発表年:1982年
ez的ジャンル:奇才ファンク
気分は... :波瀾万丈...
今回はファンクの風雲児Rick Jamesの『Throwin' Down』(1982年)です。
70年代後半から80年代前半に人気を博した奇才アーティストRick James(1948-2004)の紹介は、1stアルバム『Come Get It』(1978年)に続き2回目となります。
本作『Throwin' Down』(1982年)は、「Super Freak」、「Give It To Me baby」といったシングル・ヒットを含む大ヒット・アルバム『Street Songs』(1981年)に続く6thアルバムであり、『Street Songs』のパンク・ファンク路線を受け継いだ1枚です。
『Street Songs』は、USアルバム・チャート第3位、同R&Bアルバム・チャート第1位となりましたが、本作『Throwin' Down』はUSアルバム・チャート第16位、同R&Bアルバム・チャート第2位となっています。
プロデュースは勿論Rick James自身。
The Temptations、Teena Marieがフィーチャリングされています。
レコーディング・メンバーはRick James(vo、g、b、key、syn、ds prog、per、harmonica)以下、Daniel LeMelle(fl、sax、tp、syn、back vo)、Levi Ruffin, Jr.(p、el-p、syn、back vo)、John McFee(g)、Tom McDermott(g)、Erskine Williams(p)、Oscar Alston(b、back vo)、Lanise Hughes(ds、per)、Narada Michael Walden(ds、per)、Paul Hines(ds、per)、Nate Hughes(per、back vo)、Roy Ayers(vibe)、Donny Keider(vibe)、Grace Slick(back vo)、Jean Carn(back vo)、Julia Tillman Waters(back vo)、Maxine Willard Waters(back vo)等。
The Temptationsをゲストに迎えた「Standing on the Top」(US R&Bチャート第6位)、「Dance Wit' Me」(US R&Bチャート第3位)、「Hard to Get」(US R&Bチャート第15位)というシングル曲をはじめ、「Money Talks」、「Throwdown」といったファンク・チューンがアルバムの魅力です。
「Teardrops」やTeena Marieとのデュエット「Happy」といったバラードも悪くありません。
大ヒット・アルバム『Street Songs』(1981年)の後で少し割を食っている感もあるアルバムですが、当時のRick Jamesの全盛期を十分満喫できる1枚だと思います。
奇才が繰り出すファンク・ワールドをご堪能あれ
全曲紹介しときやす。
「Dance Wit' Me」
シングルとしてUS R&Bチャート第3位となったオープニング。軽快なディスコ・ファンクは実にキャッチー。この時期のRick Jamesの勢いを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=YkPFhnI-fTc
2Pac feat. Big Daddy Kane「Wherever U Are (Original Version) 」、Suga Free feat. Messy Marv「Sexy Thang」等のサンプリング・ソースとなっています。
2Pac feat. Big Daddy Kane「Wherever U Are」
https://www.youtube.com/watch?v=0tZ_TuiUFhM
Suga Free feat. Messy Marv「Sexy Thang」
https://www.youtube.com/watch?v=aoj_kheLxV4
「Money Talks」
Punk Funk Hornsの豪快なホーン・サウンドが盛り上げてくれるRick Jamesらしい曲調のディスコ・ファンク。格好良さでアルバム随一なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=tmgmH0WMrpM
Mickey「Extortion」のサンプリング・ソースとなっています。
Mickey「Extortion」
https://www.youtube.com/watch?v=VMxLNZEo6kI
「Teardrops」
しっとり聴かせるメロウ・バラード。女性コーラス陣がロマンティック・ムードを演出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=nELqeEITSDU
「Throwdown」
タイトル曲はシングル向きのキャッチーなファンク・チューン。Rick Jamesの好調ぶりが窺えます。Punk Funk Hornsのホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=35HTPHOXwis
「Standing on the Top」
The Temptationsをフィーチャー。シングルとしてUS R&Bチャート第6位となっています。スケール感の大きなファンク・チューンは聴き応え十分。David Ruffin、Eddie Kendricks、Dennis EdwardsらとRickらの共演は実に興味深いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9auEA0cLJ-0
「Hard to Get」
シングルとしてUS R&Bチャート第15位となっています。「Super Freak」パート2的なノリのファンク・チューン。あまりに有名になり過ぎた「Super Freak」に飽きた方はコチラを楽しんでみては?
https://www.youtube.com/watch?v=Fmuxwhl32as
Sir Mix-a-Lot「I Got Game」
X-Raided「Who's Tha H**」等のサンプリング・ソースとなっています。
Sir Mix-a-Lot「I Got Game」
https://www.youtube.com/watch?v=PeGX8waNZ20
X-Raided「Who's Tha H**」
https://www.youtube.com/watch?v=253C9YdLos4
「Happy」
Teena Marieをフィーチャー。ドラマティックなビューティフル・バラードを二人でデュエット。
https://www.youtube.com/watch?v=hmzNENK_LzA
Soul Supreme feat. A.G., T-Max and Pete Rock「Queen (Hip-Hop)」、Prodigy「Slaughterhouse」のサンプリング・ソースとなっています。
Soul Supreme feat. A.G., T-Max and Pete Rock「Queen (Hip-Hop)」
https://www.youtube.com/watch?v=sF2N8c57ims
Prodigy「Slaughterhouse」
https://www.youtube.com/watch?v=5Pr_71bSaa0
「69 Times」
このファンク・チューンも「Super Freak」系。ストリングスを効果的に用いたアレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=MthmaMQOLMk
「My Love」
この曲のみLe Roi Johnsonとの共作。ラストはRoy Ayersのメロウ・ヴァイヴが鳴り響くラブ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=E3vVpFgqeJU
Juicy J feat. Project Pat「Kill Me a Muthafucka」、DJ Paul and Lord Infamous feat. Juicy J「Ridin in Da Chevy Pt. 2」のサンプリング・ソースとなっています。
Juicy J feat. Project Pat「Kill Me a Muthafucka」
https://www.youtube.com/watch?v=iTJSVxxeA8I
DJ Paul and Lord Infamous feat. Juicy J「Ridin in Da Chevy Pt. 2」
https://www.youtube.com/watch?v=2ewL6vIGVTU
Rick Jamesの他作品もチェックを!
『Come Get It』(1978年)
『Bustin' Out of L Seven』(1979年)
『Fire It Up』(1979年)
『Garden of Love』(1980年)
『Street Songs』(1981年)
『Cold Blooded』(1983年)