2020年04月24日

The Sylvers『The Sylvers III』

大人のグループへ成長した3rdアルバム☆The Sylvers『The Sylvers III』
シルヴァーズ III [ソウル名盤980円]
発表年:1973年
ez的ジャンル:ファミリー・ソウル・グループ
気分は... :大人の階段を上る…

今回は70年代ファミリー・ソウル作品からThe Sylvers『The Sylvers III』(1973年)です。

The Sylversは、テネシー州メンフィス出身のSylvers兄弟姉妹によるファミリー・グループ。

メンフィスからL.A.へ転居した後、Olympia SylversLeon Sylvers IIICharmaine SylversJames J. Sylversという年長の兄姉4名でThe Little Angelsを名乗り、1960年にレコード・デビュー。

70年代に入ると弟のEdmund SylversRicky Sylversが加わり、The Sylversを名乗るようになります。

この6名体制で『The Sylvers』(1972年)、『The Sylvers II』(1973年)、『The Sylvers III』(1974年)という3枚のアルバムをリリースしています。

その間、年少の弟Foster Sylversが1973年にアルバム『Foster Sylvers』でソロ・デビュー。さらに翌年には年少の姉PatAngieを従えた2ndソロ『Foster Sylvers Featuring Pat & Angie Sylvers』をリリースしています。

その後、この年少組3名がThe Sylversに加わり、グループは9名の兄弟姉妹体制となります。この9名体制で『Showcase』(1975年)をリリース。同作からディスコ路線のシングル「Boogie Fever」(USチャート、同R&Bチャート共に第1位)というグループ最大のヒットが生まれています。

次作『Something Special』(1976年)からも「Hot Line」(USチャート第5位、同R&Bチャート第3位)、「High School Dance」(USチャート第17位、同R&Bチャート第6位)といったディスコ路線のヒット曲が生まれました。

その後も『New Horizons』(1977年)、『Forever Yours』(1978年)、『Disco Fever』(1979年)、『Concept』(1981年)、『Bizarre』(1984年)とコンスタントにアルバムをリリースしています。

ただし『Something Special』以降は一作ごとに年長の兄姉が1人抜け、2人抜け、3人抜けとメンバーが減っていき、『Concept』(1981年)では5名体制となっていました。

Jackson 5/The Jacksonsの大成功には遠く及びませんが、同じ70年代を代表するファミリー・グループですね。また、兄弟の1人Leon Sylvers IIIは、グループ脱退後、80年代西海岸を代表するレーベルSolarの看板プロデューサーとして、ShalamarDynastyThe WhispersLakesideなどを手掛けたことでお馴染みですね。

さて、本作『The Sylvers III』(1974年)は、6名体制の前期The Sylversのラスト作となります。

前2作のアイドル路線とは少し異なった雰囲気のアルバムに仕上がっています。年下メンバーの変声期を経て、より大人のグループの雰囲気を醸し出すと同時に、ファンクネスを強調したグルーヴィー・サウンドが特徴の1枚に仕上がっています。

このように前2作と異なり、アイドル年少メンバーが加わり、一気にディスコ路線が開花する次作『Showcase』(1975年)以降とも異なる本作は、ヒットはしませんでしたが、他のThe Sylvers作品にはないSylversワールドを楽しめる1枚なのでは?

プロデュースはMichael VinerPerry Botkin, Jr.。最強ブレイク・ビーツ「Apache」でお馴染みのThe Incredible Bongo Bandのコンビです。

リード・シングルにもなった「I Aim to Please」、疾走感が格好良い「Am I Truly Yours」といった本作らしいファンキー・グルーヴ、フリーソウル的なラブリー・メロウ・グルーヴ「Be My Love」大人のソウル・グループへの成長を感じさせるメロウ・バラード「Even This Shall Pass Away」、メロウ・ミディアム「Wish You Were Here」、ポップ・ソウルな「What's It All About」「TCB」よいったあたりがおススメです。

本作でしか聴けないThe Sylversワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「I Aim to Please」
Sharon Sylvers作。リード・シングルにもなったファンキー・グルーヴがオープニング。ワウワウ・ギターの不穏な響きとキレのあるホーン・サウンドが印象的な格好良い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=wolGL8D8kTM

2 Live Crew「Hangin' Out」のサンプリング・ソースとなっています。
2 Live Crew「Hangin' Out」
 https://www.youtube.com/watch?v=BIQaXs0w_MA

「Could Be You」
James Sylvers作。大人のソウル・グループへの成長を感じさせるミディアム・ソウル。ぐっと落ち着きが増しています。
https://www.youtube.com/watch?v=DpRugh4ewOE

「Wish You Were Here」
James Sylvers作。軽くパーカッシヴなメロウ・ミディアム。ヴォーカル・グループとしての成長を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=QaJ8oadU4IE

「Don't Give Up the Good Life」
Shirley Sylvers作。アイドル路線の甘酸っぱさを残したメロウ・ミディアム・グルーヴ。これはこれで悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=jMLE6_hbvq4

Statik Selektah feat. Lil' Fame「The Good Life (Give It Up)」、Von Pea「Good Life」、Peedi Crakk「Good Life」等のサンプリング・ソースとなっています。
Statik Selektah feat. Lil' Fame「The Good Life (Give It Up)」
 https://www.youtube.com/watch?v=L3bWv1CweZI
Von Pea「Good Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=4LOPFqjMZ6s
Peedi Crakk「Good Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=Os90XP18aNw

「Even This Shall Pass Away」
Leon Sylvers III作。素敵なメロウ・バラード。大人のソウル・グループとなったThe Sylversを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=-y6znGvNPLY

9th Wonder & Buckshot「No Future」
Constrobuz「High Context Culture」のサンプリング・ソースとなっています。
9th Wonder & Buckshot「No Future」
 https://www.youtube.com/watch?v=hNQqTqJ35NI
Constrobuz「High Context Culture」
 https://www.youtube.com/watch?v=CCRp6d_5Tqo

「Am I Truly Yours」
Leon Sylvers III作。本作らしい疾走感が格好良いファンキー・グルーヴ。粗削りなEW&Fといった感じのキャッチーさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RiiA6nbpbKc

「Be My Love」
Sharon Sylvers作。Charmaineのリード・ヴォーカルが映えるラブリーなメロウ・グルーヴ。フリーソウル好きの人が気に入る1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=D0PPDlWp7XY

「Love Over Mind」
Dana Marshall作。メロウ・バラードですが、この曲に関しては、大人のグループになろうと少し背伸びしている感じの青臭さがありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=IyIg-q6-KJo

「What's It All About」
Shirley Sylvers作。大人のポップ・ソウル感がいいですね。このタイトル、メロディから有名なBurt Bacharach/Hal David作品「Alfie」をイメージするのは僕だけでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=KyRQ7xmnnzQ

Boogie Down Productions「Drug Dealer」、スチャダラパー「ドゥビドゥWhat?」のサンプリング・ソースとなっています。
Boogie Down Productions「Drug Dealer」
 https://www.youtube.com/watch?v=R1mURlYs-2Y

「TCB」
Sharon Sylvers/Shirley Sylvers作。ラストはヤング・グループらしい初々しさの残るファンキーなポップ・ソウルで締め括ってくれます。Ugly Duckling「Lay It on Ya」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=zh0bCpEi_BA

The Sylversの他作品もチェックを!

『The Sylvers』(1972年)
THE SYLVERS+4 (日本独自企画盤、最新リマスター、解説付き、世界初CD化)

『The Sylvers II』(1973年)
シルヴァーズ II [名盤1000円]

Foster Sylvers『Foster Sylvers』(1973年)
フォスター・シルヴァーズ [名盤1000円]

『Showcase/New Horizons』(1975/1977年) ※2in1CD
SHOWCASE / NEW HORIZONS ~ EXPANDED EDITION

『Concept』(1981年)
Concept
posted by ez at 01:57| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月22日

Z'looke『Take U Back To My Place』

某ディスク・ガイド掲載のNJS作品☆Z'looke『Take U Back To My Place』
z'looke take u back to my place.jpg
発表年:1988年
ez的ジャンル:NJS系男性R&Bグループ
気分は... :有事に強い反脆弱性

今回は80年代後半NJS作品からZ'looke『Take U Back To My Place』(1988年)です。

Z'LookeMichael CarpenterWayne CockerhamArthur ZamoraEric Stricklandによる男性R&Bグループ。ヴォーカルのみならず楽曲も演奏します。

拠点はカリフォルニア州パサデナでありながら、マネジメントはN.Y.のHush Productions所属であった彼らは、1988年にデビュー・アルバムとなる本作『Take U Back To My Place』をリリース。アルバムからのシングル「Can U Read My Lips」がUS R&Bチャート第2位、「Love Sick」がUS R&Bチャート第12位となっています。

さらに1991年には2ndアルバム『My Desire』をリリースしています。

本作『Take U Back To My Place』は某ディスク・ガイドでも掲載されたことでも知られる1枚です。アルバム全体はこの時代らしいNJS作品に仕上がっています。

全8曲中5曲をZ'Looke自身がセルフ・プロデュースはしています。デビュー作で半数以上の楽曲をセルフ・プロデュースしている事実に彼らのトータルな才能を予感させます。

それ以外にHoward King(元Mtume)、Morgan & MorganClaytovenが各1曲プロデュースしています。

Bernie Worrell(key)参加曲やBernard JacksonSurface)がソングライティングに名を連ねる楽曲もあります。

「Can U Read My Lips」「Gitchi U」「Love Sick」というキャッチーなシングル3曲が目立ちますが、個人的にはBernard Jacksonがソングライティングで参加している「Sneak Preview」Howard Kingプロデュース、Bernie Worrell参加の「Don't Wanna Rush」、メロウ・ミディアム「I'm In Love」あたりもおススメです。

80年代後半らしいNJS作品をご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Can U Read My Lips」
Z'Lookeプロデュース。前述のようにUS R&Bチャート第2位のヒットとなったグループの代表曲。甘く危険な香りの漂うダンサブル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=-N8OdbjFoqY

「Sneak Preview」
Morgan & Morganプロデュース。ソングライティングにはBernard Jackson(Surface)の名もクレジットされています。個人的にはアルバムで一番格好良いダンサブル・チューンだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=wdPN4povPVs

「Love Sick」
Claytovenプロデュース。シングル・カットされてUS R&Bチャート第12位となったダンサブル・チューン。ラップ・パート入りの80年代後半らしい1曲。この時期のFull Forceあたりと一緒に聴くとフィットするかも?
https://www.youtube.com/watch?v=RnYy9Hb3DLw

「I'm In Love」
Z'Lookeプロデュース。僕好みメロウなミディアム。特別ヴォーカルが上手いわけではありませんが、彼ら自身のプロデュース力の高さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=-yES5Gg2tlQ

「Gitchi U」
Z'Lookeプロデュース。この曲もシングルとなりました。ヒットはしませんでしたが、なかなかキャッチーなNJSに仕上がっています。

「Take U Back To My Place」
Z'Lookeプロデュース。タイトル曲は80年後半らしいダンサブル・チューンですが、打ち込みサウンドの負の部分が少し顕在化しているかも?
https://www.youtube.com/watch?v=VImbgzWk2BM

「Take Away The Heartache」
Z'Lookeプロデュース。メロウなミディアム・スロウ。雰囲気は悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=5upVAeI7sq0

「Don't Wanna Rush」
Mtumeでお馴染みHoward Kingのプロデュース。Bernie Worrellも参加しています。こういったベテラン達がZ'lookeの良さを引き出しているキャッチーなダンサブル・チューンに仕上がっています。女性バック・コーラスも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=F5aY6mj70-Y

『My Desire』(1991年)
My Desire
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2020年04月21日

Dusko Goykovich『Samba Do Mar』

バルカンの至宝によるジャズ・ボッサ第一弾☆Dusko Goykovich『Samba Do Mar』
サンバ・ド・マー
発表年:2003年
ez的ジャンル:バルカンの至宝系ジャズ・ボッサ
気分は... :必然性のあるジャズ・ボッサ

ジャズ・ボッサ作品からDusko Goykovich『Samba Do Mar』(2003年)です。

1931年に旧ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)のヤイツェ生まれで"バルカンの至宝"と称されるジャズ・トランぺッターDusko Goykovichの紹介は、代表作『Swinging Macedonia』(1966年)に続き2回目となります。

本作『Samba Do Mar』(2003年)は、タイトルから想像できるようにGoykovichがボサノヴァにアプローチした作品です。

本作以降、Goykovichは『Samba Tzigane』(2006年)、『Latin Haze』(2015年)といったジャズ・ボッサ作品をリリースしています。

レコーディング・メンバーはDusko Goykovich(tp)、ハンガリー出身のFerenc Snetberger(g)、マケドニア出身のMartin Gjakonovski(b)、US出身のJarrod Cagwin(ds)という多国籍カルテット。

全10曲。Goykovichのオリジナルが3曲。残る7曲がカヴァー。

Antonio Carlos JobimHeitor Villa-Lobosといったブラジル人コンポーザーの作品に加えて、アルゼンチン人ジャズ・ピアニストSergio Mihanovich(1937-2012年)の作品を4曲取り上げている点が実に興味深いです。東欧からの移民の家系であるMihanovichに対して、Goykovichは何か相通じるものを感じたのかもしれませんね。

"バルカンの至宝"Goykovichが突如ブラジル音楽に目覚めて・・・というイメージもありましたが、本作を聴くと、反対になぜこの人は今までこういったジャズ・ボッサ作品をリリースしなかったのだろうと思ってしまいます。

その位、Goykovichの哀愁トランペットとボサノヴァの相性はバッチリです。加えて、Ferenc Snetbergerの素晴らしいギターも本作の魅力向上に大きく貢献しています。彼のプレイのみを聴いていても飽きないくらいです。

ジャズ・ミュージシャンによるジャズ・ボッサ作品は数あれど、これほど必然性を感じるアルバムはそうは多くないと思います。

"バルカンの至宝"による至極のジャズ・ボッサをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Samba Do Mar」
Dusko Goykovich作。軽やかなリズムとは対照的なGoykovichの哀愁ミュート・トランペットにグッとくるタイトル曲。涼しげなSnetbergerのギター、中盤のGjakonovskiの歌うベースも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=kYGfUDu6X5o

「Jim's Ballad」
Sergio Mihanovich作。しみしみと歌い上げるバラード。憂いを帯びたGoykovichのミュート、優しく語りかけるSnetbergerのギターにウットリしてしまいます。

「Chega De Saudade (No More Blues)」
Antonio Carlos Jobim作品のカヴァーその1。Joao Gilbertoなどでお馴染みの名曲を気品溢れるジャズ・サンバとして聴かせてくれます。甘く切ないGoykovichのフリューゲル・ホーンも味がありますが、それと同じ位目立つのがSnetbergerの技巧派ギター・ソロです。
https://www.youtube.com/watch?v=QvuvH5TYrZs

本曲に関して、当ブログではTania MariaDaniela Basso/Ernesto SalgueiroJon HendricksGretchen Parlatoのカヴァーも紹介済みです。

「Insensatez (How Insensitive)」
Antonio Carlos Jobim作品のカヴァーその2。こちらは哀愁ミュート・トランペットがよく似合うメロウ・ボッサで聴かせてくれます。Snetbergerのギター・ソロも実に雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=JdmCBsZdw1I

本曲に関して、当ブログではTriste JaneroDuke PearsonOscar PetersonEarl OkinStacey KentStan Getz & Luiz BonfaFlora Purimのカヴァーを紹介済みです。

「Bachianas Brasileiras No. 5」
Heitor Villa-Lobos作。哀愁ジャズの美学のようなものを感じる、美しくも寂しげな演奏の序盤・終盤と、いきなりリズミックになる中盤とのコントラストにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=FbilHz77p8g

「The Fish」
Sergio Mihanovich作。これは誰しも好きそうなジェントルなメロウ・ボッサに仕上がっています。Goykovichの伸びやかなソロもいいですが、それ以上にSnetbergerのお洒落なギターに惹かれます。

「Quo Vadis」
Dusko Goykovich作。軽やかで瑞々しいジャズ・サンバ。クールに駆け抜けていく感じがいいですね。『Latin Haze』(2015年)でも再演されています。
https://www.youtube.com/watch?v=TqMNqA9c0Zk

「Love And Deception」
Sergio Mihanovich作。ロマンティックなサンバ・カンサォン。GoykovichやSnetbergerのソロもひらすらロマンティックです。
https://www.youtube.com/watch?v=hhhpyOM94fk

「Danca Comigo」
Dusko Goykovich作。透き通った雰囲気の爽快ジャズ・サンバ。Goykovichのハイ・トーンなソロやSnetbergerの瑞々しいソロも素敵です。
https://www.youtube.com/watch?v=tKPc1So-WJ0

「Sunset」
Sergio Mihanovich作。ラストはまさにサンセット・モードな美しいバラードで締め括ってくれます。Goykovichの素敵すぎるミュートを堪能しましょう。

本作を気に入った方は、『Samba Tzigane』(2006年)、『Latin Haze』(2015年)もチェックを!

『Samba Tzigane』(2006年)
SAMBA TZIGANE

Dusko Goykovich and Bigband RTS『Latin Haze』(2015年)
Latin Haze

他のDusko Goykovich作品もチェックを!

『Swinging Macedonia』(1966年)
スインギン・マケドニア

『Belgrade Blues』(1966年)
ベオグラード・ブルース

『Ten To Two Blues』(1971年)
テン・トゥー・ツー・ブルース

『After Hours』(1971年)
After Hours

『Slavic Mood』(年)
Slavic Mood

『Celebration』(1987年)
セレブレーション(紙ジャケット仕様)

『Soul Connection』(1994年)
ソウル・コネクション

『Bebop City』(1995年)
BEBOP CITY

『Balkan Connection』(1996年)
BALKAN BLUE

『In My Dreams』(2001年)
IN MY DREAMS

『5 Horns And Rhythm』(2002年)
5 HORNS & RHYTHM UNIT

『Samba Do Mar』(2003年)
サンバ・ド・マー

『A Handful o' Soul』(2005年)
ア・ハンドフル・オブ・ソウル
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2020年04月20日

Orchestra Harlow『La Raza Latina - A Salsa Suit』

サルサ誕生の歴史を表現した音楽絵巻☆Orchestra Harlow『La Raza Latina - A Salsa Suit』
Raza Latina: A Salsa Suite
発表年:1977年
ez的ジャンル:N.Y.サルサ
気分は... :歴史に学ぶ!

N.Y.サルサを代表する名ピアニストLarry Harlow率いるOrchestra Harlowが1977年にリリースした『La Raza Latina - A Salsa Suit』です。

1939年N.Y.ブルックリン生まれのピアニストLarry Harlow率いるOrchestra Harlowに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『El Exigente』(1967年)
 『Orchestra Harlow Presenta A Ismael Miranda』(1969年)
 『Abran Paso!』(1971年)

本作『La Raza Latina - A Salsa Suit』は全6曲中5曲が、アフリカの音楽がカリブの国々に伝播してラテン・ミュージックとなり、そのラテン・ミュージックがN.Y.が伝わってN.Y.ラテン/サルサへと発展してきた歴史を音に託した組曲「Salsa Suite」という構成になっています。

本作においてOrchestra Harlowとしてクレジットされているのは、Larry Harlow(p、per、vo)、Lewis Kahn(tb、violin)、Sam Burtis(tb)、Ralph Castrello(tp)、Pete Nater(tp)、Charlie Miller(tp)、Julio Romero(b)、Pablo Rosario(bongo、paila、guiro)、Tony Jimenez (timbales、bata、per)、Frankie Rodriguez(congas、quinto、per、vo)、Nestor Sanchez(vo、maracas)という面々。

また、ヴォーカル隊として、Ruben BladesAdalberto SantiagoNancy O'NeillAda ChabrierRosa Soyといった名がクレジットされています。

上記以外にJon Faddis(tp)、Louis Ortiz(tp)、Steve Berrios(ds、per)、Elliott Randall(g)、Nelson Gonzalez(tres)、Harry Viggiano(tres)、Bobby Porcelli(as、bs)、John Clarke(french horn)、Jimmy Buffington(french horn)、Arty Webb(fl)、Tom Malone(tuba)、Eddie "Gua Gua" Rivera(el-b)、Harry Max(violin)、Pupi Legarreta(violin)、Sanford Allen(violin)等が参加しています。

プロデュースはLarry Harlow自身。

アレンジはEddie MartinezLarry HarlowLouis OrtizMarty Shellerの4名が手掛けています。

個々の曲というよりもオープニングの「La Raza Latina」も含めて、組曲「Salsa Suite」の流れを楽しむアルバムだと思います。

Ruben Blades好きの僕としては、彼のヴォーカルが目立っているのがいいですね。関係ないですが、昨晩の深夜にWOWOWで放送していた映画『プレデター2』でRuben Bladesの姿を目にしたばかりだったので、その流れで本作を聴き一人でニンマリしていました。

外出自粛モードの中、最近は社会学史、哲学史、日本の文化史など歴史に関する書籍ばかり読んでいるので、そんな歴史モードの僕にとって、サルサの歴史を音で表現した本作はうってつけの1枚だったかも?

壮大なラテン/サルサ絵巻をご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「La Raza Latina」
Johnny Ortiz作。Harlowのドラマチックなピアノと共に始まるオープニング。Ruben Bladesのヴォーカルが映える汎ラテン・アメリカ・マインドのサルサ・チューンです。Ruben Blades好きの人であれば、彼のソロ・アルバムを聴いているような気分になる曲調です。Eddie Martinezによるアレンジもお見事。
https://www.youtube.com/watch?v=yseinkO_Os8

「Salsa Suite - Pt. 1 Africa」
Frankie Rodriguez/Larry Harlow作。ここから組曲「Salsa Suite」がスタート。パート1のテーマはサルサの源流であるアフリカ。アフリカン・ドラムをイメージしたコンガとトレスによるシンプルな演奏と少し憂いを帯びたスパニッシュ・ヴォーカルが展開されます。終盤はRuben Bladesがヴォーカルをとり、ヴァイオリンの音色が印象的なモダンなN.Y.サルサが演奏されます。
https://www.youtube.com/watch?v=N0fTF3YWw1k

「Salsa Suite - Pt. 2 Caribbean」
Larry Harlow/Rudy Calzado作。パート2はカリビアン。男女混成コーラス入りのサルサ・チューンですが、ストリングス&ホーン・アレンジが少し汎カリブ的な感じかも?Arty Webbのフルートが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=hwyBb-ZPqqo

「Salsa Suite - Pt. 2 Caribbean (Continued)」
Larry Harlow/Rudy Calzado作。パート2の続き。前曲の流れでスタートしますが、Elliott Randallのロッキン・ギターが加わると景色は一変し、一瞬ジャズ・ロック/クロスオーヴァーな雰囲気になるのが面白いです。中盤以降はトランペットをフーチャーしたデスカルガ調のアッパーなラテン・グルーヴが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=ygViGeqXzvo

「Salsa Suite - Pt. 3 New York 1950's & 1960's」
Larry Harlow/Rudy Calzado/Tito Puente作。パート3は1950〜60年代のN.Y.。サルサ誕生前夜のN.Y.ラテンですね。序盤はラテン調Frank Sinatraとでも呼びたくなるかしこまった雰囲気ですが、そこから一気に解放されてストリート感覚のN.Y.ラテン・グルーヴが展開されます。終盤のエキサイティングな演奏は格別です。
https://www.youtube.com/watch?v=RKPgyhpczTU

「Salsa Suite - Pt. 4 Futuro」
Larry Harlow/Rudy Calzado作。パート4のテーマは未来。ラストはモダンでアッパーでダイナミックでパンチの効いたN.Y.ラテン/サルサで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=agXGcqISE_M

Orchestra Harlowの他作品もチェックを!

『Heavy Smokin'』(1966年)
Heavy Smokin'

『Gettin' Off (Bajandote)』(1967年)
Gettin' Off / Bajandote

『El Exigente』(1967年)
エル・エキシジェンテ

『Orchestra Harlow Presenta A Ismael Miranda』(1969年)
Presenta a Ismael Miranda

『Electric Harlow』(1970年)
Electric Harlow

『Tribute to Arsenio Rodriguez』(1971年)
Tribute to Arsenio Rodriguez

Ismael Miranda Con Orchestra Harlow『Abran Paso!』(1971年)
Abran Paso

『Harlow's Harem』(1972年)
Harlow's Harem

Ismael Miranda Con Orchestra Harlow『Oportunidad』(1972年)
Oportunidad

『Hommy a Latin Opera』(1973年)
Hommy a Latin Opera

『Live In Quad』(1974年)
Live in Quad
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2020年04月19日

Gang Starr『One Of The Best Yet』

Hip-Hop最強ユニット奇跡の新作☆Gang Starr『One Of The Best Yet』
One of the Best Yet
発表年:2019年
ez的ジャンル:レジェンドHip-Hopユニット
気分は... :まだオレ達がベストだ!

今回はDJ Premier(Primo)と故Guru(2010年逝去)から成る90年代Hip-Hop最強ユニットGang Starrの奇跡の新作『One Of The Best Yet』(2019年)です。

2019年11月リリースなので、新作と呼ぶには少し時間が経っていますが、未紹介だったので日曜の新作枠でエントリーしたく思います。

Gang Starrについて、当ブログでこれまで紹介したのは以下の3枚。

 『Daily Operation』(1992年)
 『Hard to Earn』(1994年)、
 『Moment of Truth』(1998年)

GuruによるプロジェクトJazzmatazzシリーズ

 『Jazzmatazz』(1993年)
 『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)
 『Jazzmatazz (Streetsoul)』(2000年)
 『Jazzmatazz, Vol. 4』(2007年)

2010年のGuruの逝去により、その歴史に幕を閉じた90年代Hip-Hop最強ユニットGang Starr

しかしながら、Guruが生前残していた未発表バースをPrimoが買取り、スタジオにGuruの遺灰を持ち込み、彼の魂を感じながら完成させた渾身の1枚が、『The Ownerz』(2003年)以来16年ぶりの新作となる本作『One Of The Best Yet』です。

アルバムにはJeru The DamajaGroup HomeというGang Starr FoundationのメンバーやJ. ColeNe-YoQ-TipTalib KweliM.O.P.(Lil' Fame/Billy Danze)、、Nitty ScottRoyce da 5'9"Big ShugFreddie Foxxxといったアーティスト達がフィーチャリングされています。

このエントリーを書いていましたが、彼らが最高のHip-Hopユニットであったことを再認識させてくれる1枚です。

本作とベスト盤『Full Clip: A Decade of Gang Starr』(1999年)を交互に聴きながらエントリーを書いていましたが、聴くことに夢中になり、全然記事が進まなくなってしまいました(笑)

今は亡きGuruの遺志をPrimoや参加アーティストがしっかり受け継いでいる感じが伝わってきます。そして、Primo先生のトラック、スクラッチの素晴らしさ、格好良さに興奮してしまいます。

また、随所にGang Starrの過去トラックが散りばめられているのもファンにはたまらないのでは?

16年の歳月を感じさせないレジェンドのHip-Hopwワールドを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「The Sure Shot (Intro)」
「Royalty」、「Full Clip」、「2 Deep」、「The ? Remainz」、「Work」、「Same Team, No Games」、「Mass Appeal」Code of the Streetsといった過去トラック・ネタが散りばめられたライヴ仕立てのオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=64sXvlyOAYc

「Lights Out」
Gang Starrにはお馴染みのM.O.P.(Lil' Fame/Billy Danze)をフィーチャー。男臭いハードコア・トラックに仕上がっています。定番サンプリング・ソースFunkadelic「Get Off Your Ass and Jam」やThe Temprees「Dedicated to the One I Love」をサンプリング。Guru, Agallah, Lotto and Preach「Lights Out」ネタも挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=oWXTB9yZxqg

「Bad Name」
アルバムからの2ndシングル。Hip-Hopの原点は何かを問いかける、レジェンドHip-Hopユニットならではの1曲。Primoらしいトラック、Guruのライムを存分に満喫できます。Edo G「Sayin' Somethin'」、LL Cool J「To Da Break of Dawn」ネタも挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=-iNpdrhzDxI

「Hit Man」
Q-Tipをフィーチャー。個人的にはこのトラックが一番のお気に入り。Gang Starrの持っていた格好良さがココにはあります。Qちゃんの客演も嬉しいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=skK5oLJ0V6s

「What's Real」
Group Home/Royce da 5'9"をフィーチャー。ソウルフル・トラックをバックに、Guruバース音源をGroup Homeらがうまく繋いでくれるタイトル通りのリアルHip-Hop。終盤にはGang Starr「Suckas Need Bodyguards」ネタも使われています。Fugees feat. A Tribe Called Quest, Busta Rhymes and John Forte「Rumble in the Jungle」、Blahzay Blahzay「Danger」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=I7r8wLtqpu0

「Keith Casim Elam (Interlude)」
Guruの肉声による短いインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=FG9jQnaz4xM

「From a Distance」
Gang Starr FoundationメンバーであったJeru The Damajaをフィーチャー。「PLAYTAWIN」、「Natural」といったGang Starrネタも使われ、Primo先生のスクラッチも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=r9a4JdEfEJ8

「Family and Loyalty」
人気ラッパーJ. Coleをフィーチャー。アルバムからの1stシングル。Guru亡き後、16年ぶりリリースされた本作らしいタイトルですね。Larnelle Harris「He Looked Beyond My Faults」をサンプリングした美しいトラックをバックに、GuruからJ. Coleへのマイクリレーを堪能できます。MC Lyte「Stop, Look, Listen」、Black Sheep「The Choice Is Yours」、Mikey Dread「Comic Strip」ネタも挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=iMsdzxuldQM

「Get Together」
Ne-Yo/Nitty Scottをフィーチャー。このトラック大好き!ソウルフルなメロウ・トラックとGuruのフロウがよくマッチしています。客演のNe-Yo/Nitty Scottも見事にハマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mT2QJFYxCFc

「NYGz/GS 183rd (Interlude)」
Andre Davisによるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=MIwb6OVMS_4

「So Many Rappers」
Guru節とPrimo先生のハードボイルドなトラックがハマった格好良い仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=v7p8SPwGX5w

「Business or Art」
Talib Kweliをフィーチャー。ビジネスかアートか?という問題をHip-Hopシーンに問いかける1曲に仕上がっています。そんなGuruの意志を、Talib Kweliのライムが繋ぎます。「In This Life...」、「Betrayal」といったGang Starrネタが散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=xmbvg6i7uAM

「Bring It Back Here」
約50秒の短いトラックですがキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8XWOKsTRgII

「One of the Best Yet (Big Shug Interlude)」
Big ShugによるGang Starrを称えるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=nks_KXZdj5k

「Take Flight (Militia, Pt. 4)」
Big Shug/Freddie Foxxxをフィーチャー。『Moment of Truth』以降、『Full Clip』、『The Ownerz』と続いてきた「Militia」のパート4という位置づけです。天国へと飛び立ってしまったGuruを思うと少し複雑ですね。Rampage feat. Busta Rhymes「Wild for Da Night」、LL Cool J & Canibus feat. Method Man, Redman & DMX「4, 3, 2, 1」ネタ。
https://www.youtube.com/watch?v=YynRP7YrX_U

「Bless the Mic」
ラストはGuruのHip-Hopアーティストとしての矜持を感じるトラックで締め括ってくれます。「What I'm Here 4」「DWYCK」という過去トラック・ネタやSinbad「Rap Reunion」、Eric B. & Rakim「My Melody」ネタが使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=E5Q8PMfBq2s

Gang Starrの他作品もチェックを!

『No More Mr. Nice Guy』(1989年)
No More Mr. Nice Guy

『Step in the Arena』(1991年)
Step in the Arena

『Daily Operation』(1992年)
Daily Operation

『Hard to Earn』(1994年)
HARD TO EARN

『Moment of Truth』(1998年)
MOMENT OF TRUTH

『Full Clip: A Decade of Gang Starr』(1999年) ※ベスト盤
Full Clip: Decade of Gang Starr

『The Ownerz』(2003年)
Ownerz

ご興味がある方はGuruによるプロジェクトJazzmatazzシリーズの過去記事もチェックを!

『Jazzmatazz』(1993年)
JAZZMATAZZ 1

『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)
Jazzmatazz Vol 2

『Jazzmatazz (Streetsoul)』(2000年)
STREETSOUL

『Jazzmatazz, Vol. 4』(2007年)
Jazzmatazz 4: Hip Hop Jazz Messenger Back to the
posted by ez at 03:52| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする