ピアニストJacky Terrassonとの共演盤☆
Cassandra Wilson『Rendezvous』♪
発表年:1997年
ez的ジャンル:ブルージー女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :整った!!!
最高峰の女性ジャズ・シンガーの一人、"
プリンセス・オブ・ダークネス"こと
Cassandra Wilsonがジャズ・ピアニストの
Jacky Terrassonと共演した
『Rendezvous』(1997年)です。
これまで当ブログで紹介した
Cassandra Wilsonは以下の8枚(発売年順)。
『Point Of View』(1986年)
『Days Aweigh』(1987年)
『Jumpworld』(1990年)
『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)
『New Moon Daughter』(1995年)
『Traveling Miles』(1999年)
『Belly Of The Sun』(2002年)
『Glamoured』(2003年)
Blue Noteへ移籍し、
『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)、
『New Moon Daughter』(1995年)という2枚で、ブルース、R&B、カントリー、ロック、ポップも飲み込んだディープ・ヴォーカルで女性ジャズ・ヴォーカリストの頂点に上り詰めた
Cassandra Wilson。
そんな絶頂期の"
プリンセス・オブ・ダークネス"がジャズ・ピアニストの
Jacky Terrassonを迎えて制作した共演アルバムが本作
『Rendezvous』(1997年)です。
前2作のあまりに完成度が高く、濃密だったので、一度リフレッシュする意味でこういった共演アルバムを挟んだのかもしれませんね。
レコーデイング・メンバーは
Cassandra Wilson(vo)、
Jacky Terrasson(p、el-p)、
Lonnie Plaxico(b)、
Mino Cinelu(per)というシンプルな編成。2曲のみPlaxicoに代わり
Kenny Davis(el-b)が参加しています。
プロデュースは
Bob Belden。
楽曲はポピュラー・スタンダードのカヴァーが中心です。前2作はギターによるバッキングが中心だったで、ギターなしのピアノによるバッキングが新鮮に映るかもしれませんね。
『Blue Light 'Til Dawn』、
『New Moon Daughter』以上にストレートなジャズ作品ですが、別の視点からプリンセス・オブ・ダークネスの魅力に触れることができる1枚なのでは?
上記ジャケは国内盤です。
輸入盤ジャケはこんな感じです。
『Rendezvous』(輸入盤)
全曲紹介しときやす。
「Old Devil Moon」Yip Harburg/Burton Lane作。1947年のミュージカル『Finian's Rainbow』挿入歌をカヴァー。静寂の中に流れるプリンセス・オブ・ダークネスの低音ヴォーカルの凄みを感じるディープなオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=CedVJagXFOY本曲に関して、当ブログでは
Sonny Rollins、
Chet Baker、
Bossa Rio、
Milt Jackson With Hubert Lawsのカヴァーも紹介済みです。
「Chan's Song」ジャズ・サックス奏者
Dexter Gordonが主演し、ジャズ・ジャイアント
Bud Powellをモデルとして描かれたジャズ・ミュージシャンの映画『Round Midnight』(1986年)の挿入歌をカヴァー(
Herbie Hancock/
Stevie Wonder作)。僕も大学生のときに本作を観て、ジャズへの興味を喚起された一本です。オリジナルではBobby McFerrinがヴォーカルをとっていました。ここでは主役のCassandra抜きのインスト演奏で聴かせてくれます。抑えたトーンながらも軽やかな雰囲気がいいですね。ピアノのみならずエレピの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=qwhvehDzn7A「Tennessee Waltz」スタンダードとしてのお馴染みのポピュラー・カントリー名曲をカヴァー(Pee Wee King/Redd Stewart作)。エレピをバックにディープでブルージーな「Tennessee Waltz」を楽しめます。プリンセス・オブ・ダークネスらしさ全開の絶品カヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=4zqAcbwlxEs本曲に関して、当ブログでは
Lou Donaldson、
Ramsey Lewis Trioのカヴァーも紹介済みです。
「Little Boy Lost」Shirley Basseyが歌った映画『美しき愛のかけら(Pieces of Dreams)』(1970年)の主題歌「Pieces of Dreams」をカヴァー(Alan Bergman/Marilyn Bergman/
Michel Legrand作)。ピアノのみのバッキングで抑えながらも感情の機微を絶妙に表現した素晴らしいヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_H60sr0Ivyg「Autumn Leaves」シャンソン名曲であり、英語詞版もポピュラー・スタンダードとしてお馴染みの「枯葉」をカヴァー(Joseph Kosma/Johnny Mercer/Jacques Prevert作)。この演奏もCassandra抜きのインストです。Terrassonのピアノ、エレピのみによるミステリアスな「枯葉」を聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=dFTh5hOe3iI当ブログでは
Bill Evans Trioのカヴァーも紹介済みです。
「It Might as Well Be Spring」Oscar Hammerstein II/Richard Rodgers作。映画『State Fair』のために1945年に書かれ、アカデミー賞のBest Original Songを受賞した名曲をカヴァー。Cassandraらしいダーク&ミステリアスなジャズ・ワールドとTerrassonらのバッキングが見事に調和した演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=PgbFTOZyR4c当ブログでは
Stacey Kent、
Lou Donaldsonのカヴァーも紹介済みです。
「My Ship」ブロードウェイ・ミュージカル『Lady in the Dark』(1941年)のために書かれた楽曲をカヴァー(Ira Gershwin/Kurt Weill作)。オーセンティックな雰囲気の中でLonnie PlaxicoのベースがCassandraのヴォーカルをナビゲートします。
https://www.youtube.com/watch?v=8suTdDvBNJE当ブログでは
Alice Babsのカヴァーも紹介済みです。
「I Remember You」映画『The Freet's In!(邦題:艦隊入港)』(1942年)の挿入歌をカヴァー(Johnny Mercer/Victor Schertzinger作)。スウィンギーに疾走するバッキングに合わせて、Cassandraのヴォーカル&スキャットも軽やかです。
https://www.youtube.com/watch?v=0zhRbNeffIk「Tea for Two」1924年のミュージカル『No, No, Nanette』のために書かれたポピュラー・スタンダードをカヴァー(Irving Caesar/Vincent Youmans作)。このメンバーらしい雰囲気で個人的にもお気に入りの演奏です。笑い声が交じり、リラックスしながらもコントロールの効いたCassandraのヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=IVxWIv2DaDo当ブログでは
Nick DeCaroのカヴァーも紹介済みです。
「If Ever I Would Leave You」1960年のミュージカル『Camelot』挿入歌をカヴァー(Alan Jay Lerner/Frederick Loewe作)。引き算の美学を感じる抑えたトーンと間の表現が素晴らしい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=bxeAojEhZbw当ブログでは
Fred Hersch Trio、
Kenny Dorhamのカヴァーも紹介済みです。
「Chicago 1987」Jacky Terrasson作。本編ラストはJacky Terrassonのオリジナルによるブルージーなピアノ・ソロで締め括ってくれます。。
https://www.youtube.com/watch?v=IEnO7INb8Icここから2曲は国内盤CDボーナス・トラック。
「Come Rain or Come Shine」ミュージカル『St.Louis Woman』(1946年)のために書かれたスタンダードをカヴァー(Johnny Mercer/Harold Arlen作)。オーセンティックな中にもプリンセス・オブ・ダークネスらしさが滲み出てくるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=LyMLXPxeRVw当ブログでは
Bill Evans Trio、
Dinah Washington、
Wes Montgomery、
Monica Zetterlund with Bill Evans、
Aura Urziceanuのカヴァーも紹介済みです。
「Medieval Blues」 Mino Cinelu作。Cassandra抜きのブルージーなインストです。T
Cassandra Wilsonの過去記事もご参照下さい。
『Point Of View』(1986年)
『Days Aweigh』(1987年)
『Jumpworld』(1990年)
『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)
『New Moon Daughter』(1995年)
『Traveling Miles』(1999年)
『Belly Of The Sun』(2002年)
『Glamoured』(2003年)