2020年06月29日

Kay-Gees『Kilowatt』

スペイシー・ディスコ・ファンクな3rd☆Kay-Gees『Kilowatt』

発表年:1978年
ez的ジャンル:スペイシー・ディスコ・ファンク
気分は... :コンヴィヴィアリティ・・・

70年代ディスコ作品からKay-Gees『Kilowatt』(1978年)です。

Kool & the GangRobert "Kool" BellRonald Bellの弟Kevin Bellがリーダーとして在籍し、Kool & the Gangが設立したGang Recordsからデビューしたファンク・グループKay-Gee'sの紹介は、デビュー・アルバム『Keep on Bumpin' & Masterplan』(1974年)に続き2回目となります。

3rdアルバムとなる本作『Kilowatt』(1978年)は、ジャケに写るメンバーの姿が示唆しているように、スペイシーなアクセントを強調したディスコ・ファンク作品に仕上がっています。ジャケにはB級感が漂いますが(笑)

プロデュース、アレンジ、ソングライティングはKay-Gee's自身。

メンバーはKevin Bell(g)、Michael Cheek(b、per、vo、syn)、Callie Cheek(ds、per、timpani、vo)、Wilson Beckett(congas、bongos、timbales、g、per、vo)、Peter Duarte(as、p、per、vo、strings)、Dennis White(ts、fl、per、vo)、Ray Wright (tb、tp、flh、p、strings、syn、per、vo)という7名。

ディスコ・ファンク・クラシックとして人気のインスト「Tango Hustle」、グループのテーマ「Kay Gee's Theme Song」、猥雑なキャッチーさが魅力の「Kilowatt」「Kilowatt/Invasion」、開放的ファンク・グルーヴ「Fat Daddy」がおススメです。

スペイシーなディスコ・ファンク・ワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Kay Gee's Theme Song」
グループのテーマがオープニング。オーディエンスのガヤ入り、疑似ライヴ調の鮮やかなディスコ・ファンクがオープニング。ダイナミックなホーン・アンサンブルとグルーヴィーなリズム隊が織り成す至高のファンキー・ワールドを満喫できます。ティンバレスによるラテン・フレイヴァーのブレイクもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=JfjUSbSArBk

「Cheek To Cheek」
シングルにもなった曲。グイグイと突き進むファンキー・グルーヴ。Michael Cheekのファンキー・ベースが牽引します。少しP-Funk調のヴォーカル・ワークも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=_8uWdM1AcVk

「Fat Daddy」
Kool & the Gangの弟分バンドらしいファンキー魂がさく裂する開放的ファンク・グルーヴ。ホーン隊を中心としたダイナミックなファンキー・サウンドがサイコーです。シンセによるスペイシーなアクセントも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=lhXkvJPcDg8

「Tango Hustle」
ディスコ・ファンク・クラシックとして人気のインスト。ラテン・フレイヴァーの効いたファンキー・グルーヴ。シンセも駆使し、インパクトのあるスペイシー・サウンドに仕上がっているのがクラシックとして人気の要因かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=qCnxvlPhBZQ

「Celestial Vibration」
本作らしいスペイシー感覚のインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=eH1GNrkuokU

「Kilowatt」
馬力の重量ファンクながらも猥雑なキャッチーさのあるタイトル曲。Michael Cheekのチョッパー・ベース、パーカッション・ブレイクもグッド!シングルにもなりました。
https://www.youtube.com/watch?v=k1gYt0S9Yo8

「Kilowatt/Invasion」
Michael Cheekのチョッパー・ベース、パーカッション、スペイシーなアクセントが強調された「Kilowatt」のパート2といったところでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=uEfTtHh4j8I

「Space Disco」
本作らしいスペイシー感覚を強調したインスト・ディスコ。終盤にはKevin Bellが格好良いギターを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CJnvVP-XF98

「Good Feel」
ラストもキャッチーなファンキー・グルーヴで締め括ってくれます。本作らしい巧みなシンセ使いが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=iZRhc4JME1w

僕の保有するCDには以下の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「Kilowatt Unreleased (12" Mix) 」
https://www.youtube.com/watch?v=ESOG44RwSls
「Kilowatt (Unreleased 12" Extended Version)」
https://www.youtube.com/watch?v=a6eAgjIhEqA
「Cheek To Cheek (Unreleased 12" Mix)」
https://www.youtube.com/watch?v=kOKGFRQ-m5s

Kay-Geesの他作品もチェックを!

『Keep on Bumpin' & Masterplan』(1974年)


『Find a Friend』(1976年)


『Burn Me Up』(1979年)
posted by ez at 00:37| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月28日

SEED Ensemble『Driftglass』

ロンドン新世代ジャズ・アンサンブル☆SEED Ensemble『Driftglass』

発表年:2019年
ez的ジャンル:ロンドン新世代ジャズ
気分は... :Black Lives Matter!

今回は新作アルバムからロンドン新世代ジャズSEED Ensemble『Driftglass』です。

昨年リリースされた作品ですが、今年5月に国内盤がリリースされました。

SEED Ensembleはロンドンで結成されたジャズ・アンサンブル。

グループのリーダーはロンドンのアフロビート・バンドKokorokoのメンバーとしても知られるCassie Kinoshi(as)。

同じくKokorokoのメンバーであるSheila Maurice-Grey(tp)、南ロンドン・ジャズの活況を象徴するアフロ・ジャズ・ファンク・バンドEzra CollectiveのメンバーJoe Armon-Jones(p、el-p)、Shabaka Hutchings率いるSons Of KemetMoses BoydNubya Garciaとの共演でも知られるTheon Cross(tuba)、南ロンドンを拠点とするジャズ・ユニットMaishaのメンバーShirley Tetteh(g)、それ以外にChelsea Carmichael(ts、fl)、Miguel Gorodi(tp)、Joe Bristow(tb)、Sarah Tandy(p、el-p)、Rio Kai(b)、Patrick Boyle(ds)という全11名が本作のグループ・メンバーです。

XanaCherise Adams-BurnettMr Ekowといったヴォーカル、スポークンワードがフィーチャリングされています。

楽曲はすべてCassie Kinoshiのオリジナルです。

プロデュースはロンドンのジャズ・サックス奏者Jason Yarde

UKのプロデューサー/ビートメイカーEric Lauがミックスを手掛けています。

アルバム・タイトルは黒人SF作家Samuel R. Delanyの短編に由来したもの。また、「The Dreamkeeper」「W A K E (For Grenfell)」の歌詞にはアメリカの黒人作家Langston Hughesの作品が引用されています。

このように本作は黒人のアイデンティティとしてのジャズの伝統と未来が意識されています。その意味では黒人ジャズ・ミュージシャンの先人達が築いてきたジャズの伝統と、これから自分たちが切り拓こうとしているジャズの未来の融合を図ったようなジャズ・アンサンブルを楽します。

ダイナミックなブラス・アンサンブルに、ロンドン新世代らしいPatrick Boyleのドラミング、Joe Armon-JonesSarah Tandyの鍵盤、Shirley Tettehのギターなどが絡みます。

Black Lives Matterが叫ばれる今だからこそ聴くべきジャズ作品かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「The Darkies」
Rio KaiのCharles Mingusばりのダブル・ベースと共に始まるオープニング。黒人のアイデンティティとしてのジャズの歴史を感じる演奏です。素晴らしいブラス・アンサンブルに続きMiguel Gorodiのトランペット、Theon Crossのチューバとソロが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=Q0NRu4poYSA

「Afronaut」
Xanaのスポークンワードをフィーチャー。ロンドン新世代らしいビートが躍動するフューチャリスティックなコズミック・ジャズ。鮮やかなブラス・アンサンブルに惹き込まれます。終盤のSarah Tandyのエレピ・ソロも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ZV-WmZjyJxo

「Stargaze #1: Katin」
ゆったりとした流れの中で、滲み出るようなブラス・アンサンブルが溶け込んでいきます。
https://www.youtube.com/watch?v=IsYdop8pYsk

「The Dreamkeeper」
Cherise Adams-Burnettのヴォーカルをフィーチャー。Joe Armon-Jonesのピアノを中心に夢の中の新世代ジャズといった趣の美しく瑞々しい演奏を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=wKuzEmWBOPg

「W A K E (For Grenfell)」
Cherise Adams-Burnettのヴォーカルをフィーチャー。足で踏み鳴らすリズムに合わせて、合唱される様はゴスペル風です。黒人音楽の伝統とロンドン新世代の感覚がダイナミックに融合している感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=erdmu6SlL2M

「Stargaze #2: Lau」
コズミックな小曲。ギター、エレピ、ドラムを中心にコズミック・ワールドへ誘ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=AMDF1C1w2EM

「Mirrors」
迫力のあるブラス・アンサンブル、夜に漂うようなShirley Tettehのギター、Chelsea Carmichaelのテナー・サックスのブロウが印象的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=GYxJ0w2wAEM

「Interplanetary Migration」
Mr Ekowのスポークンワードをフィーチャー。Patrick Boyleのロンドン新世代らしいドラミングが牽引するダイナミックで広大な宇宙を感じるアンサンブルでアルバムを締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GuHsMwfyLf4

ご興味がある方は本作に参加しているSarah Tandyのリーダー作あたりもチェックしてみては?

Sarah Tandy『Infection in the Sentence』(2019年)
posted by ez at 00:45| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月27日

Surface『Surface』

クワイエットストームな魅力に溢れた1枚☆Surface『Surface』

発表年:1986年
ez的ジャンル:クワイエットストーム系男性R&Bグループ
気分は... :You Make Me Happy!

今日は80年代のR&Bシーンの1つの大きな流れであったクワイエットストームを代表するR&BグループSurfaceのデビュー・アルバム『Surface』(1986年)です。

80年代後半から90年代初めにかけて大きな成功を収めたBernard JacksonDavid TownsendDave Conleyの3人組Surfaceの紹介は、『2nd Wave』(1989年)に続き2回目となります。

「Closer Than Friends」「You Are My Everything」「Shower Me With Your Love」という3曲のR&BチャートNo.1ヒットを生んだ『2nd Wave』(1989年)の印象が強い方も多いかもしれませんが、個人的には学生時代にアナログ盤でよく聴いていたデビュー・アルバム『Surface』(1986年)の方に愛着があります。

『Surface』(1986年)の頃は、一部R&Bファンのみに高い評価を得ていたグループといった感じでしたね。クワイエットストームの掘り出し物としてお気に入りでした。

メンバーは勿論、Bernard Jackson(vo、g、b、syn)、David Townsend(syn、p、g、back vo)、Dave Conley(syn、prog、per、fl、back vo)という3名。

プロデュース、ソングライティングもメンバー自身(一部、共同プロデュース、共作含む)。

全10曲、オリジナルLPのA面5曲がスロウ、B面5曲がダンサブル・チューンという分かりやすい構成です。

やはり、「Let's Try Again」「Happy」(US R&Bチャート第2位)、「Lately」(US R&Bチャート第8位)という3曲のシングルを含むスロウ系がハイライトです。「Gotta Make Love Tonight」も素敵なクワイエットストームだと思います。

ダンサブル系であれば、「Who Loves You」「Girls Were Made To Love」あたりが僕の好みです。

Bernard Jacksonのスウィートなハイトーン・ヴォーカルを中心とした魅惑のクワイエットストームを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Let's Try Again」
アルバムからの1stシングル。US R&Bチャート第22位となっています。この曲のみメンバーとIsham Jonesの共作です。ブラコン的な香りもするスロウ。Bernard Jacksonのスウィート・ヴォーカルの魅力を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=YCOemykibiA

「Happy」
アルバムからの2ndシングル。USチャート第20位、同R&Bチャート第2位というグループ初のヒット曲。元々はメンバーがUKのファンク・バンドHi-Tensionに提供した楽曲「You Make Me Happy」のセルフ・カヴァー。この印象的なイントロを聴くと、一気に学生時代にタイムスリップしたような気分になります。青春時代の思い出とリンクしてくる甘酸っぱい名曲です。今となっては電話の呼び鈴の音色が時代を感じてしまいますが、そんな懐かしさも含めて大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=YIC6MHLaZLs

定番サンプリング・ソースとしても大人気です。当ブログでも紹介したKool G Rap feat. Nas「Fast Life」Carl Thomas feat. LL Cool J「She Is」、Camelot II「Happy」、Tha M.O.B.B.「Mobbin' Was Meant to Be」、Ball Player「Voices in My Head」、Ruff Dogg, King Lou and Baby S「Mama Pray for Me」、69 Boyz feat. About 2「Da Set Pt. 2」、R. Kelly「Only the Loot Can Make Me Happy」、Totally Insane feat. Chunk and Mr. Keweed「Another Way」、Bookie「Blood Rush」、Kurupt feat. Soopafly, Tray Deee & LaToiya Williams「It Ain't About You」、Lil Blacky「Only You」、P.K.O. feat. Marques Calloway「More Than Friends」、G-Smoove「Shook It Up on Me」、Daz Dillinger「Rocc Wit Daz」、J-Hype feat. Dave C「Make It Happen」、Kid Cudi「Pillow Talk」、Keith Sweat「I'm the One You Want」、Ncredible Gang feat. Nick Cannon, Fat Joe & DJ Luke Nasty「Only You」等のサンプリング・ソースとなっています。
Kool G Rap feat. Nas「Fast Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=zp5EOREHcuY
Carl Thomas feat. LL Cool J「She Is」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZMfiojJGMsg
Camelot II「Happy」
 https://www.youtube.com/watch?v=V0FxLl9x7Fw
Tha M.O.B.B.「Mobbin' Was Meant to Be」
 https://www.youtube.com/watch?v=6RMjgIPZUGc
Ball Player「Voices in My Head」
 https://www.youtube.com/watch?v=g1gylSXncdk
Ruff Dogg, King Lou and Baby S「Mama Pray for Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=XRNvD-aL2WA
69 Boyz feat. About 2「Da Set Pt. 2」
 https://www.youtube.com/watch?v=QZlDVM11BUw
R. Kelly「Only the Loot Can Make Me Happy」
 https://www.youtube.com/watch?v=Q4guMGpqTRM
Totally Insane feat. Chunk and Mr. Keweed「Another Way」
 https://www.youtube.com/watch?v=VFpp5qCt6gg
Bookie「Blood Rush」
 https://www.youtube.com/watch?v=d4RGecS6QIc
Lil Blacky「Only You」
 https://www.youtube.com/watch?v=F8DVmhBLNEM
P.K.O. feat. Marques Calloway「More Than Friends」
 https://www.youtube.com/watch?v=KZ3KCQI7rnQ
G-Smoove「Shook It Up on Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=MB258301Duo
Daz Dillinger「Rocc Wit Daz」
 https://www.youtube.com/watch?v=NxP1KL6F2AQ
J-Hype feat. Dave C「Make It Happen」
 https://www.youtube.com/watch?v=fhcHXSAANQw
Kid Cudi「Pillow Talk」
 https://www.youtube.com/watch?v=tmw1ayOi5uQ
Keith Sweat「I'm the One You Want」
 https://www.youtube.com/watch?v=S8vqCeXpO4k
Ncredible Gang feat. Nick Cannon, Fat Joe & DJ Luke Nasty「Only You」
 https://www.youtube.com/watch?v=lseIPT6WUEw

「We're All Searchin'」
派手さはありませんが、Surfaceらしいメロディを楽しめるクワイエット・ストームなメロウ・ミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=KKAYGiUx6ZE

「Lately」
アルバムからの3rdシングル。US R&Bチャート第8位のヒットとなりました。この曲も学生時代に何度も聴きました。Surfaceのスウィートな魅力の詰まった名バラードだと思います。甘酸っぱい香りがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=7tnTDr7QlSA

「Gotta Make Love Tonight」
クワイエットストームなムードを楽しめるオトナ・バラード。今聴き直しても落ち着いたアーバンな雰囲気に惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=k5P55RavW-c

Camp Lo feat. Karachi R.A.W.「Crystals & Istols」のサンプリング・ソースとなっています。
Camp Lo feat. Karachi R.A.W.「Crystals & Istols」
 https://www.youtube.com/watch?v=0CvwmttYvIA

「Who Loves You」
アーバンなダンサブル・チューン。イントロのヴォーカルワークも含めてBernard Jacksonのスウィートなハイトーン・ヴォーカルの魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=kNl5wfiOYq0

「You're Fine」
悪くないダンサブル・チューンですが、アルバムの中でもは少し地味な存在かも?
https://www.youtube.com/watch?v=gLJcv3vwHUY

「Lady Wants A Man」
この曲のみDavid Rivkinとの共同プロデュース。妖しげな雰囲気なダンサブル・チューンですが、それを巧みなヴォーカルワークでスマートに聴かせてしまうのが彼らの魅力ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rcVO_epx4Gc

「Girls Were Made To Love」
派手さはありませんが、Surfaceらしさを満喫できるダンサブル・チューン。サウンドは抑えめでヴォーカルが引き立つようにしているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=WzIWUQJyM3o

「Feels So Good」
ラストはライト・メロウなダンサブル・チューンで締め括ってくれます。Dave Conleyのフルートがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YZ_-DFJ7vqY

Surfaceの他作品もチェックを!

『2nd Wave』(1989年)


『3 Deep』(1990年)
posted by ez at 03:03| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月26日

Lena Horne & Michel Legrand『Lena & Michel』

ベテラン女性シンガー、Michel Legrandとの共演作☆Lena Horne & Michel Legrand『Lena & Michel』

発表年:1975年
ez的ジャンル:N.Y.ソウルフル・ジャズ
気分は... :逍遥遊・・・

今回は1930年代後半からシンガー、女優として活躍してきた"Ice Beauty"Lena Horneが映画音楽の巨匠Michel Legrandと共演したアルバムLena Horne & Michel Legrand『Lena & Michel』(1975年)です。

Lena Horne(1917-2010年)はN.Y.ブルックリン出身。

父は黒人と白人のハーフ、母はアフリカン・アメリカン・シアターの女優という家系に生まれ、1938年にミュージカル映画『The Duke is Tops』で、美人ジャズ歌手としてデビュー。

アフリカ系アメリカ人の女優として差別的な待遇を受けた経験から、公民権運動に参加するなど高い政治意識を持っていました。夫であった白人ピアニスト/指揮者Lennie Haytonと共にフランスで活動していたこともあります。

Michel Legrandとの共演アルバムとなる本作『Lena & Michel』(1975年)は、70年代のLena Horneを代表する1枚であり、彼女のソウルフルな魅力を味わえる1枚に仕上がっています。

N.Y.レコーディングであり、レコーディングにはLena Horne(vo)、Michel Legrand(cond)
The Howard Roberts Chorale(back vo)、Cornell Dupree(g)、Joe Beck(g)、Paul Griffin(p)、Richard Tee(org)、Ron Carter(b)、Grady Tate(ds)、Ralph MacDonald(per)、(tp)、(tp)、(tp)、(tp)、Ray Beckenstein(fl)、Seymour Barab(cello)等のミュージシャンが参加しています。

プロデュースはMichel LegrandNorman Schwartz

Lena Horneの他作品を聴いたことがなく、Michel Legrandの名とバッキングを務める名うてのミュージシャンの面々に惹かれて本作を購入したというのが正直なところです。

そんな主役そっちのけで聴いた不届き者の僕ですが、アルバムを聴き終える頃にはLena Horneの豊かな表現力にすっかり魅了されていました。基本はジャズ仕込みのシンガーだと思いますが、LegrandやN.Y.の名うてのミュージシャンたちが彼女のソウルフルな魅力を引き出すことに成功しています。

個人的にはソウルフルな魅力を満喫できる「Being A Woman」「Nobody Knows」、ジャズ・サンバのエッセンスを取り入れた「Let Me Be Your Mirror」、そして「I Got A Name」「Loneliness」「Everything That Happens To You, Happens To Me」「Sad Song」といった感動バラードがおススメです。

ベテラン・シンガーらしい芳醇な魅力を堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「I Will Wait For You」
Michel Legrandが音楽を担当し、第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した、Jacques Demy監督のミュージカル映画『Les Parapluies de Cherbourg(シェルブールの雨傘)』(1964年)のテーマ曲の英語カヴァー(Michel Legrand/Jacques Demy作)。お馴染みの名曲をソウルフル&スウィンギーに聴かせてくれます。Lenaの雰囲気のあるヴォーカルをRon Carterのベース、Richard Teeのオルガンが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=acfGTPSUDLo

「I Got A Name」
スポーツ・アクション映画『The Last American Hero』(1973年)の主題歌をカヴァー(Charles Fox/Norman Gimbel作)。オリジナルを歌っていたのはJim Croce。ビューティフル・バラードをベテラン・シンガーらしい表現力で感動的に歌い上げます。Ray Beckensteinのフルート、Seymour Barabのチェロが感動を盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-HXRBzN1DFY

「Nobody Knows」
Michel Legrandが音楽を手掛けた映画『The Magic Garden Of Stanley Sweetheart』(1970年)の主題歌をカヴァー(Alan Bergman/Marilyn Bergman/Michel Legrand作)。オリジナルを歌っていたのはBill Medley。N.Y.レコーディングらしい都会的なバッキングがLenaのソウルフルな魅力を見事に引き出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=rJBR0gsGv-M

「Being A Woman」
Hal Hackady/Larry Grossman作。アルバムで最もソウル・フィーリングが色濃く出た曲。僕の一番のお気に入り曲でもあります。アルバム全編この雰囲気でも良かった位ですね。トランペット・ソロも格好良いです!
https://www.youtube.com/watch?v=STv0DDquZxM

「Let Me Be Your Mirror」
Hal David/Michel Legrand作。ジャズ・サンバのエッセンスを取り入れたメロウ・グルーヴは僕好み。Lenaの生き生きとしたヴォーカルと都会的なメロウ・サウンドの組み合わせがサイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=L0q4kaJQ_2k

「Loneliness」
Ken Ascher/Paul Williams作。Paul Williamのオリジナルはアルバム『A Little Bit Of Love』(1974年)に収録されています。情感を見事にコントロールしたLenaの表現力が際立つ素敵なバラード。孤独に負けない不屈の心を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=Y9wyql42Mrg

「Time In A Bottle」
USチャートNo.1となったJim Croceの大ヒット曲をカヴァー(Jim Croce作)。哀愁バラードを堂々とドラマティックに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=v-YQzVg14fI

「Everything That Happens To You, Happens To Me」
Hal David/Michel Legrand作。味わい深いバラードながらポップな魅力もあるのがいいですね。Hal David絡みということで、Dionne Warwickが歌うHal David/Burt Bacharach作品のような趣があります。
https://www.youtube.com/watch?v=osPjqerSxPE

「Sad Song」
Ken Ascher/Paul Williams作。「Loneliness」と同じく、Paul Williamのオリジナルはアルバム『A Little Bit Of Love』(1974年)に収録されています。ベテラン・シンガーらしい人生の年輪を感じる歌いぶりが実に味わい深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=juUBEdB3fV4

「I've Been Starting Tomorrow All Of My Life」
Hal David/Michel Legrand作。バック・コーラス隊を従えて、ゴスペル・フィーリングで歌い上げます。ミュージカルの一場面のような盛り上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=rUprFndf91U

「Thank You Love」
Bob Freedman作。夫婦の愛に感謝する感動バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=9FldFnKEBoI

「One At A Time」
ラストはMichel Legrandが音楽を担当した、Jacques Deray監督、Alain Delon主演の映画『La Piscine(太陽が知っている)』(1969年)の主題歌を英語歌詞でカヴァー(Alan Bergman/Marilyn Bergman/Michel Legrand作)。最初の英語ヴァージョンは(多分)Jack Jones(1971年)ではないかと思います。ラストはスウィンギーにリラックスした演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HMk9d_B66G8

ご興味がある方は、本作でも取り上げたMichel Legrandのサントラ作品、『Les Parapluies de Cherbourg(シェルブールの雨傘)』(1964年)、『La Piscine(太陽が知っている)』(1969年)あたりもチェックしてみては?

『Les Parapluies de Cherbourg(シェルブールの雨傘)』(1964年)


『La Piscine(太陽が知っている)』(1969年)
posted by ez at 00:04| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月25日

Jorge Ailton『Arembi』

ブラジリアン・アーバン・ソウル作品☆Jorge Ailton『Arembi』

発表年:2018年
ez的ジャンル:ブラジリアン・アーバン・ソウル
気分は... :レッセ・フェール・・・

今回はブラジリアン・アーバン・ソウル作品Jorge Ailton『Arembi』(2018年)です。

Jorge Ailtonはブラジル人男性シンガー・ソングライター、ベーシスト。

Lulu SantosPaula Toller等のバンドのベーシストとして知られると同時に、『O Ano 1』(2010年)、『Apresenta Cancoes em Ritmo Jovem』(2013年)、『Arembi』(2018年)という3枚のソロ・アルバムをリリースしています。

正直、本作『Arembi』以外の作品は聴いていないので、彼のアーティストとしての全体像を把握している訳ではありませんが、少なくとも本作はブラジル人アーティストならではのアーバンなソウル/R&B作品に仕上がっています。

レコーディングにはJorge Ailton(vo、b)以下、Fael Mondego(prog、vo)、Gustavo Corsi(g)、Claudio Cost(g)、Donatinho(key)、Rodrigo Tavares(key)、Marcos Kinder(ds)、Diogo Gomes(tp)、Wanderson Cunha(tb)、Julio Merlino(sax)、Lilian Valeska(vo)、Flavia Santana(vo)等のミュージシャンが参加しています。

Ed Motta好きも気に入りそうなタイトル曲「Arembi」、アーバンなブラジリアン・モダン・ソウル「Coadjuvante」、アーバン・メロウな「Isso Que Nao Tem Nome」、ブラジリアンAORな「Terceiro Sinal」「Deliciosamente」アコースティックなビューティフル・ソウル「Sine Qua Non」あたりが僕のおススメです。

ブラジリアン・アーバン・ソウルの魅力を十分に伝えてくれる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Arembi」
タイトル曲はホーン・サウンドが印象的なアーバン・ソウル。Ed Mottaあたりが好きな人も気に入りそうなオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=p6g_Ksdh9W0

「Coadjuvante」
ブラジリアン・モダン・ソウルと呼びたくなるモダンなセンスがいいですね。メリハリの効いたアーバン・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dHCSLzgsX88

「Isso Que Nao Tem Nome」
シンセの響きが印象的なアーバン・メロウ。80年代ブラコンを現代ブラジリアン・ソウルにアップデートさせた感じがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=o1jTPMebjGM

「Terceiro Sinal」
アコースティックな質感をうまく取り入れたミディアム・ソウル。ブラジリアンAORとしての楽しめる1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=rZXs4H7UQaA

「Caroco」
哀愁モードのブラジリアン・モダン・ソウル。口ずさみやすいキャッチーなサビが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ypOchKTM_Vg

「Deliciosamente」
このトラックもブラジリアンAOR的な魅力があります。さり気ないですが、いい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=v_iwfsFQJps

「Bate E Volta」
ヴォコーダー使いのミディアム・グルーヴ。ヴォコーダーに頼りすぎない感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Qk7Jgp6YuT8

「Sansara」
ジェントルな雰囲気のメロウ・チューン。少し寂しげな雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Rj-EsumpgvI

「Sine Qua Non」
アコースティックなビューティフル・ソウル。ブラジル音楽好きの人であれば、このメロディアスな雰囲気も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Z6OE1vu_N3I

「Nao Necessariamente Nessa Ordem」
ポップ・ソウル調の仕上がり。80年代な雰囲気もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=tPBfHvsv-vo

「O Inicio」
格好良いブレイクと共には始まるダンサブル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=g6DiUyEkMe0

ご興味がある方はJorge Ailtonの他作品もチェックを!

『O Ano 1』(2010年)
posted by ez at 01:29| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする