2020年05月02日

Steely Dan『Can't Buy A Thrill』

名曲「Do It Again」収録!デビュー作にして名盤☆Steely Dan『Can't Buy A Thrill』

発表年:1972年
ez的ジャンル:個性派クロスオーヴァー・ロック
気分は... :オリジナリティ!

久々にSteely Danの紹介です。
セレクトしたのはデビュー・アルバム『Can't Buy A Thrill』(1972年)です。

これまで当ブログで紹介してきたSteely Dan関連作品は以下のとおりです。

 『Pretzel Logic』(1974年)
 『Katy Lied』(1975年)
 『Aja』(1977年)
 『Gaucho』(1980年)
 Donald Fagen『The Nightfly』(1982年)
 Walter Becker『11 Tracks Of Whack』(1994年)

Steely Danを最後に取り上げたのは、2009年1月にエントリーした『Katy Lied』(1975年)だったので、11年ぶりのSteely Dan作品です。

本作『Can't Buy A Thrill』(1972年)は、デビュー・アルバムにして完成度の高いクロスオーヴァー・ロック作品として名盤の誉れ高い1枚としてお馴染みですね。本作からの大ヒット・シングル「Do It Again」は彼らを代表する説明不要のロック・クラシックです。

僕の場合、Steely Danは、洋楽を聴き始めたばかりの中学生のときに『Aja』(1977年)を聴き、中学3年のときに『Gaucho』(1980年)がリリースされ、高校生になってから以前のアルバムを追っかけた感じでした。

本作『Can't Buy A Thrill』(1972年)も高校時代にアナログ盤を購入し、よく聴いていました。ただし、大学生になって以降は聴く回数は数えるほどで、CDも約30年前から所有していますが、多分10年以上は聴いていない気がします。

それでも、今回久々に聴いてみて、冒頭数曲で本作に関する記憶が一気に蘇ってきました。やはり、思春期に聴いた作品に自分の中に深く刻まれているんですね。

勿論プロデュースはGary Katz

このデビュー作におけるメンバーはDonald Fagen(vo、p、el-p、org)、Walter Becker(b、vo)、David Palmer(vo)、Jeff "Skunk" Baxter(g、spoken word)、Denny Dias(g、electric sitar)、Jim Hodder(ds、per、vo)という6名。

さらにElliott Randall(g)、Jerome Richardson(ts)、Snooky Young(flh)、Victor Feldman(per)、Venetta Fields(back vo)、Clydie King(back vo)、Sherlie Matthews(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

楽曲はすべてDonald Fagen/Walter Beckerのオリジナルです。

ラテン、ジャズ、ソウルのエッセンスを取り入れたクロスオーヴァー・ロックは、デビュー作にして強烈な個性を放っています。その意味では、何処を切ってもSteely Danワールドですが、初期Steely Danならではの味わいも楽しめます。特にDavid Palmerがリード・ヴォーカルはDonald Fagenのようなクセがないので、そういった印象が強いですね。

そんなところも含めて、聴きどころの多い全10曲です。今回聴き直して、捨て曲なしの構成の充実ぶりも再認識できました。

Robert Lockartがカヴァー・デザインしたジャケも含めて風格たっぷりの名盤だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Do It Again」
アルバムからの1stシングルであり、USチャート第6位となったグループの代表曲。お馴染みのラテン・リズムのイントロを聴いただけで高揚してくるクロスオーヴァー・ロック。クセのあるDonald Fagenのヴォーカルも含めて、このバンドの魅力を象徴する名曲ですね。Denny Diasのエレクトリック・シタール・ソロも含めたアシッド・フィーリングもこの曲の魔力かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=jmdiKePVUy8

当ブログでも紹介したDeodatoThe Juju Orchestraヴァージョンをはじめ、Club House、Deep Heat、Charles Mann、Herbie MannRichie Havens、Rhythm Heritage、Terry Callier、Waylon Jennings、Claudja Barry、Dave Valentin、Asso、Frank Dana、Falco、Paul Hardcastle、Smash Mouth、Garden Party feat. Jeff Lorber & Warren Hill等多数のアーティストがカヴァーしています。また、Freak Power「K.K. Nuns」等のサンプリング・ソースとなっています。

Club House「Do It Again - Billie Jean」が印象深いですね。それでいえばRhythm Heritage「Do It Again/Cisco Kid」も同じパターンですが。個人的にはDeep HeatAssoヴァージョンがおススメ。
Deodato「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=me8_n-5rKto
The Juju Orchestra「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=_cxps2h399o
Club House「Do It Again - Billie Jean」
 https://www.youtube.com/watch?v=UPlGd8gRDiw
Deep Heat「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=y3KJMdUycrY
Charles Mann「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=YMPBLyhf7ck
Herbie Mann「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=HDvxUA5kWE8
Richie Havens「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=5JDp0kPIwMo
Rhythm Heritage「Do It Again/Cisco Kid」
 https://www.youtube.com/watch?v=gvsMdXoUjCI
Terry Callier「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=wqf8Hee59zM
Waylon Jennings「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=o_9EpwGERLA
Claudja Barry「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=as7QAo3Uftw
Dave Valentin「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=RD5rJV5K24M
Asso「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=4DMFpAReHnQ
Frank Dana「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=v0DeeqYonDg
Falco「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=0-uS3SpoSdA
Paul Hardcastle「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=S_TjCDUff-Q
Smash Mouth「Do It Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=cuu5PkcbKdE
Freak Power「K.K. Nuns」
 https://www.youtube.com/watch?v=rR1k2VD6aGo

「Dirty Work」
David Palmerがリード・ヴォーカルをとる哀愁メロウな名曲。L.A.録音らしいウエスト・コーストな雰囲気がいいですね。初期Steely Danならではの逸品。
https://www.youtube.com/watch?v=kR5Ki6jjPaY

Jose FelicianoIan Matthews、Kenny Vance、Pointer Sisters、Replicants、Shaw-Blades、Joanna Wang、Nico Raimont等がカヴァーしています。
Jose Feliciano「Dirty Work」
 https://www.youtube.com/watch?v=IM0-s9k-Aqg
Ian Matthews「Dirty Work」
 https://www.youtube.com/watch?v=ul2DvLYvYhg
Pointer Sisters「Dirty Work」
 https://www.youtube.com/watch?v=io4tVuFXe0I
Replicants「Dirty Work」
 https://www.youtube.com/watch?v=V3SCAUYqPno
Shaw-Blades「Dirty Work」
 https://www.youtube.com/watch?v=TPSLFbUfxv4

「Kings」
Donald Fagenらしさを存分を楽しめる1曲ですね。その後のSteely Danらしさへの伏線を感じます。Steely Dan作品ではお馴染みのElliott Randallのギター・ソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mNBTUJbnN1o

Klashnekoff「Sayonara」のサンプリング・ソースとなっています。
Klashnekoff「Sayonara」
 https://www.youtube.com/watch?v=WpmQHNVU6U0

「Midnite Cruiser」
この曲ではJim Hodderがリード・ヴォーカル。後期Steely Danにつながる独特の哀愁感と初期Steely Danならではの少し青臭いが同居しています。
https://www.youtube.com/watch?v=GD_DyoB4Cjs

Capability Brownがカヴァーしています。また、Sleepy Brown「Dress Up」、Rakim「Heat It Up (J-Love Remix)」、Cities Aviv「Fuckeverybodyhere」等のサンプリング・ソースとなっています。
Capability Brown「Midnite Cruiser」
 https://www.youtube.com/watch?v=NpIVQxDWowk
Sleepy Brown「Dress Up」
 https://www.youtube.com/watch?v=CuVGKCxai-Q
Rakim「Heat It Up (J-Love Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=xobjzxe0sXs
Cities Aviv「Fuckeverybodyhere」
 https://www.youtube.com/watch?v=4P5b_TJuxH0

「Only A Fool Would Say That」
昔から密かに好きだったのがコレ。現在の僕の音楽嗜好に照らしても一番フィットするのが、このラテン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴ。フリーソウル好きの人にもフィットする1曲なのでは?ラストのJeff Baxterの一言もいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=Hvz0TOm0zgI

Ivyがカヴァーしています。このIvyヴァージョンも大好き!
Ivy「Only A Fool Would Say That」
 https://www.youtube.com/watch?v=DS-9BXdeSaE

「Reelin' In The Years」
アルバムからの2ndシングルとして、USチャート第11位となっています。Elliott Randallの格好良いギター・ソロを存分に堪能できる1曲としても人気なのでは?この曲も初期Steely Danらしい名曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=099F5WLn5rM

「Fire In The Hole」
Donald Fagenらしい曲調と彼のピアノを楽しめるジャズ・フィーリングが印象的な1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=9PwkU4nsJM8

O「Made Man」、Supernatural「The Show Down」、Envelope「I Decline」、Skero「Fuassboi」のサンプリング・ソースとなっています。
O「Made Man」
 https://www.youtube.com/watch?v=JuDgs8h1MTs
Supernatural「The Show Down」
 https://www.youtube.com/watch?v=orn4Pc_zepQ
Envelope「I Decline」
 https://www.youtube.com/watch?v=OM6R2B2Kw9M

「Brooklyn (Owes the Charmer Under Me)」
David Palmerがリード・ヴォーカル。初期Steely Danでしか聴けない郷愁ムードにグッとくる1曲。高校生の頃はこの曲が一番好きだったかも?女性コーラス陣も雰囲気を盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vO4I10PeweI

「Change Of The Guard」
Fagen/Palmerによる少し青臭いツイン・リード・ヴォーカルと洗練されたクロスオーヴァー・ロック・サウンドの組み合わせがサイコーです。Jeff Baxterのギター・ソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=roLIYw8Ov_I

「Turn That Heartbeat Over Again」
ラストは彼らのソングライティング/サウンド・センスの良さが詰まった逸品で締め括ってくれます。今回久々に聴いて、"こんなに良い曲だったっけ"と感じたのが本曲でした。初期Steely Danならではの魅力が詰まっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=DSfiPrhpeF8

Steely Danの他作品、Donald FagenWalter Beckerのソロ・アルバムもチェックを!

『Countdown to Ecstasy』(1973年)


『Pretzel Logic』(1974年)


『Katy Lied』(1975年)


『The Royal Scam』(1976年)


『Aja』(1977年)


『Gaucho』(1980年)


Donald Fagen『The Nightfly』(1982年)


Donald Fagen『Kamakiriad』(1993年)


Walter Becker『11 Tracks Of Whack』(1994年)


『Two Against Nature』(2000年)


『Everything Must Go』(2003年)


Donald Fagen『Morph the Cat』(2006年)


Walter Becker『Circus Money』(2008年)


Donald Fagen『Sunken Condos』(2012年)

posted by ez at 03:24| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする