Walk in My Shoes」といったグルーヴィーな楽曲がお気に入り。

オリジナルの「You Really Didn't Mean It」「I Could Leave You Alone」もおススメです。

ゴスペル・ソウルなリード・ヴォーカル、コーラスワークを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Alfie」
Burt Bacharach/Hal David作品カヴァー1曲目。Dionne Warwickが歌った映画『Alfie』の主題歌となった名曲のカヴァーです(オリジナル・レコーディングはCilla Black)。Vanessa Williamsなどのカヴァーでもお馴染みですね。当ブログではDelfonicsChristopher ScottThe Buddy Rich Big Bandのカヴァーも紹介済みです。エレガントなアレンジをバックに、黒人コーラス・グループらしいコーラスワークで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-b_xwXDGHL0

「What the World Needs Now Is Love」
Burt Bacharach/Hal David作品カヴァー2曲目。Jackie DeShannonのヒット曲をカヴァー。当ブログではCal TjaderEnoch LightDwight Trible With Matthew HalsallSamuel Jonathan Johnsonヴァージョンも紹介済みです。「Alfie」以上にゴスペル・ソウルな味わいが強く、このグループらしい圧倒的なヴォーカルワークを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=X2g3R1WeW1s

DJ Babu「Love」、DJ Babu feat. Termanology「Guns Gon' Blow」等のサンプリング・ソースとなっています。
DJ Babu「Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=0Mq6d324Ik8
DJ Babu feat. Termanology「Guns Gon' Blow」
 https://www.youtube.com/watch?v=83Vj2u7Fk1U

「To Love Somebody」
Bee Geesのヒット曲カヴァー(Barry Gibb/Robin Gibb作)。当ブログでは『Bee Gees 1st』(1967年)に収録されたオリジナルやP. P. ArnoldRobin McKelle & The Flytonesのカヴァーを紹介済みです。味わい深いソウル・チューンで、この曲の魅力を再認識させてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7IaS6TlupI4

「Watch the One Who Brings You the News」
Don Covay作品をカヴァー。Millie Jacksonヴァージョンでも知られる楽曲です。僕の一番のお気に入りはコレ。実力派黒人ヴォーカル・グループならでは味わいとノリのいい軽快なソウル・グルーヴがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=6Y0nUVQE_wE

Millie Jackson「Watch the One Who Brings You the News」
 https://www.youtube.com/watch?v=YW1t91s673w

「Am I Ever Gonna See My Baby Again」
Aldora Britton、1967年のシングル曲をカヴァー(Ralph Bartey/Johnny Northern/Rudy Clark作)。情感たっぷりに歌い上げるソウル・バラード。ゴスペル仕込みのヴォーカルには迫力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=f1c5gqwxY1E

「Unchained Melody」
The Righteous Brothers、1965年の大ヒット曲をカヴァー(Alex North/Hy Zaret作)。オリジナルの雰囲気とは異なるThe Sweet Inspirationsならではの「Unchained Melody」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uGWzeL-mV0k

「You Really Didn't Mean It」
Cissy Houston作。Cissyのオリジナル1曲目。美しいストリングスをバックに、Cissyが圧倒的なヴォーカルを聴かせてくる感動バラード。このCissyのヴォーカルを聴いていると、娘の今は亡きWhitneyを思い出してしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=EGc69ibQg_I

「Walk in My Shoes」
Gladys Knight & The Pips、1966年のシングル曲をカヴァー(Kay Lewis/Helen Lewis作)。これも大好き!ゴスペル・ソウルな魅力全開のグルーヴィー・チューン
https://www.youtube.com/watch?v=bxqaKNeeaWg

「Where Did It Go」
Cissy Houston作。Cissyのオリジナル2曲目。ゴスペル・モードのバラード。オルガンの音色がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=2KfjNkYgwKA

「I Could Leave You Alone」
Cissy Houston作。Cissyのオリジナル3曲目。ゴスペル・ソウルな躍動感がいい感じのグルーヴィー・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=Yg0kaoPwMas

「That's How Strong My Love Is」
Roosevelt Jamison作。O. V. Wrightのデビュー・シングルであり、Otis ReddingやRolling Stones
も歌った名曲をカヴァー。当ブログではLaura LeeTommie Youngのカヴァーも紹介済みです。ここではコーラスワークの素晴らしさを前面に打ち出しています、
https://www.youtube.com/watch?v=kjA5ZPsfH04

「I Don't Want to Go on Without You」
The Drifters、1964年のシングル曲をカヴァー(Jerry Wexler/Bert Russell作)。ラストは美しいストリングスをバックに、しみじみと歌い上げるソウル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=R_DOCrh-Dy8

The Sweet Inspirationsの他作品もチェックを!

『The Sweet Inspirations』(1967年)
スウィート・インスピレイションズ

『Songs of Faith & Inspiration』(1968年)
ソングス・オブ・フェイス&インスピレイション

『Sweets for My Sweet』(1969年)
Sweets for My Sweet

『Sweet Sweet Soul』(1970年)
スウィート、スウィート・ソウル

『Estelle, Myrna And Sylvia』(1973年)
Estelle, Myrna and Sylvia by Sweet Inspirations (1991-05-03)
posted by ez at 02:31| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする