発表年:1969年
ez的ジャンル:悲運のソウル・シンガー
気分は... :レジリエンス!
今回は悲運のソウル・シンガーDarrell Banksの2ndアルバム『Here To Stay』(1969年)です。
Darrell Banksは1937年オハイオ州マンスフィールド生まれ。その後、ニューヨーク州バッファローに移住。
1966年にRevilot Recordsからシングル「Open The Door To Your Heart」でデビュー。USチャート第27位、同R&Bチャート第2位のヒットとなりました。さらにRevilotからもう1枚シングルをリリースしています。
その後、ATCO Recordsから2枚のシングルとアルバム『Darrell Banks Is Here!』(1967年)をリリース。さらにCotillionから1枚シングルをリリースした後、Don Davisの導きでStaxとの契約に成功し、傘下のVoltからアルバム『Here To Stay』(1969年)とシングル2枚をリリースしています。
しかし、1970年2月24日、恋人との別れ話のもつれから仲裁に入った警官との間で銃撃戦となり、悲劇的な最期を遂げます。
こうした半生から悲運のソウル・シンガーと称されるDarrell Banks。
彼が残した2枚のアルバムのうち、『Darrell Banks Is Here!』(1967年)はノーザン・ソウル名盤との再評価が高く、本作『Here To Stay』(1969年)はよりディープ・ソウル寄りのアルバムという位置づけとなります。
プロデュースは勿論Don Davis。
シングルになった「Just Because Your Love Is Gone」と「Beautiful Feeling」、ビートの効いた「Never Alone」と「No One Blinder (Than A Man Who Won't See)」、ソウルネスが滲み出てくるstrong>「I Could Never Hate Her」、J. J. Barnesのカヴァー「Forgive Me」、Jerry Butlerのカヴァー「Only The Strong Survive」Robert Wardのカヴァー「My Love Is Reserved」あたりがおススメです。
悲運のソウル・シンガーが残してくれた歌の贈り物を味わいましょう。
全曲紹介しときやす。
「Just Because Your Love Is Gone」
We Three(Bettye Crutcher/Homer Banks/Raymond Jackson)作。シングルにもなったオープニング。歌唱力の高さが映える重厚なミディアム・バラードがオープニング。実に芳醇な味わいです。
https://www.youtube.com/watch?v=2tU5NawD4es
「Forgive Me」
J. J. Barnes、1967年のシングル曲をカヴァー(Don Davis/Melvin Davis作)。軽快なリズムに乗って、Darrellの濃厚ヴォーカルが輝きます。
https://www.youtube.com/watch?v=rAFuc5PHssc
「Only The Strong Survive」
本作同じ1969年リリースされたJerry Butlerのシングル曲をカヴァー(Jerry Butler/Kenneth Gamble/Leon Huff作)。サウンドも含めてメリハリの効いた好カヴァーだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Hs-i0dw_VY0
「Don't Know What To Do」
Fred Bridges/Richard Knight作。さり気ないですが芳醇なコクがあるミディアム・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0VSKCPVzFRU
「When A Man Loves A Woman」
Percy Sledge、1966年の大ヒット曲をカヴァー(Andrew Wright/Calvin Lewis作)。お馴染みの名曲をDarrellならではの語り口で聴かせる好カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LVQx6JhJmBg
「We'll Get Over」
We Three(Bettye Crutcher/Homer Banks/Raymond Jackson)作。ホーン・サウンドの利いたミディ・グルーヴ。僕が保有する国内盤ライナーノーツでは本曲をミスマッチと評していますが、個人的にはそんなことはないと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=CuEf-X22eiM
「Beautiful Feeling」
Bobby Eaton/Fred Bridges/Richard Knight作。シングルにもなったバラード。抑えた語り口ですが、彼のソウル・ヴァイヴが伝わってくる好きな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GTNIxcT1qBk
「I Could Never Hate Her」
Clyde Wilson作。滲み出てくるソウルネスにグッとくるミディアム。ホーンやコーラス隊によるメリハリもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=w-tPhmt-nLU
「Never Alone」
Don Davis作。ビートを効かせたミディアム・グルーヴ。こういった曲でもしっかり聴かせるのが彼の矜持なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ScPv6aavut4
「No One Blinder (Than A Man Who Won't See)」
Don Davis/Herbert Ross作。この曲でもビートを効かせています。さり気ない格好良さがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=D9fg6xbTm0s
「My Love Is Reserved」
本編ラストは元Ohio Untouchablesのシンガー/ギタリストRobert Wardのシングル曲をカヴァー(Clyde Wilson作)。貫禄十分のソウル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YERh2B4wtoc
DJ JS-One feat. Jak D「No One Cares」、Okoliczny Element feat. Te-Tris and DJ MEJdej「Walka Trwa」等のサンプリング・ソースとなっています。
DJ JS-One feat. Jak D「No One Cares」
https://www.youtube.com/watch?v=n3rdb5DJZxs
Okoliczny Element feat. Te-Tris and DJ MEJdej「Walka Trwa」
https://www.youtube.com/watch?v=S1LnZ4u8pw4
国内盤CDにはボーナス・トラックとして、「I'm The One Who Loves You」が追加収録されています。
ご興味がある方は『Darrell Banks Is Here!』(1967年)もチェックを!
『Darrell Banks Is Here!』(1967年)