2020年04月06日

『今の気分は...2020年4月6日編』

いよいよ緊急事態宣言が現実味を帯びてきました。
相変わらず記事を書く気力が湧かず(泣)

なので、過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は80年代カテゴリーからJam & Lewisプロデュース曲をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

The S.O.S. Band「Finest」
https://www.youtube.com/watch?v=QfQqYu1FH-8
From The S.O.S. Band『Sands of Time』(1986年)
サンズ・オブ・タイム

Change「Change Of Heart」
https://www.youtube.com/watch?v=-apOt_UmHtk
From 『Change Of Heart』(1984年)
Change Of Heart ~ Expanded Edition

Cheryl Lynn「It's Gonna Be Right」
https://www.youtube.com/watch?v=VLZUgiAnK5A
From 『It's Gonna Be Right』(1985年)
It's Gonna Be Right by Cheryl Lynn

Cherrelle「Keep It Inside」
https://www.youtube.com/watch?v=GVJsKpesBfo
From 『Affair』(1988年)
アフェア+3

Alexander O'Neal「A Broken Heart Can Mend」
https://www.youtube.com/watch?v=Y7z0G57M2AQ
From 『Alexander O'Neal』(1985年)
Alexander O'Neal (Bonus CD) (Bonus Tracks)

The S.O.S. Band「Tell Me If You Still Care」
https://www.youtube.com/watch?v=PRrIBCSoMFc
From 『On the Rise』(1983年)
On the Rise by S.O.S. Band (2013-05-03)

New Edition「I'm Comin' Home」
https://www.youtube.com/watch?v=_IKCK9BjjqU
From 『Heart Break』(1988年)
Heart Break

Cherrelle「Will You Satisfy?」
https://www.youtube.com/watch?v=-Fyo8BqaxDY
From 『High Priority』(1985年)
ハイ・プライオリティ

Alexander O'Neal「Sunshine」
https://www.youtube.com/watch?v=97sfjcZ6mCQ
From 『Hearsay』(1982年)
ヒアセイ+5

Force M.D.'s「Tender Love」
https://www.youtube.com/watch?v=ImoSl0VtoXY
From 『Chillin'』(1985年)
Chillin
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2020年04月05日

Becca Stevens『Wonderbloom』

さらに進化を遂げた新作☆Becca Stevens『Wonderbloom』
ワンダーブルーム【日本先行発売/CD日本盤のみ/ボーナス・トラック収録】
発表年:2020年
ez的ジャンル:ハイブリッド女性SSW
気分は... :別様のありかた・・・

注目の女性シンガー・ソングライターBecca Stevensの最新作『Wonderbloom』です。

ノースカロライナ出身、N.Y.のニュースクール大学でジャズ・ヴォーカルを専攻した女性シンガー・ソングライターBecca Stevensについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 Becca Stevens Band『Weightless』(2011年)
 Becca Stevens Band『Perfect Animal』(2014年)
 Tillery『Tillery』(2016年)
 Becca Stevens『Regina』(2017年)

前作『Regina』(2017年)から3年ぶりの新作となる『Wonderbloom』

アルバム・タイトルは亜熱帯雨林地域に自生する数年に一度、それも二日程度しか咲かない巨体花「タイタン・アルム(Titan Arum)」にインスパイアされたものなのだとか。

前作『Regina』(2017年)では、多彩なゲストを迎えて、ロンドン・レコーディングも行うなど一気にアーティストとしての幅を広げた印象を受けました。

本作『Wonderbloom』も前作同様、多彩なゲストを迎えると同時に、多様でハイブリッドな音楽性を披露してくれます。特にプログラミングやエレクトロニクスを駆使した楽曲やダンサブル・サウンドが印象に残ります。

プロデュースはBecca StevensNic Hard

アルバムには、Beccaも参加したコラボ・アルバム『Here If You Listen』(2018年)への参加メンバーであるDavid CrosbyMichelle WillisSnarky PuppyMichael Leagueの3名、同じくSnarky PuppyJustin StantonMike "Maz" Maher、L.A.ミニマル・ファンク・バンドVulfpeckCory Wong、、前作にも参加していたJacob Collier(key、vo)やAlan Hampton(b、vo)、フランス人女性ハープ奏者Laura Perrudinそれ以外にRyan ScottRoosevelt Collierといったアーティストがフィーチャリングされています。

それ以外にMark LettieriBob LanzettiMark LettieriNate Werth小川 慶太Marcelo Woloski というSnarky Puppyのメンバーや、かつてのBecca Stevens Band同僚であるLiam Robinson(key)、Chris Tordini(b)、Jordan Perlson(ds)の3名など多彩なミュージシャンが参加しています。

イスラエルをルーツに持つ女性シンガー・ソングライターで、Jose Jamesの奥方であるTalia Billig等がソングライティングで参加しています。

「I Wish」「Good Stuff」「Slow Burn」といったダンサブル・チューンが分かりやすいですが、それ以外の楽曲でも進化するBecca Stevensに出会うことができます。

Becca Stevensの音世界はどこまでも広がっていく・・・

全曲紹介しときやす。

「Low On Love」
Becca Stevens作。プログラミングを駆使したオープニング。シンセの音色を巧みに生かしたサウンド・メイキングがいいですね。エレクトリック・チャランゴの音色がいいアクセントとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=5Tl9fxHH4d0

「I Wish」
Cory Wong/Justin Stanton/Michael Leagueをフィーチャー。Becca Stevens作。聴いた瞬間、Vulfpeckファンは思わずニンマリする1曲なのでは?BeccaにPrince殿下が憑依している感じも面白いポップ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=0wdpA_mBvEQ

「Between Me & You」
Becca Stevens/Justin Berger作。SSWらしい楽曲ですが、奥行きのあるサウンドが深遠な雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=-D1fPGk99xM

「Good Stuff」
Becca Stevens/Kaveh Rastegar作。プログラミング&エレクトロニクスを駆使したダンサブル・チューン。Beccaの新たな一面に出会うことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=_aJ0wLy7C68

「Slow Burn」
Jacob Collierをフィーチャー。Becca Stevens/Talia Billig作。プログラミング&エレクトロニクスを駆使しつつ、トーキング・ドラムによるアフロ・エッセンスも加味したファンキーなダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=g014-1Tsiv0

「Charlemagne」
Alan Hamptonをフィーチャー。Becca Stevens/Alan Hampton作。Beccaらしい歌詞世界とAlan Hamptonとのコラボらしい幻想的な音世界がとてもよく調和していると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=s9QM6p2vMYs

「I Will Avenge You」
Ryan Scottのギター&ベースをフィーチャー。 Becca Stevens作。アメリカのTVシリーズ『In The Dark』にインスパイアされて書かれた楽曲。重厚なダークネス感が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=sxSPwHCl_Cs

「You Didn't Know」
Becca Stevens作。R. Kellyの性的虐待を糾弾する活動への応援ソング。R. Kelly作品を愛聴してきた身としては複雑な思いですが・・・告発した勇気ある女性たちをやさしい歌声で包み込みます。
https://www.youtube.com/watch?v=aJugMip8jo8

「True Minds」
Becca Stevens作。シェイクスピアのソネット116番にBeccaがメロディをつけたもの。プログラミングとストリングス、さらにはチャランゴ、バンジョーなどを織り交ぜたBeccaらしいハイブリッドな音世界を存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=We8kA34M-1o

「Feels Like This」
Becca Stevens/Talia Billig/Jacob Bergson作。従来からのBeccaらしい音世界をさらに深化させた雰囲気があります。エレクトロニクスな奥行き感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2xl-996W_fk

「Never Mine」
Becca Stevens/Kaveh Rastegar作。多重録音によるヴォーカル・ワークによる幻想的な雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=AyXWaXxg1A8

「Response To Criticism」
Roosevelt Collierのラップ・スティール・ギターをフィーチャー。Becca Stevens/Jane Tyson Clement作。ここでのBeccaはアフリカの弦楽器であるコラとンゴーニを弾いています。さり気ないですが、独特の味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=YEHkzYFG6Y8

「Halfway」
Laura Perrudinのハープをフィーチャー。Becca Stevens/Talia Billig/Jacob Bergson作。Laura PerrudinのハープとBeccaのチャランゴが織り成す美しい弦の響きに惹かれるビューティフル・ソング。
https://www.youtube.com/watch?v=Jh81ORI5Gv0

「Heathers Letters To Her Mother」
ラストはDavid Crosby/Michelle Willis/Mike ‘Maz’ Maherをフィーチャー。Becca Stevens作。『Here If You Listen』(2018年)で共演したDavid Crosby/Michelle Willisが参加。2017年8月バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者による自動車突入テロ事件の犠牲者Heather Heyerさんに捧げれた曲です。社会派シンガー・ソングライターとして一面を見せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NZ6rN1vhx_8

「Between Me & You (Live Studio Version) 」
国内盤ボーナス・トラック。「Between Me & You」のライヴ・スタジオ・ヴァージョンです。

Becca Stevensの他作品もチェックを!

Becca Stevens Band『Tea Bye Sea』(2008年)
ティー・バイ・シー

Becca Stevens Band『Weightless』(2011年)
Weightless

Becca Stevens Band『Perfect Animal』(2014年)
パーフェクト・アニマル

Tillery『Tillery』(2016年)
ティレリー

Becca Stevens『Regina』(2017年)
レジーナ【日本先行発売】

David Crosby, Becca Stevens, Michelle Willis, Michael League『Here If You Listen』(2018年)
HERE IF YOU LISTEN
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2020年04月04日

Guy『Guy III』

10年ぶりの復活アルバム☆Guy『Guy III』
Guy III
発表年:2000年
ez的ジャンル:Teddy Riley系男性R&Bユニット
気分は... :音楽聴きながら、読書でも・・・

外出自粛モードの週末2週目。
こんなときには音楽聴きながら、読書でも・・・

さてTeddy Riley率いるGuyの復活アルバム『Guy III』(2000年)です。

80年代後半〜90年代初めのNJSブームを牽引したGuyの紹介は、デビュー・アルバム『Guy』(1988年)、2ndアルバム『The Future』(1990年)に続き2回目となります。

3rdアルバムとなる本作ム『Guy III』(2000年)は、2ndアルバム『The Future』(1990年)をリリースした後、1991年に解散したグループが9年ぶりにリユニオンした復活アルバムです。

メンバーはTeddy RileyAaron Hall、Aaronの弟Damion Hallの3名。

Guy解散後はBlackstreetを立ち上げたTeddy Rileyでしたが、当時Blackstreetの直近作『Finally』(1999年)に少しパワーダウンを感じていたので、Aaron Hallと再び組んだGuyの復活は嬉しい限りでした。

その一方で、NJSブームもから約10年が経過した2000年において、Guyというグループに過度の期待を寄せるはやめよう、という思いで本作を聴いた記憶があります。

結果、ずば抜けた作品ではないけど、Teddy RileyAaron Hall好きを十分楽しませてくれる1枚に仕上がっています。

アルバムには、かつてTeddy Rileyがプロデュースした男性R&Bグループ911のメンバーであったDarryl "Dezo" AdamsWalter "Mucho" ScottBlackstreet時代の同僚Eric WilliamsTerrell Phillips等も参加しています。

また、Leon Sylvers IIIがプロデュースに関与している曲や、Tony RichTeddy Rileyと共作している曲もあります。

シングル・ヒットした「Dancin'」、映画『Wild Wild West(1999年)サントラ収録曲「The Best」、、Zapp「Dance Floor」/「I Can Make You Dance」ネタの「Teddy's Jam III」、Teddy Rileyらしいセンスの「Tellin Me No」、Leon Sylvers III絡みの「Love Online」、911が歌っていた曲のセルフ・カヴァー「Spend Time」あたりが僕のおススメです。

10年ぶりの復活を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
アルバムのイントロ。

「The Best」
Big Yams/Teddy Rileyプロデュース。Will Smith主演の映画『Wild Wild West(1999年)サントラ収録曲。サントラ収録のオリジナル・ヴァージョンとは少しだけ異なります。Wu-Tang Clan「Shame on a Nigga」ネタが印象的なダンサブル・チューン。終盤には有名アーティストの名が連呼されます。
https://www.youtube.com/watch?v=vyaAXY123Ic

「We're Comin」
Eric "E Ballad" Williams/Wesley Hogges/Teddy Rileyプロデュース。B.R.E.T.T.のラップをフィーチャー。2000年ならではの雰囲気の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=uH8awsS-8CQ

「Dancin'」
DJ Eddie F/Darrin Lighty/Teddy Rileyプロデュース。アルバムからのリード・シングルとしてUSチャート第22位、同R&Bチャート第4位となりました。やはり、Aaronのヴォーカルが映えるダンサブル・チューンがGuyらしくていいですね。同時に10年の歳月を経て、よりオトナのグループとなったことを実感できる1曲です。George McCrae「I Get Lifted」ネタ。 Veronica McKenzieの女性コーラスもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=MibT9cPslUU

「Rescue Me」
Teddy Rileyがプロデュースした男性R&Bグループ911がアルバム『The Pressure』(1994年)で歌っていた楽曲をセルフ・カヴァー。911メンバーのDarryl "Dezo" Adams/Walter "Mucho" ScottがTeddy Rileyと共にプロデュースを手掛けています。Aaronのヴォーカルを堪能できるバラードに仕上がっています。James Brown「It's A Man's Man's World」ネタ。
https://www.youtube.com/watch?v=zxA8SCV7O0k

「Teddy's Jam III」
Teddy Rileyプロデュース。Guy作品でお馴染み「Teddy's Jam」のパート3。トークボックスを交えたZapp「Dance Floor」Zapp「I Can Make You Dance」 ネタが印象的なミディアム・ファンクに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vlcAZvz2DiM

「Do It」
Teddy Rileyプロデュース。Teddyの弟Markell RileyとAntwone Dickeyのラップをフィーチャー。不穏なデンジャラス感が印象的です。あまりGuyらしいとは思いませんが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=CaqgrbxjKTc

TeddyがMJと共同プロデュースしたMichael Jackson「Shout」でサンプリングされています。
Michael Jackson「Shout」
 https://www.youtube.com/watch?v=O4o7rpbeTtY

「Why You Wanna Keep Me From My Baby」
Teddy Rileyプロデュース。TeddyとTony Richとの共作。シングルにもなりました。Aaronが歌い上げるバラードです。初期Guyのようなトキメキ感はありませんが、その分落ち着きと味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=MCs31CGWv7k

「Tellin Me No」
Walter "Mucho" Scott/Teddy Rileyプロデュース。Teddy Rileyらしいセンスの1曲に仕上がっているのでは?The Meters「People Say」ネタ。
https://www.youtube.com/watch?v=T-h1Cevb4_w

「Not A Day」
Teddy Rileyプロデュース。哀愁バラードですが、少し仰々しいかな・・・
https://www.youtube.com/watch?v=egzbWkEqiIo

「Love Online」
Leon Sylvers III/Teddy Rileyプロデュース。Leon Sylvers III×Teddy Rileyのコラボは興味深いですね。80年代ブラコン×90年代R&Bのエッセンスを感じる素敵なバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=kAibaWuTMzk

「Spend Time」
Walter "Mucho" Scott/Teddy Rileyプロデュース。この曲も911がアルバム『The Pressure』(1994年)で歌っていた楽曲のセルフ・カヴァー。Tha Dogg Pound feat. Snoop Dogg「New York, New York」Mary Jane Girls「All Night Long」ネタのトラックが印象的なミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=bMPb0qb5PfU

「Don't U Miss Me」
J. Max/Rich Lightning/Teddy Rileyプロデュース。スパニッシュなアクセント、この時代らしいビートが印象的です。女声ラップはJoi'e Chancelor。
https://www.youtube.com/watch?v=6q7cJlEYQkw

「2004」
Teddy Rileyプロデュース。再びTeddyとTony Richとの共作。つなぎの小曲ですが、いい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=i3cPeeAMTQM

「Fly Away」
Darryl Marshall/Teddy Rileyプロデュース。Damion Hallがリードをとるミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=N-thYOeWa0E

「Someday」
Aaron Hall/Teddy Rileyプロデュース。ラストはDonny Hathaway「Someday We'll All Be Free」ネタのバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=L9vpbWLZ6wo

GuyBlackstreetの過去記事もご参照ください。

『Guy』(1988年)
Guy

『The Future』(1990年)
Guy the Future

Blackstreet『Blackstreet』(1994年)
Blackstreet

Blackstreet『Another Level』(1996年)
Another Level

Blackstreet『Greatest Remixes + 1』(2003年)
blackstreet greatest remixes.jpg
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2020年04月02日

Moraes Moreira『Moraes Moreira』

Novos Baianosの主要メンバーの初ソロ☆Moraes Moreira『Moraes Moreira』
Moraes Moreira by Moraes Moreira
発表年:1975年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ロック/SSW
気分は... :耐えて力を蓄える!

今回はブラジルの伝説的グループNovos Baianosの主要メンバーであったMoraes Moreiraの1stソロ・アルバム『Moraes Moreira』(1975年)です。

音楽とサッカーをこよなく愛し、共同生活をしていたトロピカリア・ヒッピー・ロック・バンドのNovos Baianosについては、これまで当ブログで『Acabou Chorare』(1972年)、『Vamos Pro Mundo』(1974年)の2枚を紹介しています。

Moraes Moreiraは1947年バイーア州イツアチュ生まれ。

1968年バイーアで結成された伝説的グループNovos Baianosの主要メンバーとして活動した後、本作『Moraes Moreira』(1975年)でソロ・デビュー。それ以降コンスタントに作品をリリースし続けています。

Novos Baianos脱退後の初ソロ・アルバムとなる本作『Moraes Moreira』(1975年)は、Moraesの多彩な音楽性を存分に満喫できる1枚に仕上がっています。

レコーディング・メンバーはMoraes Moreira(vo、g、pandeiro)以下、Armandinho(bandolim、g)、Dadi Carvalho(b)、Gustavo(ds)、Mu(p)。

SSW調からブラジリアン・ロックへスパークする「Desabafo E Desafio」、ボッサなメロウ・チューン「Sempre Cantando」Marisa Monte『Barulhinho Bom(A Great Noise)』でもカヴァーされていた「Chuva No Brejo」、サウダージ・モードの弾き語り「Nesse Mar, Nessa Ilha」Elis Reginaヴァージョンでもお馴染みの名曲カヴァー「Se Voce Pensa」あたりがおススメです。

Novos Baianosには収まりきれなかったMoraes Moreiraの才が詰まった充実作です。

全曲を紹介しときやす。

「Desabafo E Desafio」
Moraes Moreira作。シンガー・ソングライター風にスタートしますが、途中で鮮やかにスパークしてブラジリアン・ロックしてくれます。ブラジル北東部のリズムとヴィヴィッドなロック・サウンドの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=kYhiDwJoLFU

「Guitarra Baiana」
Moraes Moreira作。ア・カペラでロック・ギターしている前半から、Armandinhoのギターが炸裂する後半へという展開です。
https://www.youtube.com/watch?v=X8ZRthQz2ZE

「Sempre Cantando」
Moraes Moreira作。ソングライターとしてのセンスを感じるボッサな雰囲気のメロウ・チューン。Armandinhoのバンドリンの響きがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=LGZCDb0PO0c

「Chinelo Do Meu Avo」
Luis Galvao/Moraes Moreira作。Novos Baianosの流れを汲むブラジリアン・ロックを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=W4eVi6nAQSo

「Chuva No Brejo」
Luis Galvao/Moraes Moreira作。Marisa Monte『Barulhinho Bom(A Great Noise)』でもカヴァーされていた楽曲。そのアルバム・タイトルe『Barulhinho Bom』も本作の歌詞の一節から取ったものなのだとか。ブラジリアンSSWな前半から、一気にロック・モードへ・・・Moraes、Armandinhoのギターがスパークします。
https://www.youtube.com/watch?v=OjWi7dCwizM

「Nesse Mar, Nessa Ilha」
Moraes Moreira作。サウダージ・モードの弾き語り。憂いを帯びたMoraesの歌声と哀愁メロウなギターがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=eEMHxxvG81Q

「Do Som」
Moraes Moreira作。バンドリン、パンデイロなどの楽器の匠たちを讃えている歌なのだとか。そのバンドリン、パンデイロの音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=r5jV-L-rGkM

「PS」
Luiz Gonzaga/Luis Galvao/Moraes Moreira作。Luiz Gonzaga作品の引用から始まる1曲。ブラジリアン・ロックならではの(いい意味での)ドタバタ感が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=v2B871Achmo

「Loucura Pouca E Bobagem」
Moraes Moreira作。ロック・モード全開の1曲。英米ロックとも少し異なるロック感覚がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=92DkUHxX6YI

「Anda Nega」
Luis Galvao/Moraes Moreira作。やさしく語りかける弾き語り。Moraesのジェントルな魅力が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=EYWXuySYGC0

「Se Voce Pensa」
Erasmo Carlos/Roberto Carlos作。Elis Reginaヴァージョンでもお馴染みの名曲をカヴァー。女性ヴォーカルによるカヴァーの印象が強い曲ですが、ここではファンク・ロック調の斬新なカヴァーで楽しませてくれます。ヴィヴィッドなロック・サウンドは文句なく格好良い!
https://www.youtube.com/watch?v=azS4wvrf46g

本曲について、当ブログではElis Reginaヴァージョン以外にも、Gal CostaGaetano PartipiloAquarius Y Luiz Antonio‎Aldemaro Romero Y Su Onda NuevaLuiz Eca Y La Sagrada Familiaのヴァージョンを紹介済みです。

「Violao Vagabundo」
Moraes Moreira作。ラストはボッサな弾き語りで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KVvah1gkiy4

Moraes Moreiraの他作品もチェックを!

『La Vem o Brasil Descendo a Ladeira』(1979年)
La Vem O Brasil Descendo a Ladeira

『Tem um Pe no Pelo』(1993年)
Tem Um Pe No Pelo

Moraes & Pepeu『Moraes & Pepeu no Japao』(1990年)
Moraes & Pepeu No Japao

『O Brasil tem Conserto』(1994年)
O Brasil Tem Conserto

『Acustico』(1995年)
Acustico

『Estados』(1996年)
Estados

『500 Sambas』(1999年)
500 Sambas

『Meu Nome e Brasil』(2003年)
Meu Nome E Brasil

『De Repente』(2005年)
De Repente-2005

『A Historia Dos Novos Baianos E Outros Versos』(2008年)
Historia Dos Novos Baianos E Outros Versos

『A Revolta Dos Ritmos』(2012年)
A Revolta Dos Ritmos

Moraes Moreira, Pepeu Gomes『Moraes & Pepeu Ensaio』(2012年)
Ensaio

Moraes Moreira, Davi Moraes『Nossa Parceria』(2015年)
Nossa Parceria
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2020年04月01日

Smokey Robinson『Love, Smokey』

アダルト・コンテンポラリーな魅力に溢れた1枚☆Smokey Robinson『Love, Smokey』
Love Smokey
発表年:1990年
ez的ジャンル:ソウル・レジェンド90年代R&B
気分は... :新年度ですが・・・

新年度ですが、在宅ワーク・モードで全く実感が湧きません。

ソウル・レジェンドSmokey Robinson『Love, Smokey』(1990年)です。

Smokey Robinson & the Miracles、ソロ・アーティストと長年活躍し、プロデューサー/ソングライター、Motown副社長として手腕を発揮してきたソウル・レジェンドSmokey Robinsonの紹介は、『One Heartbeat』(1987年)、『A Quiet Storm』(1975年)に続き3回目となります。

本作『Love, Smokey』(1990年)は、大ヒットした『One Heartbeat』(1987年)に続くアルバムです。

前作『One Heartbeat』(1987年)からは、「Just to See Her」「One Heartbeat」といったUSチャートTop10ヒットが生まれ、アルバム自体もゴールド・ディスクを獲得するヒット・アルバムとなりました。

結果的に本作は前作のような成功を収めることはできませんでしたが、アダルト・コンテンポラリーな魅力に溢れたR&Bアルバムに仕上がっています。

Paul LaurenceMichael StokesDennis LambertGeorge DukeLeon Sylvers IIIなど多様なプロデューサーが起用されており、ソングライター陣も多彩です。時代を反映したNJSなども含まれますが、今聴いても楽しめるアルバムだと思います。

アダルト・コンテンポラリーな「Love Is The Light」、アーバン・メロウな「Take Me Through the Night」、ボッサなメロウ・ソウル「Jasmin」、ブラコンな魅力がある「Unless You Do It Again」、US R&Bチャート第4位となったシングル曲「Everything You Touch」、同じくシングル・カットされた「(It's The) Same Old Love」、素敵なバラード「Come to Me Soon」あたりが僕のおススメです。

ソウル・レジェンドのキャリアの中で埋もれがちなアルバムですが、決して侮れない1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Love Is The Light」
Paul Laurenceプロデュース。David Ritz/Fred White/Kelly McNulty/Smokey Robinson作。このオープニングを聴けば、本作のアダルト・コンテンポラリーな魅力が伝わってくるのでは?元祖クワイエット・ストームからしい落ち着いた雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=VZ1oUWdpQs4

「(It's The) Same Old Love」
Keith Andes/Larry Hatcherプロデュース。Brenda Madison/Ken Gold作。2ndシングル。この時代らしいプロダクションのミディアム・バラードですが、Smokeyのヴォーカルとの相性は悪くないし、アーバンな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=6u6dz_x963Y

「Love 'N Life」
Keith Andes/Larry Hatcherプロデュース。Jeff Pescetto/Reed Vertelney作。NJSなダンサブル・チューン。NJSするSmokeyをイメージしづらいかもしれませんが、案外悪くない仕上がりです。抑えたトーンのSmokeyのヴォーカルが成功していると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=OAV_kccS6dk

「I Can't Find」
Berry Gordy/Michael Stokesプロデュース。Smokey Robinson作。オーセンティックなバラードをSmokeyらしい語り口で歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=DZnhUdNIPIg

「Take Me Through the Night」
Dennis Lambertプロデュース。Pam Reswick/Steve Werfel作。3rdシングル。これ大好き!アーバン・メロウなミディアムですが、実にSmokeyに似合う曲調・サウンドだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=ldD42UuBSCM

「Everything You Touch」
Dennis Lambertプロデュース。Pam Reswick/Steve Werfel作。アルバムからの1stシングルとして、US R&Bチャート第4位となりました(USシングル・チャートへのチャート・インはなし)。オトナなラブ・バラードをSmokey節でしっとり歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=pUtHYOo99IE

「Don't Wanna Be Just Physical」
Fritz Cadet/Howard Kingプロデュース。Fritz Cadet/Howard King/Smokey Robinson作。再びNJSなダンサブル・チューン。これも意外に成功しています。当時The Family StandのメンバーであったSandra St. Victorがバック・コーラスで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZdiXkP072HU

「Come to Me Soon」
Robbie Buchanan/Iris Gordy/Smokey Robinsonプロデュース。Smokey Robinson作。Smokeyのヴォーカルの魅力を再確認できる素敵なバラード。やはりSmokeyにはバラードが似合う!
https://www.youtube.com/watch?v=NCSwI4Q0dxE

「You Made Me Feel Love」
George Dukeプロデュース。Dave Loggins, Jon Goin作。ここからはGeorge Dukeプロデュース曲が3曲続きます。本曲は爽快なミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=3ypksIJI6us

「Jasmin」
George Dukeプロデュース。Smokey Robinson作。George Dukeプロデュースの3曲の中ではコレが一番好き!George Dukeらしいサウンド・センスとSmokeyらしさが調和した素敵なボッサ調メロウ・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=bj_QoDhVoGE

「Easy」
George Dukeプロデュース。Marv Tarplin/Smokey Robinson作。しっとりとしたバラードをSmokeyならではの味わいで歌い上げます。Stevie Wonderがハーモニカでゲスト参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=VDNDs28_MNc

「Just Another Kiss」
CDボーナス・トラック。Robbie Buchanan/Iris Gordy/Smokey Robinsonプロデュース。Scott Cutler, Roy Freeland作。ゲスト参加のKenny Gのサックスが印象的なミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=t0IinFC0z6o

「Unless You Do It Again」
CDボーナス・トラック。Leon Sylvers IIIプロデュース。Smokey Robinson作。Leon Sylvers IIIらしいブラコン・センスに溢れた僕好みのミディアム・グルーヴです。80年代ブラコンの雰囲気を90年代仕様でやっている感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=n6FiENaMym0

『A Quiet Storm』(1975年)
A Quiet Storm

『One Heartbeat』(1987年)
One heartbeat
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