2020年05月09日

Donald Byrd『Fancy Free』

電化ジャズ/クロスオーヴァー・ジャズへの移行期の1枚☆Donald Byrd『Fancy Free』

録音年:1969年
ez的ジャンル:プレ電化ジャズ/ジャズ・ファンク
気分は... :自由に羽ばたけ・・・

ジャズ・トランペット奏者Donald Byrd『Fancy Free』(1969年)です。

ジャズ・トランペット奏者Donald Byrd(1932-2013年)ついて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の7枚。

 『A New Perspective』(1963年)
 『Mustang』(1966年)
 『Electric Byrd』(1970年)
 『Black Byrd』(1972年)
 『Street Lady』(1973年)
 『Stepping Into Tomorrow』(1974年)
 『Places and Spaces』(1975年)

Miles Davis『In A Silent Way』(1969年)の少し後にレコーディングされた本作は、Milesの電化ジャズに触発された面も窺える電化ジャズ/クロスオーヴァー・ジャズへの移行期らしい演奏です。

プロデュースはDuke Pearson

レコーディング・メンバーはDonald Byrd(tp)以下、Julian Priester(tb)、Frank Foster(ts、ss)、Jerry Dodgion(fl)、Lew Tabackin(fl)、Duke Pearson(el-p)、Jimmy Ponder(g)、Roland Wilson(b)、Joe Chambers(ds)、Leo MorrisIdris Muhammad)(ds)、Nat Bettis(per)、John H. Robinson Jr.(per)。

来るべき電化ジャズ/クロスオーヴァー・ジャズを予感させるタイトル曲「Fancy Free」、各種コンピでも人気のジャズ・ファンク「Weasil」、グルーヴィーなソウル・ジャズ「The Uptowner」、ロマンティックなバラード「I Love the Girl」という粒揃いの4曲です。

このトータルな格好良さは、プロデューサーDuke Pearsonの貢献も大きいのでしょうね。

4曲という曲数の少なさですが、満足の高い1枚をぜひご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Fancy Free」
Donald Byrd作。パーカッシヴなリズムとPearsonのエレピが先導する電化ジャズ/クロスオーヴァー・ジャズへの移行期らしい演奏です。Miles Davis『In A Silent Way』に通じる、クールな雰囲気の静かなるレヴォリューションといった趣が実に格好良いですね。Byrdをはじめとするソロ陣も、このクールなジャズ・ワールドに見事にハマっています。特にJerry Dodgionのフルート・ソロがいい感じです。きっとクラブジャズ好きの人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NViuhS09-4g

当ブログでも紹介したGrant Greenのカヴァー・ヴァージョンがあります。
また、Homeboy Sandman & Blu「Conjugal Visit to the Prison of the Mind」のサンプリング・ソースとなっています。
Grant Green「Fancy Free」
 https://www.youtube.com/watch?v=H42JPnXbKL8
Homeboy Sandman & Blu「Conjugal Visit to the Prison of the Mind」
 https://www.youtube.com/watch?v=OZ4WuAkqHAo

「I Love the Girl」
Donald Byrd作。Pearsonのエレピによる好サポートをバックに、Byrdがロマンティックなプレイを聴かせてくれるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=GaQ3zS1Y-vk

「The Uptowner」
Mitch Farber作。電化ソウル・ジャズといった趣のグルーヴィーな演奏です。ここでの主役はJimmy Ponderのギターですね。その意味でGrant Green好きの人ならば気に入るはず!Idris Muhammadのドラミングも格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=MnJM3-cn9pg

「Weasil」
Charles Hendricks作。各種コンピでも人気のジャズ・ファンク。派手さはありませんが、ジワジワくる感じが逆に格好良いですね。どっしり構えたリズム隊に支えられ、Byrdをはじめとするソロもクールにキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=P_FeSOb-z8Q

当ブログでも紹介したHard Knocks「Blow to the Head」Lords of the Underground feat. Sah-B「Frustrated」、さらには2Ruff「Ruff Is the Way」のサンプリング・ソースとなっています。
Lords of the Underground feat. Sah-B「Frustrated」
 https://www.youtube.com/watch?v=gIRDsznV5KQ
2Ruff「Ruff Is the Way」
 https://www.youtube.com/watch?v=VmXyiKHxPhI

Donald Byrd作品の過去記事もご参照下さい。

『A New Perspective』(1963年)
ア・ニュー・パースペクティヴ

『Mustang』(1966年)
ムスタング+2(紙)

『Electric Byrd』(1970年)
Electric Byrd

『Black Byrd』(1972年)
Black Byrd

『Street Lady』(1973年)
Street Lady

『Stepping Into Tomorrow』(1974年)
ステッピン・イントゥ・トゥモロー (完全期間限定盤)

『Places and Spaces』(1975年)
Places and Spaces
posted by ez at 03:11| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする