発表年:1987年
ez的ジャンル:レジェンド・ソウル・グループ
気分は... :メランコリーな世界・・・
今回はレジェンド・ソウル・グループThe O'Jaysの『Let Me Touch You』(1987年)です。
レジェンド・ソウル・グループThe O'Jaysについて、当ブログでこれまで紹介したのは以下の3枚。
『Survival』(1975年)
『Family Reunion』(1975年)
『Message In The Music』(1976年)
直前の数作品のチャート・アクションが芳しくなく低迷していたThe O'Jaysにとって、起死回生の1作となったのが本作『Let Me Touch You』(1987年)です。
本作はUS R&Bアルバム・チャート第3位となり、アルバムからは「Lovin' You」(US R&Bチャート第1位)、「Let Me Touch You」(US R&Bチャート第5位)というヒット・シングルも生まれました。
さらに『Serious』(1989年)(US R&Bアルバム・チャート第4位)、『Emotionally Yours』(1991年)(US R&Bアルバム・チャート第2位)と本作での好調ぶりを継続させ、The O'Jaysの健在ぶりをソウル/R&Bファンに示してくれました。
個人的にもこの3枚はリアルタイムで頻繁に聴いていました。
その中でも最も思い入れが強いのは本作『Let Me Touch You』(1987年)ですかね。
何となく過去のソウル・グループというイメージがあったThe O'Jaysが、まだまだ現在進行形のグループであることを認識させれれたのが本作でした。
本作におけるメンバーはEddie Levert、Walter Williams、Sam Strain。
全10曲。Gamble & Huff(Kenneth Gamble/Leon Huff)が3曲、Thom Bell/Leroy Bell/Casey Jamesが5曲、Eddie Levert/Walter Williamssが2曲プロデュースしています。
70年代のThe O'Jaysをイメージしているとギャップがありますが、80年代後半のソウル/R&Bとして割り切れば十分楽しめると思います。
やはりバラード/ミディアム系が充実しています。
目立つのは前述の「Lovin' You」(US R&Bチャート第1位)、「Let Me Touch You」(US R&Bチャート第5位)というヒット・シングル2曲ですが、僕の一番のお気に入りはジェントルな「I Just Want Somebody To Love Me」です。
それ以外に抑えたトーンのバラード「Cause I Want You Back Again」、80年代前半ブラコン調の「Don't Let The Dream Get Away」、アーバン・ムードの「Undercover Lover」あたりもおススメです。
80年代スタイルのThe O'Jaysを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Don't Take Your Love Away」
Kenneth Gamble/Leon Huffプロデュース。シングルにもなったオープニング。この時代らしいキャッチーなダンサブル・チューン。好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、The O'Jaysらしさを維持しつつ、時代の音にうまく折り合いをつけていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=WxONOqeJGpw
「Lovin' You」
Kenneth Gamble/Leon Huffプロデュース。前述のようにUS R&Bチャート第1位となり、彼らの健在を印象付けたヒット・シングル。Jack Faithがストリングス・アレンジを手掛け、Vince Montanaがヴァイヴで参加しています。円熟したソウル・グループらしい至極のラブ・バラードは今聴いても名曲の風格が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=RRW2bWZCvt0
Zampa「VC Is the City」、Nicolas Jaar「Can't See What Is Burning There」、Achepe「Detente en El Tiempo」等ののサンプリング・ソースとなっています。
Zampa「VC Is the City」
https://www.youtube.com/watch?v=VgA4Hr8LfAg
Achepe「Detente en El Tiempo」
https://www.youtube.com/watch?v=LsHdnNXkfog
「True Love Never Dies」
Kenneth Gamble/Leon Huffプロデュース。ラテン・フレイヴァーの効いた打ち込みサウンドによるダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=S3qFsOuMH_M
「Still Missing」
Thom Bell/Leroy Bell/Casey Jamesプロデュース。哀愁バラードをEddieが歌い上げます。
「I Just Want Somebody To Love Me」
Eddie Levert/Walter Williamsプロデュース。 当時も今も僕の一番のお気に入りはコレ。派手さはありませんが、抑えたトーンながら聴く者を優しく包み込んでくれる雰囲気に惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YT2a8XtzQPY
「Let Me Touch You」
Eddie Levert/Walter Williamsプロデュース。Eddieの息子Gerald Levertによるソングライティング。前述のように、US R&Bチャート第5位のヒットとなりました。ソウル界の父子鷹パワーを感じさせるソウル・バラード。時代の音を配しつつ、ヴォーカルはどっしり構えているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Wfgr7da63_Y
「Undercover Lover」
Thom Bell/Leroy Bell/Casey Jamesプロデュース。さり気ないアーバン・ムードがいい雰囲気のミディアム・グルーヴ。今回久々に聴き直して悪くないと感じました。
https://www.youtube.com/watch?v=cSaCs77B--U
「No Lies To Cloud My Eyes」
Thom Bell/Leroy Bell/Casey Jamesプロデュース。ドラム・マシーンが目立つ80年代サウンドが裏目に出てしまったパターンのダンサブル・チューン。個人的にコレがスルーです。
「Don't Let The Dream Get Away」
Thom Bell/Leroy Bell/Casey Jamesプロデュース。80年代前半ブラコン調の仕上がり。聴いていると、Marvin Gaye「Sexual Healing」を思い起こしてしまうのは僕だけでしょうか。
「Cause I Want You Back Again」
Thom Bell/Leroy Bell/Casey Jamesプロデュース。ラストは抑えたトーンの素敵なソウル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9k9OsXplBFs
Sottotono「La Mia Coccinella」、NORIKIYO feat. Bes「2 FACE」、Na Pol Etatu「Brat」等のサンプリング・ソースとなっています。
Sottotono「La Mia Coccinella」
https://www.youtube.com/watch?v=CAJ9vvqEjEc
NORIKIYO feat. Bes「2 FACE」
https://www.youtube.com/watch?v=MqANGP4-yho
Na Pol Etatu「Brat」
https://www.youtube.com/watch?v=ce-KhHY7Jkc
The O'Jaysの過去記事や、前述の『Serious』(1989年)、『Emotionally Yours』(1991年)もチェックを!
『Survival』(1975年)
『Family Reunion』(1975年)
『Message In The Music』(1976年)
『Serious』(1989年)
『Emotionally Yours』(1991年)